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2008年12月31日 (水曜日)

ストリートビューにおける日米差

ストリートビューについては,様々な問題がある。私は,プライバシー,肖像権,著作権などの問題ほか,防犯・防衛上の問題もあることを指摘してきた。ここにきて,人種差別問題のようなものもあることが判明した。

つまり,米国では撮影されていないような私的環境の濃厚な地域が日本ではどんどん勝手に撮影されてしまっているという問題だ。このことについては,下記の記事を読んで認識することができた。高木浩光さんの実証的検証態度には頭が下がる。

 米国ではストリートビュー撮影されない住宅街の道
 高木浩光@自宅の日記: 2008年12月28日
 http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20081228.html

もしGoogleが,米国人であれば保護されなければならないが,日本人では無視してもかまわないと思ってこのようなことをしているのだとすれば,それは明らかな人種差別にあたるだろう。

もしGoogleが,意図的にそのようなことをしているのではないとしても,現実にそのような結果が発生してしまっていることは事実なのだから,過失によって人種差別をしているという批判を免れることはできないだろう。少なくとも従業員に対する監督がぜんぜんできていないのかもしれないということを容易に推測することができる。

ストリートビューにはあまりにも問題が多すぎる。

たしかに,ストリートビューを歓迎する「おばか」なネットユーザが大勢いることも事実だ。

しかし,自分が他人を観ることは許容されるべきだが,他人が自分を観ることは許さないといったような片面的な態度は許されない。

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ロシアの電子決済システムWebMoney

日本には何種類もの電子的な決済手段が存在する。最も成功したのはJR東日本のSuicaかもしれない。これは,東京という日本最大の消費地が存在していることに負うところが多いかもしれない。ネット上にも様々なものがあるが,ハッキングされたものもあり,その経営はなかなか簡単ではなさそうだ。うまくいっているのは,VISAなどのネット上のクレジット決済だけかもしれない。そして,ネットの電子マネーとなると,さらに難しい問題がいろいろある。このことは日本だけではなく世界中どこでも同じだ。しかし,世界では,電子的な決済手段の開発・運用が進められてきた。

ロシアでは,WebMoneyなる電子的決済手段があるという。しかし,実際にどの程度の信頼性を維持しているのかについては,よく判らない部分が多い。下記の記事が出ていた。

 WebMoney, how it appeared this year
 Ecommerce Journal: 30.12.2008
 http://ecommerce-journal.com/articles/12196_webmoney_how_it_appeared_this_year?drgn=1

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サイバーブライド

メールオーダーによる国際結婚なるものがあるそうだ。人身売買に該当するものもあるかもしれないが,仮にそうでないとしても,かなり問題がありそうだ。

 Issues: Here comes the cyber-bride
 nstonline: 2008/12/21
 http://www.nst.com.my/Current_News/NST/Sunday/Focus/2432167/Article/index_html

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私立大学の資産運用の実態

私立大学における投資の失敗に関連する記事がまた出ていた。

 運用評価損有名私大に明暗 慶大はダントツの225億円
 JCASTニュース: 2008/12/30
 http://www.j-cast.com/2008/12/30032997.html

結局のところ,本当のことはよく判らないことが多い。

監査法人が大学の経営者と結託しているところではちゃんとした監査がなされないのは当然だ(そもそもまともに会計監査を実施していないところもあるらしい。)。

屁理屈をこねてごまかしているところもあるだろう。例えば,外国債の場合,為替差損をきちんと考慮にいれなければならないはずなのだが,ここらへんがあまり明確にはされていない。

様々な理由で,投資している金融商品等の細目,採用している会計基準,為替レートや株価等の時点,それらを適用して評価した場合の資産評価額などについて,正しい情報公開がなされていないことが多い。これらに関する情報は秘密情報であってはならない。少なくとも,学費を納めている者及び文部科学省に対してはその詳細が明確に公開されるべき情報というべきだろう。

しかし,投資の明細を明らかにしている大学は少ない。正確な情報が公開されていないところでは,完全な嘘でもまかりとおってしまうことが可能だ。

そもそも「財」の価額そもののが固定的な存在ではなく,評価者の主観に基づく評価額であったり期待値であったりするのに過ぎない(そもそも,およそ「価値」なるものは「主観」に過ぎない。)。財の価額は需要と供給の関係によって浮動的に決まるものであるので,固定的な価額など最初から存在しない(社会主義国や共産主義国のような統制経済の国でさえ,特定の品目に対して固定的な価格を設定することは可能かもしれないが,当該品目の分量や品質や供給までを保障することは常にできないから,常に闇市場が形成されることになり,結果的に,価格統制は常に失敗する。)。

したがって,会計や経理もまた「客観」であることはあり得ず,常に財の浮動的な価額に対する「値踏み」に基づく「主観の表明」であるしかない宿命を負っている(そのような主観的なものを「客観的だ」と言い張り続けざるを得ないところに,会計や経理の原罪が存在する。)。つまり,主観的な判断要素によっていくらでも変えることができる世界だ。

しかし,このことは,別のことも意味する。つまり,もし詳細についての情報公開がされれば,誰かが別の判断基準に基づいて計算することも可能となる。そして,そのほうがきちんとした計算や評価になっていることもあり得る。けれども,そのようにして別の評価基準に基づく計算や評価がなされてしまうと,屁理屈をこねることによって隠し通してきた損失の額が明るみになってしまうかもしれない。「経営責任を問われかねない」と考える経営者にとっては,それは非常にまずいことに違いない。だから,机上の推論としては,実質的に粉飾決算のようなことを行っているところがあり得る。

一般論としては,電子技術を駆使して,リアルタイム評価のための手法(会計における常時監視システム)を構築することが今後の会計学における最も重要な課 題のひとつになるべきだろう。常に現時点での資産評価を実行できる環境を構築するのだ。一定の期間(決算期間)毎にタイムラグのある評価を実施している限 り,結局は「何も判らない」ということで終わるしかない。仮にある特定の時点における評価が客観的に正しいものであったとしても,その評価を終えた1分後 には状況が変化してしまっているから,1分前に完了した評価は,現時点での評価としては本当は無意味な存在になってしまっているはずだ。理論的にはそうい うことにならざるを得ないだろう。

たまった膿が破裂し噴出するときが怖い。

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サイバー犯罪は不況の影響を受けない

当たり前のことだと思うが,不況になれば犯罪は増加する可能性が高くなる。景気が悪くてもサイバー犯罪は増加し得る。下記の記事が出ている。

 Crime to boom as downturn blooms
 BBC: 30 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/7797946.stm

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Facebookで母乳育児の写真が強制的に削除される

Facebookでは,裸体を晒す写真を公表してはならないことになっているらしいのだが,母乳育児写真もそれに該当するとして大量に削除されてしまった模様だ。

 Mums furious as Facebook removes breastfeeding photos
 Guardian: 30 December 2008
 http://www.guardian.co.uk/media/2008/dec/30/facebook-breastfeeding-ban

「ネット上の倫理基準なるものがいかに恣意的に解釈され得るか」ということを理解するためには「判りやすい事例」の一つだというべきではないだろうか?

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2008年12月30日 (火曜日)

第6回国際教育協力日本フォーラム

下記の会議が開催される。

 第6回 国際教育協力日本フォーラム
 日時:2009年2月6日 (金)
 主催:外務省,文部科学省,広島大学,筑波大学,神戸大学
 後援:国際協力機構(JICA)
 場所:学術総合センター (東京都千代田区一ツ橋2丁目1番2号)
 参加申込期限:平成21年1月30日
 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/12/08121003.htm

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サイバー犯罪者はセンシティブな個人情報の入手を狙っている

サイバー犯罪が国際的に組織化されつつあり,巨大な地下経済を形成しつつあるという指摘があちこちでなされている。クレジットカード情報など「すぐに金になる情報」が狙われることが多いけれども,それ以外にも犯罪者が狙う情報はたくさんある。センシティブな情報が奪われた場合,直接的な被害だけではなく,あとあとまで大変な被害が拡大するおそれがある。この点に関して,下記の記事が出ている。

 Cyber Espionage Targets Sensitive Data
 TMCnet.com: December 29, 2008
 http://sip-trunking.tmcnet.com/topics/security/articles/47927-cyber-espionage-targets-sensitive-data.htm

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独立行政法人海洋研究開発機構:任期制職員募集

独立行政法人海洋研究開発機構では,任期制職(採用日から平成22年3月31日まで)を募集している。業務内容は,学術機関リポジトリに係る研究成果発信業務。応募締切は,平成21年1月26日(月)。詳細は,下記のとおり。

 独立行政法人海洋研究開発機構:任期制職員
 http://hp.rhp.jp/~jamstecsaiyo/bosyu_youkou.html?id=48363

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IPA:事務官募集

IPAでは事務官を募集している。業務内容は,情報処理技術者試験の実施に係る事務局運営。応募締切は,2009年2月20日(金)。詳細は,下記のとおり。

 IPA:採用について
 http://www.ipa.go.jp/about/recruit/200812/h20fy-5/index.html

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著作権侵害で,中国中央電視台が訴えられる

中国の中国中央電視台(China Central Television)によるテレビ番組の放送が著作権法違反になるとして北京にあるQiusuo Hengda Investment Consulting Co., Ltd.という会社から損害賠償の支払いを求める訴訟を提起されたようだ。Qiusuo Hengdaの主張によると,Qiusuo Hengdaが独占的に放映権を有する「意難忘 (Yi Nan Wang)」というテレビ映画を中国中央電視台が勝手に放送してしまったとのこと。

 CCTV.com Sued For Copyright Infringement In China
 China Tech News: December 30, 2008
 http://www.chinatechnews.com/2008/12/30/8367-cctvcom-sued-for-copyright-infringement-in-china/

事件の詳細はよく判らないが,日本国の著作権法に当てはめて考えてみると,もしQiusuo Hengdaが保有している権利が公衆送信可能化権(公衆送信権)だけだったと仮定すると,他の者が電波を用いて同じコンテンツを放送したとしても,著作権侵害にならないのではないかと思われる。ただし,放送権と公衆送信可能化権とを区別しない法制の下では,確かに問題となり得るかもしれない。

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ベトナムでもネット詐欺急増

社会主義国であるベトナムでもインターネットを使った電子商取引や送金などが盛んに行われているようだ。2008年になって,ネット詐欺が急増しているとのこと。

 Banks unite to fight against hackers
 Saigon: Dec 29, 2008
 http://www.saigon-gpdaily.com.vn/Business/Banking_Finance/2008/12/67458/

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監視国家

国が徹底したネット監視をするのは社会主義国家だけかと思っていると,それは大きな間違いだ。世界中あちこちに監視国家は存在する。下記の記事では,エジプト,イラン,中国及びオーストラリアを監視国家としてあげた上で英国が間もなくそれに加わると述べている。

 Is there a global left wing conspiracy to kill the Internet?
 Inquisitr: December 27, 2008
 http://www.inquisitr.com/13421/is-there-a-global-left-wing-conspiracy-to-kill-the-internet/

しかし,上記の記事中では,「英国次は米国もそうなるだろう」という趣旨のことが書かれているけれども,その認識は甘いように思う。テロ対策という名目で,米国では既にインターネットに対する徹底した監視が行われている。

また,世界の中に数多く存在する独裁主義の国では,インターネットに対する監視がないわけがない。

というように考えてみると,世の中,国による監視のない国家は比較的珍しいかもしれないということに気付くことになるのだ。

「プリズナー No.6」で描かれている世界は,架空のものではなく,現実の社会そのものの写生のようなものなのだろう。

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2008年12月29日 (月曜日)

米国:中高年を狙った詐欺についての警告

米国のカリフォルニア州政府は,中高年を狙った詐欺が増加するとして警告を出している。日本でも「振り込め詐欺」の被害者の中には中高年が多いから事情は同じということなのだろう。

 Scam Alert: Seniors face many threats
 modbee.com: December 28, 2008
 http://www.modbee.com/business/story/546115.html

このように日米で同じような類型の詐欺事犯が発生している背景には,やはりインターネットはじめとする通信手段が発達し,また,高速道路の整備などによって長距離の移動が簡単にできるようになってしまったという時代的な背景があるのではないかと思う。

かつては,比較的狭い範囲の地域内で人々は暮らしていた。そして,そのような移動性の乏しい社会に適した生き方をしていた。しかし,そのような生き方は,時間と距離の障壁を非常に低くしてしまった現代社会では適切なものではなくなってしまってきているのだろうと想像する。

このことは,警察でも同じだ。比較的狭い地域だけを念頭に置いた捜査方法だけでは無意味な時代がやってきている。

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インド:e-チケット詐欺で5人が逮捕される

インドでもインターネットを使った鉄道や飛行機のe-チケットの販売が盛んに行われているようなのだが,偽造されたクレジットカードを用いてe-チケットを購入するという詐欺事件も横行していたらしい。5人が逮捕されたとのこと。

 Four held for Rs 5-crore e-ticketing fraud
 Times of India: 28 Dec 2008
 http://timesofindia.indiatimes.com/Delhi/4_held_for_Rs_5-cr_e-ticketing_fraud/articleshow/3904725.cms

日本でも同じような犯罪事例があるのじゃないかと想像する。

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RIAAによるモニタリングが新たなプライバシー侵害になるとの批判

最近,RIAAは,以前のクリントン政権当時と同じくらい強気で,個人による著作権侵害行為に対する対抗措置を実施し続けている。その前提として,RIAAはトラフィック解析のためにありとあらゆる手段を講じているのだが,それが新たなプライバシー侵害になるのではないかとの議論を呼んでいるようだ。

 Privacy Abuse by Technology
 ZD Net: 26 December 2008
 http://community.zdnet.co.uk/blog/0,1000000567,10011738o-2000440676b,00.htm

私の個人な意見としては,次のとおりだ。

1) 図書館に行って本を静かに読もう!

2) 図書館に行くのが面倒ならば,ネットで読みたければ,著作権が消滅してしまっている古典的な書籍をじっくりと読もう! (日本でも,国立国会図書館のサイトで,古典的な書籍のアーカイブを大量に公開している。)

2) くだらない娯楽映画や三流音楽は捨てよう! (お金を出すのは,本当に優れた芸術をステージなどで観たり聴いたりするときだけに絞るべきだ。本物の芸術は,ライブステージや美術館などで直接に出遭うのでなければ,その真の価値を認識することができない。そして,芸術は消費財ではない。)

3) そうすれば,何の著作権問題も生じない。 

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米国の電池産業

不況下であるが,自動車産業の中で電池自動車やハイブリッドカーの占める存在感が次第に増してきており,将来的には内燃機関だけの自動車が少数派になってしまうだろうと予測されている。そこで必要になるのが優れた電池を大量生産する技術と設備と資金ということになる。米国では,1980年代に半導体産業が起きたときのように,政府が電池産業を支援すべきだという声があがっている。

 Electric-Car Battery Makers Seek Federal Funds
 New York Times: December 26, 2008
 http://bits.blogs.nytimes.com/2008/12/26/electric-car-battery-makers-seek-federal-funds/

私の予想としては,仮に米国が電池産業を支援したとしても,世界には特許などの知的財産権を無視してまがいものを平気で大量に生産する国がいくらでもあるから,そのような国のまがいもの製品や欠陥製品などに対する強力な法的対抗措置や国際政治的対抗措置等を準備しておかないと,結局,半導体産業と同じような運命をたどることになるのではないかと思う。とはいっても,喧嘩ばかりしていても解決にならないことが多いので,何か別の国際的な枠組みを構築していくしかないだろうと想像する。

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ベライゾンがサイバースクワッティング訴訟で勝訴

日本だけで生活しているとベライゾン(Verizon )という名を目にする機会はそう多くはないが,米国にいればその名を目にしない場所がないくらい著名な企業だ。それゆえに,Verizonの名を使ったドメイン名を先に登録して高額の買取を要求するサイバースクワッティングの例も多い。2008年12月16日,カリフォルニアの裁判所は,ベライゾン勝訴の判決をしたようだ。

 Verizon Wins $31 Million Judgment in Cybersquatting Case (PC World)
 Yahoo: Dec 26, 2008
 http://tech.yahoo.com/news/pcworld/20081227/tc_pcworld/verizonwins31millionjudgmentincybersquattingcase/p>

日本でも,かつてサイバースクワッティングが横行したことがあり,多くの訴訟が提起された。ドメイン名を先に登録した者は,それによって巨額の利益を得ることができる考えたかもしれない。しかし,中にはたまたま同じ名前だというだけのことで,不当な目的ではないものもあっただろうと想像される。初期のころには,そもそも「ドメイン名とは何か?」という初歩的なことが裁判所に理解されていなかったこともあり(例:「ジャックス事件」第一審判決),おかしな判決もないではなかった。最近では,日本でも米国でも,そのドメイン名で含まれる名前で実際にビジネスをやってきたかどうかといった実質をきちんと判断するようになってきていると思う。それでもなお,大企業が小企業や個人よりも優位的になるという傾向がないわけではない。きちんとした代償が支払われるべき事案なのにサイバースクワッティングとして扱われてしまう例もある。これはよくないことだと思う。正しい判断基準に基づいて証拠調べをきちんとしなければならない。

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犯罪対策閣僚会議:犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008

政府から犯罪対策のための行動計画が公表された。結構読み応えがある。賛成の立場でも反対の立場でも,必読の資料と言えるだろう。

 犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008-「世界一安全な国、日本」の復活を目指して-
 犯罪対策閣僚会議: 平成20年12月
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hanzai/081222keikaku2008.pdf

 犯罪対策閣僚会議が行動計画を策定、「ストリートビュー」検討も
 Internet Watch: 2008/12/26
 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/12/26/21991.html

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中国:道徳教育を導入

中国の経済発展やネット利用の増加に伴い,様々な社会問題が発生しているようだ。中国政府は道徳教育のようなものを導入することを決めたらしい。その実効性については,かなり疑問だといわざるをえない。

 婚前交渉・ネット中毒など、新社会に対応する教育内容を策定-中国
 中国ニュース通信社: 2008年12月26日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g27087.html

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マレーシア:違法な森林伐採を阻止するために衛星による監視を導入

マレーシアでは,違法な森林伐採を阻止するために衛星による監視を導入するようだ。

 Malaysia uses satellite to fight illegal logging: report
 Yahoo (AFP): Dec 28, 2008
 http://news.yahoo.com/s/afp/20081228/ts_afp/malaysiaenvironmentlogging_081228080310;_ylt=A0WTUdvykFdJsW8AHRKFOrgF

同じような例はブラジルにもあり,アマゾンの森林伐採を監視していているのだが,肝心の監視システムがハッキングされ悪用されてしまっているということは「ハッカーがアマゾンの違法伐採業者を支援」の記事で既に触れたとおり。

マレーシアの監視システムは大丈夫なのだろうか?

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英国:映画と同じような年齢制限をインターネットに導入か?

インターネット上では,現時点既に様々なレーティング組織があり,その組織の基準に合わせたフィルタリングがなされている。その主要な目的は,青少年に対して有害なコンテンツへのアクセスを制限するためとされている。英国では,それを更に進めるための検討がなされているようだ。

 Website age ratings 'an option'
 BBC: 27 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/7800846.stm

一見,何の問題もない正しい政策のように見える。日本でも有害情報に対する規制は既に始まっているのだからそれと同じようにも見える。しかし,ここでちょっと考えてみなければならないことがあるのではないだろうか。例えば:

1)美しいものや快適なものだけを見て,醜いものや悲惨なものや惨いものや辛いものを全くを見ないで育った子供は,果たして健全な判断能力を有することができるだろうか?

2)他人から危害を加えられる経験なしに育った子供は,果たして健全な自己防衛能力や危険察知能力を有することができるだろうか?

3)何か悪さをして制裁を加えられた経験なしに育った子ともは,果たして健全な自己抑制能力を有することができるだろうか?

いずれも「否」と言わざるを得ない。

世の中には「必要悪」もあるし「反面教師」も存在する。それらすべてを感得することによってバランス感覚を身につけるのだが,その半分しか経験することがなければ「おばか」しか育たない。「綺麗ごと」だけで済ますことができるのであれば,世の中はとっくの昔に平和になっているはずだ。しかし,現実はそうではない。

他方で,次のような疑問もある。

4)レーティングを決定する者は,果たして完全無欠で潔癖で全く落ち度のない人間だろうか?その判定者自身が「正しい人」であるということを誰がどうやって確認するのだろうか?その判定者は,子どもの実の親よりも個々の子どもの特性をよく理解した上で教育・指導をする能力を有していると言えるのだろうか?

5)成人向けコンテンツにアクセスする大人は,果たして健全な判断能力と自己管理能力を持っているだろうか?大人であれば有害コンテンツから悪影響を受けることはないと言い切れるのだろうか?

これらについても,いずれも明らかに「否」ということになるだろう。

純粋に法理論だけで考えてみても,人類の長年の経験の結果として,事前審査には弊害が多すぎるために事後審査型の規制を基本とするという原則が確立されてきたのに,そのような人類の歴史に基づく知恵のようなものが無視されてしまっているように思う。結局,歴史は繰り返されることにならざるを得ない。

・・・・というような意見を書いてみても,現在の世の中の動きは止めようがない。どんどん進行してしまうことになるだろう。戦争が始まりそうになると誰も止められなくなってしまうのと全く同じことだ。

そして,「ゆとり教育」の場合もそうだったのだが,何万人もの子どもが犠牲者になってしまった後でなければ,「いったい何が間違っていたのか」を正しく認識できないような「想像力のない大人」があまりにも多すぎる。しかし,民主社会では,多数に従うしかない。

これから先の10年間で,「犠牲者(犯罪者の餌食)となるべき者」として育成される何万人もの子供達がかわいそうだ。

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2008年12月28日 (日曜日)

PS3の仮想空間「Home」がハッキングされた模様

オンラインゲームの世界では,IDやパスワードの貸し借りや売買などにより,不正アクセスがなされるのがむしろ普通になってしまっているらしいのだが,SonyのPS3のバーチャル空間でもきっと同じだろうし,もっと荒っぽいことも起きるだろうと思っていた。「やはり」という感じがする。ゲームと関連するサイトというものは,そもそもそういうものなのかもしれない。

 PS3の仮想空間「Home」がハッキング
 +D Games: 2008年12月25日
 http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0812/25/news027.html

 PlayStation Home hacked
 Telegraph.co.uk: 19 Dec 2008
 http://www.telegraph.co.uk/scienceandtechnology/technology/technologynews/3793715/PlayStation-Home-hacked.html

 PlayStation Home virtual world hacked
 ZD Net: December 22nd, 2008
 http://blogs.zdnet.com/security/?p=2330

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韓国:違法コピーされたファイルをダウンロード可能にしていたISP(ポータル)に対し罰金

韓国のISP(←韓国では「ポータル」と呼ばれている。)が,違法コピーされた音楽コンテンツなどをダウンロードできる状態にしていたことが著作権法違反になるとして,罰金刑となった模様だ。

 著作権法違反:韓国ポータル大手に検察のメス(上)
 朝鮮日報: 2008/12/24
 http://www.chosunonline.com/article/20081224000060

 著作権法違反:韓国ポータル大手に検察のメス(下)
 朝鮮日報: 2008/12/24
 http://www.chosunonline.com/article/20081224000061

韓国での法解釈の詳細はよく判らないが,一般論として,法の解釈・適用を曖昧にすると,とんでもないことが起きる。下記の指摘がある。ここで引用されている東京地裁判決は,世界的にみても最も愚かしく自己矛盾に満ちて支離滅裂な法解釈を示す判決であることは疑問の余地が全くない。本当に司法試験に合格した判事が書いた判決とは信じがたい。「京都家裁の書記官による判決書偽造・詐欺事件のように偽造判決なのではなかろうか?」と疑いたくなってしまうくらいだ。

 放送と通信の融合、複雑怪奇となった著作権法改正が必要 - 岡村久道氏
 [4] MYUTA(まいうた)判決が示す著作権の混迷度合い
 http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/01/10/okamura/003.html


[このブログ内の関連記事]

 韓国:ネイバー(NHN)が違法音楽コンテンツを自動検出して消去するフィルタリング技術を導入
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/nhn-cebb.html

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個人情報の紛失・盗難・流出

特に変化なし。相変わらずどこでも起きている。個人情報の管理がまるで駄目な状態が日本全国で常態化していると考えてよいだろう。暗数を考えると,ぞっとする。

 患者情報入ったパソコン盗難 千葉大講師が持ち出す
 共同通信: 2008年12月27日
 http://www.47news.jp/news/2008/12/post_1907.html

 個人情報:取り締まり記録の携帯用端末を紛失--東山署巡査 /京都
 毎日jp: 2008年12月27日
 http://mainichi.jp/area/kyoto/archive/news/2008/12/27/20081227ddlk26040469000c.html

 都立目黒高 教員が生徒41人分の個人情報紛失
 産経ニュース: 2008.12.26
 http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/081226/tky0812261833012-n1.htm

 電車内で居眠りし、個人情報920件を紛失 - 原弘産子会社
 Security NEXT: 2008/12/26
 http://www.security-next.com/009629.html

 個人情報:給食費滞納世帯の台帳コピー紛失--福岡・飯塚市教委
 毎日jp: 2008年12月26日
 http://mainichi.jp/seibu/shakai/archive/news/2008/12/26/20081226ddg041040009000c.html

 児童の個人情報含む卒園台帳が金庫ごと盗難 - 豊明市の市立保育園
 Security NEXT: 2008/12/26
 http://www.security-next.com/009622.html

 安芸中野支店で本人確認書類1169件を紛失 - 広島信用金庫
 Security NEXT: 2008/12/26
 http://www.security-next.com/009627.html

 個人情報:統計調査員158人分、県職員がメモリー紛失 /高知
 毎日jp: 2008年12月26日
 http://mainichi.jp/area/kochi/news/20081226ddlk39040561000c.html

 転職情報サイトの個人情報流出について詳細を公表 - アイ・キュー
 Security NEXT: 2008/12/25
 http://www.security-next.com/009619.html

 患者の個人情報紛失で戒告処分 県立精神医療センター
 産経ニュース: 2008.12.25
 http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/saitama/081225/stm0812251721011-n1.htm

 自衛官がUSB紛失を隠ぺい
 新潟日報: 2008年12月24日
 http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=1&newsNo=156224

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2008年12月27日 (土曜日)

RFIDタグの利用状況

米軍が新型のRFIDタグを積極的に利用するために購入を始めた模様だ。下記の記事が出ている。

 Series of firms win Defense contracts to provide new RFID technology
 nextgov: 12/23/2008
 http://www.nextgov.com/nextgov/ng_20081223_1609.php

 Series of firms win Defense contracts to provide new RFID technology
 nextgov: 12/23/2008
 http://www.nextgov.com/nextgov/ng_20081223_1609.php

また,中国では,RFIDの製造が積極化している模様だ。下記の記事が出ている。

 DAILY RFID all set to enter passive RFID market
 merin: 27 Dec, 2009
 http://www.merinews.com/catFull.jsp?articleID=154476

これに対し,日本では,消極的な記事が出ている。

 日本ベリサイン/RFID活用のEPCサービス終了
 lnews: 2008年12月22日
 http://www.lnews.jp/2008/12/30360.html

RFIDタグについては,プライバシー保護の観点から様々な問題がある。しかし,そのような問題をきちんと解決し,正しいプライバシーポリシー(日本国では総務省と経済産業省のRFIDプライバシーガイドライン)に準拠した利用をする限りにおいては,非常に便利な道具であることを否定できない。

RFIDタグに限らず,どんなデバイスでも同じなのだが,社会の中で特定のデバイスを利用しようとする場合,どのような利用方法も可能なのではなく,常に一定の制約条件がある。その制約条件の下でも十分に合理的かつ適法にビジネスを展開することが可能なはずなのだが,そう考えないで「金儲け」のみに目がくらんでいるような企業は,結局,最終的には失敗することになる。

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紙の新聞ではなくネットからニュースを得る読者が多くなっているとの調査結果

新聞の衰退について各方面で報道されている。その主要な原因は,広告収入の落ち込みにあると考えられているようだ。それとは別に,そもそも一般読者は,どのような媒体からニュースを手に入れようとしているのかという調査研究も次第に進められてきているようだ。米国の状況に関しては,予想どおり,ネット経由でニュースを手に入れる読者が増えているらしい。おそらく,日本でも同じだろうと思う。

 Web overtakes newspapers as source of news in US survey
 Guardian: 27 December 2008
 http://www.guardian.co.uk/media/2008/dec/27/us-media-internet-newspapers-television

 The Media Industry's Year of Eclipse
 BNET: December 26th, 2008
 http://industry.bnet.com/media/1000538/the-media-industrys-year-of-eclipse/

今後は,ネット経由でニュース配信をするのであっても,ニュースを発行する新聞社や出版社等が利益をあげることができるようなビジネスモデルを確立する必要があると考えられる。様々な法律上の問題もあるけれども,ISPの経営主体となっている企業等が新聞社の大株主になるといったようなことを推進する必要もあるかもしれない。

ところで,一般読者の立場では,無料でどこからでもニュース記事を手に入れることだけしか興味を持っていないだろうと思う。しかし,記者やライター等に給料を支払い,適切に取材費を支出するのでなければ,良い記事が生まれるはずがない。良い記事や良い論説を生み出すためには,それなりのコストが必然的に発生するのだ。読者は,そのこともちゃんと理解すべきだろう。

それと同時に,新聞社等が派手なイベント等に異常に巨額の資金提供をしたり,野球チームその他のスポーツチームや選手等を抱えたりするといったような時代は「もう終りだ」ということに早く気付くべきではないかとも思う。

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仕入先情報について営業秘密性が否定された事例(平成20年11月26日判決)

東京地裁は,平成20年11月26日,レコード,CD等のインターネット通信販売業を営む原告(株式会社ダンス・ミュージック・レコード)から元従業員ら(被告ら)に対する営業秘密保持契約違反及び競業避止義務違反に基づく損害賠償請求を棄却する判決をした。

 東京地方裁判所平成20年(ワ)第853号損害賠償請求事件判決
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081204111741.pdf

この判決の判決理由では,「営業秘密」に関する通常の法解釈を前提に,認定した事実関係の下では法的に保護される営業秘密があるとは認められないと判示している。損害賠償請求の前提として,原告は,当該事項が「営業秘密であること」を主張・立証しなければならない。この判決理由中でも示唆されているように,この事件では,そもそも営業秘密であると原告が主張する情報が特定されていないという問題があるけれども,要するに,秘密として適正に管理されていた情報であるとの証明がなされていない以上,請求棄却の判決となるのは当然のことではないかと思われる。

なお,事案の概要及び争点に関する判断は,下記のとおり。

***********************************

事案の概要

本件は,レコード,CD等のインターネット通信販売業を営む原告が,原告の元従業員である被告Aにおいて,原告を退職した後,競業会社に就職し,原告在職中に得た商品の仕入先情報を利用して業務を行っていることが,原告及び被告A間の秘密保持に関する合意に違反する,原告及び被告A間の競業避止に関する合意に違反する,又は,不正競争防止法2条1項7号所定の不正競争行為に該当するとして,被告Aに対し,債務不履行又は不正競争防止法違反に基づき(上記各請求は,選択的併合の関係にある。),被告Bに対し,原告及び被告B間の身元保証契約に基づき,両被告連帯して,損害金合計107万0578円(弁護士費用30万円を含む。)及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成20年2月20日から支払済みに至るまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

争点に対する判断

1 争点1(本件仕入先情報が,本件機密事項等又は不正競争防止法における「営業秘密」に該当するか)について

(1) 不正競争防止法における「営業秘密」該当性について

ア 不正競争防止法における「営業秘密」といえるためには,「秘密として管理されている」こと(秘密管理性)が必要である(同法2条6項)。そして,このような秘密管理性が要件とされているのは,営業秘密が,情報という無形なものであって,公示になじまないことから,保護されるべき情報とそうでない情報とが明確に区別されていなければ,その取得,使用又は開示を行おうとする者にとって,当該行為が不正であるのか否かを知り得ず,それが差止め等の対象となり得るのかについての予測可能性が損なわれて,情報の自由な利用,ひいては,経済活動の安定性が阻害されるおそれがあるからである。
このような趣旨に照らせば,当該情報を利用しようとする者から容易に認識可能な程度に,保護されるべき情報である客体の範囲及び当該情報へのアクセスが許された主体の範囲が客観的に明確化されていることが重要であるといえる。したがって,秘密管理性の認定においては,主として,当該情報にアクセスした者に当該情報が営業秘密であると認識できるようにされているか,当該情報にアクセスできる者が制限されているか等が,その判断要素とされるべきであり,その判断に当たっては,当該情報の性質,保有形態,情報を保有する企業等の規模のほか,情報を利用しようとする者が誰であるか,従業者であるか外部者であるか等も考慮されるべきである。

イ [省略]

