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2008年12月14日 (日曜日)

スタンフォード大学の知的財産権訴訟データベース

スタンフォード大学ロースクールでは,2000年以降の米国における特許訴訟をデータベース化した。このデータベース(Stanford IP Litigation Clearinghouse)には,現時点で2万3000件以上の判決が収録されているとのことだ。

 Stanford IP Litigation Clearinghouse
 http://www.law.stanford.edu/program/centers/iplc/

 Surprises Found in Data on IP Suits
 Law.com: December 10, 2008
 http://www.law.com/jsp/article.jsp?id=1202426615621

このデータベースで当事者名をソートしてみると,いかに多数の者が特許関連訴訟と関係しているのかを調べることができる。恐るべき数字だ。

日本国憲法の下においても訴訟は公開法廷で実施されなければならないことになっているので,当事者名を含む訴訟情報は本来公開されなければならないはずのものなのだが,日本国の法律家の中には訴訟においてもプライバシーが存在すると考える者が多く,裁判所もその見解を採用している。このため,訴訟事件における当事者名の詳細な検索は(ごく一部の例外を除き)ほとんど不可能な状態となっている。このことは,少なくとも日本国の知的財産権戦略上,非常に大きなネックになっていると考えることができる。

また,裁判所のサイトや公式判例集に収録されている判決例は実際に存在する判決の中のごく一部に過ぎないため,日本の裁判所が本当はどのような仕事をしているのかについては(日本国の最高裁長官をはじめとする全ての裁判官を含め)誰一人として知ることができない状況にある。つまり,日本の法律家は,日本の訴訟の現況を知るための情報をほとんど手に入れることができないような状況で研究し仕事をしていることになる。これは,かなり大きな問題であると指摘せざるを得ない。

今後,最高裁は根本的なところで訴訟情報の取扱いポリシーを再検討すべき必要があるだろうと思われる。

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