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2008年12月 1日 (月曜日)

オーストラリア:児童福祉団体がインターネット上の有害情報へのフィルタ強制導入を推進

インターネット上の有害情報に関しては日本でも随分と議論がなされてきた。そもそも何が「有害情報」であるのかについては様々な見解があるのだけれども,理論的には,違法な情報とそれ以外の情報に分けるしかなさそうに思われる。そして,「それ以外の情報」の中には主観の相違によって有害であったり有害でなかったりするものも含まれるので,問題は簡単ではない。

しかし,いつまでも形而上学的な議論ばかりしているわけにもいかない。

この問題について,日本国政府は,関連する研究会での検討結果等を踏まえた上で,一定の判断指針を示している。

 内閣官房:インターネット上の違法・有害情報対策
 http://www.it-anshin.go.jp/

ここで採用されている有害情報対策としては,フィルタの導入,ISPレベルでの対応,相談等口の設置,モラル教育の推進等となっている。

現実には,人間社会がそもそも競争社会であるだけではなく,この世に生きているのが「まともな大人」ばかりではないという根本的な自己矛盾があるため,これらの有害情報対策を貫徹することは最初から不可能であると思われるし,完全に有効な対策であるとは思われない。しかし,少なくとも違法情報について,何もしないよりはいくらかの効果をあげることができるのではないかと思われる。

ところで,このような取組みは世界共通のものとして行われてきている。オーストラリアでの状況も同じような感じになっているらしい。最近のニュース記事の中で次のようなものを見つけた。

 Children's welfare groups slam net filters
 the age: December 1, 2008
 http://www.theage.com.au/articles/2008/11/28/1227491813497.html

このような世界的動向を踏まえた上で,今後検討すべき課題としては,インターネットは加害行為のための経路の一つに過ぎないということを明確に自覚・認識することではないかと思われる。携帯電話やモバイルを含め,インターネット以外にも様々な経路が存在する。

ただし,よくよく熟慮した上で対応するのでないと,逆に,より大きく深刻な問題が生じてしまうことがあり得る。何らの制約条件もなくどんどん制限を拡大していくと,結局,最後は「表現の自由」を含む人間の自由が何もなくなってしまいかねないからだ。

これらの問題との取組みは,結局のところ,「人間社会をどのように構築すべきか」という根本問題に帰着するのかもしれない。

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