ウ 上記イの認定事実によれば,本件仕入先情報は,仕入先業者の名称,住所などという一般的基準によってのみ規定されるものであり,その具体的内容は明らかとされていないから,当該情報の内容,範囲等が明確に特定されているとはいい難いが,その点を措くとしても,原告においては,アルバイトを含め従業員でありさえすれば,そのユーザーIDとパスワードを使って,サーバーに接続されたパソコンにより,本件仕入先情報が記載されたファイルを閲覧することが可能であって,そのファイル自体には,情報漏洩を防ぐための保護手段が何ら講じられていなかった上,従業員との間で締結した秘密保持契約も,その対象が抽象的であり,本件仕入先情報がそれに含まれることの明示がされておらず,その他,原告において,従業員に対して,本件仕入先情報が営業秘密に当たることについて,注意喚起をするための特段の措置も講じられていなかったというのである。このような管理状況に加え,本件仕入先情報の内容の多く(名所,住所又は所在地,電話番号,ファクシミリ番号など)が,インターネット等により一般に入手できる情報をまとめたものであり,また,本件証拠上,原告に,個々の仕入先を秘匿しなければならない事情も窺われないことから,本件仕入先情報は,その性質上,秘匿性が明白なものとはいい難いこと等を考慮すれば,本件仕入先情報を用いて日常業務を遂行していた原告の従業員にとって,それが外部に漏らすことの許されない営業秘密として保護された情報であるということを容易に認識できるような状況にあったということはできず,他に秘密管理性を基礎づける事実を認めるに足りる証拠はない。
したがって,本件仕入先情報については,秘密管理性を欠くというべきであり,他の要件について検討するまでもなく,不正競争防止法上の「営業秘密」に該当すると認めることはできない。

(2) 本件機密事項等該当性について

ア 本件仕入先情報は,上記(1)のとおり,不正競争防止法上の「営業秘密」に当たらないから,従業員が,本件仕入先情報を利用することは,不正競争防止法上違法となるものではないが,そのような場合であっても,別途,当事者間で,秘密保持契約を締結しているときには,従業員は,当該契約の内容に応じた秘密保持義務を負うことになる。
イ そこで,検討するに,従業員が退職した後においては,その職業選択の自由が保障されるべきであるから,契約上の秘密保持義務の範囲については,その義務を課すのが合理的であるといえる内容に限定して解釈するのが相当であるところ,本件各秘密合意の内容は,上記前提となる事実で認定したとおりであり,秘密保持の対象となる本件機密事項等についての具体的な定義はなく,その例示すら挙げられておらず,また,本件各秘密保持合意の内容が記載された「誓約書」と題する書面及び「秘密保持に関する誓約書」と題する書面にも,本件機密事項等についての定義,例示は一切記載されていないことが認められる(甲2,3)から,いかなる情報が本件各秘密合意によって保護の対象となる本件機密事項等に当たるのかは不明といわざるを得ない。
しかも,前記(1)で検討したとおり,原告の従業員は,本件仕入先情報が外部に漏らすことの許されない営業秘密として保護されているということを認識できるような状況に置かれていたとはいえないのである。
このような事情に照らせば,本件各秘密保持合意を締結した被告Aに対し,本件仕入先情報が本件機密事項等に該当するとして,それについての秘密保持義務を負わせることは,予測可能性を著しく害し,退職後の行動を不当に制限する結果をもたらすものであって,不合理であるといわざるを得ない。したがって,本件仕入先情報が秘密保持義務の対象となる本件機密事項等に該当すると認めることはできない。
(3) 小括
そうすると,本件仕入先情報は,不正競争防止法上の「営業秘密」及び本件機密事項等のいずれにも該当せず,よって,被告Aは,不正競争防止法及び本件各秘密保持合意に基づく秘密保持義務のいずれについても,それらに違反したものとは認められない。

2 争点3(被告Aが本件競業避止合意に基づく競業避止義務に違反するか)について

(1) 上記前提となる事実のとおり,原告の主たる事業は,レコード,CD等のインターネット通信販売業務活動及び携帯電話用サイトでの通信販売業務であり,原告及び被告A間において,本件競業避止合意がされていたところ,被告Aにおいて,携帯電話のモバイルコンテンツ事業を主たる業とするエムアップに転職し,同社において,レコード,CD等のインターネット通信販売業務及び携帯電話用サイトでの通信販売業務を行うに至っているのであるから,このような被告Aの行為が本件競業避止合意に違反するのか否かが問題となる。
ただし,退職後の競業避止に関する合意は,従業員の就職及び職業活動それ自体を直接的に制約するものであり,既に検討した秘密保持義務と比較しても,退職した従業員の有する職業選択の自由に対して極めて大きな制約を及ぼすものであるといわざるを得ない。そのため,上記の合意によって課される従業員の競業避止義務の範囲については,競業行為を制約することの合理性を基礎づけ得る必要最小限度の内容に限定して効力を認めるのが相当である。そして,その内容の確定に当たっては,従業員の就業中の地位及び業務内容,使用者が保有している技術上及び営業上の情報の性質,競業が禁止される期間の長短,使用者の従業員に対する処遇や代償の程度等の諸事情が考慮されるべきであり,特に,転職後の業務が従前の使用者の保有している特有の技術上又は営業上の重要な情報等を用いることによって行われているか否かという点を重視すべきであるといえる。

(2) [省略]

(3) 上記(2)の認定事実及び上記1で検討した事情によれば,次のようにいうことができる。
被告Aは,原告在職中に,CD,レコード等の仕入及び販売業務に携わっていたことから,同被告がエムアップで行ってきた業務のうち,原告の業務と競合し得る部分は,レコードの通信販売業務であるところ,同被告は,その種の業務を行うに際して,原告就業中の日常業務から得た一般的な知識,経験,技能や,その業務を通じて有するようになった仕入先担当者との面識などを利用し得たにすぎないものと考えられ,本件全証拠によっても,被告Aが原告の保有している特有の技術上又は営業上の重要な情報等を用いてエムアップの業務を行っていると認めることはできない。
この点,原告は,被告Aが原告から持ち出した本件仕入先情報を駆使して原告の仕入先にアプローチしてきたことが強く推定されるとし,そのことを競業避止義務違反の根拠として主張する。
しかしながら,本件仕入先情報は,前記1のとおり,営業秘密として管理されているとはいえないから,不正競争防止法上の「営業秘密」に該当せず,かつ,本件各秘密保持合意の対象ともならない情報である上,その内容自体は,具体的に特定されておらず,これを利用することにより,仕入業務等において,原告に対して優位に立てるというものでもなく,また,同情報は,インターネットや商品における表示等から認識し得るものであって,被告Aとしては,原告における業務を通じて知った仕入先の名称から,インターネットを通じて検索し,仕入先に接触することが可能なのであるから,原告特有の技術上又は営業上の重要な情報等ということはできず,原告の主張する上記事情は,競業行為を制約することの合理性を基礎づけ得るものとはいえない。
そうすると,被告Aが,原告在職中に,その業務の中枢に関わる重要な地位に就いていたともいえず,携わっていた業務の内容も,商品の仕入,販売等に関する業務を自ら行うほか,アルバイトの取りまとめ等を行う程度のものであって,単独で責任を負うような立場にもなかったこと,本件競業避止合意に基づいて退職後の競業避止義務を負うことについて,何らの代償措置も講じられていなかったことなどの事情も併せ検討すれば,同義務を負う期間が2年間とさほど長くないことを考慮しても,被告Aがエムアップにおいて実施している業務の内容は,本件競業避止合意の対象に含まれるとは認められないというべきである。
これに対し,原告は,被告Aが,原告に在職していた時期から,既に,エムアップの業務として原告と競合する仕入先に接触をもっていたことや,その際,エムアップに所属して取引を行うことについて原告から了承を得ているなどと虚言を呈していたことを,被告Aの行為の悪質性を基礎づける事情として主張する。
しかしながら,後者の事情については,これを認めるに足りる的確な証拠が存在せず,また,前者の事情についても,退職直前の有給休暇期間中に行われたものと認められることなどに照らし,上記の判断を覆すに足りるものではない。

(4) 小括

そうすると,被告Aのエムアップにおける業務は,本件競業避止合意の対象に含まれず,よって,被告Aは,本件競業避止合意に違反したものとは認められない。

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経済産業省:産業構造審議会産業金融部会・流通部会商取引の支払に関する小委員会報告書-商取引の支払サービスに関するルールのあり方について-

下記の報告書が公開されている。

 産業構造審議会産業金融部会・流通部会商取引の支払に関する小委員会報告書-商取引の支払サービスに関するルールのあり方について-
 経済産業省:平成20年12月26日
 http://www.meti.go.jp/report/data/g81226aj.html

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JPCERT/CC REPORT 2008-12-25

JPCERT/CC REPORT 2008-12-25が発行された。

 JPCERT/CC REPORT 2008-12-25
 http://www.jpcert.or.jp/wr/2008/wr085001.html

収録されている項目は,次のとおり。

【1】 「Microsoft Internet Explorer の XML 解析処理に脆弱性」に関する追加情報
【2】 Apple Mac OS X に複数の脆弱性
【3】 Mozilla 製品群に複数の脆弱性
【4】 PHP にクロスサイトスクリプティングの脆弱性
【5】 Opera ブラウザに複数の脆弱性
【6】 冬期の長期休暇を控えて
【7】 情報セキュリティ総合的普及啓発シンポジウム開催のお知らせ
【今週のひとくちメモ】 OpenSSH の実験的機能 VisualHostKey



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総務省:「IPネットワーク管理・人材研究会」報告書案の公表及び本案に対する意見募集

総務省のサイトで下記のパブリックコメントの募集があった。締め切りは2009年1月15日とのこと。

 「IPネットワーク管理・人材研究会」報告書案の公表及び本案に対する意見募集
 総務省: 平成20年12月25日
 http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/081225_18.html

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中国:メラミン入りミルクの三鹿集団が破産

メラミン入りミルクで問題となった中国の三鹿集団が破産した模様だ。負債総額は約150億円と報じられている。ニュージーランドの企業が筆頭株主になっているということなので,この企業に対する影響もあるかもしれない。また,日本企業の中でも大きな影響を受けるところがあるはずだ。

 「毒ミルク」の三鹿集団が破産 賠償費用などかさみ
 Searchina: 2008/12/26
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=1226&f=business_1226_018.shtml

 <汚染粉ミルク>経営責任者は死刑濃厚、裁判始まる-河北省
 中国ニュース通信社: 2008年12月25日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g27049.html

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中国:バブル崩壊で消えたお金の金額

中国ニュース通信社(Rcord China)は,中国のバブル崩壊によって消えたお金の額が265兆円だと報じている。それが本当だとすると,とんでもない金額だ。

 <中国株>バブル崩壊の一年、265兆円が消えた-中国
 中国ニュース通信社: 2008年12月27日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g27030.html

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医薬品業界では特許侵害が最大の関心事に

医薬品には様々な特許技術が応用されている。その中でもBioパテントの占める重要性は非常に大きなものとなってきており,米国のオバマ次期政権もこの分野における保護政策を重点課題とする見込みだ。このことは,米国に限らず,どの国でも同じようだ。ただし,日本の政策(戦略)はいまいち明確ではない。少なくとも,日本国では,この分野における法律の専門家が圧倒的に不足していることが否定できない。

 Study finds overcoming losses from patent expiration is a focus
 IndUS BUSINESS JOURNAL: December 15, 2008
 http://www.indusbusinessjournal.com/ME2/dirmod.asp?sid=&nm=&type=Publishing&mod=Publications%3A%3AArticle&mid=8F3A7027421841978F18BE895F87F791&tier=4&id=ACBB1E038BEC497DA34F233068695E99

 Technology Transfer and IP Licensing in China
 Cambridge Wireless: 24 Dec, 2008
 http://www.cambridgewireless.co.uk/news/article/default.aspx?objid=36234

 President-Elect Obama’s Choices for Key Science Posts Hailed
 Genetic Engineering & Biotechnology News: Dec 26 2008
 http://www.genengnews.com/news/bnitem.aspx?name=47585194

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米国は北朝鮮政策を修正か?

米国は,新政権の下で,北朝鮮政策を修正する見込みのようだ。とりわけ核の問題が大きくクローズアップされてきている。韓国の中央日報もそのことを報じている。

 米が日中専門家を起用…「攻撃的な北核政策」予告
 中央日報: 2008.12.26
 http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=109291

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SQLインジェクションによる攻撃が再び活発化

SQLインジェクションによる攻撃が再び活発化しているようだ。警告と報道が相次いでいる。

 日本を襲う史上最悪のサイバー攻撃
 Yomiuri Online: 2008年12月26日
 http://www.yomiuri.co.jp/net/security/goshinjyutsu/20081226nt0b.htm

 SQLインジェクション攻撃が再び爆発増、ラックが緊急注意喚起
 Internet Watch: 2008/12/22
 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/12/22/21950.html

 ウイルス感染サイトが前年の3倍 - 多くはSQLインジェクション攻撃受けた正規サイト
 Security NEXT: 2008/12/26
 http://www.security-next.com/009625.html

 東京都のサイト改ざん、原因はSQLインジェクション - 1月中旬に再開予定
 Security NEXT: 2008/12/26
 http://www.security-next.com/009628.html

 DNSキャッシュ・ポイズニング、フィッシング、SQLインジェクションなどの最新動向
 ソフトバンクビジネス+IT: 08/12/19
 http://www.sbbit.jp/article/10590/

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新手の裁判員制度詐欺

詐欺師というものは,とにかく色んなことを考えつくものだと驚いてしまう。どんなことでも詐欺のネタにしてしまうようだ。

 裁判員制度悪用新手の詐欺 一関・室根、被害はなし
 共同通信: 2008/12/26
 http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081226_7

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Gmailのスパムフィルタがロシア製botにより破壊?

下記の記事を見つけた。

 Russian spam bots crack Google Mail captcha
 Вебпланета: 15.02.2008
 http://webplanet.ru/english/2008/02/15/comments/google_captcha_en.html

本当かどうかについては判らない。


[関連記事]

 自分から自分に届くメール
 japan.internet.com: 2008年12月10日
 http://japan.internet.com/wmnews/20081210/7.html

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2008年12月26日 (金曜日)

国際取引における基軸通貨は?

世界規模での金融危機以降,ドルの価値が下がってしまった。日本円には,もちろんドルに代わるだけの実力はないし,それをマネジメントするだけの人材もいない。かといってユーロも打撃を受けている。ここにきて,ASEAN地域では中国の人民元が基軸通貨になるような動きがでてきている。

 <人民元決済>香港・マカオ,ASEANとの貿易で施行-中国
 中国ニュース通信社: 2008年12月24日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g27011.html

 China to allow freer yuan trades
 BBC: 25 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7799541.stm

世界経済は流動的であり,中国経済の状況も大丈夫とは言えないので,今後,様々な事態が発生し,不安定な状況が続くことになるだろう。もともと「お金」は,それ自体に価値があるわけではなく,実際に価値を有する「何か」と交換できるかもしれないという期待値を表現するための手段に過ぎない。幻想の一種と言っても良いかもしれない。その幻想を共有できる間は期待値も共有できることになるが,幻想が「裸の幻想」になってしまうと,期待値もまた消失する。「財産上の価値」とは,最初からそのようなものだ。物々交換の経済がベースにあり,それがきちんと機能しており,その上にサービスと物との交換の経済が乗っかって機能しているのでなければ,「お金」には何の価値もない。

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中国:リアル版ブッシュ大統領靴投げゲーム

コメントしようがない。

 出た!「ブッシュ靴投げ」ゲームリアル版!年末商戦勝ち抜く秘策か-中国
 中国ニュース通信社: 2008年12月24日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g27024.html

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Cygnus Systemsが,特許権侵害を理由に,Apple, Google及びMicrosoftに対して提訴

Apple, Google及びMicrosoftに対し,Cygnus Systemsという小さな企業から,コンピュータ画面上でのアイコンによるファイル処理と関連する特許侵害を理由とする訴訟が提起された。

 Google, Apple, Microsoft Sued Over File Preview
 PC World: Dec 25, 2008
 http://www.pcworld.com/article/156048/google_apple_microsoft_sued_over_file_preview.htm

問題の特許の要旨と特許クレームは次の通りなのだが,要するに,アクティブになっているアプリケーションソフトで用いられているアクティブになっているファイルのプレヴューをアイコンとして表示,そのアイコンで示されたファイルを記録したりそのファイルにアクセスできるようにする方法に関する特許のようだ。この特許が有効であるとすれば,世界中の非常に多くのIT企業に影響を及ぼすことになりそうなのだが,特許として有効なのかどうかは若干疑問だ。

**********************************

System and method for iconic software environment management
US Patent 7346850 (March 18, 2008)

*****************************************************

Abstract

A method and system for storing, navigating and accessing files within an operating system through the use of a graphical thumbnail representing the video display of the active document within the active application, and organized chronologically by the most recent file ‘captured’. Filenames, application names and thumbnail filenames are stored in an indexed file. The indexed file can consist of every document and application used during a session or categorically defined by project or tasks or personal preference. This also stores the application name and path eliminating the need to remember which application last edited the file and where the application is located.

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Claims

What is claimed is:

1. A method of accessing one or more computer
files via a graphical icon, comprising the steps of: capturing automatically one or more graphical representations of one ormore portions of information content of one or more computer files while an application is manipulating the one or more computer files; creating automatically an icon including selected portions of the captured one or more graphical representations ofthe information content of the one or more computer files wherein the icon graphically depicts at least a portion of the information content from the one or more computer files and wherein the icon is created while the application was manipulating theicon's corresponding one or more computer files and includes selected portions of the captured one or more graphical representations of the information content; linking the icon to the application and to the one or more computer files based on theability of the application to manipulate the information content of the one or more computer files corresponding to the icon; storing the icon in a memory; displaying the icon in a window on a display screen; invoking the application for manipulatingthe information content of the one or more computer files upon selection of the icon by accessing the more or more computer files by reference to an underlying file system corresponding to the icon and opening the one or more computer files within theapplication.

2. The method of claim 1, wherein capturing a graphical representation is initiated by a user input command while the application manipulating the one or more computer files are active.

3. The method of claim 2, wherein the user input command is a keyboard command.

4. The method of claim 1, further comprising the step of storing information related to the application for manipulating the one or more computer files in the memory along with the icon.

5. The method of claim 1, further comprising the step of displaying the window when a cursor is positioned at an edge of the screen display.

6. The method of claim 5, further comprising the step of concealing the window when the cursor is positioned outside the window.

7. The method of claim 1, wherein the step of invoking the application comprises invoking the application and opening the one or more computer files upon a single user input command selecting the icon.

8. The method of claim 7, wherein the single user input command comprises depressing a button when a cursor is placed over the icon.

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ローマのサイバーセキュリティ研究所がFBIのサイバー犯罪捜査に協力している

米国の連邦警察であるFBIは,世界各国のセキュリティ関連専門研究施設と協力してサイバー犯罪の捜査にあたっているということだ。完全に相互的な協力関係なのかどうかはわからない。

 Rome lab helping FBI, Secret Service fight cyber crime
 9WSYR.com: 12/22
 http://www.9wsyr.com/news/local/story/Rome-lab-helping-FBI-Secret-Service-fight-cyber/jxTh1SHAwESyN4icbkPGiw.cspx

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2008年12月25日 (木曜日)

中国:Sina.com(新浪)がFocus Media(分衆伝媒)の屋外デジタル広告部門を買収か

中国の大手ISPであるSina.com(新浪)がFocus Media(分衆伝媒)の屋外デジタル広告部門を買収する模様だ。

 ポータルサイト大手の新浪が分衆伝媒のDOOH部門買収へ―中国
 中国ニュース通信社: 2008年12月23日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g26958.html

 SINA, Focus Media deal poses risk, competitive squeeze
 REUTERS: Dec 25, 2008
 http://uk.reuters.com/article/mediaNews/idUKPEK2802320081225

 Internet Portal in China Buys Share of Ad Firm
 New York Times: December 22, 2008
 http://www.nytimes.com/2008/12/23/technology/23portal.html?ref=technology

いろんな意味で,大きな影響のある出来事ではないかと思う。

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捜査の結果,事件と無関係と判明した後でも捜査機関は指紋情報を保持できるか?

高校生の修学旅行中に乗船したフェリー内で窃盗事件が発生し,犯人が含まれているのではないかと疑われた高校生男子53名の指紋が捜査機関によって採取された。その後,その全員が窃盗事件とは無関係と判明したが,それでも捜査機関は指紋情報を消去しないで保持している。以上のような報道がなされている。

 高校生53人の指紋採取=フェリー内で窃盗、一致せず-海保
 時事通信: 2008/12/25
 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&rel=j7&k=2008122500338

この事件の論点は2つある。一つは,指紋の採取が任意捜査としてなされたのである以上,未成年者である高校生の同意だけで指紋の任意提出といえるかどうかであり(←修学旅行のために高校生を引率していた高校教諭は法定代理人ではないので,任意提出についての同意をするための代理権を有しないことが明らか。),もう一つは,事件と無関係であることが判明した後の時点においても,捜査機関は採取した指紋情報を保持できるかである。

両方とも疑問だ。

一つ目の論点については,適法な任意提出があったということにはならないだろう。

二つ目の論点については,これまで曖昧にされ続けてきた点であるが,行政機関個人情報保護法をどのように読んでも,事件と無関係と判明した者の個人情報を捜査機関が保有することは(無関係の者のリストとして個人を特定するに足りる最小限の情報を保有する場合を除いては)「犯罪捜査の目的」の外にあり,不適法と考える。

この二つ目の問題は,今回の事件に始まったことではなく,潜在的にはこれまでずっと存在し続けてきた問題の一つだろうと思う。国民の大半は,「事件の捜査上必要がなくなった後には,参考人等として任意提出した自己の情報が自動的に消去されているのだろう」と勝手に思い込んでいるかもしれない。しかし,実際にはそうではないだろうと思う。警察等の捜査機関が一旦手に入れた個人情報を消去したり手放したりすることは基本的にない。警察や公安を「一種の聖域」と解釈している捜査機関が決して少なくないのではないかと思う。

ちなみに,自治体警察及び地方公安員会に関しては,自治体警察等もまた自治体の組織の一部であるので,通所は,当該自治体の個人情報保護条例に定めるところに従い,開示請求や利用停止請求をすることができると解されている。問題は,そこから先で,今回の事件のように,開示や利用停止の請求をする者(個人情報を提供した者)が,請求先の自治体(またはその機関)の所在地から遠く離れているところに居住している場合,現実問題として,相当高額の費用をかけないと開示や利用停止の請求をすることができないということだ。個人情報の取得については,住基ネット等のシステムにより,遠隔地であっても非常に迅速かつ大量になされ得るのに対し,個人情報の開示や利用停止の請求については,そのようなシステムが存在しない。常に一方的な関係になっている。このこともまた,現在の個人情報保護制度の大きな欠陥の一つということができるだろう。


[このブログ内の関連記事]

 欧州人権裁判所が,無罪となった者のDNA情報を警察が保持することは違法と判決
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/dna-7899.html

 無罪となった者は,警察のデータベース内にあるDNA情報の消去を求めることができるか?
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-55ed.html

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電子商取引は米国でも堅調

景気後退でどの企業も青息吐息といった状態になっているけれども,日本や中国ではネットショップや通販などを含め電子商取引だけはどうにか売り上げを維持していると報道されている。米国でも状況は同じようだ。下記の記事が出ている。

 E-commerce accessibility
 Business Journal: December 22, 2008
 http://tampabay.bizjournals.com/tampabay/stories/2008/12/22/focus1.html


[関連記事]

 More shoppers online at Christmas
 BBC: 25 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/7799524.stm

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個人情報の流出がとまらない

毎日のように報道されているのに,同じような事故が繰り返されている。ニホンザルやチンパンジーでさえ高度な学習能力をもっているというのに,ヒトは,それ以下ということか・・・

 看護師が患者情報入りメモリー紛失 千葉大医学部付属病院
 産経ニュース: 2008.12.24
 http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/chiba/081224/chb0812241837007-n1.htm

 個人情報含む書類を委託先金融機関が紛失 - 雇用・能力開発機構
 Security NEXT: 2008/12/24
 http://www.security-next.com/009604.html

 個人情報:太田労基署、障害年金の書類を誤って別人に送る /群馬
 毎日jp: 2008年12月23日
 http://mainichi.jp/area/gunma/news/20081223ddlk10040270000c.html

 個人情報がネット上で閲覧可能な状態に - パナソニック健保組合
 Security NEXT: 2008/12/22
 http://www.security-next.com/009592.html

 「どこから漏れたか分からない」――個人情報の盗難、4割は「心当たりなし」
 IT Media: 2008年12月17日
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0812/17/news110.html

[このブログ内の関連記事]

 個人情報の流出相変わらず
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-98e3.html

 個人情報の紛失・盗難が更に相次ぐ
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-29dc.html

 相変わらず個人情報の流出・紛失が続く
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-96a7.html

 ファイル交換ソフトによる情報流出
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-aef4.html

 神戸市が個人情報保護の目的で市立小中学校の全教員にシンクライアント型PCを配布
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/pc-5e67.html

※ リンクしてあるニュースサイトなどの記事には既に消去されてしまっているものが少なからずある。事故を起こした組織からの要請・圧力に新聞社などが屈しているのだとしたら,マスコミはすでにその使命を自ら放棄していると理解するしかない。

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「だまし」の氾濫

2008年には,現実世界における「振り込め詐欺」と同様に,ネットの世界でも「だまし」が横行した。2009年はもっと増えるだろうという予測が圧倒的多数を占めている。

 2008年のセキュリティ模様:ユーザーをだます脅威は“百花繚乱”の様相に
 IT Pro: 2008年12月24日
 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0812/24/news007.html

さて,このような「だまし」は,Saasを使おうとSNSを使おうと,そんなこととは無関係に,どんな場所でも発生する。しかし,ネット上で観察している限り,「当社の****は詐欺や不正アクセスを完全に遮断します」と書いてあるものがかなりたくさんある。これらの中の大半は,「だまし」であるか,そうとは言い切れないにしても「誇大広告」であることが明らかだと思われる。「当社のサービスで用いられている****の技術は,詐欺や不正アクセスなどを検知し対処する能力が従来の製品(当社比)と比較して向上していると当社は期待しております」と書くのが正しい。期待値に過ぎないので,本当にそのような効果を発揮することができるかどうかは誰にも分からない。

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メディアの破綻が進む

日本でもかなり深刻な問題となってきているけれども,世界各国のメディア産業に崩壊の兆しがある。金融危機による広告収入の減少が最大の原因かもしれない。しかし,それだけではないように思う。

 The Media Meltdown
 Finance and Commerce: December 23, 2008
 http://www.finance-commerce.com/article.cfm/2008/12/24/The-Media-Meltdown

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JALサイトのEV SSLは機能していない?

フィッシングサイトかどうかを見分けるためにEV SSLという技術が存在することは「米内国歳入庁(IRS)が電子申告サービスのプロバイダにEV SSL証明書の取得を義務付け」で書いたとおりだ。

日本国でも日本航空(JAL)がEV SSLを導入したと報じられていた。

 JAL、国内航空業界で初めてフィッシング対策にEV SSL証明書を導入
 RBB Today: 2008年12月15日
 http://www.rbbtoday.com/news/20081215/56511.html

ところが,実際にはぜんぜん駄目らしい。高木浩光さんのサイトの記事を読んでいて,驚いてしまった。「いったい何を考えてるんだ!」と私も怒りたい。

 SSLを要するモバイル環境でのパスワードマネージャの使い方に注意
 高木浩光@自宅の日記: 2008年12月21日
 http://takagi-hiromitsu.jp/diary/

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米国のコンピュータセキュリティポリシーは大規模攻撃に耐えられない

下記の記事が出ています。大規模攻撃のシミュレーションによる結果とのこと。

 U.S. Computer Security Policies are Unfit for Cyberwar
 Softpedia: 23rd of December 2008
 http://news.softpedia.com/news/U-S-Computer-Security-Policies-are-Unfit-for-Cyberwar-100762.shtml

さて,日本の場合はどうだろうか?

そもそも,サイバー戦争のような大規模攻撃を想定したシミュレーションがなされたことがあるのだろうか?

