Sonyと関連する訴訟案件
Sonyと関連する訴訟案件の報道が連続している。新たに報道されているのは、下記のとおり。
米ソニーBMG、子どものプライバシー保護法違反で100万ドル支払い
AFP: 2008年12月12日
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2549007/3600083
ソニー、ビクターなど、MPEG2の特許訴訟で独COMAG社と和解
IP Next: 12/12/2008
http://www.ipnext.jp/news/index.php?id=5258
これらの記事のうち、ソニーBMGに関する事件の報道は特に重要と思われる。日本では、きわめて安易に個人情報の取得がなされるのが普通だし、DRMの中には自動的に個人情報を取得してしまうものがかなりある。CRMについてもほとんど無法状態に近い。ビジネスの側でコンプライアンスの意識が希薄であり、まともな法律家の意見に耳を傾けようとしない場合には、結果的に、巨額の賠償責任を負うことがあり得る。
まして、個人情報の本人が未成年者や障害者等である場合、他の様々な法律問題も関係してくるが、現状をみる限り、そのようなことに対する意識はきわめて低いと言わざるを得ない。
日本でこのような問題があまり鮮明にならないのは、日本の裁判所が損害賠償額の認定において理不尽なまでに低額すぎるとことや、それぞれの分野における監督官庁が十分に機能していないことにも起因していると思われる。
さて、Sonyは、テレビ製造部門の再編のため大規模なリストラを発表したばかりだ。果たしてこの苦境を乗り越えることができるだろうか?
[このブログ内の関連記事]
Sonyに対する著作権侵害訴訟で陪審が侵害の評決
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/sony-ca84.html
[追記:2008年12月15日]
関連記事を追加する。
Sony music unit accused of disclosing personal data of children
International Herald Tribune: December 11, 2008
http://www.iht.com/articles/2008/12/11/technology/sony.php
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