デジタル窃盗
ITの世界では,良い意味でも悪い意味でも日夜面白い新語(?)が製造され続けている。その語だけでは意味がわからないことが多い。文脈を知らないとどうにもならない。しかも,法律用語として扱おうとすると,かなり問題のあるものも多い。法理論が古いのか,新語のほうが自由奔放過ぎるのか,そのどちらであるかは各自の判断と言うべきだろう。
ところで,ちょっと調べものをしていたら,「デジタル窃盗(Digital Theft)」とい語が目に留まった。どうやら,ハリウッドの映画業界が製造・販売しているDVDコンテンツなどの違法コピーを指す用語らしい。映画業界では,このような違法コピーに対する訴訟攻勢を強めているようだ。
Hollywood Studios Battle Digital Theft
Red Orbit: 6 February 2009
http://www.redorbit.com/news/technology/1635210/hollywood_studios_battle_digital_theft/
映画業界や音楽業界にとっては,コンテンツは非常に重要な収入源の一つだ。だから,違法コピーがはびこるようだと死活問題となってしまうので,訴訟攻勢を強めるのは当然の姿勢として理解できる。しかし,現代の若者文化をずっと観察していると,無料のコンテンツをダウンロードして「消費」することに慣れきってしまっている。そこには,非常に大きな精神的・心理的なギャップが存在する。
そして,そのような精神文化のようなものを育成してきたのは,他ならぬ映画業界や音楽業界を含むコンテンツ業界自身でもあることは否定しようがない。コピーされたくなければ,デジタル製品を製造・販売しなければよかったはずだ。業界は,「デジタル情報化されない権利」を主張して自己防衛するのが最も得策だったと言えるかもしれない。けれども,時すでに遅い。
果たして今後の世界がどうなっていくのか,とても興味深い観察対象であることは疑いがない。
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コメント
キメイラさん こんにちは。
本当に困った少年ですね。おっしゃるとおり,もっと有意義なことに能力を使うべきだったと思います。
とは言っても,無駄なことに時間とお金を費やしてしまうオジサンがいっぱい存在することもまた事実ではありますが・・・(笑)
投稿: 夏井高人 | 2009年2月 7日 (土曜日) 17時10分
日本では中3少年がハッカー?からIDとパスワードというデジタルデータをハッキングして窃盗したようです。ボットのコード解析というスキルを使ったらしいので,そんな高度スキルが有用なことに使われないのは残念ですが。
ビルGもそうですけど,真のハッカーは中高生で基本的スキルを身に付けるわけで(冷汗。
http://slashdot.jp/security/09/02/06/0046219.shtml
投稿: キメイラ | 2009年2月 7日 (土曜日) 04時57分