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中国:ハッキング処罰強化のための法整備へ

中国では,現時点も無権限アクセス行為を処罰する法令が存在しているが,これは,政府のコンピュータなど重要なコンピュータに対する無権限アクセスに限定して適用されるものだ。中国政府は,民間のコンピュータに対する無権限アクセスも処罰することとし,最大で7年の拘禁刑とするための立法作業を開始した模様だ。

 Chinese hackers to face up to seven years in jail: report
 Yahoo (AFP): Dec 23, 2008
 http://tech.yahoo.com/news/afp/20081223/tc_afp/chinainternetlaws

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レバノン:著作権保護のための法制整備へ

レバノンでは,これまで著作権保護のための法制がしっかりしていなかったらしい。レバノンでは,とりわけ若い世代の意識が変化し,著作権侵害となるような違法コピーが横行しているため,2009年を目処に法制化の動きがあるとのこと。

 Beirut workshop stresses need to respect copyrights
 Daily Star: December 24, 2008
 http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=3&article_id=98670

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EUの電子図書館が再オープン

EUの電子図書館は,オープンしたとたんに世界中からアクセスが殺到し,あっという間にダウンしてしまった。システムを増強し終えるのは2010年ということで,現在時点では,機能が限定された状態(ベータ版)で再オープンということになっている。

 EU's new online library reopens
 BBC: 24 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/arts_and_culture/7798789.stm

 Europeana
 http://www.europeana.eu/portal/

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2008年12月24日 (水曜日)

Bio特許に対する批判-「知恵」を特許で囲い込むな

バイオテクノロジーが大学や企業の研究室内にあるだけの間は特に何も問題にはならなかったのだが,それが特許化され,医薬品や化粧品などとして市場に出回るにつれ,世界各国から大変な非難を浴びることになってしまった。最も主要な非難は,「伝統的な「知恵」を特許で囲い込むな」といったタイプの非難だ。

 Big firms ripping off traditional knowledge owners
 East African: December 20 2008
 http://www.theeastafrican.co.ke/news/-/2558/504714/-/rm3x0wz/-/

このような非難が正当だと思われる特許は確かにたくさんある。例えば,韓国や台湾などで出願された特許にしばしば見られるものなのだが,伝統的な漢方薬の処方をそのままラテン語の植物学名に置き換えただけで発明として出願され,特許が付与されている例が結構たくさんある。出願するほうにも問題があるけれども,それを認めてしまう特許庁にはもっと問題があることは否定できない。当然のことながら,そのような特許実務に対し,漢方薬の元祖である中国から厳しい批判を受けてきたことは周知のとおりだ。もっとも,中国で出願された特許の中にも同じようなものがあることもまた明白な事実だから,韓国や台湾だけが悪いというわけではない。特許制度は,公開されることが前提の知的財産権保護制度なので,各国から出願された特許のクレームなどを読んでみると,すぐに上記のようなことを理解することができる。

しかし,このような判りやすい例は,バイオ関連特許全体の中では比較的少数なのではないかと思う。実際にはもっと巧妙なものが多い。しかも,様々な国々の民族や部族などが伝承で利用してきた「知恵」がすべてデータベース化されインターネット上で公開されているわけではないので,上記のような非難が妥当なものであるかどうかを検討したくてもなかなか難しいというのも事実だ。このような情報流通の阻害により判定不能となっているという問題は,今後しばらくの間は解消しないだろうと思う。だからこそ,かなり「ずるい」特許出願が可能となってしまう素地はある。

反対に,明らかに上記のような非難が妥当しない特許もまたたくさんある。伝承されてきた「知恵」がヒントとなって開発された特許発明やそれに基づく製品はたくさんある。けれども,そのような特許や製品が存在しているからといって,伝承されてきた「知恵」を利用し続けることが特許侵害になるとは到底考えられない。特許法は,クレームに書かれていることのごく一部しか権利として法的に保護しない。

にもかかわらず,上記のような非難がやまないのは,要するに,そのような非難が出てくることが多い地域では,特許制度をきちんと理解し運用することのできるだけの社会制度,社会秩序,人材,予算などが不足しているからだと考えるべき余地がある。

法律家が本来なすべきことは,伝統的に当該地域においては周知であった「知恵」をクレームのかたちに書き換えたのに過ぎないような特許やその出願については,明確に「無効だ」というべきだし,無効の裁判を経なくても「絶対無効」として無視できるような制度を構築するために努力することだろうと思う。それと同時に,単なる「知恵」に過ぎないのではなく,法的な保護に値する「発明」については,誤解を解き,きちんと説明できるようにするための能力を常に涵養することが重要ではないかと思う。

「素人には説明してもわからないことだから」と投げてしまうような態度や蔑視・冷笑するような態度は最も良くない。

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クリスマス・イブなのだけれど・・・

日本だけではなく世界各国では,12月のこのシーズンには消費者が大規模にお金を使う時期になっているらしい。クリスマスを祝う習慣のある国では,とりわけ12月中旬がその山場になる。

ところが,世界規模での金融不安に伴う不景気の影響は,フィンランドにあるサンタクロースの村にまで及んでいるらしい。

 Santa village in Finnish Arctic awaits crisis crunch -- next year
 AFP: Dec 16, 2008
 http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5hgupmY2_kBcS_6LA2icrot8tbQQQ

実は,我が家の今年のクリスマスは,これまでで最も質素なものとなる見込みだ。(苦笑)


[関連記事]

 Europe's shoppers show some resilience to slump
 Guardian: December 23 2008
 http://www.guardian.co.uk/business/feedarticle/8167748

 More US housing woes
 Straits Times: Dec 24, 2008
 http://www.straitstimes.com/Breaking%2BNews/Money/Story/STIStory_318104.html

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総務省がNTT東日本及びNTT西日本に対し行政指導

NTT東日本とNTT西日本が独占的な地位を利用して公正な競争を阻害するような営業活動を行っているとして,総務省が行政指導をする方針を固めた模様だ。下記の記事が出ている。

 「独占的地位利用し営業」総務省、NTT東西に行政指導へ
 Yomiuri Online: 2008年12月24日
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081224-OYT1T00021.htm

NTT東日本とNTT西日本にとっては,あまり嬉しくないクリスマスプレゼントになってしまったのではなかろうか・・・

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情報セキュリティ総合的普及啓発シンポジウム:テーマ:事業継続マネジメントの新たなる出発

下記のセミナーが開催される。

 情報セキュリティ総合的普及啓発シンポジウム
 テーマ:事業継続マネジメントの新たなる出発
 日時:1月28日-29日
 場所:日経ホール(日本経済新聞社内8F)
 参加費:¥10,000 
 http://www.isms.jipdec.jp/seminar/fukyu-sympo09.html

目下の状況において事業継続を確保するために最も大事なこと,それは,資金供給の継続だ。銀行は,わけのわからない貸し渋りをしてはならない。

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MicrosoftのSQL Serverに新たな問題

下記の記事が出ています。

 Microsoft Confirms New SQL Server Threat
 Information Week: Dec 23, 2008
 http://www.informationweek.com/news/security/attacks/showArticle.jhtml?articleID=212501876

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模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)の交渉

模倣品・海賊版拡散防止条約(Anti-Counterfeiting Trade Agreement (ACTA))をめぐる交渉がパリで開催されていたが,交渉がまとまるまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。次の会合は2009年3月にモロッコで開催される予定とのことだ。そのころには米国の政権交代の後になっており,次期政権の世界戦略が明確にされているだろうから,この交渉の方向性に関して何らかの影響を与えるかもしれない。

 「模倣品・海賊版拡散防止条約(Anti-Counterfeiting Trade Agreement, ACTA)(仮称)」構想について
 経済産業省:平成19年10月23日
 http://www.meti.go.jp/press/20071023001/20071023001.html

 「模倣品・海賊版拡散防止条約(Anti-Counterfeiting Trade Agreement, ACTA)(仮称)」構想について
 外務省:平成19年10月23日
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/h19/10/1175843_814.html

 「模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)構想」パリ会合開催
 IP Next: 2008/12/19
 http://www.ipnext.jp/news/index.php?id=5336

 Fact Sheet: Anti-Counterfeiting Trade Agreement
 Office of the United States Trade Representative (USTR): October 2007
 http://www.ustr.gov/assets/Document_Library/Reports_Publications/2007/asset_upload_file122_13414.pdf

 EU defends negotiations over the ACTA anti-piracy treaty
 heise online: 02.12.2008
 http://www.heise.de/english/newsticker/news/119762

 ACTA deal to criminalise illegal content nears deadline
 Computer Weekly: 17 Dec 2008
 http://www.computerweekly.com/Articles/2008/12/17/233964/acta-deal-to-criminalise-illegal-content-nears-deadline.htm

 ACTA negotiations — final round
 P2P Net: 19 Dec, 2008
 http://www.p2pnet.net/story/17941

 Anti-Counterfeiting Trade Agreement: Fact or Fiction?
 Wired: September 15, 2008
 http://blog.wired.com/27bstroke6/2008/09/international-i.html

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2008年12月23日 (火曜日)

ノルウェー:オンライン賭博禁止法を可決

欧米の小説や映画では,しばしばポーカーを楽しむ場面が出てくる。日本の小説や映画では,あまりないかもしれない。

現在,インターネット上の「賭けポーカー」が世界的に問題となっているらしく,従来の法令で取り締まることができる場合にはそれにより,そうでない場合には新規立法によって取り締まりを強化する例が少なくない。

ノルウェーでもオンライン賭博禁止法が可決された模様だ。

 Norway Passes Legislation to Stop Internet Gaming
 Poker News: December 12, 2008
 http://www.pokernewsdaily.com/norway-passes-legislation-to-stop-internet-gaming-816/

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中国のIT企業フーウェイ(HUAWEI)にスパイ疑惑

日本でもイー・モバイルに製品を大量納品している中国のIT企業フーウェイがオーストラリアでスパイ疑惑の目に晒されているようだ。もちろん,フーウェイは疑惑を否定している。しかし,フーウェイは中国共産党と直結する企業であるだけに,存在それ自体として完全な民間企業であるはずがなく,今後も疑惑が解消することはないだろう。

 スパイ疑惑の中国企業がネットインフラ建設?-日本でも納品-豪紙
 中国ニュース通信社: 2008年12月18日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g26932.html

 イーモバイルの契約数は約5万件――Huawei製端末でペースアップを狙う
 +D Mobile: 2007年06月22日
 http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0706/22/news115.html

 イー・モバイル、Huaweiを基地局供給メーカーに追加
 IT Media: 2006年07月19日
 http://bizmakoto.jp/bizmobile/articles/0607/19/news086.html

 Chinese spy fears on broadband frontrunner
 The Australian: December 18, 2008
 http://www.theaustralian.news.com.au/story/0,24897,24816607-601,00.html

 Chinese spy scare sours Australia's plans for nationwide broadband
 Register: 18th December 2008
 http://www.theregister.co.uk/2008/12/18/huawei_optus_ties_nbn_security_concerns/

 Huawei denies 'ludicrous' espionage claims
 ZN Net Australia: 18 December 2008
 http://www.zdnet.com.au/news/communications/soa/Huawei-denies-ludicrous-espionage-claims/0,130061791,339293911,00.htm

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GateHouseが,New York Timesを相手に著作権侵害で提訴

マサチューセッツ州の新聞社GateHouseが,New York Timesを相手に,ヘッドラインや記事を無許可で転載したことが著作権侵害に該当すると主張して,訴訟を提起した模様だ。

 GateHouse sues NYT Co. over local websites
 boston.com: December 22, 2008
 http://www.boston.com/business/ticker/2008/12/gatehouse_sues.html

日本でも同様の事件が存在した。例えば,次の判決がある。

 東京地裁平成14年(ワ)第28035号著作権侵害差止等請求事件判決
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/FEE475DAE38CD32849256EC300292612.pdf

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オーストラリアではP2Pトラフィックにもフィルタリング

オーストラリアでは,フィルタリングに関する議論がいまだに続いているけれども,今度は,P2Pトラフィックに対するフィルタリングが導入されることになったようだ。更に議論が高まりそうだ。下記の記事が出ていた。

 Australia's ISP Filtering Pilot Could Affect P2Ps
 PC Magazine: 12.22.08
 http://www.pcmag.com/article2/0,2817,2337430,00.asp


[追記:2008年12月25日]

関連記事を追加する。

 Australian 'Net filter testing set, will include P2P
 ars technica: December 22, 2008
 http://arstechnica.com/news.ars/post/20081222-australian-net-filter-testing-set-will-include-p2p.html

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音よりも概念

文部科学省及びそれを支援した教員団体が「ゆとり教育」なる根本的に誤った政策を打ち出したために何万人もの犠牲者が出ている。

非常に多くの大学で,「ゆとり教育」によって生み出されたレベルの低い学生に対する対処に困惑し,苦難の道を歩んでいる。教養がなさすぎて授業にならない大学が多数出てきている。このように大学を大学ではなくしてきてしまったのは,まさに「ゆとり教育」政策だったと断言して良い。

一般に,大学教育は高度な学問内容の習得を目的とするものだから,それに適した学生しか入学してはならない。つまり,誰でも入学できる学校であってはならないのだ。しかし,「ゆとり教育」が断行された結果,その最も大事な部分が崩壊してしまったのだ。

ちなみに,大学の中でもいわゆる上位校では学生のレベルが著しく低下しているわけではなく,逆に入試競争倍率が急激にあがり,高得点を得ないと合格しないところが増えている。つまり,大学における「二極化」が極端に進んでしまった。このような傾向は,もう止まらないだろうと思う。そして,その結果として次に起きる出来事は誰の目にも明らかだろう。

ところで,文部科学省は,「ゆとり教育」を見直す方針を固めたようだ。それは,正しいことだ。しかし,具体的な中身は,「ゆとり教育」以上に間違っているものを含んでいる。その代表例が英語教育だ。

 高校新指導要領 「脱ゆとり教育」をどう生かす(12月23日付・読売社説)
 Yomiuri Online: 2008年12月23日
 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081222-OYT1T00894.htm

このブログでも何度も書いてきたことだが,一般に,「言語」というものは「シンボル」と「意味内容」との組み合わせによって成り立っている。その組み合わせの法則を「文法」として認識・理解できることもあるが明確でない場合もある(←「言語」には常に「文法」が存在するとする説は誤り。)。

ある者が他人に伝えることができるのは,音や形や感触などによってかたちづくられている「シンボル」だけであり,その「意味内容」については受信者が勝手に想像するしかない。

人間の脳内の現象をそのまま伝達する方法が存在しないので,意味内容を直接に伝達する方法も存在しない。それゆえ,特定のシンボルから推測可能な意味内容を理解することのできない者の間では,会話は常に成立しない。

オーラル言語としての「英語」すなわちヒアリングや発音などを重視しすぎる教育政策は,この点についての理解を全く欠如しているというべきだろう。どんなに綺麗に発音できたとしても,意味内容を理解しているのでなければ,まさに「鸚鵡がえし」と同じことになる。人間を録音機にしてはならない。

そして,一般に,ある「シンボル」によって示される「意味内容(概念)」を豊富かつ正確に保有するためには,まず日本語による教養教育を徹底してやらないと駄目だ。そのためには読書などのためにいくら時間を費やしても足りない。そして,そのような「意味内容」をしっかりと習得するには,実は「写本」や「写経」のような書き写し作業が最も効果的だと信じている。

「写本」や「写経」という古典的というか中世的というか既に捨て去られてしまった手法が実は最も優れている。正確に書き写しながらその意味内容を考え,そして,分からなければ関連書籍を読み,辞書にあたる。その繰り返し(読書百遍)に勝る手法はない。このことは司法試験のような高度な理解と非常に多くの知識が要求される勉強でも同じだ。

英語の会話をするためのヒアリングやスピーチなどは,大人になってからでも十分にできる。中身がしっかりしていて豊かな教養を有する者であり,かつ,音楽的感覚の優れている者でありさえすれば,大人になってからでも1年~2年くらいの留学体験をするだけで,立派に英会話をすることができるようになると確信をもって断言することができる。

反対に,3歳~5歳くらいの時期に行われてきた「英才教育」なるものが本当に功を奏したのかというと,もともと才能のあった児童についてはその児童を発見・発掘するという効果はあったと思うが,普通の児童については全く意味がなく,単にお金を浪費しただけに過ぎないことが明らかになっているだろうと思う。

真の教育を実施するためには,教育を受ける者が真に教育を渇望しているときでないと効果をあげることができない。教育を受けたくない者に提供されるのであれば,それは監獄内での生活のようなものであり,場合によって暴力に近いものだ。

日本では,機械的かつ段階的に教育を実施するのが正しいと考える人が多い。ピアジェの心理学に悪影響を受けた人々がその原因をつくったのだろう。たしかに,初等教育ではそのように言えるかもしれない。しかし,中等教育以降の段階では,まったく当てはまらない。

そして,本来,学問は自分自身でするものであり,教員から教えられるものではない。

しかし,その大前提として,豊かな教養がないとどうにもならないということは事実だ。もし,世間で指導的な立場にたちたいと思うのであれば,必死になって教養を溜め込み,考え続けることが大事だ。

受験競争それ自体が「悪」であるのか「善」であるのかは知らないが,何も言われなくても自分からどんどん読書し,豊富な教養を蓄積し,日々深く考え続けるようなタイプの子供であれば何も問題はない。そのような子供は自分の力で生きていけるし,教員はそのような自己学習を支援するだけで良い。しかし,そうでない子供については,残念なことではあるが,受験競争でもなければ真面目に勉強などしないことがあるだろうから,やむを得ない「必要悪」としてとらえるしかないだろうと思う。競争心が怠惰な心を抑えこんでくれることを期待できる場合がある。

加えて,「サラリーマンになることが大事」だという暗黙の前提は捨てるべきだろう。ヤクザやマフィアのような違法行為を職業とする者でない限り,職業に貴賎はない。だから,将来サラリーマンになることだけを前提に教育をするのはやめてほしい。

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Megan事件によって改正されたミズーリ州の刑法がサイバーハラスメントに初適用

米国のSNS内で発生したなりすましによりイジメとその結果としての被害者の自殺という事案について,米国連邦の無権限アクセス罪が適用され有罪の陪審評決がなされたということについては,「Megan Meier事件で陪審員が有罪の評決をしたことについての議論」の中で書いた。この事件は,ハラスメントに関する法律の改正を促すことになったようで,ミズーリ州では刑法が改正され,「電話その他の電子的な通信手段(telephone call or any electronic communication)」による場合であっても,ハラスメントとして処罰できるように法改正がなされた。その条文は次のとおり(第1項第(3)号参照)。

*********************************

Missouri Revised Statutes Chapter 565; Offenses Against the Person; Section 565.090

565.090. 1. A person commits the crime of harassment if he or she:
(1) Knowingly communicates a threat to commit any felony to another person and in so doing frightens, intimidates, or causes emotional distress to such other person; or
(2) When communicating with another person, knowingly uses coarse language offensive to one of average sensibility and thereby puts such person in reasonable apprehension of offensive physical contact or harm; or
(3) Knowingly frightens, intimidates, or causes emotional distress to another person by anonymously making a telephone call or any electronic communication; or
(4) Knowingly communicates with another person who is, or who purports to be, seventeen years of age or younger and in so doing and without good cause recklessly frightens, intimidates, or causes emotional distress to such other person; or
(5) Knowingly makes repeated unwanted communication to another person; or
(6) Without good cause engages in any other act with the purpose to frighten, intimidate, or cause emotional distress to another person, cause such person to be frightened, intimidated, or emotionally distressed, and such person's response to the act is one of a person of average sensibilities considering the age of such person.
2. Harassment is a class A misdemeanor unless:
(1) Committed by a person twenty-one years of age or older against a person seventeen years of age or younger; or
(2) The person has previously pleaded guilty to or been found guilty of a violation of this section, or of any offense committed in violation of any county or municipal ordinance in any state, any state law, any federal law, or any military law which, if committed in this state, would be chargeable or indictable as a violation of any offense listed in this subsection.
In such cases, harassment shall be a class D felony.
3. This section shall not apply to activities of federal, state, county, or municipal law enforcement officers conducting investigations of violation of federal, state, county, or municipal law.

http://www.moga.mo.gov/statutes/C500-599/5650000090.HTM

*********************************

この法改正がなされた後,同じような事件が発生し,21歳の女性が起訴された。彼女は,17歳の少女に対しハラスメントとなるような内容のテキストメッセージを送信したとされている。

もしこの21歳の女性が有罪となるとすれば,それは,改正されたミズーリ刑法の最初の適用事例となるらしい。

この事件は,米国のみならず,世界各国の関心を集めている。

 Megan's Law: Mo. prosecutors using new cyberbullying laws
 ZD Net: December 21st, 2008
 http://government.zdnet.com/?p=4233

 Woman faces court over vulgar text message
 theage.com.au: December 22, 2008
 http://www.theage.com.au/news/technology/web/woman-faces-court-over-vulgar-text-message/2008/12/22/1229794290848.html

なお,この21歳の女性を含め,改正法に違反したとして合計7名の者が既に逮捕されているということなので,ネットの世界におけるハラスメント言動に対する取締りが強化されていると判断して良いのではないかと思われる。

 Prosecutors Charge Seven People Under New Cyberbullying Law
 Wired: December 19, 2008
 http://blog.wired.com/27bstroke6/2008/12/seven-people-ch.html

「言論の自由(free speech)」との境界線にある事案については要注意だ。しかし,このようなタイプの事案における問題の本質は,対等な発言力をもつ大人と大人との間での意見交換や議論ではなく,一方が他方に対して圧倒的に優位な立場にある場合(強い成人と幼い児童など)の言動に関してこのような法律が適用されるということだ。その点を見落とすと,奇妙なことになる。

なお,ネット上のイジメについては,下記の書籍が出ている。

 Cyber-Bullying: Issues and Solutions for the School, the Classroom and the Home
 Shaheen Shariff
 Routledge (2008/7/12)

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2008年12月22日 (月曜日)

資産ベース貸出(Asset Based Lending)における知的財産権問題

日本でも資産ベース貸出(Asset Based Lending: ABL)が実際になされてきているようだけれど,いろいろと文献を読んでいる限りではまだ単純なものが多いようだ。しかし,企業の有形・無形の資産全部を包含する包括的な集合財産担保のようなものを前提に信用供与がなされる場合,その資産と関連する知的財産権の処理は,それぞれの知的財産権に適用される固有の法の相違に応じてきめこまかになされなければならない。

加えて,日本では物的財産については対抗要件の取得を要するのが普通なので,その有無との組み合わせ問題も発生する。

このような問題は,かなり面倒くさい問題の部類に属し,基本的には民商法の専門家が相当綿密に検討してみないと,それを解き明かすことができない。特許法や著作権法だけの専門家にとっては本質的に解析不可能な問題領域に属すると言えるだろう(←そもそも民法と商法は特許法や著作権法の基礎にある基本法なので,特許法や著作権法だけを習ってもそれらの法律を正しく理解することは原理的に不可能なのだが・・・)。

だから,この分野では詐欺があり得るし,まともにやっていても後日大変な法的トラブルと直面するような事態が発生しやすい。

この問題との関連で,何に気をつけたら良いのかを解説する米国法関係の解説記事を見つけた。

 Intellectual Property Issues in Asset-Based Lending
 Law.com: December 19, 2008
 http://www.law.com/jsp/ihc/PubArticleIHC.jsp?id=1202426881767

この記事を読んだだけではどうにもならないけれど,非常にコンパクトなチェックリストのような使い方はできるかもしれない。もちろん,プロ仕様ではないので,これだけでは足りない。

なお,米国では連邦法と州法との住み分けがあるので,日本とは事情が少し異なっている。そのために,日本の法制だけを念頭に置いて考えると根本的な間違いを犯してしまいそうだけれれど,考えなければならない要素それ自体としては日本の法制と共通する部分がかなりある。

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バチカンがやっと地動説を公認

下記の記事が出ていた。

 ローマ法王、地動説を初めて認める
 産経ニュース: 2008.12.22
 http://sankei.jp.msn.com/world/europe/081222/erp0812222131004-n1.htm

昨日までは,天動説だったわけだ・・・


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W3Cがウェブアクセシビリティに関するガイドラインWCAG 2.0を公表

W3Cがウェブアクセシビリティに関するガイドラインWCAG 2.0を公表した。

 Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0
 W3C Recommendation 11 December 2008
 http://www.w3.org/TR/WCAG20/

 WCAG 2.0 W3C勧告登場、10年の集大成新時代のアクセサビリティガイドライン
 マイコミジャーナル: 2008/12/17
 http://journal.mycom.co.jp/news/2008/12/17/038/index.html

 WCAG 2.0とは
 IT Pro: 2008/11/04
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Keyword/20081020/317292/?ST=govtech

 New guidelines boost web access
 BBC: 22 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/7789622.stm

公表された確定版に至るまでの間に,既にその内容が周知されていたので,それを取り入れた政策が実施されている国もあるが,今後,その動きが加速するものと思われる。ガイドラインの骨子は,下記のとおり。現時点でも当然そうすべきことかもしれない。

 1:認知できること(Perceivable)
   ユーザが情報やインタフェースの要素を認知できること
 2:操作できること(Operable)
   ユーザがインタフェースの要素を操作できること
 3:理解できこと(Understandable)
   ユーザが情報やインタフェースの操作を理解できること
 4:堅牢であること(Robust)
   コンテンツや支援技術が堅牢であること

しかし,日本では,少し気をつけたほうが良いことがあるように思う。それは,「ユーザアクセシビリティ」というと,どうしても情緒的な対応や工夫を考えてしまいがちだということだ。

しかし,画面にユルキャラがガイドするような仕組みを導入することがアクセシビリティの向上につながるといったような考えは,それが間違いであるとは言えないとしても,普遍性に乏しいその場限りのアイデアに過ぎないように思う。

実際になされるべきことは,もっと即物的で冷徹に人間工学的検討を突き詰めた上でのエンジニアリングではないだろうか。普遍性のあるエンジニアリングは,日本人のあまり得意とすることではない。普遍性のあるエンジニアリングの理論や手法を開発するための前提となる論理的な思考を学校で教わる機会にも乏しい。そもそも論理的な思考や発想を教えたり,その最も大事な部分を生徒に自分から気付くようにもっていくことが上手な教員の数はかなり限られている。

このように,日本においては本質的な部分でかなりの問題が存在することは否定できない。

しかし,ガイドラインによって,「何を考慮しなければならないのか」という指針は示されていることになるので,それを尊重しようとすれば,今後,少しは改善が望めるのではないかと思う。

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政府:犯罪対策の新方針

下記の記事が出ている。

 振り込め詐欺対策を強化=大麻取締法見直しも-犯罪防止へ新行動計画決定へ・政府
 時事通信: 2008/12/22
 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2008122200234

サイバー犯罪に対する対応もしっかりとやってほしい。

[関連記事]

 死因究明センター「全都道府県に」提言…法医学会
 Yomiuri Online: 2008年12月22日
 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20081222-OYT8T00205.htm

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個人情報の流出相変わらず

これだけマスコミなどで報道されているというのに,同じようにして個人情報がどんどん流れ出ていく。今後も続くだろう。

 行政ファイル:県収用委員の個人情報などを紛失 /神奈川
 毎日jp: 2008年12月20日
 http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20081220ddlk14040322000c.html

 調査先に文書置き忘れ 岐阜の税務署
 産経ニュース: 2008.12.19
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081219/crm0812192022034-n1.htm

 メルマガ会員に無関係の中国語メール、個人情報の流出も - 転職情報サイト
 Security NEXT: 2008/12/19
 http://www.security-next.com/009582.html

 個人情報:岡山大病院の20代男性医師、患者情報保存のノートPC紛失 /岡山
 毎日jp: 2008年12月18日
 http://mainichi.jp/area/okayama/news/20081218ddlk33040651000c.html

 個人情報:生徒の成績評定、SDカード盗難--玉野の市立中 /岡山
 毎日jp: 2008年12月18日
 http://mainichi.jp/area/okayama/news/20081218ddlk33040648000c.html

 個人情報:松戸市立新松戸北中で通知表33人分紛失 /千葉
 毎日jp: 2008年12月18日
 http://mainichi.jp/area/chiba/news/20081218ddlk12040172000c.html

 個人情報や口座情報含む書類を紛失 - 大阪市水道局委託業者
 Security NEXT: 2008/12/18
 http://www.security-next.com/009570.html

 個人情報:横浜南税務署、青色申告決算書など紛失
 毎日jp: 2008年12月17日
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081217ddm041040084000c.html

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Googleのサービスをめぐる議論

産経ニュースに特集記事が出ていた。

 【日本の議論】グーグルの無料サービスに“落とし穴” 「情報」めぐるトラブル多発の行方は
 産経ニュース: 2008.12.21
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081221/crm0812211201008-n1.htm

この記事の中では,通商産業省の担当者のコメントやGoogle日本法人担当者のコメントも紹介されている。しかし,報道用に短縮・要約されているので,本当はどのようなコメントであったのかよく分からない。

ただ,確実に言えることは,行政にしてもGoogleの日本法人にしても,誰もきちんと対応しようとはしていないし,発生してしまった被害に対する責任をとろうとはしていない(その意識さえない)ということだと思う。

とは言っても,行政庁の上級職公務員は個人情報保護法その他の法律の専門家ではないし,大臣に対して何か進言しようとしても全然受け入れられない可能性のほうが高いために「やる気」が起きないのかもしれない。他方,Googleの日本法人にしても,日本国における営業拠点というだけのことであって経営に対する発言権は皆無なので,何かしようと思っても実際には何もできない「極東の僻地にいる単なる末端営業マン」といったような立場にあるのかもしれない。また,Google日本法人の担当者が法学や政治学に関してきちんと何年もかけて研究してきた可能性は著しく低いし,法学や政治学における正しい意味での「プライバシー」や「民主主義」の概念などを持っている可能性も低いだろうと推測する。営業拠点の責任者としては,経営者に対して求められる高度な資質・能力・経験が要求されるわけではないので,そういうことになる。その意味では,彼らを責めることは,最初からスジ違いなのではないかとも思う。

自論は,既に何度もこのブログで書いてきたとおり,個人情報保護法及び関連法令の根本的かつ全面的な改正だ。そして,個人情報保護の専門家が指揮することができ,強力な権限をもった独立の組織を構築する必要があると考える。

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中国ではNew York Timesサイトへのアクセスがブロックされ続けている

中国ではBBCなど西欧大手メディアのサイトへのアクセスが中国政府によってブロックされた状態になっている。New York Timesのサイトへのアクセスも同じようにブロックされているようだ。要するに,情報鎖国政策がとられている。

 New York Times site still blocked in China
 International Herald Tribune: December 21, 2008
 http://www.iht.com/articles/2008/12/21/asia/web.php

私には,メディア・報道関係の仕事をしている友人を何人かいる。友人として長くお付き合いできる人もあれば,仕事上やむを得ずお付き合いしている人もいる。なかなか個性的な人が多い世界だというのが実感だ。

メディアそれ自体に対しては,日本国政府による報道統制の指示に素直に従ってしまうことやメディア自身の悪についてはあまり語ろうとしないこと,自分だけが正しいという傲慢な姿勢をもっていること,報道のためには一般市民の利益や人権や気持などを軽視または無視してもかまわないというような暗黙の了解を共有していることなど,感心しないことが少なくない。

しかし,それでもなお,「メディアへのアクセスが自由であること」は,その国が自由な国であるかどうかを知るための一つの指標になるのではないかと思う。それは,個々のメディアがすべて「正しい」からではない。むしろ,自己中心的に勝手なことを言っているメディアが多く,その意見が正しいとは限らないからこそ,そのようなところでも自由にアクセスできているということが重要なのだ。

メディア・報道に限らず,個人ブログ上の意見などを含め,一般的に,自己中心的な意見の中には,当然,政府に対する批判や不平・不満が含まれる。その中には間違いを含むものや独善的なものが多い。しかし,そのような批判や意見の中に,まさに当を得ているものが決して少なくない。つまり,「自己中心的であること」は,常に「悪」であるとは限らないし「間違い」であるとは限らないのだ。逆に,「常識的な意見」や「政府公認の見解」のようなものが,本当は,虚偽と欺瞞と情報操作にまみれていることだって多々ある。

市民は,多様な意見にアクセスする権利を有する。多様な意見にアクセスし,比較検討し,熟考することによって,自分もまた独善的になってしまうことを少しでも抑止することができるかもしれない。

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EUと米国との間で防衛と個人データ保護に関する新たな合意形成

先週,米国とEUとの間で基本合意が形成され,声明が出された。

 STATEMENT ON INFORMATION SHARING AND PRIVACY AND PERSONAL DATA PROTECTION BETWEEN THE EUROPEAN UNION AND THE UNITED STATES OF AMERICA
 http://www.dhs.gov/xlibrary/assets/usa_statement_data_privacy_protection_eu_12122008.pdf

 International data protection agreement reached
 FCW: December 17, 2008
 http://www.fcw.com/online/news/154709-1.html

日本国は,無関係でいることができない。

このような大事な時期であるのに,日本国では肝心のところが完全に欠如している。亡国寸前かもしれない。

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2008年12月21日 (日曜日)

米国が,中国の産業育成政策は保護貿易主義であるとしてWTOに提訴

米国が,中国の産業育成政策は保護貿易主義であるとしてWTOに提訴した。中国は,WTOのルールに従っていると反論している模様だ。米中間の経済摩擦が高まっている。このような状態では,果たして中国の経済状態がどうなるのかについて,不透明さが増すことになる。そして,このような経済摩擦の経過の中で,ネット上でも様々な問題が生じてきそうだ。

 米、中国をWTO提訴 「ブランド育成に補助金」
 Nikkei Net: 2008年12月19日
 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081220AT2M2000R20122008.html

 China protests latest U.S. trade case at WTO
 REUTERS: Dec 21, 2008
 http://uk.reuters.com/article/usPoliticsNews/idUKTRE4BK0UR20081221

 US files WTO case against China "famous brands" aid
 REUTERS: Dec 19, 2008
 http://www.reuters.com/article/usDollarRpt/idUSWBT01030020081219

 US drags China to WTO over 'protectionist' policy
 AFP: Dec 19, 2008
 http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5iFzfvKIEIr_K7jtsuvc7KyYL1LsA

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電話や偽サイトでクレジットカード情報を盗み出す手口が横行

米国ではクレジットカードの保有者に対して電話をかけたり,紛らわしいドメイン名の偽サイトを構築して,クレジットカード番号やセキュリティ番号などを盗み取る手口が横行しているらしい。もしかすると日本でも既にそういうことが実行されているのかもしれない。

 Phone, Internet scams make rounds
 seattlepi.com: December 19, 2008
 http://seattlepi.nwsource.com/business/392990_scams20.html

こうして世界の情勢をときどきながめていると,日本の犯罪白書などで指摘されているよりもずっとクレジットカード犯罪の脅威度が高いのではないかと思うようになってきた。

実は,このことは,クレジットカードを使った詐欺という意味での被害を発生させるだけでなく,ネット全体にかかわる非常に深刻な問題を発生させてしまうかもしれない。それは,本人確認が不安定になるという問題を生じさせるということだ。

現在のネット上のWebショップなどでは,自前で本人確認をしっかりとやっているところもあるけれども,中にはクレジットカードで結成できたということだけで本人確認もできたことにして処理してしまっているところがある。つまり,「クレジット決済ができた」という事実に依存して本人確認をしているわけだ。

しかし,クレジットカード犯罪が無視できない件数になってくると,そのようなクレジット決済に依存した本人確認のやり方がほとんど意味をなさなくなってしまうかもしれない。

真面目かつ迅速に対応策を検討しなければならない。

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私立大学の有価証券含み損と含み益

読売新聞によると,金融危機後に拡大した私立大学の有価証券含み損の金額が次第に明らかになってきたようだ。19私大の中で黒字は明治大学のみであり,それ以外は全部赤字ということだ。

 18私大、有価証券含み損688億円…読売新聞調べ
 Yomiuri Online: 2008年12月21日
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081221-OYT1T00041.htm

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ゲーム機の特許侵害を理由とする不当利得返還請求事件において均等侵害等の主張が認められず請求棄却とされた事例(東京地方裁判所平成19年(ワ)32196号)

東京地方裁判所は,平成20年08月28日,データイースト株式会社が有する特許権を任天堂株式会社(被告)が侵害しているとして,データイースト株式会社からその特許を譲り受けたタクトロン株式会社(原告)から提起されていた不当利得返還請求訴訟について,請求を棄却する判決をした。

 東京地方裁判所平成19年(ワ)32196号不当利得返還請求事件判決
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080829163640.pdf

事案の概要及び判決中の重要部分等は下記のとおりである。

***********************************

(事案の概要)

本件は,被告の製造,販売していたゲーム機がデータイースト株式会社(以下「データイースト」という。)の有していた特許権を侵害しており,これによって被告が利益を得たとして,データイーストから上記特許権とともに特許権侵害による不当利得返還請求権を承継したと主張する原告が,被告に対し,不当利得金2億2250万円の一部請求として5000万円及び訴状送達日の翌日である平成19年12月12日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

(判決理由中の重要部分)

1 前提となる事実

(1)当事者等

原告は,インターネット等を利用した各種情報提供サービス及びコンテンツの制作等を目的とした株式会社である。
被告は,ゲーム・映像・音楽等のコンテンツに係る電子応用機器及び装置の開発及び製造販売,コンピュータネットワーク等を利用した情報処理及び情報提供サービス事業等を目的とした株式会社である。
データイーストは,遊技機器の企画・製造・販売並びに保守等を目的とした株式会社であったところ,平成15年6月25日午後5時に東京地方裁判所の破産宣告を受けた。

