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2009年2月24日 (火曜日)

ソフトバンク:子どもの安心・安全に関する取り組み

ソフトバンクは,そのホームページで「子どもの安心・安全に関する取り組み」を公開している。

 子どもの安心・安全に関する取り組み
 ソフトバンク
 http://www.softbankmobile.co.jp/ja/csr/activities/customer/child/

 ソフトバンクモバイル、安全なケータイ利用への取り組みを紹介するサイトを開設
 CNET Japan: 2009/02/23
 http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20388698,00.htm

このサイトに書かれていることを読んでみたら,「ルール作りのポイント」として次の3点が掲げられていた。

 1.他人に迷惑をかけないよう,マナーを理解する。
 2.トラブルにならないように,メールやインターネットの使い方について話し合い,対策を考える。
 3.使いすぎないように家庭でルールや工夫について話し合う。

これらの事項は,いずれも常識的なものであり,それ自体について特に異論はない。

しかし,よく考えなければならないことがあるように思う。それは,「これらのルールは,比較的健全な家庭生活が存在していることを前提にしている」ということだ。これは,いわば「環境」または「メタルール」のようなもので,それが期待できない状況の下では,ルール形成が機能しない。例えば,子どもに対する養育について全く関心のない親,崩壊しきっている家庭,放置されている子どもなどの場合には,どうにもならない。しかも,そのような状況にある家庭または親子は,予想を超えてかなり多数に及んでいる可能性がある。

つまり,正常だと想定されている家庭を前提にした対応策だけでは,現実に存在する社会の中で何割かしか機能しない可能性がある。

実際,社会の中では,自動車や歩行者の信号無視から始まって,道路でのゴミのポイ捨て,電車の中での携帯電話による通話等々,マナーの「マ」の字も知らない大人が余りにも多すぎる。その数が非常に膨大であるため個々に洗脳または再教育するこは不可能だ。

結論的に言うと,社会が健全に機能していることを前提にした対応策だけでは無力と言わざるを得ない。社会が既に崩壊していることを前提にした対応策も考えなければならない。

結局のところ,ホッブスの哲学は常に正しい。

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