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2009年2月21日 (土曜日)

クリエイティブコモンズ6周年パネル

昨年12月にクリエイティブコモンズ(Creative Commons)6周年のパネルディスカッションがハーバード大学で開催されたようなのだが,その模様がウェブ上で公開されている。

 Creative Commons Panel at Harvard Cyber Law
 The html times: February 9th, 2008
 http://htmltimes.com/creative-commons-panel-at-harvard-cyber-law.php

 The Commons: Celebrating Accomplishments, Discerning Futures
 Berkman Center for Internet & Society
 http://cyber.law.harvard.edu/interactive/events/2008/12/creativecommons

著作権の保護に関するクリエイティブコモンズのアプローチは評価できる。画一的な保護ではなく,多様な保護のあり方があってしかるべきであり,それが統一的な方法で表示されるやり方は賢明と言えるだろう。

しかし,そもそも創作物は内容的にも形式的にも流通的にも「自由であること」を常に望んでいる。著作権保護団体が強い姿勢で臨むのは,著作物から得られる可能性のある金銭的利益の確保を追及するという「自由」を第一義的に重んじているだけに過ぎない。

著作物が「自由であること」を起源として発生するものであり,その形式及び流通もまた「自由であること」を常に望むものである以上,果たして著作物の利用と管理について統一的な方式によることと,著作物が本来的に「自由であること」を起源とすることとが本質的に相互に馴染むものなのかどうか,疑問がないわけではない。実は,このことは,著作物を著作権法という法的手段で管理することそれ自体が自己矛盾なのではないかという疑問をも含んでいる。おそらく,著作物をめぐる様々な議論の根源は,ここらへんにあるのではないかと思う。

ともあれ,クリエイティブコモンズが今後どのようになっていくのか,更にウォッチングを続けることにする。

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