2 争点(3)〔本件発明の技術的範囲の解釈〕について

特許法70条は,その1項において,「特許発明の技術的範囲は、願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならない。」と規定し,その2項において,「前項の場合においては、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮して、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとする。」と規定している。
これらの規定によれば,特許発明の技術的範囲は,特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならないものの,特許請求の範囲の意味内容をより具体的で正確に判断する資料として,明細書の発明の詳細な説明の記載及び図面を考慮して,特許請求の範囲に記載された用語の意味を解釈すべきものと解するのが相当である。
 そして,公衆に発明の技術を開示した代償として当該発明に独占権を与えるという我が国の特許制度の趣旨や,特許発明は,発明の詳細な説明に,当業者が実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものでなければならないとする特許法36条の趣旨に照らすと,特許請求の範囲に記載された特許発明の技術的範囲は,明細書の実施可能に開示された技術に基づいて解釈されるべきである。

[中略]

本件発明の技術的な要点は,マップから隣接する2つの図形を表示するためのデータを取り出し,このデータに基づきキャラクタジェネレータから隣接した2つの図形データを一度に取り出して,2つの図形を同時に処理対象とすることによって,図形の回転表示を実現することにあるものと認めることができる。
他方,原告は,本件明細書において,本件発明の基本的な考え方は,回転後の座標値からキャラクタコードと回転後のピクセルデータを取得し,これを1ピクセル毎に繰り返すことで任意の回転表示を実現することにあるのであり,実施例は,上記の基本的な考え方を前提とした上で,ハードウエアで実現するための速度を重視して,マップや図形発生手段で複数ピクセルをまとめて処理した例を記載したにすぎない旨を主張する。
しかしながら,本件明細書中において,原告の主張する1ピクセル毎の繰返しの処理により回転表示を実現するとの技術思想を開示した記載を見出すことはできない。つまり,本件明細書において,本件発明の技術的事項を具体的に開示する唯一の実施例は,前記(2)オの段落【0058】ないし【0067】の記載にあらわれたとおり,図形の回転表示を実現するために,1ピクセル毎の繰返しではなく,いわば1キャラクタ幅(実施例では,16ピクセル)毎の繰返しをもって,隣接する2つのキャラクタの図形データを斜めに順次読み出す処理による技術を示したものにほかならないというべきである。
原告の主張は,本件明細書の開示に基づかないものであって,採用するこ
とができない。
そこで,以下においては,上記の技術的範囲の解釈を踏まえて,本件発明の構成要件の解釈をすることとする。

3 争点(4)〔被告製品の本件発明の構成要件の充足性〕について

[中略]

以上のとおり,「読出順序データ」とは,図形を回転表示する場合に必要となるマップ上の左右に隣接する2つのキャラクタコードであり,本件発明は,この読出順序データに基づき,これに対応する2個分の図形データから必要な複数個のピクセルデータを一括して取得して,回転した図形の画面表示を行う技術を開示したものということができる。

[中略]

以上のとおり,「第1の読出信号」とは,「マップ」に供給される読出信号であって,「マップ」から「ナウ」と「ネクスト」又は「バック」との2つの記憶内容(キャラクタコード)である「読出順序データ」を得るための信号であるということができる。

[中略]

以上のとおり,「第2の読出信号」とは,「キャラクタジェネレータ」に供給される読出信号であって,「マップ」から得られた「ナウ」と「ネクスト」又は「バック」との「読出順序データ」に対応する「図形データ」から,「ピクセルデータ」を特定するための信号であるということができる。

(4)前記(1)ないし(3)で述べた本件発明における「読出順序データ」,「第1の読出信号」及び「第2の読出信号」の解釈を踏まえて,該当する本件発明の構成要件と被告製品との対比をする。

ア 本件発明1について

本件発明1は,「(前記図形発生手段は,)ピクセル単位で,前記区域毎の独立した表示内容の読出順序データを受けて該読出順序データに対応する図形データであって前記第2の読出信号によって特定されたピクセルデータを得,図形を回転表示することを特徴とする」(構成要件1C)「図形表示装置」であることから,「読出順序データ」を必須の要件とするものである。
しかしながら,被告製品は,前記1(3)の認定のとおり,1ピクセル毎にスクリーンメモリからキャラクタコードが取得され,特定したピクセルデータを取得してこれを画面に表示する構成及び動作を備えるものであるから,少なくとも,前記(1)エのとおり,2つのキャラクタコードを意味する「読出順序データ」の要件を充たさないことが明らかであり,その余の点につき検討するまでもなく,本件発明1の構成要件1Cを充足しない。同様に,本件発明1の「読出順序データ」を含む構成要件1Bも充足しない。
したがって,本件発明1のその余の構成要件の充足性につき判断するまでもなく,被告製品は,本件発明1の技術的範囲に属さないものと認められる。

イ 本件発明2について

本件発明2は,「(図形表示を行う前記ステップが,)ピクセル単位で,前記区域毎の独立した表示内容の読出順序データを受けて該読出順序データに対応する図形データであって前記第2の読出信号によって特定されたピクセルデータを得,図形を回転表示するステップを含むことを特徴とする」(構成要件2B)「図形表示方法」であることから,「読出順序データ」を必須の要件とするものである。
しかしながら,被告製品については,前記アのとおり,本件発明1におけると同様,1ピクセル毎にスクリーンメモリからキャラクタコードが取得され,特定したピクセルデータを取得してこれを画面に表示する構成及び動作を備えるものであるから,少なくとも,2つのキャラクタコードを意味する「読出順序データ」の要件を充たさないことが明らかであり,その余の点につき検討するまでもなく,本件発明2の構成要件2Bを充足しない。同様に,本件発明2の「読出順序データ」を含む構成要件2A3及び2A4も充足しない。
したがって,本件発明2のその余の構成要件の充足性につき判断するまでもなく,被告製品は,本件発明2の技術的範囲に属さないものと認められる。

(5)以上のとおりであるから,被告製品は,本件発明の技術的範囲に属さないものというべきである。

4 争点(5)〔均等侵害の成否〕について

(1)前記3(4)のとおり,被告製品は,少なくとも,本件発明1につき構成要件1B及び1C,本件発明2につき構成要件2A3,2A4及び2Bのそれぞれ「読出順序データ」の要件を充足しないことが明らかである。
原告は,本件発明の構成要件のうちの「読出順序データ」が限定解釈された(被告製品において,「1ピクセル毎に処理」していることにより,「読出データの個数が複数ピクセルに対応する隣接する2つであること」が非充足である)としても,均等侵害に当たり,「読出データの個数が複数ピクセルに対応する隣接する2つであること」は,本件発明の本質的部分ではなく,キャラクタ方式であるのに,「座標回転処理」を行い,回転後のピクセルデータを「ピクセル単位」で得て図形を回転させることが本質的部分である旨主張する。
しかしながら,本件発明は,前記2(2)イ・ウのとおり,従来技術のマップとキャラクタジェネレータを用いる方式で図形の回転表示をすることに課題があったのに対し,前記2(2)オのとおり,本件明細書に記載された唯一の実施例において,この課題を解決したところに発明としての意義があるものである。そして,図形の回転を実現するために,「読出順序データ」として,「ナウ」のほかに「ネクスト」又は「バック」に相当する2つのキャラクタを対象として,必要なピクセルデータを取得し,任意の角度での回転表示を実現する技術が開示されていることは,前記2(3),3(1)のとおりであって,この「読出順序データ」を用いることが本件発明における核心の技術というべきである。
そうすると,原告の均等侵害の主張は,被告製品の構成について,少なくとも,本件発明1の構成要件1C及び本件発明2の構成要件2Bにおける「読出順序データ」という本件発明の本質的な部分にかかわる要件を置換することを前提とするものといわざるを得ず,均等論の要件を充たさないものである。

(2)以上のとおりであるから,原告の主張する均等侵害については,その余につき検討するまでもなく,失当である。

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中国経済をどう見るべきか?

中国ニュース通信社(Record China)は,米国企業の8割が中国経済の状況について楽観的な見方をしていると報じている。

 8割超が今後の中国市場に楽観的な見方-米国
 中国ニュース通信社: 2008年12月19日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g26875.html

そのような見方をするのは自由だ。問題は,「そのような楽観的な見通しをもっていて大丈夫か?」ということに尽きる。

それをチェックするための資料を集め,正確に分析しなければならない。しかし,中国政府の報道統制があるため,情報が十分には伝わってこない。

つまり,判断不可能。

ちなみに,中国の何千年かにわたる歴史をひもといてみると,大地震が発生して数年すると,国が乱れ,王朝が滅んだり戦乱となったりした例をいくつか見つけることができる。あくまでも,歴史上ではそうだったということに過ぎないのだが・・・

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Net Safe

インターネットや携帯電話の利用に伴い児童に対する性的虐待などが世界規模で問題とされてきた。そのような児童に対する保護活動または保護のための組織のことを英語でネットセーフ(Net Safe)という。このような活動は,日本国にも存在し,主に警察などが中心となって児童買春の摘発や各種啓発活動などを実施している。

摘発された事件やその加害者に関しては,ときどき新聞やネット上の報道記事で目にすることがあるが,果たして十分な社会学的な研究がなされているかどうかとなるとやや疑問だ。かつて名著といわれたスタッズ・ターケルの『仕事!』で採用されていたようなインタビュー手法による大規模な社会学的研究が必要なのだろうけれど,こと犯罪の問題となるとなかなか難しい側面がある。

けれども,ときどき,ネット上でそのような考察のために少しは役にたつのではないかと思われるような記事と出遭うこともある。今朝は,下記の記事を見つけた。

 Alton Internet stings target sexual predators
 The Telegraph: December 20, 2008
 http://www.thetelegraph.com/news/internet_21500___article.html/alton_bazzell.html

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EU:ルーマニアとブルガリアで消費者教育計画を実施

EUは,ルーマニアとブルガリアにおいて,消費者が電子商取引におけるトラブルにまきこまれないようにするための消費者教育計画を策定し,実施している模様だ。下記の記事が出ている。

 EU programme on online consumer education in Romania and Bulgaria
 Financial.ro: 19 Dec, 2008
 http://www.financiarul.ro/2008/12/19/eu-programme-on-online-consumer-education-in-romania-and-bulgaria/

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等身大女性ロボット

「ラースと、その彼女」という映画がある。プレゼントされた等身大女性人形を愛する心優しい男性というシチュエーションの映画で,そこに出てくる人形は超大型のバービー人形のような人形だ。

 ラースと、その彼女
 http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/20850/

このような人形の女性を愛好する(または愛する)孤独な男性は,日本においても米国においても現実に多数存在するらしい。「強い女性とはお付き合いできない」という心理傾向をもった男性がそうなることが多いという指摘もあるけれども,本当のことはよく分からない。ともあれ,そのような等身大人形の製造技術は日増しに高まっており,現在では,ほとんど生きた人間と変わらないようなものが製造され,販売されている。それだけ需要があるということなのだろう。

 4Woods Manufacturing
 http://aidoll.4woods.jp/

そのような等身大女性人形を性行為の対象とするということが結構古くから(遅くとも南極探検隊派遣以降には)あったということは常識に属することであるけれども,それらは単なる人形に過ぎなかった。

けれども,もし単なる人形ではなく,人間と同じようにふるまい行動するアンドロイドであるとすれば,恋人のようにお付き合いできるのではないかと考える人が出てくるのは当然で,そのようなモチーフを扱った漫画作品としては,松本零士氏の『セクサロイド』や石ノ森章太郎氏の『セクサドール』などが非常に有名な作品となっている。

他方,性行為とは無関係に,アニメのキャラクタである美少女を等身大で作成してしまおうという人々はかなり多数存在し続けている。

 百花繚乱! 美少女等身大フィギュアが一挙30体Over!! in 東京アニメセンター 1体目
 ASCII: 2007年12月03日
 http://ascii.jp/elem/000/000/089/89938/

小さなフィギュアであれば,それなりに可愛らしいと思えるが,等身大となると,(少なくとも私にとっては)やや不気味だ。(笑)

ともあれ,これらの映画や漫画作品などに影響されたのかどうかは知らないが,カナダの男性が本当に等身大ドールのようなロボットをつくってしまったようだ。顔の形が日本人風なので,日本の企業が製造した等身大ドールのパーツを転用したのではないかと想像する。

 カナダ人男性、理想の「恋人ロボット」製作 名はアイコ
 CNN Japan: 2008.12.12
 http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200812120016.html

このような傾向をみていると,今後の秋葉原では,単なる等身大フィギュアではなく,声を出し,挨拶し,人間に対して何らかの反応をし,歩いたりすることのできるアニメキャラクタ等身大ロボットが主流に近いくらいのトレンドになっていく可能性が高いのではないかと想像する。

問題は,その先の未来だ。

強い個性をもった人間とはお付き合いできず,人形のようなロボットとひそかに暮らす人々しか存在しないような未来都市の姿を想像すると,ぞっとしてくる。

ちなみに,男性型アンドロイドが人間の女性と愛し合うというテーマの映画もある。人工知能の理論と技術が行き詰っている現在,そのような未来が到来する可能性は非常に低いけれども,外形的にやや近似した出来事はあり得ることかもしれない。ただし,私の個人的意見(解釈)としては,米国で製作されたアンドロイドを主人公とする映画の中には,本当はいわれのない人種差別に対する抗議の趣旨で製作されたものが少なくないのではないかと思っている。

 アンドリューNDR114
 http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id160134/

しかし,他方では,高齢者や身障者の介護用ロボットの開発がどんどん進められている。老人になっても「人」と触れ合っていたいという欲望や本能があるのは当然のことだと思う。ボーボワールは,『老い』の中でそのことを十分過ぎるくらいに表現している。それと同時に精神の老化によって非常に頑固で「生きた人間」と平穏に交渉をもてなくなってしまうような人々が増加するだろうということは火を見るよりも明らかだ。したがって,この分野でも生きた人間そっくりの等身大ロボットが開発され利用されるような未来が待っているかもしれない。

どちらにしても,かなり寂しい未来像ではある。

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アイコラ(アイドルコラージュ)

かつてアイコラ(アイドルコラージュ)なるものが流行ったことがあり,アイドルや歌手などの顔の写真とヌードモデルの裸体写真などを合成した写真が流布され,肖像権侵害や名誉毀損などとして社会問題化したことがある。当時,ネット上には無数のアイコラサイトが存在していたのだけれど,摘発が強化されたりした結果,現在では,名だけアイコラサイトでも実質的には単純なエロサイトになっているところが多い。

 肖像パブリシティ権擁護監視機構
 http://www.japrpo.or.jp/

そのような歴史を経て,現在ではアイコラまたはそれに類することはなくなってしまったのではないかと思っていた。

しかし,念のためにネット上の報道記事を調べてみたら,まだあった。愚昧としか言いようのない行為だ。

 画像合成しネット掲載 名誉棄損容疑で男逮捕
 産経ニュース: 2008.12.8
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081208/crm0812081352032-n1.htm

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ベリサインの2009年予測

下記の記事が出ていた。

 社会インフラ攻撃やサイバー戦争が増加、VeriSignが2009年を予測
 Internet Watch: 2008/12/17
 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/12/17/21895.html

異論はない。そのとおりになるだろと思う。

ただし,べりサインのような企業の仕事に含まれていないリスクが他にもたくさんあることを忘れてはならないだろうと思う。それは,物理的な攻撃や戦争だ。その危険性は異常に高まっている。高度な技術を駆使してネットを攻撃するよりも,もっと簡単な方法でネットを破壊するやり方はいくらでもある。とりわけ物理攻撃がそうだ。そのような問題に対して,情報セキュリティの専門家は,(残念ながら)無力だろうと思う。そのような問題に対しては,公安や警察や軍隊がしっかりと対応しなければならない。


[物理攻撃に関連する記事]

 NTT東日本:世田谷ケーブル火災(昭和59年11月)
 http://www.ntt-east.co.jp/saigai/taisaku/case_06.html

 石見利勝,糸井川栄一「世田谷ケーブル火災の被害について」
 http://ci.nii.ac.jp/naid/110004226062/

 IP電話サービスの損害賠償
 IT Pro: 2006/11/30
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20061127/254871/

 昭和54年版犯罪白書:新東京国際空港反対闘争事件
 http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/20/nfm/n_20_2_1_2_1_2.html

 「おたすけ自動販売機」に3度目の落書き
 日刊スポーツ: 2008年12月7日
 http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20081207-437728.html

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後見落語

後見落語というものがあるらしい。私は,実際にはどのような内容のものであるのかを全く知らない。1月22日に千代田区役所に行けばそれを聴くことができるのだが,たぶんスケジュール的に無理だと思う。

 新春後見落語「頼れる味方!後見人」~現在(いま)を、老後を賢く生きる~
 日時:平成21年1月22日(木) 13:30~16:00
 場所:千代田区役所1階区民ホール
 参加費:無料
 http://chiyoda-days.jp/amenity/event/2009-01/09012201.htm

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裁判員制度に新たな欠陥

暴力団員など違法な行為を職業とする者が裁判員に選任される可能性があることは,既にこのブログでも何度も示唆してきたことだが,やっとそのことを明確に指摘するニュース記事が現れた。この記事には誰にでも分かる当然のことしか書いていないが,裁判員制度の制度設計をした者には「常識」というものが欠如していたのだろうと推測する。

 暴力団員も裁判員に? 法に規定なし、排除できず
 神戸新聞: 12/20
 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001622354.shtml

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オバマ次期大統領:遺伝子研究を最重要課題として推進

オバマ次期大統領は,科学技術分野における政策を大きく転換し,とりわけ遺伝子研究を重視する政策を推進する見込みだ。IT分野と並んで遺伝子分野でも米国は世界のトップの座を回復しようとしているとのことだ。

 Obama signals break with Bush in new science team
 Yahoo News (AFP): 21 Dec, 2008
 http://news.yahoo.com/s/afp/20081220/pl_afp/uspoliticsobamascience_081220225400;_ylt=AlkJQ1eomMyEcaq1pcU7l0qFOrgF

日本の状況をみると,IT分野でも遺伝子分野でも,投入される研究予算は非常に乏しい。それだけではなく,それらの研究に携わる各種機関や研究所等の予算(とりわけ人件費)が異常に切り詰められてしまっているため,装置があってもそれを使うことのできる研究員や技師などが存在せず,かつ,後進を育成することもできないという大問題と直面している。小泉政権以降,このような傾向が顕著になっており,日本における科学技術研究における人的資源は除草剤によってすべての草が枯らされてしまった後の露地のような様相を示している。そのような場所には,強靭な薬物耐性をもった外来の帰化植物のような植物しか生えてこない。

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スウェーデンでは70万人がファイルシェアリングを利用

スウェーデンでは70万人がインターネット上のファイルシェアリングを利用しているという調査結果が出た。もちろん違法なコンテンツもシェアされることになる。スウェーデン政府は,違法コンテンツを取り締まるための新法の制定を検討しているようだ。

 700,000 Swedes involved in Internet file sharing: study
 Yahoo News: December 18, 2008
 http://au.news.yahoo.com/a/-/technology/5220718/700000-swedes-involved-internet-file-sharing-study/

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インドでもネット中毒が社会問題化

中国でネット中毒(Internet addiction)が病気として扱われることになったことは「中国:インターネット依存を疾病とする見解に批判」で書いたとおりだ。インドでもかなり大きな社会問題になっているらしい。下記の記事が出ていた。

 Caught in a web
 The Times of India: 20 Dec 2008
 http://timesofindia.indiatimes.com/Potpourri/Caught_in_a_web/articleshow/3863236.cms

もちろん,日本でも米国でもネットなしには生きられないような精神状態になっている人は増加しているのではないかと推定される。米国に関しては,下記のような記事が出ていた。

 女性の半数、男性の3割が「セックスよりインターネット」――Intel調査
 IT Media: 2008年12月16日
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0812/16/news025.html

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2008年12月20日 (土曜日)

電子証拠開示と個人情報保護との接合はうまくいくか?

米国の改正連邦証拠規則に基づく電子証拠開示(e-Discovery)を実施した場合,開示される電子証拠の中に個人データが含まれることはあり得る。そして,もし米国法を欧州の訴訟等で適用した場合,EUの個人データ保護指令とのコンフリクトが生ずるかどうかが当然問題となり得る。この問題に関する興味深い記事を見つけた。

 When U.S. E-Discovery Meets EU Roadblocks
 Law.com: December 20, 2008
 http://www.law.com/jsp/legaltechnology/pubArticleLT.jsp?id=1202426918666

さて,日本の場合には,個人情報保護法とのコンフリクトの有無を検討しなければならないことになるのだが,この分野でのまともな研究成果は皆無に等しい。今後の課題というしかない状況にある。

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米国SECの職員が,アクセス制御用のフィルタをかいくぐって,勤務時間中にポルノサイトなどにアクセス

米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission, SEC)の報告書は,SECの職員が,SECのコンピュータを職員が私的目的で利用しないように設定してあるフィルタをかいくぐり,勤務時間中にポルノサイトにアクセスしていたという内部調査結果を明らかにしている。

 SEC Report: Employees Browsed Porn, Ran Private Businesses
 Pro Publica: December 19, 2008
 http://www.propublica.org/article/sec-report-employees-browsed-porn-ran-private-businesses-1219

 Semiannual Report to Congress (April 1, 2008-September 30,2008)
 U.S. Securities and Exchange Commission; Office of Inspector General
 http://www.sec-oig.gov/Reports/Semiannual/2008/seminov08.pdf

このような事例は日本でも散見されるものであり,とりたてて珍しいものということはできないが,服務規則違反であることもまた明らかだ。ちなみに,日本の実例としては,組織のトップが勤務時間中にポルノサイトにアクセスし続け,セキュリティ担当者が苦りきっているといった事例を何件か知っている。これはこれで,別の意味で困ったことだと思う。

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カナダ最高裁:企業経営者の義務とは,株主の利益を守ることはなく企業を守ることである

カナダ最高裁は,企業買収に関する事件の判決において,「企業経営者の義務とは,株主(投資家)の利益を守ることはなく,企業を守ることである」という趣旨の判断を示した模様だ。下記の記事が出ている。

 BCE Buyout Case Leads to Ruling on Directors' Duties
 Bloonberg: December 19, 2008
 http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601082&sid=aoZxWFjo6U9s&refer=canada

この判決の判決文は,2008年12月19日に,カナダ最高裁のサイトで公開された。判決の日付が2008年6月20日となっているので,判決文の公開まで6ヶ月かかっていることになる。

 BCE Inc. v.  1976 Debentureholders, 2008 SCC 69
 Date of Judgment: 2008 June 20
 Date of Delivered: 2008 December 19
 http://scc.lexum.umontreal.ca/en/2008/2008scc69/2008scc69.html

この判決中の重要部分は,下記のとおり。

***********************************

[36] The directors are responsible for the governance of the corporation.  In the performance of this role, the directors are subject to two duties: a fiduciary duty to the corporation under s. 122(1)(a) (the fiduciary duty); and a duty to exercise the care, diligence and skill of a reasonably prudent person in comparable circumstances under s. 122(1)(b) (the duty of care). The second duty is not at issue in these proceedings as this is not a claim against the directors of the corporation for failing to meet their duty of care.   However, this case does involve the fiduciary duty of the directors to the corporation, and particularly the “fair treatment” component of this duty, which, as will be seen, is fundamental to the reasonable expectations of stakeholders claiming an oppression remedy.

[37] The fiduciary duty of the directors to the corporation originated in the common law.  It is a duty to act in the best interests of the corporation.  Often the interests of shareholders and stakeholders are co-extensive with the interests of the corporation.  But if they conflict, the directors’ duty is clear — it is to the corporation:  Peoples Department Stores.

[38] The fiduciary duty of the directors to the corporation is a broad, contextual concept.  It is not confined to short-term profit or share value.  Where the corporation is an ongoing concern, it looks to the long-term interests of the corporation.  The content of this duty varies with the situation at hand.  At a minimum, it requires the directors to ensure that the corporation meets its statutory obligations.  But, depending on the context, there may also be other requirements. In any event, the fiduciary duty owed by directors is mandatory; directors must look to what is in the best interests of the corporation.

[39] In Peoples Department Stores, this Court found that although directors must consider the best interests of the corporation, it may also be appropriate, although not mandatory, to consider the impact of corporate decisions on shareholders or particular groups of stakeholders. As stated by Major and Deschamps JJ., at para. 42:

We accept as an accurate statement of law that in determining whether they are acting with a view to the best interests of the corporation it may be legitimate, given all the circumstances of a given case, for the board of directors to consider, inter alia, the interests of shareholders, employees, suppliers, creditors, consumers, governments and the environment.

As will be discussed, cases dealing with claims of oppression have further clarified the content of the fiduciary duty of directors with respect to the range of interests that should be considered in determining what is in the best interests of the corporation, acting fairly and responsibly.

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海底ケーブルの切断により,地中海~アフリカのインターネット接続が不能となり,この地域の経済にも重大な悪影響

地中海のシチリア島~大西洋に伸び,アフリカ一帯をカバーしている海底ケーブルが切断されてしまった模様だ。その結果,地中海~アフリカのエリア(フランスなど幾つかの欧州諸国も含む。)にあるインターネット接続が不可能または非常に困難な状況となっており,エジプトなどの経済に甚大な悪影響を及ぼし始めているようだ。

 Severed cable disrupts web access
 BBC: 19 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/7792688.stm

このような海底ケーブルの切断による経済への悪影響は,日本を含むアジア諸国でも同じだ。現代社会の経済は,インターネットに大きく依存している。そして,それはバーチャルな存在なのではなく物理的に存在している通信手段によって支えされている。その物理的な通信手段が失われてしまうと,もちろんインターネットも消失し,それに依存した経済も直ちに死亡する。

日本国では,電気通信事業法によって重要インフラの確保が電気通信事業者に義務付けられている。また,本来であれば,電気通信事業者は,総務省が定める各種基準に従って通信のための物理的設備や施設(躯体を含む。)を構築しなければならないことになっているのだが,そのような基準はもともと電信電話公社のために存在していたものなので一般のプロバイダなどには周知されているとは言えない状況にあり,その結果,物理設備としてはかなり問題となるような脆弱性を抱えたプロバイダが多数存在するという結果を招いている(例:耐震・防火設計になっていないビルの中に設置されたデータセンターやストレージサービスなど)。それでもなお,そのような問題は,国内の問題として,日本国政府がしっかりしてれば改善可能な問題だろうと考える。

問題は,BBCが報じているような海底ケーブルだ。国際的なインターネット接続の多くは現時点でもなお海底ケーブルという物的設備に依存して存在している。これが切断された場合,日本は文字通り「島国」としてインターネットの世界の中で孤立した存在となってしまうだろう。このことは英国のような国でも同じだ。

また,通信設備だけではなく,非常に大きなISPやクラウドコンピューティングサービスプロバダイが経営破綻や大震災などのために運営不能状態に陥ると,やはり同じような事態が発生してしまう。

インターネットの世界では,あまりにも「上もの」のビジネスばかりに目が行き過ぎてしまったことを反省すべきだろうし,また,少数の企業にサービスやデータが集中してしまうことを容認するような空気が支配的であったことについても真面目に再検討がなされるべきだろう。

通信を可能とするために最も大事なのは「ボトム」を運営するキャリアなのであり,それなしには全てが存在しない。また,企業の事業継続性を維持するためには,企業の情報資産が集中しているような場所を確実に守らなくてはならない。


[追記:2008年12月22日]

関連記事を追加する。

 International web services improve after cable cut
 AFP: 20 Dec, 2008
 http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5iUeQc1fPCbrlQsteN5ZvoOI97obw

 Repairs start on Mediterranean telecoms cables
 REUTERS: 21 Dec 2008
 http://africa.reuters.com/wire/news/usnLL442826.html

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カリフォルニアのIT産業では大量の失業者発生

シリコンバレーの状況に関して,下記の記事が出ている。

 Job Losses Hit the Tech Sector (At Long Last)
 New York Times: December 19, 2008
 http://bits.blogs.nytimes.com/2008/12/19/job-losses-hit-tech-sector-at-last/

世界規模の不況は,ますますもって深刻さを増しており,その影響は(当然のことながら)IT産業にも及んでいる。

しかし,こうしたときだからこそ,ネット上で運用可能な新しいビジネスを考え出すべきなのではないだろうか?

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IPA: DNSキャッシュポイズニング脆弱性について再度の警告

IPAは,DNSキャッシュポイズニング脆弱性の問題が解消されておらず,その届出が増加し続けている現状に鑑み,再度の警告を発した。

 -DNSサーバを管理するウェブサイト運営者は早急にDNSサーバのパッチ適用や設定変更を!-
 IPA: 2008年12月19日
 http://www.ipa.go.jp/security/vuln/documents/2008/200812_DNS.html

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フリーメールはスパムの温床

下記の記事が出ている。私の実感としても,そのとおりだと思う。

 スパム業者に組織的に悪用されるGmail,Yahoo,Hotmail
 IT Pro: 2008/12/15
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/MAG/20081215/321393/

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プライバシー保護団体が,Googleに対し,検索によって個人データを取得しないように要請

下記の記事が出ている。

 Consumer Group Calls on Google to Offer Zero Personal Data Retention Policy; Seeks Meeting With Chairman Eric Schmidt About Privacy Concerns
 PR Newswire: 19 Dec, 2008
 http://news.prnewswire.com/ViewContent.aspx?ACCT=109&STORY=/www/story/12-19-2008/0004945204&EDATE=

今後,このような動きが加速・拡大するものと思われる。

しかし,Googleは,このような要請に対して,決して応ずることはないだろう。利用者の個人データを取得すること,それを重要な収入源である広告ビジネスにつなげること,そのために巨額の費用をかけて開発してきた技術を徹底的に応用することを放棄することは,Googleにとって死を意味するからだ。

そして,Googleだけがそのような態度をとる者ではない。およそ,すべからくCRMをはじめとする自動的な商業宣伝広告システムというものはそうしたもので,個人の秘密を踏みにじることなしには決して成立することのないビジネスモデルなのだということを忘れてはならない。

[追記:2008年12月28日]

日本語の記事が出ていたので,追加する。

 米消費者団体、グーグルに検索時の個人データ消去機能追加を要請
 Computer World: 2008年12月22日
 http://www.computerworld.jp/topics/google/130589.html

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インドではサイバー犯罪が50パーセント増加

インドでは2007年以降サイバー犯罪が50パーセント増加したとのことだ。世界的な趨勢を反映するものと思われる。下記の記事が出ている。

 Cyber crime jumps by 50 per cent in India
 IT Examiner: December 19, 2008
 http://www.itexaminer.com/cyber-crime-jumps-by-50-per-cent-in-india.aspx

その背景事情については,下記の解説記事を読むと理解できそうだ。

 Cyber law enforcement and cyber crimes in India
 merinews: 17 Dec, 2008
 http://www.merinews.com/catFull.jsp?articleID=153266

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上智大学の田島康彦教授らがGoogle Map反対運動を開始

日本語のニュース記事ではまだ配信されていないかもしれないが,上智大学の田島康彦教授らがGoogle Map反対運動を開始したとの英語及び中国語の報道がある。

 Group asks Google to stop map image service
 Reuter: Fri Dec 19, 2008
 http://www.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idUSTRE4BI5A120081219

 谷歌街景服务被要求叫停 涉嫌侵犯公众隐私权
 腾讯: 2008年12月19日
 http://tech.qq.com/a/20081219/000397.htm

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RIAAが訴訟攻勢を強める

RIAA(Recording Industry Association of America)は,ISPと協力して,音楽レコードの違法コピーなどの著作権侵害行為に対する訴訟を強化する方針のようだ。下記の記事が出ている。

 RIAA to discontinue litigation strategy, coordinate more with ISPs
 Beta News: December 19, 2008
 http://www.betanews.com/article/RIAA_to_discontinue_litigation_strategy_coordinate_more_with_ISPs/1229699347

 No ISP Filtering Under New RIAA Copyright Strategy
 Wired: December 19, 2008
 http://blog.wired.com/27bstroke6/2008/12/no-isp-filterin.html


[追記:2008年12月23日]

関連記事を追加する。

 The RIAA's About-Face on Lawsuits
 Internet.com: December 22, 2008
 http://www.internetnews.com/bus-news/article.php/3792831/The+RIAAs+AboutFace+on+Lawsuits.htm

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2008年12月19日 (金曜日)

韓国:ネイバー(NHN)が違法音楽コンテンツを自動検出して消去するフィルタリング技術を導入

韓国のネイバー(現在の商号はNHN)は,違法にコピーされた音楽コンテンツの流通を防止するため,P2Pを含むあらゆrトラフィックを監視し,もし違法コンテンツがアップロードされたときは自動的に検出して消去してしまうフィルタリングソフトウェア技術を導入するようだ。

 S KOREA'S TOP INTERNET PORTAL TO FILTER OUT PIRATED MUSIC
 Trading Markets: Dec 19, 2008
 http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2093007/

 ネイバー、音源著作権フィルタリングシステム導入
 中央日報: 2008.10.28
 http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=106542&servcode=400&sectcode=400

誤検知は全くないのだろうか?

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ポラロイドが米国連邦破産法第11章の手続申請へ

70年の歴史を誇るインスタントカメラの老舗ポラロイドが経営破綻した。米国連邦破産法第11章に基づく申請(日本の民事再生手続に相当)をした模様だ。

 Polaroid in bankruptcy protection
 BBC: 19 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/7791150.stm

 Polaroid, Following Parent Company, Seeks Bankruptcy Protection
 Bloomberg: December 19, 2008
 http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=afOdWSvgMXtM

ポラロイドは既にインスタントフィルムの製造をやめており,今後の再生の可能性は不明。

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EU:域外から輸入される携帯電話に対し価格の14パーセントを課税する方針

EUは,域内の産業を保護する目的で,域外から輸入される携帯電話の価格の14パーセントの額の課税をする方針を決定したようだ。

 European import tax to put 14% on the price of a mobile phone
 Mobile Phones: 17th December 2008
 http://www.mobile-phones.co.uk/news/mobile-phones/eu-mobile-import-tax_M10055.html

現在の世界的な不況が長引くと,今後,世界各地で保護主義的な傾向が強まることになり,結果的に,世界規模での経済摩擦の危険性が高まるかもしれない。

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ロシアでも重大犯罪人のDNAデータベース構築へ

ロシアのメドベージェフ大統領は,重大犯罪人のDNA情報を記録するためのデータベースシステムの構築を認める法律に署名をした模様だ。

 Medvedev signs bill on convicts' DNA database
 Associated Press: Dec 5, 2008
 http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5igYgQNE5wdTUBTT8JS590wlmn5HgD94SMDE02

世界各国で犯罪者のDNAデータベースが構築され続けている。

しかし,冤罪などで後になって無罪であることが判明した者のDNA情報を消去するための手順等について定めた法律は皆無に等しい。


[このブログ内の関連記事]

 欧州人権裁判所が,無罪となった者のDNA情報を警察が保持することは違法と判決
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/dna-7899.html

 米国では逮捕者の指紋とDNAの採取を更に拡張する方針
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/dna-1156.html

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中国:人肉検索(人肉捜索)をしたWebサイトと加担者に対して罰金刑の判決

英語ではhuman flesh search engineと訳されている「人肉検索(中国語では人肉捜索)」の話題が報道されていた。興味深い記事だ。

 Chinese Court Acts Against ‘Cyber-Violence’
 New York Times:  December 19, 2008
 http://www.nytimes.com/2008/12/20/world/asia/20china.html?ref=world

 China court orders compensation in Internet harassment case
 AFP: 19 Dec, 2008
 http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5jatcBNK6xkbYQMAo-xQaheS9PFDw

 Man, website fined in 1st online harassment case
 中国日报: 2008-12-19
 http://english.rednet.cn/c/2008/12/19/1666369.htm

この記事によれば,中国の裁判所は,妻を捨てて不倫に走り妻を自殺に追い込んでしまった夫について「人肉検索(人肉捜索)」を実行したWebサイトと人肉検索(人肉捜索)に加担人々に対し罰金刑の言い渡しをしたようだ。中国におけるこのタイプの名誉毀損事件に対する判決としては,初のケースということらしい。そして,この記事では,この判決が中国政府と警察にとっても大きな意味のある判決になるだろうということを示唆している。

ところで,人肉検索(人肉捜索)とは,いわば人海戦術によって特定の個人の秘密を暴き,ネットに晒す行為のことを指す言葉らしい。あまり品の良い言葉ではない。

もちろん,人肉検索(人肉捜索)の標的とされた者については,個人情報の保護も何もあったものではない。

日本法で考えると,人肉検索(人肉捜索)に加担し,その結果,個人の秘密などを暴露された者が被害を被った場合には,その加担者全員が名誉毀損罪の共同正犯として処罰可能であるので,被害者は加害者名が不明のままでも直ちに告訴すればよいだろう。あとは警察が草の根わけても犯人を探し出し,処罰できるようにしてくれる。

[関連記事]

 世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」【第99回】「標的」にされたら最後~「人肉検索」で個人情報はさらされる
 NB Online: 2008年9月12日
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080910/170132/

 中国ネット界で流行の「人肉検索」 - 新ビジネスモデルのカギに?
 マイコミジャーナル: 2008/10/15
 http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/10/15/chinasearch/index.html

 グーグル検索、「北京08」が急上昇ワード世界2位!メラミン、人肉検索も―中国
 中国ニュース通信社: 2008年12月10日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g26625.html

 Human flesh search engines: Chinese vigilantes that hunt victims on the web
 Times Online: June 25, 2008
 http://technology.timesonline.co.uk/tol/news/tech_and_web/article4213681.ece

 Human Flesh Search: Vigilantes of the Chinese Internet
 New America Media: Apr 30, 2008
 http://news.newamericamedia.org/news/view_article.html?article_id=964203448cbf700c9640912bf9012e05

 China's Human Flesh Search Engine - Not what you might think it is…
 China Supertrends: May 25, 2008
 http://www.chinasupertrends.com/chinas-human-flesh-search-engine-not-what-you-might-think-it-is/

 The Human Flesh Search Engine
 Forbes: 11.21.08
 http://www.forbes.com/2008/11/21/human-flesh-search-tech-identity08-cx_cb_1121obrien.html

 'Human flesh search engine': an Internet lynching?
 sina.com: 2008-07-04
 http://english.sina.com/china/1/2008/0704/170016.html

 Will the first "human flesh search" trial set restrictions on the practice?
 東西南北: July 31, 2008
 http://zonaeuropa.com/20080802_1.htm


[追記:2008年12月20日]

関連記事を追加する。

 ネット中傷、ブロガーに賠償命令=個人情報トラブルで初の判決-中国
 時事通信: 2008/12/18
 http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008121801033

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英国議会で、有力議員が政府に対し誹謗中傷禁止法の改正を求める

インターネット上の誹謗中傷合戦のようなものは常に存在し,最近では日韓及び中韓での誹謗中傷合戦が話題になった。あまり感心できる出来事ではないが,それでもまだ言い争いというかたちで相互的になっているからまだましなほうではないかと思う。悪質な例としては,ネットつぶしやブログつぶしのような感じで,一方的なコメントを大量に書き込んだりする事例や,あるいは,匿名で悪口や罵詈雑言を浴びせる事例などもある。

こうした中で,英国議会の有力議員数名が,インターネット上の誹謗中傷行為について対応するための法改正を英国政府に要求する動きがあるようだ。

 MPs demand reform of libel laws
 Guardian: 18 December 2008
 http://www.guardian.co.uk/media/2008/dec/18/mps-demand-reform-of-libel-laws

インターネット上の言論の規制については,言論の自由(free speech)を守るという立場から常に批判のあることであるし,現実問題として,人間の言動はそれ自体として意味があるわけではなく,単なる文字列が存在しているのにすぎない。それらについては,情況という要素を考慮した上で文脈的・意味的解釈を加えた上でないとその社会的機能等を測定できない。したがって,常に解釈者による主観によるバイアスがかかってしまうことになる。そのことを突き詰めると「会話不能」という哲学の領域では古くからある課題と直面することになってしまうので,それを回避するために,人々は適当なところで妥協しつつ,自分の主観が正しい意味解釈だと思いこんで行動することにしている。だから,この問題は,原理的に永久に解決できない問題というカテゴリに属するかもしれない。

しかし,それでもなお法律家は現実に発生してしまった事件に適切に対応しなければならないわけだし,必要に応じて,議会は必要な立法等をしなければならない。

日本国では,目下のところ,現行の刑法や民法で対処できる事案が多いのではないかと思われる。それは,民法や刑法の条項の規定の仕方が比較的抽象的であるがゆえに解釈によって適用範囲を拡張したりしやすいということに由来しているかもしれない。けれども,机上の議論だけでは妥当な解釈が導き出されないことがあることも既知の歴史的事実なので,この分野の研究者は,ネット上のフィールドワーク的な研究手法の重要性を忘れないようにしながらその研究を進めるようにすべきだろうと思う。

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文化庁:事務補佐員(非常勤職員)の募集

文化庁では,事務補佐員(非常勤職員)を募集している。詳細は下記のとおり。

 平成21年度文化庁非常勤職員(日日雇用)採用のお知らせ
 http://www.bunka.go.jp/oshirase_koubo_saiyou/2008/hijoukin_boshu_200812.html

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情報通信審議会 情報通信政策部会:通信・放送の総合的な法体系に関する検討委員会(第10回)議事録

総務省のサイトで,下記の議事録が公開されている。

 情報通信審議会 情報通信政策部会:通信・放送の総合的な法体系に関する検討委員会(第10回)議事録
 http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/houtai/pdf/081125_3.pdf

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クラウドコンピューティングに対する疑念

一方では,クラウドコンピューティングを大々的に売り出す宣伝が大いになされているが,他方では,クラウドコンピューティングがもたらすセキュリティ上または法律上の懸念も表明されうようになってきた。やっと認識と理解が広まりつつあるようだ。

 'Illegal, Unethical, Untrustworthy' Clouds
 Information Week: Dec,16, 2008
 http://www.informationweek.com/cloud-computing/blog/archives/2008/12/illegal_unethic.html

 Nebulous cloud computing
 CNET: December 17, 2008
 http://news.cnet.com/8301-1001_3-10125537-92.html

 Predictions 2009: BT on Security and the Cloud
 Search Security: Dec 18, 2008
 http://searchsecurity.techtarget.com.au/articles/28121-Predictions-2-9-BT-on-Security-and-the-Cloud

 The Cloud that Never Rains
 Islam Online: Dec. 18, 2008
 http://www.islamonline.net/servlet/Satellite?c=Article_C&cid=1229319091612&pagename=Zone-English-HealthScience%2FHSELayout

おそらく,まともな企業では顧問弁護士や自社法務部によって事前に検討をしただろうし(もちろん,まともでない企業はそのような事前検討プロセスをふむことなどあり得ない。),そこで得られた結果で十分だと判断した上で,製品やサービスを市場に出しているのだろう。しかし,現実に出てきているものを対象として観察した結果に関する限り,残念ながら,十分と言えるものは非常に少ない。弁護士事務所や法務部はきちんと仕事をしてほしい。

そんなこんなで,何の歯止めもなく暴走し続けるクラウドコンピューティングサービスプロバイダが雨後の竹の子のように世界中に林立しつつある。その中には詐欺的または犯罪目的でサービスを提供している疑いのあるところもあるようだ。

しかし,現時点では,クラウドコンピューティングビジネスで利益を得ようとする企業の「企業活動の自由」よりも,法令遵守と安全確保のほうを優先すべきだと確信する。

さもなければ,とてつもなく大変な事態が発生してしまいそうだ。私には明確に予見できる。それを少しも予見できない経営者や政府は,暗愚である。


[このブログの中の関連記事]

 総務省:インターネット政策懇談会 報告書素案(案)
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-5b50.html

 クラウドコンピューティングのセキュリティ
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-9049.html

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米国の保健福祉省が新しいプライバシー保護ガイドラインを公表

米国連邦の保健福祉省(Department of Health and Human Services)は,2008年12月15日,新しいプライバシー保護ガイドラインを公表した。

 Nationwide Privacy and Security Framework For Electronic Exchange of Individually Identifiable Health Information
 December 15, 2008
 Office of the National Coordinator for Health Information Technology
 U.S. Department of Health and Human Services
 http://www.hhs.gov/healthit/documents/NationwidePS_Framework.pdf

 New privacy guidelines for e-health records announced
 CNET: December 17, 2008
 http://news.cnet.com/8301-13578_3-10123549-38.html

日本国では,個人情報保護法が制定された当時,非常に多数のガイドラインが策定されたけれども,今ではそれらの存在それ自体を覚えている人が乏しくなってしまっているかもしれない。まして,改正の機運もほとんどない。まさに画餅の如し。

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英国コンピュータ協会が2012年のオリンピックまでにサイバー犯罪シンクタンクを設立

英国コンピュータ協会などが,1012年のロンドンオリンピックまでにサイバー犯罪シンクタンクを設立し,調査研究や教育を含め,サイバーフォレンジックに関する各種業務の提供を開始する見込みのようだ。

 The British Computer Society has created a new forensics group to examine the cybercrime threat posed up to and during the 2012 Olympics.
 IT Pro: 16 Dec 2008
 http://www.itpro.co.uk/609279/bcs-launches-2012-cybercrime-think-tank

最近の各種報告書によると,サイバー犯罪者が世界的に組織化の傾向にあり,経済的利益を得るためにサイバー犯罪が実行される例が増えていることから,今後,このようなサイバー犯罪対策のための動きが活発になるのではないかと予測される。

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2008年12月18日 (木曜日)

欧州司法裁判所:政府が取得した外国人の情報を警察目的で利用してはならない

欧州司法裁判所(European Court of Justice)は,2008年12月16日,非常に重要な判決をした。すなわち,政府は,外国人に関する情報を,居住の権利に関する法令を適用するための「特別の必要性がある場合」に限り,外国人登録データベースに入れることが許されるが,そのような情報を統計の目的または犯罪防止という見地から記録したり処理したりしてはならないと判決したのだ。

 Judgment of the Court of Justice in Case C-524/06
 Heinz Huber v Germany
 A CENTRALISED REGISTER OF FOREIGN NATIONALS MAY CONTAIN ONLY THOSE DATA WHICH ARE STRICTLY NECESSARY FOR THE APPLICATION OF THE RULES RELATING TO THE RIGHT OF RESIDENCE
 The processing and storage of those data relating to Union citizens for statistical purposes or with a view to fighting crime is contrary to Community law.
 http://curia.europa.eu/en/actu/communiques/cp08/aff/cp080090en.pdf

 Police should not keep foreigners' data
 European Voice: 16.12.2008
 http://www.europeanvoice.com/article/2008/12/police-should-not-keep-foreigners-data/63438.aspx

この判決の論理は明快であり,EUの個人データ保護指令の解釈としても正しい解釈であると思われる。しかし,米国や英国(そして,たぶん日本)における政府や警察における考え方は全く異なっていることから,今後様々な場面で相当厳しい政治的軋轢が生ずる可能性がある。

ちなみに,もし日本の裁判所が同様の争点について判断を求められると仮定した場合,この欧州司法裁判所の判決と同じ解釈に基づく判決をする可能性は絶無に近い。

いずれにしても,人権や個人情報の保護を考える上でとりわけ注目すべき判決であることに,ほとんど疑問の余地がない。

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オーストラリア政府がインターネット監視計画の後退を余儀なくされる

オーストラリアは,インターネット上の通信内容を全面的にフィルタリングする計画を進めてきたが,プライバシー保護団体からの強い抗議を受け,その計画を後退させることになったようだ。下記の記事が出ている。

 Australia's web censorship plan could threaten freedom of speech
 Royal Gazette: December 17. 2008
 http://www.royalgazette.com/siftology.royalgazette/Article/article.jsp?articleId=7d8c8b73003001b&sectionId=65

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知的財産高等裁判所平成20年12月10日判決(平成19年(行ケ)第10389号審決取消請求事件)

マイクロソフトが日本国の特許庁に対して特許出願していた「質疑応答方法,および自動遠隔診断方法」という発明について,特許庁から拒絶査定を受けたので,これを不服として審判請求をしたが,特許庁が請求不成立の審決をしたため,同審決の取消しを求めていた事件について,知的財産高等裁判所は,平成20年12月10日,「特許庁が不服2004-17884号事件について平成19年7月9日にした審決を取り消す。」との審決取消の判決をした。

 知的財産高等裁判所平成20年12月10日判決(平成19年(行ケ)第10389号審決取消請求事件)
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081212103309.pdf

この事件における争点は2つある。一つは引用発明と出願発明との間に相違点があるかどうかであり,もう一つは,周知技術から当業者が想到することが容易であるかどうかである。

判決理由中の重要部分は,次のとおりであるが,要するに,特許庁における審査が不十分であるとして審査のやり直しを命じた判決である。

************************************

2 取消事由1(相違点の看過)について

(3) 以上を踏まえて,本願発明と引用文献1記載発明との対比につき検討する。

ア 本願発明における「問いかけのセット」は,前記(1)カのとおり階層的仕組みを用いた一群の問いかけを意味するものであるところ,引用文献1記載発明におけるガイドリストは,大見出し項目を細分類した各項目にそれぞれ選択コードを付したものであり,これに基づいて顧客が所要の選択コードを順繰りに入力して細項目まで指定することができるものであるから,実質的にみれば階層的仕組みを用いた一群の問いかけということができ,本願発明の「問いかけのセット」に相当する。

イ 他方,本願発明における「データベースエントリ」は,他のユーザが以前に出会った問題から成る,データベースに記憶されているひとかたまりのデータ単位を意味するものであり,ユーザが新たな問題に出会うと連続的に更新されるものである。

(ア) これに対し,引用文献1記載発明のうち,サービスセンターに設けられたサービス情報管理ボックスに記憶されるのは,①ガイドリスト,②顧客操作マニュアル及びガイドリストに記載された各選択コードに対応して予め記憶される回答,③顧客からの質問,相談を音声情報又は画像情報として受け付けた場合の当該質問等及びこれに対するコンサルタントの回答などである。

(イ) このうち,上記②には,他のユーザが以前に出会った問題に対する回答も一部には含まれうるものの,それ以外の一般的な質問等に対する回答と混在していると考えられ,他のユーザが以前に出会った問題がひとかたまりのデータ単位として存在しているとはいえない。

(ウ) また,上記③は,コンサルタントに質問等を送信しあるいは顧客に回答を送信するまでの間の保管としてサービス情報管理ボックスに一時的に記憶されるものであって,顧客からの質問等はコンサルタントに送信された後に消去され,コンサルタントの回答は顧客に送信された後に消去される(引用文献1〔甲6〕,段落【0032】,【0034】参照)。このように,上記質問等及び回答は,他のユーザが以前に出会った問題から成るものとはいえず,また,ユーザが新たな問題に出会うと,その問題に関する質問等がコンサルタントに送信され,これに対する回答が顧客に送信されるまでの間,それぞれ一時的に記憶されるものであるにすぎないという点で,本願発明における「データベースエントリ」とは異なるものである。

ウ また,本願発明における「問いかけのセット」と「データベースエントリ」との関係は,上記のとおり,他のユーザが以前に出会った問題から成る「データベースエントリ」から選択されるデータが「問いかけのセット」の少なくとも一部を成すというものであって,「データベースエントリ」がユーザが新たな問題に出会うと連続的に更新されることにより,その更新された内容が「問いかけのセット」の一部として選択されることが可能となるものである。

(ア) これに対し,引用文献1記載発明において顧客操作マニュアル及びガイドリストに記載された各選択コードに対応して予め記憶される回答は,ガイドリストに記載された各項目の質問等にそのまま対応するものであって,上記回答からデータを選択してガイドリストの一部とするという関係にはない。

(イ) また,引用文献1記載発明において音声情報又は画像情報として受け付けた顧客からの質問,相談及びこれに対するコンサルタントの回答は,上記のとおりサービス情報管理ボックスに一時的に記憶されるものであってコンサルタント又は顧客に送信された後に消去されるものであるから,他のユーザが以前に出会った問題に関する質問等及び回答のデータがガイドリストの一部を成すものとして選択されるとはいえず,また,ユーザが出会った新たな問題に関する質問等及び回答がガイドリストの一部として選択されることが可能なものともいえない。

(4) 以上を踏まえて,原告が主張する相違点A~Cの看過の有無について検討する。

ア原告の主張する相違点Aにつき

原告の主張は要するに,本願発明における「データベースエントリ」はユーザが新たな問題に出会うと連続的に更新されるものであるのに対し,引用文献1記載発明はこのような構成を有していないというものである。
この点に関して審決は,相違点3として「データベースエントリについて,本願発明では,少なくとも一部に,他のユーザが以前に出会った問題を含むもので,ユーザが新たな問題に出会うと連続的に更新されるものであるのに対し,引用文献1記載発明では,ツリー状に分類表記した顧客操作マニュアルに表記された項目について回答できるように,顧客によって指定された依頼や問い合わせ項目に対する返信内容を音声メッセージや画像情報として予め記憶させることは示しているが,該記憶の内容が他のユーザが以前に出会った問題であるかは示されていないし,また,比較的複雑な任意の質問,相談を伝言メッセージとして問い合わせるための伝言メッセージ選択コードに対する回答を音声情報または画像情報として記憶することは示しているが,該記憶がユーザが新たな問題に出会うと連続的になされるものであるかは示されていない点」(14頁15行~25行)と認定している。
審決の上記認定は,本願発明の「データベースエントリ」の少なくとも一部に他のユーザが以前に出会った問題が含まれるという解釈を前提としたものであり,その認定に若干不正確な点があるものの,顧客操作マニュアルに記載された項目に対応して予め記憶される回答が他のユーザが以前に出会った問題であるかという点と,音声情報又は画像情報として受け付けた顧客からの質問,相談に対するコンサルタントの回答の記憶がユーザが新たな問題に出会うと連続的になされるものであるかという点についていずれも引用文献1(甲6)に示されていないとして相違点として認定している。
したがって,審決には原告主張の相違点Aの看過があるとまではいえないというべきである。

イ原告の主張する相違点Bにつき

原告の主張は要するに,本願発明における「データベースエントリ」がユーザが新たな問題に出会うと連続的に更新されることにより,その更新された内容が「問いかけのセット」の一部として選択されることが可能となるために,新たな問題に対する回答を他のユーザに提供することが可能であるのに対し,引用文献1記載発明はこのような構成を有していないというものである。
そして,本願発明の構成が原告主張のとおりであること,引用文献1記載発明が本願発明の上記構成を有していないことは,前記(3)のとおりである。
したがって,この点は本願発明と引用文献1記載発明との相違点として認定されるべきものであるところ,審決が認定した相違点1~4はいずれもこの点について言及しておらず,審決は上記相違点を看過したものである。

ウ原告の主張する相違点Cにつき

原告の主張は,「本願発明は,システム提供後においても他のユーザによって連続的に更新される問題の回答を,問いかけをするユーザが受け取ることができるようにする構成である」のに対し,引用文献1記載発明はこのような構成を有しないというものである。
しかし,上記の点は前記イの相違点と実質的に同じことをいうものであり,別個の相違点として認定されるべきものではない。原告の主張する,引用文献1記載発明におけるシステム提供時の顧客マニュアルに記載された選択コードとの関係は,前記イの相違点についての容易想到性の判断の中で検討されるべきものである。
したがって,上記相違点Cの看過をいう原告の主張は採用することができない。
(5) そうすると,審決には,前記2(4)イの相違点を看過した違法があり,その違法は審決の結論に影響を及ぼすものである。
特許庁は,本願発明の容易想到性に関し,看過された上記相違点及び本件訴訟において新たに提出された乙1~乙3の各文献との関係も含め,改めて審理すべきである。

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世界最初の携帯用RFIDプリンタ

RFIDを印刷して使うというアイデアは何年も前からあったので,とっくの昔に携帯用RFIDプリンタができてしまっているだろうと勝手に思いこんでいたけれど,そうではなかったようだ。Zebra Technologiesという企業がやっとその開発に成功したらしい。ただし,RFIDによるプライバシー侵害に危惧する人々からは格好の攻撃対象とされてしまうかもしれない。

 Mobile RFID Reader Brings Big Brother To Your Pocket
 Wired: December 17, 2008
 http://blog.wired.com/gadgets/2008/12/mobile-rfid-rea.html

 Zebra Technologies Launches The P4T And RP4T, The World's First RFID-Enabled Mobile Thermal Transfer Printers
 RFID Solution Online: November 19, 2008
 http://www.rfidsolutionsonline.com/article.mvc/Zebra-Technologies-Launches-The-P4T-and-RP4T-0003

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インターネット上でオンラインポーカー賭博を運営していたインド人技術者が米国法違反で有罪の答弁

オンラインゲームの中には賭博そのものであるものがある。オンラインギャンブリングという。その扱いについては国によって対象異なっているところもあるが,基本的にはどの国でも違法とされることが多い。インターネット上のオンラインギャンブリング・サイトであるPartyGamingを運営していたインド人技術者が検挙され,法廷で有罪の答弁をしたようだ。

 PartyGaming founder admits breaking US law
 Telegraph.co.uk: 17 Dec 2008
 http://www.telegraph.co.uk/finance/newsbysector/retailandconsumer/3797589/PartyGaming-founder-admits-breaking-US-law.html

日本国の場合,現実世界であれバーチャル世界であれ,公営競馬のような特別の例外を除いては,原則として賭博罪で処罰される。


[このブログの中の関連記事]

 青少年がネット賭博の餌食になる危険性
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-17fb.html

 ネット賭博にハマって人生を終りにしてしまった女性達
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-0189.html

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オバマ次期政権:インターネット戦略の青写真

オバマ次期大統領がIT分野に大規模な投資をし,国際競争力を強化する方針のようだということはこれまでもあちこちで報道されているし,おそらくそのとおりになるだろう。下記の記事でも同様のことが書いてあった。

 A blueprint for Internet investment
 Network World: 12/17/2008
 http://www.networkworld.com/columnists/2008/121708johnson.html

この記事を諦念に読んでみると,注目すべき点が幾つかある。慎重に判断し,対応する必要がある。

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2009年1月12日から,渡米のための電子渡航認証が義務化

現在,渡米の際には電子渡航認証(ESTA)を要しない。しかし,アメリカ合衆国は,2009年1月12日から,渡米のためにESTAを義務化することを決定した。現在までのところ,ESTAが要求される国は,主要国の中ではオーストラリアだけだったかもしれない。しかし,今後,ESTAを求める国が拡大する見込み。

 忘れると搭乗できません! 客室乗務員ら「ESTA」をPR 成田空港
 産経ニュース: 2008.12.18
 http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/chiba/081218/chb0812181114002-n1.htm

 在日米国大使館:電子渡航認証システム(ESTA)
 http://tokyo.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-esta2008.html


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米国コンピュータ犯罪法のゆらぎ

MySpaceの事件で米国連邦刑法1030条(日本国の不正アクセス禁止法に相当)が適用され有罪の評決があったことは「Megan Meier事件で陪審員が有罪の評決をしたことについての議論」で書いたとおりだ。そこでも指摘したように,この法律は,本来は連邦の重要なコンピュータシステムに対し無権限アクセスをした者を処罰するために制定されたものだ。しかし,MySpaceの事件では,IDとパスワードを偽ったわけではなく,自分の素性を偽ってSNSにアクセスしたことが問題とされ,有罪の評決があった。日本国の不正アクセス禁止法との関係で言えば,当然に無罪となるだろう。

このことが米国の法学の世界では結構話題になり続けており,ときどきその関係の記事や論考がネット上で公開されている。今朝,下記のような記事を見つけた。

 The Computer Fraud Act: Bending a Law to Fit a Notorious Case
 Linux Insider: 12/09/08
 http://www.linuxinsider.com/story/must-read/65424.html

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中国では,不況下でもオンラインゲーム産業は好況

中国や韓国でのオンラインゲームの過熱ぶりについては幾度も報道されてきたことだ。そこでは,リアルマネートレードが一つのビジネスを形成しており,中国政府が課税の方針を明らかにするまでに至っている(←日本国では,オンラインゲーム中のアイテムの法的性質に関するどの説を前提にした場合であっても,その売却利益については雑所得として所得税の課税対象になるのが当然のことなので,改めて論ずるべき必要性は全くない。)。このことは「オンラインゲームとリアルマネートレード」や「リアルマネートレーディングに関するニューヨークタイムズの記事」などの記事で既に書いた。

このオンラインゲームについては,韓国では一部規制がなされたこともあってやや沈静化の方向があるようだ。しかし,中国では,そうではない。中国では「プロプレーヤ」と呼ばれる人々つまりオンラインゲームによる収入を主たる所得として生活している人々が多数存在している。かつ,もともと射幸心が強いのは中国人の国民性の一つだとも言われることがある。また,ある中国人留学生の説明によると,「中国にはパチンコがないので,中国におけるオンラインゲーム産業は日本におけるパチンコ産業のような存在になっており,似たような社会的機能を果たしている」とのことだ。そのせいかどうかは知らないが,この不況下でもオンラインゲーム産業だけは好況のようだ。

 <ネットゲーム>「不況知らず」、利用者も増加の一途―中国
 中国ニュース通信社: 2008年12月16日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g26761.html

そんなこんなで,中国におけるオンラインゲーム産業の状況,オンラインゲームで用いられるアイテムとそのリアルマネートレーディング(RMT)などについて興味を持ち,ちょっとだけ調べてみた。ネットで検索可能な情報源は結構たくさんある。ネットで検索可能なものとしては,下記のものが主要なものだと言えるかもしれない。

 中國互聯網路資訊中心 「中國互聯網路發展状況統計報告」(2008年7月)
 http://www.cnnic.cn/uploadfiles/doc/2008/7/23/170424.doc#_Toc204583167

 全国青少年網絡会正式推薦《緑色遊戯推薦標》和《緑色上網服務場所評選標》
 http://www.shdf.gov.cn/newshtmc.html?id=9148&category=48

 趙占領「虚偽財産的法律保護」
 http://news.chinabyte.com/158/1781158.shtml

 劉徳良「虚偽財産法律問題研究」
 http://www.apcyber-law.com/details.asp?ID=272

 Ying-Chieh Chen, Patrick S. Chen, Ronggong Song, Larry Korba, Online Gaming Crime and Security Issue – Cases and Countermeasures from Taiwan, National Research Council Canada, October 2004
 http://iit-iti.nrc-cnrc.gc.ca/iit-publications-iti/docs/NRC-47401.pdf

 日本貿易振興機構(ジェトロ)「中国オンラインゲーム産業に関する報告書」(2006年3月)
 http://www3.jetro.go.jp/jetro-file/search-text.do?url=05001279

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米国Yahooが個人データの収集を制限

ネットビジネスにおいては,必要であるかどうかとは無関係に個人データを集めまくることが常態化している。これは,インチキ経営コンサルタントなどに騙されて,「CRMによる収益向上のためにはひたすら個人データを収集すべきだ」などという俗説を信じてしまっている無能な経営者がいかに多いかということを如実に示していると理解している。詐欺的または押し売り的な違法ビジネスを除いた場合,個人データをかき集めただけでは,実際には,コストと法的なリスクだけが積み重なるという結果を招くのみであり,収益につながることはない。これは,誰が考えても当たり前の基本的な経済原理の一つなのだが,そんな簡単なことが分からない無教養な経営者が少なくないということなのだろう。

さて,そのような世界にあって,米国Yahooは個人データの収集を削減する方針を決定したらしい。その真意がどこにあるのかは分からない。しかし,一般市民の立場では,歓迎すべき出来事であることは疑いない。

 Yahoo Limits Retention of Personal Data
 New York Times: December 17, 2008
 http://www.nytimes.com/2008/12/18/technology/internet/18yahoo.html?_r=1&ref=technology

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Eメール・ウェブ適正利用推進協議会設立

「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」及び「特定商取引に関する法律」が一部改正されたことを受け,関連団体などにより「Eメール・ウェブ適正利用推進協議会」が設立された。今後,業界としての運用ガイドライン等を策定する予定とのこと。活動状況を注目したい。

 「Eメール・ウェブ適正利用推進協議会」 設立のお知らせ
 JAIPA: 2008年12月1日
 http://www.jaipa.or.jp/info/2008/info_081201.html

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サイバー犯罪の幇助もアウトソースの時代へ

「犯罪は,犯罪者自身が他から見つからないように隠れて計画し,実行するものだ」という固定観念がある。サイバー犯罪を実行するための手段としてのソーシャル・エンジニアリングでもそのことは同じだろう。しかし,ネットを使った詐欺に関しては,必ずしもそうとは言い切れないようだ。ネット詐欺のためのソーシャル・エンジニアリングのアウトソース・ビジネスが存在するらしい。まさに犯罪がビジネスになりつつある。

 Social Engineering Outsourced
 Softpedia: 16th of December 2008
 http://news.softpedia.com/news/Social-Engineering-Outsourced-100196.shtml

このような犯罪を支援するサービスが違法行為であることは言うまでもない。しかし,ある企業のネットサービスがまともなビジネスなのか犯罪者の支援のためのものであるのかを識別することは容易でない場合がある。また,経営者自身が「自分が運営しているビジネスはまともなサービスだ」と心の底から信じていたとしても,客観的には「犯罪者を利すること」しかなく,「社会のまともな人々に対しては損失を発生させること」しかないという例だっていくらでもある。

このような歪んだ頭脳しか持っていない経営者には本当に困ってしまうのだが,だからと言って,それだけの理由で警察がうかつに踏み込むわけにはいかないということが珍しくない。ボロを出して粉飾や各種取引関連法違反等をやってくれればそれを端緒に捜査を開始することもできるかもしれないが,そうそう簡単にはボロを出してくれない。

警察は,サイバー犯罪に適切に対応するため,従来やってきたように科学的な捜査能力を向上させるだけではなく,ビジネスの内容を正確に把握して「それが犯罪と言えるのか言えないのか」を正しく判断する能力を向上させるために,経済や経営や会計や税務についても徹底的に勉強し,巧妙な嘘に騙されずに捜査を遂行できるようにするための能力を強化しなければならない時期に来ていると思われる。

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SNSがサイバー犯罪の標的の一つになりつつあるらしい

下記の記事が出ていた。同様の内容の報告書等は既に広く知られるようになってきているが,おそらく現実味を帯びてきているのだろう。

 Social Networking Picked as Cybercrime Threat
 PC World: December 16, 2008
 http://www.pcworld.com/businesscenter/article/155543/social_networking_picked_as_cybercrime_threat.html

この記事で注目すべきなのは,詐欺などの被害者として狙われるのは中高年のユーザが比較的多いという指摘だ。このことは,いわゆる「振り込め詐欺」などでも中高年などが被害者となることが多いのと同じメカニズムに基づくものだろうと思う。

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株式会社形式の大学破綻

数年前まで,一部のエコノミストなどが「大学は株式会社化すべきだ!」と力説していた時期がある。現時点では,彼らはどこかに隠れてしまったか,あるいは,「そんなこと言ったことはない」ととぼけているか,どちらかになってしまっている。自己批判すべきだろう。なぜなら,大方の大学関係者が予想していたとおりの状況になってきたからだ。破綻が発生した。

 株式会社設立の大学、初の募集停止 経営難のLCA、廃校も
 産経ニュース: 2008.12.18
 http://sankei.jp.msn.com/life/education/081218/edc0812180014000-n1.htm

破綻のメカニズムは明らかだと思う。

まず,学生の立場から考えると,可能な限り安い学費で可能な限り高いメリットを得ようとする経済的合理主義ともいうべき期待が存在する。この期待が実現されていないのであれば,学生はその大学を選ばない。

次に,大学における教員の業務の面から考えると,大学教育は教科書を読めば理解できることを伝授するための単なる情報伝達機関なのではない。大学教授は研究をし,最先端の研究内容を学生に伝え,学生に考えさせることによって,他の大学の学生との差別化をはかり,学生が社会に出てからも相対的に優位な能力や経験を有する者であるように育てようとする。これが最もまともな教授の姿である。そのためには,給与の額に見合った「労働」を提供するだけでは全くもって資金不足となることは常に当然のことである。要するに,教授の熱意だけが大学における高度の教育と研究を支えているのであり,通常の労働理論や経済原理とはかけはなれた「何か」がそこには存在する。にもかかわらず,普通の資本の論理で教授の「仕事」の目方を量ろうとすれば,当然のことながら,常に,平均値以下の結果しか得られない。

評価と言う点でも世間の俗説とは違った要素がある。基本的に,教科書を事前に読んで完全に理解しておくことは学生としての当然の義務とでもいうべきことである。教授は,授業の場では,そのことを前提にして高度な教育を実施すべきである。教科書どおりに授業をすることは大学教育の本質に反する。つまり,大学における教科書とは予習のための自習用副読本のようなものに過ぎない。真に大事な授業内容は教授の頭脳の中にしかないし,そうでなければ真に価値ある授業であるとはいえない。要するに,評価のための指標を構築することが原理的にできない。したがって,特定の教授,学科または学部における教育が真に価値のある授業であるかどうかを第三者から評価することは,原理的に,全く不可能である。

そして,大学は高コストのビジネスである。それゆえ,文部科学省は,毎年,多額の補助金や研究助成金を支出してきた。これは良いことだと思う。もしそれがなくなってしまったりすると,日本の大学における教育・研究のレベルは,それだけで崩壊に近いくらい下落してしまうだろう。そのような高コスト構造を税金でもって支援するかどうかは国政上の重要な判断事項のひとつである。そして,国として,将来の国民をどのようなものにするかという非常に大事な事項と直結するものである。国における将来投資として理解しても良いし,国が大学のためのパトロンになっている社会制度だと理解しても良い。要するに,個々の大学が独立採算制を維持することは,その学校が真の意味で大学であろうとする限り,最初から理論的に破綻していると断言することが可能である。

以上の私の見解については反論もあるだろうけれども,反論したい人はすれば良い。ただし,大学における教育と研究の本質を知っている者の口から出た反論でなければ,何らの説得力も持たないことは言うまでもない。大学というものが生きるメカニズムは,通常の会社経営における経済原理や経営メカニズムとはかなり違ったものであることをきちんと認識・理解する必要があるだろう。いくら資金を投入しても,ただそれだけでは優れた研究業績が誕生するわけではなく,優れた授業が実現するわけでもなく,優れた人材が育つわけでもない。真に優れた経営者であれば,これらのことを既に完全に理解しているはずだ。

さて,大学が破綻した後にどれだけ悲惨なことやGDPを大幅に下落させるようなできことが待っているかを想像することはそれほど困難なことではないが,大学で生活をしている者でなければ想像しにくい部分もあるだろうから,一つだけ破綻した大学のその後の状況を伝える記事を紹介しようと思う。

 経営破綻したカレッジ図書館の悲劇(米国)
 カレントアウェアネス: 2008.09.17
 http://current.ndl.go.jp/e830

このように,大学が破綻した後における社会的・文化的影響は極めて深刻なものとなる。単に経済的観点からの損失の問題にとどまらない。

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2008年12月17日 (水曜日)

ハッカーがアマゾンの違法伐採業者を支援

アマゾンでは環境保護や気象動植物保護の目的で森林伐採可能な地域が制限されている。しかし,木材業者等は金目当てで違法な伐採行為を繰り返している。このような違法伐採行為を監視し,保護エリアと許可エリアとを識別するために,ブラジル政府等は衛星写真を応用した管理システムを運用しているようなのだが,何とハッカーはそのシステムのデータを改ざんし,本当は禁止エリアなのに許可エリアのように見せかけるような不正行為をしているらしい。そして,そのようなハッカーは,違法伐採業者であることもあるという。下記の記事が出ていた。

 Hackers 'aid' Amazon logging scam
 BBC: 15 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/7783257.stm

日本で同じようなシステムがあるのかどうかは知らないが,類似のシステムとして,固定資産税の課税目的で衛星写真を応用した監視システムは存在しているらしい。課税を免れるために,そのようなシステムに不正アクセスし,データを書き換えるといった犯罪行為はあり得るかもしれない。

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違法コンテンツのダウンロード等に関して著作権法の一部改正へ

下記の記事が出ている。違法コンテンツのダウンロード等を違法行為とするための改正については意見のとりまとめができたけれども,肝心の補償金制度廃止問題については物別れに終わったようだ。

 違法コンテンツ、ダウンロード禁止へ--私的録音録画小委員会の報告書で方針
 CNET Japan: 2008/12/17
 http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20385449,00.htm

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まねきTV事件控訴審判決(知的財産高等裁判所平成20(ネ)10059号著作権侵害差止等請求控訴事件)

日本放送協会,日本テレビ放送網株式会社,株式会社フジテレビジョン,株式会社テレビ朝日,株式会社テレビ東京(原告ら)が株式会社永野商店を被告として,放送の送信可能化禁止,番組の公衆送信差し止め及び損害賠償金の支払いを求めていた事件について,第一審では原告らの請求を棄却する敗訴判決となったことから,原告らが控訴していた控訴審で,2008年12月15日に控訴棄却の判決があった。

 知的財産高等裁判所平成20年12月15日判決(知的財産高等裁判所平成20(ネ)10059号著作権侵害差止等請求控訴事件)
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081216170214.pdf

判決中の主要部分は,次のとおり。

*******************************

(事案の概要)

本件は,放送事業者であり,別紙放送目録1~7記載の各周波数で地上波テレビジョン放送(以下,別紙放送目録1~7記載の放送を総称して「本件放送」という。)を行っている控訴人らが,「まねきTV」という名称で,被控訴人と契約を締結した者がインターネット回線を通じてテレビ番組を視聴することができるようにするサービス(以下「本件サービス」という。)を提供している被控訴人に対し,被控訴人の提供する本件サービスが,本件放送について控訴人らが放送事業者として有する送信可能化権(著作隣接権。著作権法99条の2)を侵害し,また,別紙著作物目録1~7記載の各著作物(以下,別紙著作物目録1~7記載の番組を総称して「本件番組」という。)について控訴人らが著作権者として有する公衆送信権(著作権。著作権法23条1項)を侵害している旨主張して,著作権法112条1項に基づき,本件放送の送信可能化行為及び本件番組の公衆送信行為の差止めを求めるとともに,民法709条,著作権法114条2項に基づき,著作権及び著作隣接権の侵害による損害賠償の支払いを求めた(不法行為後の日である平成19年3月15日から支払い済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を附帯して請求)事案である。
 原判決は,本件訴えが訴権の濫用に当たるとの被控訴人の主張は排斥したが,被控訴人が,本件サービスにおいて行っている行為は,著作権法2条1項9号の5イ又はロに規定された送信可能化行為に該当せず,同法2条1項7号の2に規定された公衆送信行為にも該当しないとして,控訴人らの請求を棄却した。

(争点に対する判断)

3 争点2(本件サービスにおいて,被控訴人は本件放送の送信可能化行為を行っ
ているか)について

(1) 著作権法において,「送信可能化」とは,①公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に情報を記録し,情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え,若しくは情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し,又は当該自動公衆送信装置に情報を入力すること,②その公衆送信用記録媒体に情報が記録され,又は当該自動公衆送信装置に情報が入力されている自動公衆送信装置について,公衆の用に供されている電気通信回線への接続を行うことをいう(2条1項9号の5)。
このように,「送信可能化」とは,自動公衆送信装置の使用を前提とするものであるところ,控訴人らは,本件サービスにおいて,ベースステーションが自動公衆送信装置に当たると主張する。
しかしながら,「自動公衆送信装置」とは,公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより,その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分に記録され,又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいうものであり(著作権法2条1項9号の5イ),「自動公衆送信」とは,「公衆送信」,すなわち,公衆によって直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信を行うことのうち,公衆からの求めに応じ自動的に行うものをいうのであるから(同項7号の2,9号の4),「自動公衆送信装置」は,「公衆送信」の意義に照らして,公衆(不特定又は特定多数の者。同条5項参照)によって直接受信され得る無線通信又は有線電気通信の送信を行う機能を有する装置でなければならない。
しかるところ,上記2(原判決「事実及び理由」欄の「第4 当裁判所の判断」の「2 事実認定」の(1),(3),(4))のとおり,本件サービスにおいては,利用者各自につきその所有に係る1台のベースステーションが存在し,各ベースステーションは,予め設定された単一のアドレス宛てに送信する機能しか有しておらず,当該アドレスは,各ベースステーションを所有する利用者が別途設置している専用モニター又はパソコンに設定されていて,ベースステーションからの送信は,各利用者が発する指令により,当該利用者が設置している専用モニター又はパソコンに対してのみなされる(各ベースステーションにおいて,テレビアンテナを経て流入するアナログ放送波は,当該利用者の指令によりデジタルデータ化され,当該放送に係るデジタルデータが,各ベースステーションから当該利用者が設置している専用モニター又はパソコンに対してのみ送信される)ものである。すなわち,各ベースステーションが行い得る送信は,当該ベースステーションから特定単一の専用モニター又はパソコンに対するもののみであり,ベースステーションはいわば「1対1」の送信を行う機能しか有していないものである。そうすると,個々のベースステーションが,不特定又は特定多数の者によって直接受信され得る無線通信又は有線電気通信の送信を行う機能を有する装置であるということはできないから,これをもって自動公衆送信装置に当たるということはできない(被控訴人事業所内のシステム全体が一つの自動公衆送信装置を構成しているとの主張については,後記(3)において検討する。)。

(2) [省略]

(3) 控訴人らは,ベースステーションを含めた被控訴人のデータセンター内のシステム全体が,一つの特定の構想に基づいて機器が集められ,それらが有機的に結合されて構築された一つの「装置」となっているから,本件システムは,被控訴人事業所内のシステム全体が一つの自動公衆送信装置を構成しているものであり,被控訴人がこれを一体として管理・支配しているものであるところ,被控訴人が,本件システムを用いて行っている送信は,被控訴人に申込みを行い,ベースステーションを送付してくる不特定又は多数の者(利用者)に対して行われているものであるから,送信可能化行為に該当するとも主張する。
しかしながら,上記のとおり,本件サービスにおいて,利用者の専用モニター又はパソコンに対する送信は,各ベースステーションから,各利用者が発する指令により,当該利用者が設置している専用モニター又はパソコンに対してのみなされる(各ベースステーションにおいて,テレビアンテナを経て流入するアナログ放送波は,当該利用者の指令によりデジタルデータ化され,当該放送に係るデジタルデータが,各ベースステーションから当該利用者が設置している専用モニター又はパソコンに対してのみ送信される)ものである。そうすると,本件システムにおいて,各ベースステーションへのアナログ放送波の流入に関わるテレビアンテナ,アンテナ線,分配機,ブースター等,また,各ベースステーションからのデジタル放送データをインターネット回線に接続することに関わるLANケーブル,ルーター等は,それぞれが本来は別個の機器であるとしても,その接続関係や役割に有機的な関連性があるということができ,これらを一体として一つの「装置」と考える契機がないとはいえない。しかしながら,本件サービスに係るデジタル放送データの送信の起点となるとともに,その送信の単一の宛先を指定し,かつ送信データを生成する機器であるベースステーションは,本件システム全体の中において,複数のベースステーション相互間に何ら有機的な関連性や結合関係はなく(例えば,利用者との契約の終了等により,あるベースステーションが欠落したとしても,他のベースステーションには何らの影響も及ぼさない。),かかる意味で,個々のベースステーションからの送信は独立して行われるものであるから,本来別個の機器である複数のベースステーションを一体として一つの「装置」と考える契機は全くないというべきである。
したがって,控訴人らの上記主張は,複数のベースステーションを含めて一つの「装置」と理解する前提において失当というべきである。

(4) [省略]

(5) 以上のほか,被控訴人が本件システムによって行う本件サービスにおいて,自動公衆送信装置に該当すると認められるものが使用されているとの事実を認めるに足りる証拠はない。そうすると,上記のとおり,「送信可能化」は,自動公衆送信装置の使用を前提とするものであるから,その余の点につき判断するまでもなく,本件サービスにおいて,被控訴人が本件放送の送信可能化行為を行っているということはできない。

4 争点3(本件サービスにおいて,被控訴人は本件著作物の公衆送信行為を行っているか)について

(1) 控訴人らは,本件サービスにおいて,被控訴人は,①多数のベースステーションを被控訴人の事業所に設置した上で,②これら多数のベースステーションに電源を供給,起動して,ポート番号の変更などの必要な各種設定を行い,③テレビアンテナで受信した本件番組をこれら多数のベースステーションに供給するために,被控訴人が調達したブースターや分配機を介した有線電気通信回線によってテレビアンテナとこれら多数のベースステーションを接続し,④被控訴人が調達し,被控訴人において必要な設定を行ったルーター,LANケーブル及びハブを経由して,被控訴人の調達した接続回線によりこれら多数のベースステーションをインターネットに接続し,⑤以上のような状態を維持管理する行為を行っており,被控訴人による上記①ないし⑤の行為により実現される本件番組のテレビアンテナから不特定多数の利用者までの送信全体は,公衆によって直接受信されることを目的としてなされる有線電気通信の送信として,公衆送信行為に該当すると主張し(以下「公衆送信行為の主張A」という。),また,本件サービスにおいて,被控訴人が,テレビアンテナで受信した本件番組を多数のベースステーションに供給するために,テレビアンテナに接続された被控訴人事業所のアンテナ端子からの放送信号を被控訴人が調達したブースターに供給して増幅し,増幅した放送信号を被控訴人が調達した分配機を介した有線電気通信回線によって多数のベースステーションに供給していること自体が,公衆送信行為に該当するとも主張する(以下「公衆送信行為の主張B」という。)。
著作権法23条1項は,「著作者は,その著作物について,公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては,送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。」と規定するところ,控訴人らの公衆送信行為の主張A,Bは,被控訴人の上記行為が,本件番組についての控訴人らの同項所定の権利(公衆送信権)を侵害するというものである。

(2)ア ところで,著作権法において「公衆送信」とは,公衆(不特定又は特定多数の者)によって直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信を行うことをいうものであり(2条1項7号の2),同項は,公衆送信の種類として,「放送」(同項8号),「有線放送」(同項9号の2),「自動公衆送信」(同項9号の4)を定めている(ただし,「公衆送信」がこの3種類に限られるということではない。)。
しかるところ,控訴人らの公衆送信行為の主張Aが,ベースステーションから利用者までの送信に着目して,「自動公衆送信」である公衆送信行為に当たるとするものであれば,上記3で説示したとおり,本件サービスにおいて個々のベースステーションは自動公衆送信装置に当たらず,また,本件サービスに係るシステム全体を一つの「装置」と見て自動公衆送信装置に当たるということもできないのであるから,本件サービスにおける各ベースステーションからの送信が「自動公衆送信」である公衆送信行為に該当せず,各ベースステーションについて「送信可能化」行為がなされているともいえないことは明らかであり,控訴人らの公衆送信行為の主張Aは,失当である。
イ 仮に,控訴人らの公衆送信行為の主張Aは,本件サービスにおいて放送番組を利用者に送信している主体が被控訴人であることを前提として,本件サービスを,被控訴人が,テレビアンテナで受信した本件番組を,ブースター,分配機,ベースステーション,ハブ等を経てインターネットにより,多数の利用者に対し送信するものと捉え,これが「有線放送」である公衆送信行為に当たると主張するものであるとしても,以下のとおり,控訴人らの公衆送信行為の主張Aは失当である。

4 争点3(本件サービスにおいて,被控訴人は本件著作物の公衆送信行為を行っ
ているか)について

(1) 控訴人らは,本件サービスにおいて,被控訴人は,①多数のベースステーションを被控訴人の事業所に設置した上で,②これら多数のベースステーションに電源を供給,起動して,ポート番号の変更などの必要な各種設定を行い,③テレビアンテナで受信した本件番組をこれら多数のベースステーションに供給するために,被控訴人が調達したブースターや分配機を介した有線電気通信回線によってテレビアンテナとこれら多数のベースステーションを接続し,④被控訴人が調達し,被控訴人において必要な設定を行ったルーター,LANケーブル及びハブを経由して,被控訴人の調達した接続回線によりこれら多数のベースステーションをインターネットに接続し,⑤以上のような状態を維持管理する行為を行っており,被控訴人による上記①ないし⑤の行為により実現される本件番組のテレビアンテナから不特定多数の利用者までの送信全体は,公衆によって直接受信されることを目的としてなされる有線電気通信の送信として,公衆送信行為に該当すると主張し(以下「公衆送信行為の主張A」という。),また,本件サービスにおいて,被控訴人が,テレビアンテナで受信した本件番組を多数のベースステーションに供給するために,テレビアンテナに接続された被控訴人事業所のアンテナ端子からの放送信号を被控訴人が調達したブースターに供給して増幅し,増幅した放送信号を被控訴人が調達した分配機を介した有線電気通信回線によって多数のベースステーションに供給していること自体が,公衆送信行為に該当するとも主張する(以下「公衆送信行為の主張B」という。)。
 著作権法23条1項は,「著作者は,その著作物について,公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては,送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。」と規定するところ,控訴人らの公衆送信行為の主張A,Bは,被控訴人の上記行為が,本件番組についての控訴人らの同項所定の権利(公衆送信権)を侵害するというものである。

(2)ア ところで,著作権法において「公衆送信」とは,公衆(不特定又は特定多数の者)によって直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信を行うことをいうものであり(2条1項7号の2),同項は,公衆送信の種類として,「放送」(同項8号),「有線放送」(同項9号の2),「自動公衆送信」(同項9号の4)を定めている(ただし,「公衆送信」がこの3種類に限られるということではない。)。
しかるところ,控訴人らの公衆送信行為の主張Aが,ベースステーションから利用者までの送信に着目して,「自動公衆送信」である公衆送信行為に当たるとするものであれば,上記3で説示したとおり,本件サービスにおいて個々のベースステーションは自動公衆送信装置に当たらず,また,本件サービスに係るシステム全体を一つの「装置」と見て自動公衆送信装置に当たるということもできないのであるから,本件サービスにおける各ベースステーションからの送信が「自動公衆送信」である公衆送信行為に該当せず,各ベースステーションについて「送信可能化」行為がなされているともいえないことは明らかであり,控訴人らの公衆送信行為の主張Aは,失当である。
イ 仮に,控訴人らの公衆送信行為の主張Aは,本件サービスにおいて放送番組を利用者に送信している主体が被控訴人であることを前提として,本件サービスを,被控訴人が,テレビアンテナで受信した本件番組を,ブースター,分配機,ベースステーション,ハブ等を経てインターネットにより,多数の利用者に対し送信するものと捉え,これが「有線放送」である公衆送信行為に当たると主張するものであるとしても,以下のとおり,控訴人らの公衆送信行為の主張Aは失当である。
すなわち,「有線放送」とは「公衆送信のうち,公衆によって同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信」をいうものである(著作権法2条1項9号の2)。しかるところ,上記2(原判決「事実及び理由」欄の「第4 当裁判所の判断」の「2 事実認定」の(1),(2))のとおり,本件サービスは,利用者をして希望する本件放送を視聴できるようにすることを目的とし,利用者は,任意にベースステーションとの接続を行った上,希望するチャンネルを選択して視聴する放送局を切り替えることができ,上記3の(1)のとおり,ベースステーションからの送信は,各利用者の指令により,当該利用者が設置している専用モニター又はパソコンに対してなされる(各ベースステーションにおいて,テレビアンテナを経て流入するアナログ放送波がデジタルデータ化され,各ベースステーションから当該利用者が設置している専用モニター又はパソコンに対して送信される)ものである。被控訴人において,個別に各利用者の専用モニター又はパソコンに対してデジタルデータを送信するかどうかを決定することがないことはもとより,各利用者によるその決定に関与することもない。
そうすると,被控訴人の事業所内にある各ベースステーションから対応する各利用者の専用モニター又はパソコンに対するデジタルデータの送信の有無は,完全に各利用者に依存しているものである。もっとも,多数の利用者がそれぞれ個別に指令を発し,結果的に同時に同一のデジタルデータを受信する状態となることは当然にあり得るところであるが,上記のとおり,被控訴人自身は,各利用者の専用モニター又はパソコンに対してデジタルデータを送信するかどうかの決定に関与していないのであって,このような被控訴人をもって,「公衆によって同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信」である有線放送に係る,その送信の主体ということができないことは明らかである。
したがって,控訴人らの公衆送信行為の主張Aは,その「公衆送信行為」が有線放送を意図するものであるとしても,失当であるといわざるを得ない。

(3) ア,イ[省略]

ウ 控訴人らの主張するとおり,本件サービスにおいて,被控訴人は,①多数のベースステーションを被控訴人の事業所に設置した上で,②これら多数のベースステーションに電源を供給,起動して,ポート番号の変更などの必要な各種設定を行い,③テレビアンテナで受信した本件番組をこれら多数のベースステーションに供給するために,被控訴人が調達したブースターや分配機を介した有線電気通信回線によってテレビアンテナとこれら多数のベースステーションを接続し,④被控訴人が調達し,被控訴人において必要な設定を行ったルーター,LANケーブル及びハブを経由して,被控訴人の調達した接続回線によりこれら多数のベースステーションをインターネットに接続し,⑤以上のような状態を維持管理する行為を行っているものであり,これらの行為によって,テレビアンテナで受信した本件番組に係るアナログ放送波は,有線電気通信回線を経由して各ベースステーションに流入しているところ,上記アにおいて述べた「送信」及び「受信」の一般的意義を前提とすれば,本件番組に係るアナログ放送波をテレビアンテナから有線電気通信回線を介して各ベースステーションにまで送ることは,著作権法2条1項7号の2の「有線電気通信の送信」に該当し,各ベースステーションが上記アナログ放送波の流入を受けること自体は同号の「受信」に該当するというべきである。そして,上記「有線電気通信の送信」の主体が被控訴人であることは明らかである。
しかるところ,控訴人らは,原判決が採用するベースステーションにおいて受送信を行っている主体は各利用者であるとの論法を前提とするならば,本件サービスにおいて,被控訴人は,各利用者が利用する受信装置であるベースステーションまで本件放送を送信しているのであるから,本件サービスにおける被控訴人によるアンテナからベースステーションまでの間の送信行為は,「公衆に直接受信されることを目的と」するものであると主張する。そして,上記2(原判決「事実及び理由」欄の「第4 当裁判所の判断」の「2 事実認定」の(3))のとおり,平成19年7月29日現在の本件サービスの利用者は74名であり,被控訴人の事業所内に設置されているベースステーションの台数も74台であるところ,仮に各ベースステーションで上記アナログ放送波を受信する主体が各利用者であれば,上記人数に徴して,テレビアンテナから各ベースステーションへの上記アナログ放送波の送信は,特定多数の者(すなわち公衆)によって受信されることを目的とする有線電気通信の送信であるということができる。
しかしながら,上記2(原判決「事実及び理由」欄の「第4 当裁判所の判断」の「2 事実認定」の(1),(3))のとおり,ベースステーションは,テレビチューナーを内蔵しており,対応する専用モニター又はパソコン等からの指令に応じて,テレビアンテナから入力されたアナログ放送波をデジタルデータ化して出力し,インターネット回線を通じて,当該専用モニター又はパソコン等にデジタル放送データを自動的に送信するものであり,各利用者は,専用モニター又はパソコン等から接続の指令をベースステーションに送り,この指令を受けてベースステーションが行ったデジタル放送データの送信を専用モニター又はパソコン等において受信することによって,はじめて視聴等により本件番組の内容を覚知し得る状態となるのである。すなわち,被控訴人がテレビアンテナから各ベースステーションに本件番組に係るアナログ放送波を送信し,各利用者がそれぞれのベースステーションにおいてこれを受信するだけでは,各利用者(公衆の各構成員)が本件番組を視聴等することによりその内容を覚知することができる状態にはならないのである。
そうすると,被控訴人の上記送信行為が「公衆によって直接受信されること」を目的とするものであるということはできず,したがって,これをもって公衆送信(有線放送)ということはできないから,控訴人らの公衆送信行為の主張Bは失当であるといわざるを得ない。

エ 控訴人らは,法律上,行為について「間接」の語を用いるときは,他人が間に介在することを意味するものであるところ,本件サービスにおいては,アンテナからベースステーションまでに「有線電気通信の送信」を行っているのは被控訴人であり,原判決によれば,当該有線電気通信の送信をベースステーションで受信し,ベースステーションから各利用者のパソコンまで送信している主体は各利用者なのであるから,被控訴人と各利用者の間の有線電気通信の送信に他人は介在していないと主張する。この主張は,要するに,著作権法2条1項7号の2の「公衆によって直接受信されること」とは,送信者から受信者である公衆までの送信の経路に他人(第三者)が介在しないことをいうものであるとの趣旨と解されるが,著作権法2条1項7号の2の「公衆によって直接受信されること」とは,上記のとおり,公衆(不特定又は多数の者)に向けられた送信を受信した公衆の各構成員が,著作物を視聴等することによりその内容を覚知することができる状態になることをいうものと解すべきものである。
仮に,控訴人らの主張のとおり,送信者から受信者である公衆までの送信の経路に第三者が介在しないことが,公衆送信の要件であるとすれば,例えば,難視聴解消のためのケーブルテレビによるテレビ放送の同時再送信(これが公衆送信に当たることは,控訴人らが積極的に主張するところである。)において,アンテナで受信した放送信号をブースターで増幅し,増幅した放送信号を何段階かにわたり分配器で分配して,最終的に各家庭のテレビまで送信する過程で,第三者であるケーブル業者が,第1段階の分配直前の位置で電気通信回線を設置管理しているような場合には,すべての受信者による受信につき,送信の経路で第三者であるケーブル業者が介在していることになり,同時再送信者が当該ケーブル業者の関与を把握している限り,公衆送信の要件を充たさないということになりかねないが,第三者であるケーブル業者の設置管理する電気通信回線が,何段階かの分配を経て分岐された肢の一つにあるような場合であって,他の肢を経由する送信(第三者の介在しない送信)の受信者だけでも公衆といい得る程度に多数であるようなときは,なお公衆送信の要件を満たすことになる。しかしながら,このように,ある送信が,ケーブル業者の関与の形態によって,公衆送信となったりならなかったりするという事態が生ずることが,著作権法の解釈として不合理なものであることは明らかである。同様に,控訴人らの主張に従えば,第三者であるネットワーク・プロバイダーが送信を仲介することが想定されているインターネット回線を利用した送信は,公衆送信に含まれ得ないことにもなりかねないが,そのような解釈も不合理なものであるといわざるを得ない(なお,控訴人らは,ネットワーク・プロバイダーについて,情報の流通過程に,当該著作物等の本来的な送信者と扱われるべき者が存在し,その者が受信者に向けての直接の送信者となると解されるため,たとえ著作権法2条1項9号の5イ及びロに掲げる行為を形式的に行っていても,独立した送信行為者とは解されないと主張するところ,同項7号の2の「公衆によって直接受信されること」との関係においても,同様に,当該著作物等の本来的な送信者が存在するために,たとえネットワーク・プロバイダーが情報の流通過程で送信を仲介したとしても,独立した送信行為者とは解されず,情報の流通過程に介在したことにはならないと主張するのであれば,その主張に係る「本来的な送信者」とか「独立した送信行為者」等の意義が不明確であり(例えば,難視聴解消のためのケーブルテレビによるテレビ放送の同時再送信においても,控訴人らの論法を借りれば,「本来的な送信者」としかいいようのない放送事業者(控訴人らのようなテレビ局)が存在するのであるから,ケーブルテレビ事業者は,たとえ情報の流通過程で送信を仲介したとしても,独立した送信行為者ではない,という言い方さえ可能となりかねない。),結局,「公衆によって直接受信される」ものであるかどうかの判断に恣意的な要素を持ち込むものといわざるを得ない。)。そもそも,伝達経路が多段階にわたることが想定される現代の送信において,「公衆送信」に当たるか否かが,公衆によって受信されるまでの間に第三者が介在しないか否かによって決まるものとすれば,公衆に対する最終段階の送信者(介在者)のみが公衆送信者たり得ることとなるが,そのような解釈の結果が一般的に合理性を有するとは解されないし,また,公衆送信者の特定に困難を生ずることになる。まして,最終段階の送信者が「独立した送信行為者」であり,「介在」したといえるのかどうかを個別に判断することを要するとすれば,その困難は更に倍増することは明らかである。
したがって,控訴人らの上記主張を採用することはできない。

(4) 控訴人らは,放送対象地域外に放送が再送信されないようにすることは,著作権法によって保護されるべき著作者の正当な利益であり,放送対象地域外に所在する者(利用者)に放送を同時再送信することを本質とする本件サービスは,著作権法が公衆送信権により保護しようとしている著作者等の正当な利益を害する実質的に違法なサービスであると主張する。
しかしながら,上記2(原判決「事実及び理由」欄の「第4 当裁判所の判断」の「2 事実認定」の(1))のとおり,海外等,本件放送の放送地域外において,本件放送を視聴することができるということは,ベースステーションを含むロケーションフリーが本来的に有する機能(NetAV機能)によるものであるところ,本件において,控訴人らから,ロケーションフリーの上記機能を用いること自体が,一般的に控訴人らの公衆送信権を侵害するものであるとの主張はなく,多数のロケーションフリー(ベースステーション)をシステムの構成要素とする本件サービスを行うことが控訴人らの公衆送信権を侵害するものであるか否かが,本件の争点である。そして,著作権法は,多数の者に対する多段階にわたる伝達が発生し得るアナログ放送波やデジタルデータ等に係る送信行為のうち,一定の要件を満たす特定の行為を公衆送信(送信可能化を含む。)と定め,著作者がこれを行う権利を専有するとしているものであって,著作権法が公衆送信権により保護しようとしている著作者等の正当な利益は,もとよりこの範囲内に存するものである。
しかるところ,被控訴人の行う本件サービスが著作権法の定める公衆送信の要件を満たさないことは,既に述べたとおりであり,公衆送信の概念を拡張又は類推して本件サービスが実質的に違法であると判断するようなことは,公衆送信権の侵害が犯罪を構成する(著作権法119条1項)ことに照らしても,正当ではない。
また,控訴人らは,ベルヌ条約11条の2(1)項(ii)は,著作者に対して,放送された著作物を原放送機関以外の機関が有線又は無線で公に伝達することについての排他的権利を与えており,本件サービスを公衆送信行為に該当するものと解することがベルヌ条約上の要請であると主張する。
しかしながら,ベルヌ条約の同条項は,「文学的及び美術的著作物の著作者は,次のことを許諾する排他的権利を享有する。・・・(ii) 放送された著作物を原放送機関以外の機関が有線又は無線で公に伝達すること。・・・」と規定しているところ,ベルヌ条約の規定を害することがないものとして規定されるWIPO条約8条の規定を踏まえた場合に,著作権法2条1項7号の2の「公衆によって直接受信されることを目的として」との要件の意義を検討した結果,本件サービスにおける被控訴人の行為が公衆送信に当たらないものと判断されることは,上記のとおりであるから,控訴人らの上記主張を採用することはできない。

(5) 以上のとおりであるから,控訴人らが本件番組についてそれぞれ著作権を有するとしても,本件サービスにおいて,被控訴人が本件著作物の公衆送信行為を行っているということはできない。

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ストレス継続は警戒心を鈍磨させるかもしれない

快楽でも苦痛でも,ある一定の刺激が継続的に与えられると感覚が麻痺してしまい,あるいは,継続的に与えられる感覚に慣れてしまって,それを快楽とも苦痛とも感じなくなってしまうことがある。情報セキュリティの意識にも同じようなことがあり得るらしい。下記の記事が出ていた。

 理解度や防御への自信が減少-オンライン詐欺への「不安慣れ」? シマンテックが実態調査
 @IT: 2008/12/17
 http://www.atmarkit.co.jp/news/200812/17/symantec.html

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総務省:インターネット政策懇談会 報告書素案(案)

総務省は,「インターネット政策懇談会 報告書素案(案)」を公表した。この報告書素案の中ではインターネットに関する検討課題がほぼ網羅的に取り上げられており,今後,非常に重要な資料の一つになることは疑いがない。

 「インターネット政策懇談会」(第8回)
 総務省:平成20年12月17日
 http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/internet_policy/081217_2.html

なお,この報告書素案の中では,利用者がサーバ内にデータを蓄積して利用する形態が広まっている現状を踏まえ(クラウドコンピューティングでは,基本的にそのような利用形態となる。),インターネット上のサービス提供が停止されたとしても大きな社会的影響が生じないようにするための方策を検討すべきであるという趣旨のことが記載されている。

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(報告書素案抜粋)

(2) サービス停止時に提供主体がとるべき対応を含む契約関係の在り方の検討及び明確化(現状3、現状5、現状16)

 インターネット上で提供されるサービスは、そのサービスを提供する側と利用する側が直接対面しないこともあり、互いがどの程度信頼できる相手であるかの確認が困難な場合が多い。また、契約を行う際は、実際に書面を取り交わすのではなく、モニター画面に表示される契約条件の確認・了承によりサービス提供が開始されるため、利用者による契約条件確認が曖昧なままでもサービスを享受できてしまう場合が多い。特に、広告による収入を主体とし、利用者に対価の支払いを求めないサービスについては、利用者に契約行為であるという認識が薄いために、その傾向がより強く見られる。
 さらに、ストレージサービスやWebメールサービス等の利用者の情報を預かる形式のサービスにおいては、サービス提供者が一方的に退出した場合の利用者が預けた情報の扱いについて特段定められていないために、利用者は預けた情報が失われ、多大な損害を被る可能性もある。例えばIPv4アドレスの国際的在庫の枯渇が生じると予測される2011年以降には、既にIPv4アドレスの割り振りを受けているサービス提供主体がIPv4アドレスの入手を目的として買収されることが考えられ、この場合、多くの者が利用していたとしても、そのサービスの提供が打ち切られる可能性も指摘されている。
 そこで、このような事態を想定し、インターネット上のサービス提供が停止されたとしても大きな社会的影響が生じないよう、契約条件の明示方法やインターネットを通じて利用者の情報を預かるサービスにおける情報について利用者自身が容易にコントロールすることが可能な仕組みをあらかじめ設けておくといった、サービス提供者がサービス停止時に備えて取っておくべき対応などを含む契約関係の在り方について検討し、明確化することが必要であると考えられる。

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このブログでは,経営破綻その他の理由により大規模なASPやクラウドコンピューティングサービスプロバイダなどが業務を継続できなくなってしまった場合,その利用者が何もできなくなってしまって同時に連鎖倒産してしまうという問題について何度もとりあげてきた。「サービス停止」とは,そのような場合を含んでいる。

国レベルで対応策が検討されることは大変良いことだと思う。是非とも国民が納得するような対応策を構築してもらいたいものだと思う。

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中国で伝統的なメディアに対する言論統制を強化

日本の新聞でも同様の内容の報道がなされていたが,BBCは,中国における言論統制の状況について詳しく報じている。

 China's internet 'spin doctors'
 BBC: 16 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7783640.stm

この記事の中でも触れられているとおり,中国でもインターネットが大規模に普及してしまい,ブログを含め個人が意見を表明できる手段を手に入れてしまっているので,伝統的なメディアに対する統制だけでは言論統制の実をあげることができない。今後,個人ユーザに対する締め付けも一層強化されることになるだろう。


[関連記事]

 China 'bans BBC Chinese website'
 BBC: 16 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7785248.stm

[追記:2008年12月19日]


関連記事を追加する。

 Post-Olympics China Turns Its Back on Internet Censorship Promises
 Dailt Tech: December 18, 2008
 http://www.dailytech.com/PostOlympics+China+Turns+Its+Back+on+Internet+Censorship+Promises/article13716.htm

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日韓サイバー戦争?

韓国の中央日報は,韓国と日本との間でサイバー戦争が生じていると報じている。

 【社説】韓日中3カ国のサイバー戦争、危険なレベルに
 中央日報: 2008.12.17
 http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=108884&servcode=100&sectcode=110

この報道内容が事実なのかどうかは分からない。


[追記:2008年12月18日]

関連記事を追加する。

 2chサーバは「世界最強」? “サイバー攻撃”に耐え抜き、勝利宣言
 IT Media: 2008年12月18日
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0812/18/news090.html

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Googleの検索機能の問題点をついた悪質ソフトの配布

Googleの検索機能については従来から様々な問題点の指摘がなされてきたが,そのような問題点(欠陥に近いもの)をついてユーザを偽セキュリティサイトへ誘導した上で悪質なソフトウェアをダウンロードさせるやり口が存在するということが指摘されている。

 Googleの広告サービスで悪質ソフトを配布
 IT Media: 2008年12月17日
 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0812/17/news026.html

要するに,単なる検索だけでは利益に結びつかないため,どうにか利益を生むビジネスに仕立てようと様々な機能を盛り込んでしまうと,結局,こういうことになってしまうという事例の一つとして理解することが可能だろう。

なお,各社のブラウザにアドインなどによって付加して利用する「ツールバー」のようなソフトウェアがかなり多数出回っている。これらについても,(理論的には)同じような問題が発生する可能性がある。したがって,情報セキュリティの専門家は,「ツールバー」などについて詳細な検討と調査を早急に実施する必要があるのではないかと思われる。

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総務省:「BS放送受信システムから携帯電話への干渉を防止するために」(周知事項)について

「総務省は、一部の形態のBS放送受信システムで、平成23年以降に使用開始を予定するBS21チャンネル及び23チャンネルの電波を受信した際に、同システムから漏えいした電波が他の無線システム等に干渉を与える可能性があるという事実を確認し、関係者とともに「一部の形態のBS放送受信システムの電波干渉問題に関する連絡会」を設置して検討を行ってきたところです。このたび同連絡会において、携帯電話等との干渉防止と良好なBS放送受信システムの設置のために注意していただきたい事項をとりまとめました。」とのこと。

詳細は,下記のとおり。

 総務省: 平成20年12月17日
 http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/081217_2.html

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神戸市が個人情報保護の目的で市立小中学校の全教員にシンクライアント型PCを配布

神戸市では,児童の個人情報が記録されたPCが盗難された事件があり大きな社会問題となったことから,その対策として,市立小中学校の全教員約7000名に対してシンクライアント型PCを配布することを決定したようだ。

 子ども情報、流出防げ  神戸市がデータ一括管理
 共同通信: 2008/12/15
 http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008121501000371.html

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NECが欧州のTDFにデジタルTV放送用送信機を納入

下記の記事が出ている。これは快挙と評価できるのではないかと思う。

 NEC、ヨーロッパ最大規模の放送事業者TDFにデジタルTV放送用送信機を納入~グローバルベンダーに選定
 RBB Today: 2008年12月17日
 http://www.rbbtoday.com/news/20081217/56571.html

 NEC:デジタル放送対応 データ放送システム
 http://www.nec.co.jp/bv/hoso/data1.html

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BSAがオバマ次期大統領に対しサイバーセキュリティの確保を提案

BSAは,違法コピーなどの著作権保護活動だけではなく,情報セキュリティの分野でも発言力を強めつつあるようだ。下記の記事が出ていた。

 BSA Applauds Recommendations to Obama on Cyber Security
 IT Wire: 17 December 2008
 http://www.itwire.com/content/view/22197/545/

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英国企業トップの80パーセントが,「政府はサイバー犯罪対策を十分にやっていない」と感じているとの調査結果

情報資産を有する事業者は,自ら情報セキュリティを確保しなければならない。このことは,あまりにも当然の事柄だ。しかし,事業者の努力だけではどうにもならないことが多いというのも事実。そこで,不満は政府の対応に向けられることになる。英国で行われた調査結果によれば,経営トップの80パーセントが,「政府はサイバー犯罪対策を十分にやっていない」と感じているとの結果が示されたそうだ。

 Companies feel government is not protecting against cybercrime
 SC Magazine: December 16, 2008
 http://www.scmagazineuk.com/Companies-feel-government-is-not-protecting-against-cybercrime/article/122907/

さて,日本の場合にはどうだろうか?

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英国のBT,VirginなどがPhormと契約-モニタリングの時代へ?

BTが商業宣伝目的でDeep Packet Inspectionの実験をしていることが個人データ保護法に違反するのではないかとしてCPSから捜査を受けていることは,「英国検察局(CPS)がプライバシー侵害の容疑でBTを捜査」に書いたとおりだ。しかし,BTなど英国大手ISPはその導入を決めてしまったらしい。各方面から非難が相次いでいる。

 ISP向けターゲティング広告技術サービスのPhorm、英大手3社と提携
 IT Media: 2008年02月15日
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/15/news039.html

 BT to introduce Phorm web monitoring tool
 Computer Active: 16 Dec 2008
 http://www.computeractive.co.uk/computeractive/news/2232737/bt-plans-introduce-phorm-web

 Virgin Media to dump neutrality and target BitTorrent users
 It's deep packet inspection, but it's not for Phorm...
 Register: 16th December 2008
 http://www.theregister.co.uk/2008/12/16/virgin_bittorrent/

 Phoenix Datacom Appointed UK Reseller for Bridge Technologies' IPTV Monitoring Products
 Broadcast Kewsroom: 2008-12-15
 http://hardware.broadcastnewsroom.com/articles/viewarticle.jsp?id=608277

 Phorm 'illegal' says policy group
 BBC: 9 April 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/7301379.stm

 Phorm warned about web data rules
 BBC: 9 April 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/7339263.stm

私見としては,利用者が事前に承諾を与えており(オプトイン),いつでもその承諾を取り消すことができ,かつ,取り消された場合には全てのデータを抹消することが確保されている場合にのみ,このような探知手法を導入することができるのであり,もしそうでなければ,少なくとも日本国では電気通信事業法違反行為として処罰され得ることになるだろうと解する。

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文化庁:審議会開催と傍聴受付

文化庁の審議会は、原則として一般公開の形式で開催されている。目下、2つの審議会について傍聴受付をしている。詳細は、下記のとおり。

 文化審議会著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第8期第7回)の開催について
 文化庁: 平成20年12月16日
 http://www.bunka.go.jp/oshirase_kaigi/2008/chosaku_kako_090106.html

 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第10回)の開催について
 文化庁: 平成20年12月12日
 http://www.bunka.go.jp/oshirase_kaigi/2008/chosaku_housei_081225.html

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2008年12月16日 (火曜日)

IPA:漏れたら大変!個人情報

IPAは,最近の個人情報漏洩事件の傾向について分析した結果を発表した。詳細は,下記のとおり。

 漏れたら大変!個人情報
 IPA: 2008年12月15日
 http://www.ipa.go.jp/security/kojinjoho/index.html

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ドイツのジーメンスが巨額の制裁金支払いへ

下記の記事が出ている。

 制裁金1240億円の支払い表明 独シーメンス、汚職で
 産経ニュース: 2008.12.16
 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081216/biz0812160945004-n1.htm

この記事によれば,ジーメンスは,このような事態を招いた原因について「内部統制を欠いた」と弁明しているらしい。

もし,個々の従業員のスタンドプレイの結果,指摘されているような汚職が発生したのだとすれば,確かに,内部統制がきちんとできていなかったからだと言うことはできるだろう。しかし,それにしては金額と規模が大きすぎる。

もし,経営陣の強力な指示の下で指摘されているような汚職が発生したのだとすれば,内部統制は全く無意味である。逆に,犯罪を貫徹するための最も強力な手法として内部統制というものが機能してしまうことになる。

つまり,内部統制は,万能ではないし,とりわけ企業犯罪の場合にはほとんど役にたたないどころか,逆に犯罪行為の実行を推進してしまうようなやり方だということになるだろう。

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法とコンピュータ学会小研究会: デジタルコンテンツ流通促進の新しい動き

法とコンピュータ学会の小研究会が開催される。松田政行氏から「デジタルコンテンツ流通促進の新しい動き」と題する研究報告がなされる予定。

 法とコンピュータ学会:第8回小グループ研究会
 日時:2008年12月18日
 場所:第一法規株式会社7階A会議室
 参加方法:下記サイトに示すアドレス宛に電子メールで申し込み
 http://www.lawandcomputer.jp/s_kenkyu20081218.html

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著作権侵害の罪を否認していたKevin Cogillが一転して有罪の答弁

ガンズ・アンド・ローゼズの新作『Chinese Democracy』を発売前にMy Spaceなどに流してしまったことが著作権侵害の罪に該当するとして起訴され,無罪を主張していた中国人民主活動家Kevin Cogillが,一転して有罪の答弁をしたと報じられている。その経緯において何があったのかはよく分からない。

 Chinese Democracy leaker pleads guilty to copyright charge
 ars technica: November 19, 2008
 http://arstechnica.com/journals/law.ars/2008/12/15/chinese-democracy-leaker-pleads-guilty-on-copyright-charge

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Lessigが再びハーバードロースクールで教鞭をとる

Lawrence Lessig教授がハーバードロースクールで再び教鞭をとることになったようだ。スタンフォード大学に移る前にはハーバードとシカゴで教えていたことがあるから,再登場ということになる。

 Leading scholar to join Harvard Law School
 boston.com: December 13, 2008
 http://www.boston.com/news/education/higher/articles/2008/12/13/leading_scholar_to_join_harvard_law_school/

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液晶テレビのクリスマスツリー

ニューヨークのマンハッタンに液晶テレビを組み合わせてつくったクリスマスツリーが搭乗したと報じられている。

 ハイテクなのに温かい 液晶テレビのクリスマス・ツリー NY
 産経ニュース: 2008.12.15
 http://sankei.jp.msn.com/world/america/081215/amr0812151727009-n1.htm

この報道写真を観てすぐに思ったことがある。それは,この作品が,韓国ソウルにある国立現代美術館に収蔵されている最もメインとなる作品の一つと酷似しているということだ。

今後,韓国民から厳しい抗議を受けることになるかもしれない。

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タイでは,サイバー法の制定作業が難航中

約1ヶ月前,タイの国会にサイバー法案が提案された。しかし,その制定作業が難航しているらしい。その最大の原因は,法案の中で用いられている技術用語を国会議員が理解しにくいというところにあるようだ。

 Thailand's cyber law struggles with tech terms
 ZD Net Asia: December 11, 2008
 http://www.zdnetasia.com/news/business/0,39044229,62049197,00.htm

一般に,最先端技術と関連する法律の制定に関しては,程度の差こそあれ,どの国でも同じようなことが生ずるかもしれない。

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2008年12月15日 (月曜日)

児童ポルノDVD30万枚販売容疑で逮捕

児童ポルノのDVDを日本国内で30万枚販売し,1億円以上の売り上げを得ていたという容疑で7名の者が逮捕された。児童ポルノDVDの販売枚数にも驚かされるが,それよりも,それらのDVDを購入した者がかなり多数存在するという事実にはもっと驚かされる。

 30万枚販売、1億超売り上げか=児童ポルノで7人逮捕-警視庁
 時事通信: 2008/12/15
 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008121500287

[関連記事]

 県立高臨時講師を逮捕…児童ポルノ販売容疑
 産経スポーツ: 2008.12.10
 http://www.sanspo.com/shakai/news/081210/sha0812100505006-n1.htm

 110番・119番:児童ポルノ販売容疑で逮捕 /熊本
 毎日jp: 2008年11月21日
 http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20081121ddlk43040410000c.html

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金融危機の影響が美女コンにまで波及

ミスアジアコンテストでアジア最高の美女として選ばれても,経済的利益を獲得する道は険しそうだ。金融危機の影響がここまで及んできたとは驚きだ。

 <金融危機>08年「ミス・アジア」が早速リストラの危機!―香港
 中国ニュース通信社: 2008年12月13日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g26704.html

よく考えてみると,美女コンテストの優勝者が獲得可能な経済的利益は,テレビ局などの広告費として支出されることが多いのだから,経済の縮小によって広告費が節約モードに入ると,当然,そこから得られる可能性のある経済的利益もまた縮小してしまうことになる。

このことは,美女コンテストの優勝者だけに言えることではなく,広告費が主要な収入源となっている全ての業種について言えることではないか,という点が最も重要なポイントだろうと思う。

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SymantecとHPが従業員の個人情報を紛失

下記の記事が出ているのを見つけた。ヘッドラインのサブタイトルがすべてを物語っている。個人情報を完全に守るための手段などどこにも存在しないのかもしれない。

 Symantec and HP Lose Employees' Personal Information - Ironically, both companies provide data protection solutions with their products
 Sftpedia: 12th of December 2008
 http://news.softpedia.com/news/Symantec-and-HP-Lose-Employees-039-Personal-Information-99968.shtml

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2008年12月14日 (日曜日)

ザウルス生産終了

シャープのザウルスが生産終了となるようだ。私は,ずっとザウルスを使ってきたので,とても残念だ。しかし,これも時代の流れというものかもしれない。

 PDAの草分け「ザウルス」生産停止、高機能携帯に押され
 2008年12月13日
 Yomiuri Online: http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081213-OYT1T00466.htm

冷静に客観的な目で眺めてみると,結局,日本ではPDAが定着しなかったということになるのだろう。

PDSには日本の文化とは相容れなかった部分があるのかもしれない。それに対し,日本では旧来の手帳への回帰現象が観られるということだ。

PDAでは必然的になされる定型的な枠内に決まった方法で文字を入力するというやり方は,日本人向きの手法ではなかったかもしれない。

アルファベット文化と象形文字文化との相違と表現することも可能かもしれない。

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アジアの経済にとってフィリピンは最大の火種になるか?

フィリピンでは国内産業の発展が十分でないため,国民が海外に出かけて就労し,その賃金を国内に送金して家族や一族を養うというような形態の経済がかなり大きな位置を占めてきたらしい。それが,9月以降の世界的な経済危機の影響により大打撃を受けつつあるようだ。

 解雇の嵐、帰国の波…世界不況が出稼ぎフィリピン人直撃
 Yomiuri Online: 2008年12月13日
 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081212-OYT1T00892.htm

フィリピンは,大小様々な島によって構成されている国家であり,それぞれの島には人種や宗教の異なる人々が住んでいるため,宗教上・政治上の対立が生じることがしばしばあった。上記のようなフィリピンにおける重大な経済危機は,従来から存在していた政治的・宗教的対立を激化させてしまう可能性がある。そのことは,アジア(とりわけ東アジア)における政治的・経済的安定性に対する重大な不安要因となる可能性がある。

国際的な規模での迅速な対応が望まれる。


[関連記事]

 減速する2009年のアジア経済
 株式会社日本総合研究所: 2008年12月
 http://www.jri.co.jp/asia/2008/12asia.html

 フィリピン:過去3年間の労働力人口、就業者数、失業者数及び失業率
 財団法人海外職業訓練協会: :2008年6月27日
 http://www.ovta.or.jp/info/asia/philippines/06labor.html

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オバマ次期大統領が政府情報へのアクセスを向上させる方針

下記の記事が出ているのを見つけた。

 Obama team shifts from online campaigning to more accessible government
 MercuryNews.com: 12/12/2008
 http://www.mercurynews.com/news/ci_11221108

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銀行が保有する顧客情報につき,当該文書については守秘義務はないとして,文書提出命令が是認された事例(最高裁平成20年(許)18号許可抗告事件決定)

A株式会社に対して売掛代金債権を有していた者(原告・許可抗告事件相手方)が,民事再生手続開始決定を受けたA株式会社のメインバンク(被告・許可抗告事件抗告人)に対して提起していた不法行為に基づく損害賠償請求訴訟(東京地方裁判所平成17年(ワ)第12920号損害賠償請求事件)において,抗告人が保有する文書につき文書提出命令を申し立てた事案について,東京高等裁判所が申立を却下決定をしたことから,相手方は抗告申立をした。

最高裁は,この抗告を理由あるものとして認め,東京高等裁判所に抗告事件を差し戻した。

差し戻し後の抗告事件(平成19年(ラ)1724号)について,東京高等裁判所は,相手方が申し立てた文書提出命令の一部を認容し,一部を却下する決定をした。

そこで,抗告人は,同差し戻し後の抗告事件決定のうち申立認容部分の文書についても申立却下すべきであるとして,再度抗告を申し立てた。その理由とするところは,相手方が保有する文書については守秘義務があるということに尽きる。

この抗告事件について,最高裁は,次のように決定し,抗告人の申立を却下した。

 最高裁平成20年(許)18号文書提出命令に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081128114749.pdf

この最高裁決定により,差し戻し後の東京高裁が一部認容した文書提出命令が確定したことになる。

抗告人(被告)は,相手方(原告)に対し,信用状況等をどのように評価していたのかが分かってしまうと業務遂行に差し支えがあると主張し,その評価のためのノウハウについて守秘義務があると主張していた。しかし,最高裁は,経営破綻した金融機関(A株式会社)が経営破綻前に有していた顧客情報を記録した文書については,それを当該顧客に対して開示したとしても,そのメインバンクであり経営支援を表明していた抗告人(被告)にとって不利益があるとはいえない等の理由で,本件抗告を却下した。

本件最高裁決定における決定理由中の重要部分は,次のとおりである。

************************************

(1) 本件非公開財務情報部分の提出義務について
 金融機関は,顧客との取引内容に関する情報や顧客との取引に関して得た顧客の信用にかかわる情報などの顧客情報について,商慣習上又は契約上の守秘義務を負うものであるが,上記守秘義務は,上記の根拠に基づき個々の顧客との関係において認められるにすぎないものであるから,金融機関が民事訴訟の当事者として開示を求められた顧客情報について,当該顧客が上記民事訴訟の受訴裁判所から同情報の開示を求められればこれを開示すべき義務を負う場合には,当該顧客は同情報につき金融機関の守秘義務により保護されるべき正当な利益を有さず,金融機関は,訴訟手続において同情報を開示しても守秘義務には違反しないと解するのが相当である(最高裁平成19年(許)第23号同年12月11日第三小法廷決定・民集61巻9号3364頁参照)。民訴法220条4号ハにおいて引用される同法197条1項3号にいう「職業の秘密」とは,その事項が公開されると,当該職業に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になるものをいうが(最高裁平成11年(許)第20号同12年3月10日第一小法廷決定・民集54巻3号1073頁参照),顧客が開示義務を負う顧客情報については,金融機関は,訴訟手続上,顧客に対し守秘義務を負うことを理由としてその開示を拒絶することはできず,同情報は,金融機関がこれにつき職業の秘密として保護に値する独自の利益を有する場合は別として,職業の秘密として保護されるものではないというべきである。
 本件非公開財務情報は,Aの財務情報であるから,抗告人がこれを秘匿する独自の利益を有するものとはいえない。そこで,本件非公開財務情報についてAが本案訴訟の受訴裁判所からその開示を求められた場合にこれを拒絶できるかをみると,Aは民事再生手続開始決定を受けているところ,本件非公開財務情報は同決定以前のAの信用状態を対象とする情報にすぎないから,これが開示されても同社の受ける不利益は通常は軽微なものと考えられること,相手方らはAの再生債権者であって,民事再生手続の中で本件非公開財務情報に接することも可能であることなどに照らせば,本件非公開財務情報は,それが開示されても,Aの業務に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になるとはいえないから,職業の秘密には当たらないというべきである。したがって,Aは,民訴法220条4号ハに基づいて本件非公開財務情報部分の提出を拒絶することはできない。また,本件非公開財務情報部分は,少なくとも抗告人等の金融機関に提出することを想定して作成されたものと解されるので,専ら内部の者の利用に供する目的で作成され,外部の者に開示することが予定されていない文書とはいえないから,Aは民訴法220条4号ニに基づいて同部分の提出を拒絶することもできず,他に同社が同部分の提出を拒絶できるような事情もうかがわれない。
 そうすると,本件非公開財務情報は,抗告人の職業の秘密として保護されるべき情報に当たらないというべきであり,抗告人は,本件非公開財務情報部分の提出を拒絶することはできない。

(2) 本件分析評価情報部分の提出義務について
 文書提出命令の対象文書に職業の秘密に当たる情報が記載されていても,所持者が民訴法220条4号ハ,197条1項3号に基づき文書の提出を拒絶することができるのは,対象文書に記載された職業の秘密が保護に値する秘密に当たる場合に限られ,当該情報が保護に値する秘密であるかどうかは,その情報の内容,性質,その情報が開示されることにより所持者に与える不利益の内容,程度等と,当該民事事件の内容,性質,当該民事事件の証拠として当該文書を必要とする程度等の諸事情を比較衡量して決すべきものである(最高裁平成18年(許)第19号同年10月3日第三小法廷決定・民集60巻8号2647頁参照)。
 一般に,金融機関が顧客の財務状況,業務状況等について分析,評価した情報は,これが開示されれば当該顧客が重大な不利益を被り,当該顧客の金融機関に対する信頼が損なわれるなど金融機関の業務に深刻な影響を与え,以後その遂行が困難になるものといえるから,金融機関の職業の秘密に当たると解され,本件分析評価情報も抗告人の職業の秘密に当たると解される。
 しかし,本件分析評価情報は,前記のとおり民事再生手続開始決定前の財務状況,業務状況等に関するものであるから,これが開示されてもAが受ける不利益は小さく,抗告人の業務に対する影響も通常は軽微なものであると考えられる。一方,本案訴訟は必ずしも軽微な事件であるとはいえず,また,本件文書は,抗告人と相手方らとの間の紛争発生以前に作成されたもので,しかも,監督官庁の事後的検証に備える目的もあって保存されたものであるから,本件分析評価情報部分は,Aの経営状態に対する抗告人の率直かつ正確な認識が記載されているものと考えられ,本案訴訟の争点を立証する書証としての証拠価値は高く,これに代わる中立的・客観的な証拠の存在はうかがわれない。
 そうすると,本件分析評価情報は,抗告人の職業の秘密には当たるが,保護に値する秘密には当たらないというべきであり,抗告人は,本件分析評価情報部分の提出を拒絶することはできない。

(3) 民訴法223条6項の手続について
 抗告人は,本件文書には査定方法における抗告人独自の工夫が記載されていることを前提に,これは職業の秘密に当たるとも主張する。この点,原審は,民訴法223条6項に基づいて本件文書を提示させた上でこれを閲読し,本件文書に記載された査定方法における抗告人の工夫の独自性,価値は限定的なものであって,特別な保護を与えるべきノウハウとはいえないと認定したものであるところ,同項の手続は,事実認定のための審理の一環として行われるもので,法律審で行うべきものではないから,原審の認定が一件記録に照らして明らかに不合理であるといえるような特段の事情がない限り,原審の認定を法律審である許可抗告審において争うことはできないものというべきである。抗告人の上記主張は,上記特段の事情を主張するものではなく,採用することができない。

************************************


情報の開示を求めることのできる裁判上の手続にはいろいろなものがある。事例としては,文書提出命令事件,行政庁または地方自治体が保有する個人情報の開 示請求の事例などが多い。そして,例えば,学校における内申書においても「どのように評価をしているのか」が当該評価を受ける者に分かってしまうと業務遂 行上で支障が生ずるとの主張が提出されることがしばしばある。しかし,一般に,当該個人に対して正当な評価がなされている場合にはその評価手法等が判明し てしまったとしても当該評価業務の遂行に支障が発生するような事態が生ずるとは考え難い。現に,これまで裁判所から情報の開示を命ぜられた事例について, 開示後における業務遂行に支障が生じたという事例は皆無であるように思われる。ただし,この点に関して正確な統計や調査結果等は存在しない。

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個人情報の紛失・盗難が更に相次ぐ

これだけ毎日のように個人情報の紛失・盗難のニュースが入ってくると,いいかげんうんざりしてしまうが,とにかく事実は事実。

 個人情報:60人分入ったPC盗難--愛媛大 /愛媛
 毎日jp: 2008年12月13日
 http://mainichi.jp/area/ehime/news/20081213ddlk38040755000c.html

 個人情報:委託調査員が書類紛失--中国電力岡山支社 /岡山
 毎日jp: 2008年12月13日
 http://mainichi.jp/area/okayama/news/20081213ddlk33040569000c.html

 個人情報:高知大朝倉キャンパス学部棟研究室、成績入りパソコン盗難 /高知
 毎日jp: 2008年12月13日
 http://mainichi.jp/area/kochi/news/20081213ddlk39040670000c.html

 兵庫医大生が患者の個人情報入りPC紛失
 日刊スポーツ: 2008年12月12日
 http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20081212-439506.html

 中国電、個人情報書類を紛失=車の屋根からファイル落下-岡山
 時事通信: 2008/12/12
 http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2008121201132

 紙再利用、裏面の個人情報が外部流出 協会けんぽ窓口で
 asahi.com: 2008年12月12日
 http://www.asahi.com/national/update/1212/TKY200812120227.html

 顧客メールマガジンで個人情報が漏洩 - システムエグゼ
 Security NEXT: 2008/12/12
 http://www.security-next.com/009539.html

 オートバックス、厚木店の閉店で2,500名の個人情報を紛失
 ソフトバンクビジネス+IT: 08/12/12
 http://www.sbbit.jp/news/10501/

一番最後のオートバックスに関する報道には注目すべきだろうと思う。

ビジネスが終わるときの後始末について,日本の経営者はほとんど考えていない。あまりにも自信過剰であるので自分が破綻するとは全く考えないでビジネスを始めるのが普通だし,運悪く破綻に直面することになったとしても,破綻寸前の時点では資金繰りだけで頭がいっぱいになり,個人情報の管理や処理についてまで気をめぐらせることなどできない。

法によって,事業がいつか必ず破綻または消滅してしまうことを前提にした対処を義務化する必要がある。

また,この面でのメンタリティをタフにするための教育改革も必要だと考える。初等教育~高等教育まで一貫して,企業というものには人間と同じように寿命というものがあり,長寿の企業もあれば短期間で突然死してしまう企業もあるということを徹底的に教え込む必要があるだろう。

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政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準(第4版案)に関する意見の募集

内閣官房情報セキュリティセンターでは,下記の意見募集をしている。締め切りは,2009年1月13日となっている。

 内閣官房情報セキュリティセンター
 「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準(第4版)」(案)に関する意見の募集
 http://www.nisc.go.jp/active/general/kijun4.html

私は,公式に意見を述べる気はない。ただし,私的な感想を「まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記」の中の「内閣官房 パブコメ 「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準(第4版)」(案)」という記事に対するコメントとして書いた。



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スタンフォード大学の知的財産権訴訟データベース

スタンフォード大学ロースクールでは,2000年以降の米国における特許訴訟をデータベース化した。このデータベース(Stanford IP Litigation Clearinghouse)には,現時点で2万3000件以上の判決が収録されているとのことだ。

 Stanford IP Litigation Clearinghouse
 http://www.law.stanford.edu/program/centers/iplc/

 Surprises Found in Data on IP Suits
 Law.com: December 10, 2008
 http://www.law.com/jsp/article.jsp?id=1202426615621

このデータベースで当事者名をソートしてみると,いかに多数の者が特許関連訴訟と関係しているのかを調べることができる。恐るべき数字だ。

日本国憲法の下においても訴訟は公開法廷で実施されなければならないことになっているので,当事者名を含む訴訟情報は本来公開されなければならないはずのものなのだが,日本国の法律家の中には訴訟においてもプライバシーが存在すると考える者が多く,裁判所もその見解を採用している。このため,訴訟事件における当事者名の詳細な検索は(ごく一部の例外を除き)ほとんど不可能な状態となっている。このことは,少なくとも日本国の知的財産権戦略上,非常に大きなネックになっていると考えることができる。

また,裁判所のサイトや公式判例集に収録されている判決例は実際に存在する判決の中のごく一部に過ぎないため,日本の裁判所が本当はどのような仕事をしているのかについては(日本国の最高裁長官をはじめとする全ての裁判官を含め)誰一人として知ることができない状況にある。つまり,日本の法律家は,日本の訴訟の現況を知るための情報をほとんど手に入れることができないような状況で研究し仕事をしていることになる。これは,かなり大きな問題であると指摘せざるを得ない。

今後,最高裁は根本的なところで訴訟情報の取扱いポリシーを再検討すべき必要があるだろうと思われる。

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アイルランドでは子供のインターネット利用に対する親の監視が厳しい?

アイルランドにおける家庭内のインターネット利用の監視に関する面白い記事を見つけた。アイルランドの家庭では,欧州各国と比較して,親が子供のインターネット利用を監視する程度が強いと述べられている。

 Irish parents monitoring child internet use
 Irish Times: December 9, 2008
 http://www.irishtimes.com/newspaper/ireland/2008/1209/1228571686867.html

日本でも児童が学校で携帯電話を使うことを禁止することが議論になっている。このタイプの議論は世界規模では随分昔からなされており,私もその関係の国際会議に何度も出たことがある。しかし,日本では,携帯電話関連企業からの圧力に政府が簡単に屈してしまい,何の規制もないまま野放図に携帯電話の利用が拡大してきたという歴史的経緯がある。私は,様々な機会をとらえて何度も危険性や問題点を指摘してきたけれど,「何で妨害するんだ?」といった感じの対応しか経験しなかった。法律上の問題点を事前に見つけ出し,その解決策を示すのは法律家としての非常に大事な任務の一つだ。けれども,うまくいかなかった。

しかし,最近になって,その弊害がやっと認識されるようになってきたようだ。しかし,今度は,逆に過剰反応が心配だ。これまで真面目に考えてきたことのない人々が感情的な反応をしてしまうことは非常に危険なことだと信じている。

要するに,常に全身全霊を傾けて真面目に考え続けることが大事だということになる。

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Bletchley Park博物館

BBCは,Bletchley Park博物館の歴史と現況について報道している。

 Code-cracking and computers
 BBC: 6 November 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/7713003.stm

このBletchley Park博物館は,第二次世界大戦中にドイツ軍のエニグマ暗号を解読するために世界最初のコンピュータシステムが導入されたことや,そこでチューリングが仕事をしていたことで有名な場所だ。現在では博物館として運営されており,当時のコンピュータシステムも復元展示されている。英国を訪問する際には是非とも一度は立ち寄るべき場所のひとつだと言えるだろう。

しかし,財政難によりその存続が危ぶまれ続けてきた。


[関連記事]

 Bletchley Park博物館 - 暗号解読コンピュータ「Turing Bombe」と「Colossus」を復刻
 マイコミジャーナル: 2007/10/05
 http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/10/05/colossus/index.html

 科学者らがBletchley Parkの保存状態改善を呼びかけ
 マイコミジャーナル: 2008/07/28
 http://journal.mycom.co.jp/news/2008/07/28/032/index.html

 ENGLISH HERITAGE STEPS IN TO HELP SAVE BLETCHLEY PARK FOR THE NATION
 Bletchley Park : 6 Nov 2008
 http://www.bletchleypark.org.uk/news/docview.rhtm/557183

 Scientists' plea for Bletchley Park
 ZDNET.co.uk: 24 Jul 2008
 http://news.zdnet.co.uk/security/0,1000000189,39452071,00.htm

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内閣府:第3回BT戦略推進官民会議(平成20年12月11日)

内閣府から第3回BT戦略推進官民会議の配布資料等が公開されている。BTとはBio Technolgyの略語のようだ。

 第3回BT戦略推進官民会議(平成20年12月11日)
 http://www8.cao.go.jp/cstp/bt.html

日本国は,資源の乏しい国とされている。しかし,これは,重工業を中心とした従来の産業モデルを前提にした発想ではないかと思われる。バイオ分野や農業分野においては,工夫次第で再生産可能な資源を大量に開発することが可能であり,今後は,この方面の研究や施策が多いに推進されるべきだろうと思われる。

また,バイオ技術それ自体が本質的に情報工学の一種であるという側面を有しているだけではなく,バイオ資源と農業資源を有効に活用し,需給のずれによる無駄を省くためには,バイオ技術と情報技術との連携が非常に重要になってくるので,その分野での研究も積極的に推進されるべきだと考える。

それと同時に,重化学工業中心の社会では,大気汚染や水質汚染などによる大規模な公害が日本各地で発生し,また,自然環境の破壊とそれに伴う気象動植物の絶滅という社会的副作用ないし病理現象も発生してしまった。バイオ技術の分野でもまた,それが大規模に活用されると公害等を発生させる危険性がある。社会全体に対するリスクを正当に評価し,それを未然に防ぐための研究も大いに推進されるのでなければ,同じ過ちを繰り返すことになってしまいかねない。この点についても十分に留意すべきだろうと考える。

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オーストラリアでも児童ポルノ罪で大量逮捕

オーストラリアでは,連邦内で連携して児童ポルノの配布など児童虐待の罪に関与したとして,ニューサウスウェールズ,ヴィクトリア,クイーンランドの3州で19人が逮捕された模様だ。

 Child abuse accused appears in Sydney court
 ABC News: Dec 11, 2008
 http://www.abc.net.au/news/stories/2008/12/11/2443741.htm

オーストラリアでは,児童ポルノ等の違法コンテンツをブロックするためのフィルタリングの導入について議論が沸いていた。このことは「オーストラリア:児童ポルノをブロックするためのフィルタリングに関する議論」で書いたとおり。そして,現実にこの種のフィルタリングを実施すると,そこでひっかかった違法コンテンツを手がかりに警察当局が捜査を開始することにより,インターネット上の犯罪ネットワークの所在を割り出すことができるということを今回の大量摘発は実証してみせたのではないかと思われる。

[追記:2008年12月15日]

関連記事を追加する。

 豪州で児童ポルノ映像など50万点以上を押収、背後に国際組織
 AFP: 2008年12月11日
 http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2548879/3605890

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米国の警察当局が世界規模の児童虐待組織を摘発

米国の警察当局は,世界規模で連携している児童虐待組織を摘発し,61人を逮捕した模様だ。

 Global Child Porn Ring Taken Down
 abc NEWS: Dec. 12, 2008
 http://www.abcnews.go.com/TheLaw/story?id=6452112&page=1

米国は,児童ポルノサイトの数において世界最大とされており,世界各国から非難が集まっていた。今回の大規模摘発は,汚名返上という意図があるのだろうと思われる。


[追記:2008年12月15日]

関連記事を追加する。

 児童ポルノの国際ネットワーク摘発、170人以上を逮捕
 CNN: 2008.12.13
 http://www.cnn.co.jp/world/CNN200812130020.html

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2008年12月13日 (土曜日)

米国が,偽セキュリティソフトのサイトをシャットダウン

インターネット上では偽セキュリティソフトと遭遇する機会が何度もあるし,そのようなソフトウェアの購入を勧誘する迷惑メールが毎日のように舞い込んで来る。どの国の政府も警察もセキュリティ団体も強い態度に出ず,微温的に警告らしき文書を公表するだけだったので,このようなサイトはどんどん繁殖した。

BBCは,そのような状況の中で,米国政府がやっと重い腰をあげたということを報道している。しかし,他の国々が追従する可能性は低いかもしれない。

 US shuts down 'scareware' sellers
 BBC: 12 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/7779223.stm

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Google Earthがテロを支援したとして,インドで起訴される

インドでは,ムンバイにおける事件に際しGoogle Earthが用いられたということを理由に,Google Earthがテロ支援サービスであるとして起訴された模様だ。

 Google Earth accused of aiding terrorists
 Times Online: December 9, 2008
 http://technology.timesonline.co.uk/tol/news/tech_and_web/the_web/article5311241.ece

 Google Earth: Educational or a terrorist tool?
 6 News: 12/10/2008
 http://kaaltv.com/article/stories/S700583.shtml?cat=10728

 Google Earth used in Mumbai terrorist attacks
 tgdaily: December 01, 2008
 http://www.tgdaily.com/content/view/40390/113/

同様の懸念はすべての国において当てはまる。米国においても,テロリストに悪用される危険性が指摘されている。

 Satellites Spy on Washington from on High [Slide Show]
 Scientific American: December 11, 2008
 http://www.sciam.com/article.cfm?id=spying-washington-from-satellite

日本国政府は,いつでも必要に応じて,Google Earth及びStreet Viewなどのサービス提供を無条件で即時禁止する措置を講じることができるような体制を確立しておく必要がある。それなしには国防や治安維持の目的を達成することができない。

ちなみに,どこかの大学の世間知らずの学者が,「Google MAPやStreet Viewなどを大震災の際に安全な場所へ避難民を誘導するためのツールとして利用しようと提案しているらしい」ということを耳にした。全くもって愚かな提案だとしか言いようがない。「大震災や戦争や核攻撃等のような状況下では,インターネット接続がまともにできる可能性が著しく低い」という小学生でも分かる当たり前のことを全然理解できていないのだ。仮に通信回線それ自体は生きていたとしても,それは主として重要通信の確保のために用いられるのであって,普通の避難民が利用できる可能性は皆無に近い。このような緊急事態において最も効果的なのは,アナログによるラジオ放送あるいは地域ごとの防災無線による放送だろうと信じている。

[関連記事]

 Indian Court Asked For Ban On Google Earth
 TopNews.in: 12/13/2008
 http://www.topnews.in/indian-court-asked-ban-google-earth-298138

 Indian lawyer wants Google earth banned
 terra: December 10, 2008
 http://blastmagazine.com/the-blogs/terra/2008/12/indian-lawyer-wants-google-earth-banned/

 中国とインド、インドで合同軍事訓練
 IB Times: 2008年12月08日
 http://jp.ibtimes.com/article/biznews/081208/24809.html

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英国では,著作物の著作権保護期間を50年から70年に延長する見込み

日本国でも同様の議論が続いてきたが,英国では,著作物の著作権保護期間をこれまでの50年から70年に延長することになりそうだ。主に音楽著作権産業からの要請を受けたものとされている。

 Andy Burnham’s speech to UK Music at the Creators Conference
 Andy Burnham MP: 11/12/2008
 http://www.andyburnham.org/news.asp?newsid=83

 Culture secretary Andy Burnham has announced a major shift in Government thinking today by recommending copyright term in sound recordings should be extended to 70 years
 MusicWeek: December 11, 2008
 http://www.musicweek.com/story.asp?sectioncode=1&storycode=1036431&c=1

問題は,この70年が過ぎたら,さらに期間延長が求められはしないかということだ。無限に著作権保護の延長が続くことになりかねない。

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Mac OS の違法クローンがはびこる

Microsoft Windowsの違法コピーが世界中ではびこっていることは有名な事実の一つだが,Microsoftは強烈な訴訟戦略等によってそのような事態に対応してきた。Mac OSの違法コピーまたは違法クローンも多数存在する。しかし,Appleは強気の訴訟戦略を採用することがあまりない。不思議と言えば不思議なのだが,それはどうやら訴訟コストの問題があるかららしいという記事が出ていた。

 Hack of the Clones: Why Apple Can't Stop the Copies
 Wired: December 12, 2008
 http://blog.wired.com/gadgets/2008/12/hackers-start-u.html

一般に,企業が,訴訟によるコスト負担(弁護士報酬,訴訟費用等)よりも違法クローンによる損失(潜在的な売り上げの消失)のほうを甘受するという選択肢を選択してしまった場合,ビジネス関連訴訟を主な業務内容とする弁護士事務所(ファーム)の収入源が減少してしまうことになる。とりわけ,米国の弁護士事務所では,勝訴による成功報酬が大きいのでそのようになる可能性が高い。世の中の企業は,弁護士事務所を食わせるために存在しているわけではないので,当然のことだろうと思う。では,日本ではどうかというと,もともと訴訟による成功報酬の額が非常に低額なのでどちらとも言えないという結論になるだろうと思う。

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不況下でもネットを利用した通販は堅調

経営破綻の報道が相次いでいるけれども,不況下にあっても堅調な業種もある。下記の記事が出ていた。

 ネット通販は景気の影響を受けない!「楽天市場」過去最高の日商30億円
 JCASTニュース: 2008/12/12
 http://www.j-cast.com/2008/12/12032158.html

ネット通販は,楽天,Yahoo,Amazonのような大手だけではなく,規模の大小こそあれ,個々の企業でも通販部門をもっているところでもなされている。私が個人的に知っている事業者何社かについていうと,当該事業者の本来の事業部門があまり振るわない場合でさえ,通販部門は堅調または拡大ムードにあるという。上記の報道は,楽天だけの特殊現象ではないということを示しているのだろうと思う。

ただし,成功している事業者には幾つかの特徴があると思う。それは,これまで何年かの実働実績が評価されているということだ。安心して利用できるサイトという信頼があれば,不況下であるがゆえに「少しでもよいものを少しでも安く買いたい」という消費者心理を掴むことができるのだろう。

したがって,ネット通販が堅調だからといって,新たに参入してくる事業者があるとしても,うまくいくかどうかは分からない。とりわけ,顧客対応のためにしっかりしたコールセンターを設けていなければ,たちまち事業の失敗に直結するようなことになるだろうと思う。コールセンター業務は,これをアウトソースすることも可能だが,その業界は玉石混交なので,ちゃんとした業者を選定し正しくリクエストを出していけるかどうかがネット通販事業経営者の手腕評価や今後の実績にもつながっていくのだろうと想像する。

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金融危機後のサーバ事業の環境変化

金融不安によりビジネス全体が縮小傾向を示すと,当然のことながら,ビジネスを遂行するために必要となるサーバの需要も減退することになる。サーバ事業の利益率はかなり低いのが一般的であり,いわば薄利多売をベースとするビジネスモデルに基づくものであるので,今後,需要が冷え込むと,一気に多数のサーバ業者が経営破綻と直面してしまう危険性がある。下記の記事を見つけた。

 「IT予算は逼迫している」--マイクロソフト幹部が発言
 IT Pro (CNET Japan): 2008/12/12
  http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/MAG/20081212/321337/

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2008年12月12日 (金曜日)

You Tubeでお金を得ることができる?

New York Timesは,とても興味深い記事を掲載している。才能のある人がうまくやればビジネスになるかもしれない。

 YouTube Videos Pull In Real Money
 New York Times: December 10, 2008
 http://www.nytimes.com/2008/12/11/business/media/11youtube.html?_r=1&ref=technology

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4-KB Toysが破産申立

米国最大手の玩具販売業者である4-KB Toysが破産申立をした。最近の玩具には電子部品が組み込まれているものが多く,その部品の大半が中国製とみられることから,4-KB Toysの破産は中国の電子部品製造業界にも少なからぬ悪影響を及ぼすのではないかと推測される。

 UPDATE 4-KB Toys files for bankruptcy, to close all stores
 REUTER: Dec 12, 2008
 http://www.reuters.com/article/bondsNews/idUSN1138906920081212

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オーストラリア:児童ポルノをブロックするためのフィルタリングに関する議論

児童ポルノなどの違法情報等をブロックするために用いられるフィルタリングをあまり強くかけすぎると,合法的なコンテンツまでフィルタされてしまうという問題があることは古くから知られている。やむを得ず,適当なところで妥協せざるを得ないわけだが,オーストラリアでは,この点に関する議論が熱を帯びているらしい。

 New hurdle for net censorship
 smh.com.au: December 12, 2008
 http://www.smh.com.au/news/home/technology/new-hurdle-for-net-censorship/2008/12/12/1228585100603.html

 Aussie ISPs refuse to join government's filtering test
 ars technica: December 11, 2008
 http://arstechnica.com/news.ars/post/20081211-aussie-isps-refuse-to-join-governments-filtering-test.html


[追記:2008年12月14日]

関連記事を追加する。

 Net firms rebuff filtering plan
 BBC: 12 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/7779547.stm


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米国:e-Discovery導入後2年を経過したけれども,ポリシーを策定している企業はわずか3割

2006年に米国の民事訴訟規則ルール16が改正され,電子証拠開示手続(e-Discovery)が導入された。

この手続が導入された結果,裁判所や弁護士が電子的な証拠についての証拠開示手続に対応しなければならなくなったことは当然のこととして,証拠である電子記録(電子メール,電子的ファイル,電子データなど)の保有者である企業もまた電子証拠開示手続に対応できるように体制を構築しなければならなくなった。ところが,現時点で電子証拠開示手続に対応するためのポリシーを策定している企業は3割に過ぎないということが調査結果により明らかにされた。

 New Poll Reveals Litigation Discovery Gap
 Law.com: December 10, 2008
 http://www.law.com/jsp/legaltechnology/pubArticleLT.jsp?id=1202426600692

さて,日本の企業の場合にはどうなのだろうか・・・・???

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米国では逮捕者の指紋とDNAの採取を更に拡張する方針

欧州人権裁判所で注目すべき判決が出されたことは「欧州人権裁判所が,無罪となった者のDNA情報を警察が保持することは違法と判決」で書いたとおりだ。ところが,米国では,ブッシュ政権最後のしめくくりとして,FBIの権限を更に強化し,すべての逮捕者について指紋とDNAの採取を拡張する方針が決定されたようだ。

 New Rule Expands DNA Collection to All People Arrested
 Washington Post: December 12, 2008
 http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/12/11/AR2008121103337.html

欧州と米国の様子はこのようにして広く報道されているので,日本にいる日本人である私でもある程度のことを知ることができる。しかし,肝心の日本での状況については,よく分からないことが多い。


[追記:2008年12月14日]

関連記事を追加する。

 Rules will allow DNA samples from federal detainees
 Los Angels Times: December 13, 2008
 http://www.latimes.com/news/nationworld/world/latinamerica/la-na-dna13-2008dec13,0,1555645.story

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中国では不況下でもネット広告が拡大している?

世界的な経済情勢の悪化は,中国経済に対しても大きな悪影響を及ぼしている。このことは既に新聞各紙が伝えているとおりだ。しかし,それにもかかわらず,中国におけるネット広告はさらに規模を拡大し続けているという。中国企業には信じられないほどのバイタリティがあるのかもしれないが,別の可能性も全くないわけではない。よく分からない。

 ネット広告、不況でも大きく成長
 中国ニュース通信社: 2008年12月7日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g26524.html

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ポーランド政府が電子商取引振興策を発表

下記の記事が出ている。

 Polish government launches plan to encourage e-commerce activity
 Paypers: 9 December 2008
 http://www.thepaypers.com/news/article.aspx?cid=736401

しかし,この政策は,2008年9月までの好景気の時期に立てられた予測に立脚するもののようだ。つまり,現時点においては非常に甘い(または間違った)予測に基づく政策立案であることになる。ただし,表面的にはEUのスキーム(SMEs visionなど)に乗っているように見せかけてEUの面子をたてつつも,その実,真の意図としては,米国の次期政権における世界的IT戦略に完全に乗っかってシフトしようとしているのだとすれば,大したものだと思う。政治の世界は難しい。

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EU:主として中小のICT企業を念頭に置いた産業振興策

下記の記事が出ている。

 SMEs set out vision for 'innovation utopia'
 EUbusiness: 06 December 2008
 http://www.eubusiness.com/SMEs/EUtopia.01

何だかよく分からない略語がたくさん出てきているけれども,次のようになっているらしい。

 ICT = Information and Communication Technology

 ACT = Association for Competitive Technology

 SME = small and medium-sized enterprises

 IP = Intellectual Property

やたらに略語ばかりつくってしまうと,わけがわからなくなってしまうということの典型例の一つかもしれない。

さて,この記事の内容についてだが,この記事は要約なので,よく分からない部分が多いことは一応措くとして,結局,いくら好意的に読んでみても何も中身がない。こういうことについては,日本でも欧州でも同じということなのだろう。

ちなみに,9月以降は世界規模で経済状況が極端に悪化しているので,この記事に書いてあるような展望は,その半分が既に根底から崩壊してしまっているだろうと評価するしかない。

今は,もっと別のことを考えなければならない緊急の情勢下にある。

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総務省:「次世代ネットワークの接続料算定等に関する研究会」報告書案に対する意見募集の結果の公表

総務省から,下記の意見募集の結果が公表された。

 「次世代ネットワークの接続料算定等に関する研究会」報告書案に対する意見募集の結果
 総務省:平成20年12月12日
 http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/081212_6.html

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携帯端末は投売り状態

携帯電話が飽和状態になっているのにもかかわらず,携帯電話機を製造・販売する業者があまりにも多すぎるために,次から次へと新機種が登場する。あまり意味のない新製品投入ではないかと首をひねりたくなることも珍しくない。実際に使ってみてもそう感じるだろうと思う。にもかかわらず,どんどん新製品を投入せざるを得ないあたりに,業界それ自体としての根源的な病根があるのかもしれない。

この関連で下記の記事が出ていた。

 投げ売り激化で「0円携帯」復活も 携帯業界に市場拡大の打開策はあるか
 Diamond Online: 2008年12月11日
 http://diamond.jp/feature/mobile_dw/10002/

この記事の中には「ガラパゴス化」という用語が出てくる。なんでも「世界の趨勢から孤立して独自の進化を遂げている」ことを意味するのだそうで,日本の携帯電話市場がまさにそれなのだという。「面白いキャッチを考え付く人がいるものだ」と感心してしまった。(笑)



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インターネット協会:迷惑メール対策ポータルを公開

インターネット協会は,2008年12月1日から改正特定電子メール適正化法が施行されたことを受けて,迷惑メール対策のQ&Aを中心としたポータルサイトを構築し,公開した。一般の利用者にとって分かりやすい内容になっていると思う。

 有害情報対策ポータルサイト-迷惑メール対策編-
 財団法人インターネット協会迷惑メール対策委員会: 2008年12月
 http://www.iajapan.org/anti_spam/portal/Operation/Law/QandA/QAindex.html

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インターネット上のオークションサイト上における違法複製ソフトの摘発強化

インターネット上のオークションサイトは非常に便利なところだ。私も,Amazonのサイトで古本を購入することがしばしばある。私の友人の中には,Yahoo Japanのオークションサイトをしばしば利用している人が結構たくさんいる。

しかし,一般に,オークションサイトで売りに出されるソフトウェアの中には違法に複製されたものも含まれていることがあり,権利者団体は常にそのことを怒っている。オークションサイトそれ自体が悪いわけではなく,違法複製品を出品する利用者が悪いのに決まっているのだが,その摘発は必ずしも容易でないことがある。

けれども,権利者団体は,次第にそのノウハウを身につけ,摘発を強化してきているようだ。下記の記事が出ていた。

 eBay 以外のサイトにも監視の目を光らせる SIIA
 japan.internet.com: 2008年12月11日
 http://japan.internet.com/ecnews/20081211/12.html


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FSFEのガイドライン

かつて,フリーソフトやオープンソース等の定義について随分と議論をしたことがある。現在では,そのような議論を目にする機会があまりなくなってしまった。それは,無料で利用できるソフトウェアが増えてしまったこともあるのだろうけれど,実際に価値のあるフリーソフトやオープンソースは,かなり高度なものが多いだけでなく,ライセンス条件に従って他のアプリケーションに組み込まれて利用されていることが一般的になっていることなどから,コンピュータ科学とは無縁な一般ユーザにとってはほとんど関係のない世界に属するものとなってしまっているからかもしれない。しかし,フリーソフトにしてもオープンソースにしても,それぞれの利用条件が存在し,ライセンス契約も存在する。全く何らの制約もないソフトウェアというわけではない。そのために,ライセンス条件を遵守しない事例や誤解に基づく誤用などが発生することがある。このことは,特許のオープンソースでも全く同じだ。

欧州フリーソフトウェア財団(FSFE;Free Software Foundation Europe)は,このような問題に対処するため,ガイドラインを公表したようだ。

 欧州フリーソフト団体ら、ライセンス侵害報告・解決のためのガイドを発表
 SourceForge.jp: 2008年12月11日
 http://sourceforge.jp/magazine/08/12/11/0627250

最近,これから先10年後くらいには,ソフトウェアエンジニアが枯渇してしまうのではないかと思い始めている。それは,アプリケーションが高度化し,使い勝手の面でも向上してきたため,自分でチューニングしたり必要なモジュールを自作したりする必要がほとんどなくなってしまったからだ。そして,もし今後クラウドコンピューティングが主流になるとすれば,その利用者にとってソフトウェアを開発する能力など全く求められなくなってしまう可能性がある。このことは,ソフトウェア産業にとってかなり深刻な事態を生じさせる危険性がある。へたをすると,高度なソフトウェア開発技術を有するエンジニアは,サイバー犯罪者の中にしか存在しないといった状況が生み出されてしまうかもしれない。

一般に,人間は,不便な状況にあればこそ知恵を絞ってどうにか解決策を見出そうとする。逆に何の不便も感じない環境の下にあっては,とことん行き着くところまで怠惰になり能力を低下させてしまうことがある。

[関連記事]

 FSF、GPL違反で米Ciscoを提訴
 ITmedia: 2008年12月12日
 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0812/12/news071.html

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生活保護者の居住場所を提供する事業者が,自治体から提供された個人情報の濫用?

下記の記事が出ている。

 高齢者住宅:生活保護者に入居あっせん 個人情報、無断転用か 取り扱い方決めず
 毎日jp: 2008年12月11日
 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081211dde041040036000c.html

比喩的に言えば自治体から提供された情報を横領するのに等しいような行為ということになるが,法的に考察すれば,受託事業者による個人情報の目的外利用であり,契約法上では債務不履行の一種として理解することが可能だろう。

このような自治体と事業者とが交錯する領域での個人情報の保護については,夏井高人・新保史生『個人情報保護条例と自治体の責務』(ぎょうせい)の中で詳しく触れているところだが,残念ながら,「重大な問題がある」ということそれ自体がまだ十分に理解されていないような状況にある。

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Sonyと関連する訴訟案件

Sonyと関連する訴訟案件の報道が連続している。新たに報道されているのは、下記のとおり。

 米ソニーBMG、子どものプライバシー保護法違反で100万ドル支払い
 AFP: 2008年12月12日
 http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2549007/3600083

 ソニー、ビクターなど、MPEG2の特許訴訟で独COMAG社と和解
 IP Next: 12/12/2008
 http://www.ipnext.jp/news/index.php?id=5258

これらの記事のうち、ソニーBMGに関する事件の報道は特に重要と思われる。日本では、きわめて安易に個人情報の取得がなされるのが普通だし、DRMの中には自動的に個人情報を取得してしまうものがかなりある。CRMについてもほとんど無法状態に近い。ビジネスの側でコンプライアンスの意識が希薄であり、まともな法律家の意見に耳を傾けようとしない場合には、結果的に、巨額の賠償責任を負うことがあり得る。

まして、個人情報の本人が未成年者や障害者等である場合、他の様々な法律問題も関係してくるが、現状をみる限り、そのようなことに対する意識はきわめて低いと言わざるを得ない。

日本でこのような問題があまり鮮明にならないのは、日本の裁判所が損害賠償額の認定において理不尽なまでに低額すぎるとことや、それぞれの分野における監督官庁が十分に機能していないことにも起因していると思われる。

さて、Sonyは、テレビ製造部門の再編のため大規模なリストラを発表したばかりだ。果たしてこの苦境を乗り越えることができるだろうか?


[このブログ内の関連記事]

 Sonyに対する著作権侵害訴訟で陪審が侵害の評決
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/sony-ca84.html


[追記:2008年12月15日]

関連記事を追加する。

 Sony music unit accused of disclosing personal data of children
 International Herald Tribune: December 11, 2008
 http://www.iht.com/articles/2008/12/11/technology/sony.php

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情報ネットワーク法学会に参加して思ったこと

先週,東京電気大学を会場にして情報ネットワーク法学会の総会と研究大会があった。私は,午前中は主に第1会場における研究報告を聴き,午後は,基調講演と招待講演を聴いた後,主に第2会場で研究報告とパネルディスカッションを聴いた。面白い研究報告や講演などがぎっしりつまっていてとても勉強になった。

 情報ネットワーク法学会
 http://www.in-law.jp/

その午前の部の研究報告で強く印象に残ったことが2つある。

1つは,IPv6の導入が法解釈論に及ぼす影響だ。

高橋郁夫弁護士による通信の秘密に関する研究報告の際,小向太郎氏から質問があった。その質問の要点は,IPv6が導入されると,IPアドレスの割り当てが固定的なものとなる可能性があることから,これまでの動的なIPアドレスの割り当てが普通である状況とは異なり,あたかもIPアドレスが固定電話の電話番号と同じような意味で,通信当事者を自動的に識別させてしまうような機能を有することになり,結果として,「通信当事者が誰であるのか」という点に関する限り,「通信の秘密」の解釈論も大きく変えざるを得ないのではないかということだった。

非常に鋭く正しくセンスの良い質問だと思う。

現時点の電気通信事業法の解釈論として,電気通信事業者はIPアドレスに関する情報を含むトラフィックデータを取得しなければ通信の媒介それ自体が不可能となってしまうことから(←宛先情報を取得しなければ郵便局員が郵便物を配達できないのと同じ。),トラフィック情報を取得する行為が「通信の秘密」を侵害することは法理論上あり得ないことであり,ただ,電気通信事業者は取得した情報を外部に漏らしてはならないという守秘義務を負っていることから,この守秘義務違反があれば通信の秘密を侵害したことになると解されることになる。

しかし,IPv6が導入されると,上記解釈論のうち守秘義務の範囲が根本的に変動してしまう可能性が非常に高い。

IPv6は,主に法の何たるかを全く知らない技術者によって開発されてきたものであるので,その法的課題については全くと言ってよいほど何も研究されていないような状態にある。今後,この分野に関する法学研究が大いに進展することを期待したい。

2つ目は,量子コンピュータ。

国立情報学研究所の井上理穂子による研究報告の際,ちょっと興味があったので,同研究所で研究が進められている量子コンピュータ(量子通信)との関係で著作権法の解釈がどうなるかについて質問してみた。

私の質問の要点は,量子コンピュータによるデータ移動の方式は,これまでの普通のコンピュータシステムにおけるデータ転送が実際には何も転送することなく写像を構成するだけ(つまり,受信先のファイル領域に複製を作成するだけ)であるのに対し,実質的に一定の電子状態を移動させるようなかたちでのデータ移転が行われるようになる可能性があり,物体の移動に近い状態が実現することになるかもしれないことから,これまでの著作権法の解釈論の通説的理解とは異なり,量子コンピュータ(量子通信)ではデータの「無形利用」ではなく「有形利用」として理解するか,あるいは,無形利用でも有形利用でもない第三の利用形態として理解するか,そのいずれでかになるのではないかということにあった。

実は,私自身,この問題についての回答を持っていない。井上理穂子氏からの回答も今後研究してみるということだった。

量子コンピュータ(量子通信)は,現時点では,まだ理論上存在するだけのものとして認識・理解されているかもしれない。しかし,実用化の目処がたてば,あっという間に最もトレンディな製品またはサービスとして世界を席巻してしまい,あっという間に世界中に普及してしまう可能性が大きい。

とかく,「法学とは現実に何か事件が起きてしまってから対応策を考えることだ」と理解されがちだし,きちんとした法学教育を受けていない者や,受験勉強としての法学しか勉強したことのない者の間ではそのような根本的に間違った認識・理解のほうがむしろ一般的かもしれない。しかし,そのような認識・理解は完全な誤りなので,根本から改めなければならない。本当は,事前に問題点を把握し,一般モデルを構築し,予め合理的な解決策を検討しておき,それを提案することは法学において非常に重要な部分をなしている。

この分野についても,今後多いに研究が進められるべきだろうと思う。

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プライオリティ道路通行を認証するためのRFID免許証

フィンランドでは,職業運転手などが利用できるプライオリティレーン(優先道路)と一般ドライバーが利用できる普通のレーンとの利用区分及び利用権限の有無を自動的に識別するためにRFIDチップを組み込んで電波で監視するタイプの免許証の導入が進められているようだ。下記の記事をみつけた。

 Paying the ferryman (via RFID)
 RFID News: December 11, 2008
 http://www.rfidnews.org/2008/12/11/paying-the-ferryman-via-rfid

もし日本で同じような仕組みを導入するとすれば,ETCシステムの応用を考えたほうが効率的・合理的であるし,システム導入費用を最小に抑えることができるという意味でベターだろうと思う。


[追記:2008年12月14日]

関連記事を追加する。

 RFID tags from UPM Raflatac streamline ferry traffic to Hailuoto
 e-cast: 12 Dec, 2008
 http://www.industrial-embedded.com/news/db/?14693

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家裁書記官判決偽造事件報道の盲点

家裁書記官が判決や戸籍等を偽造し,振り込め詐欺の送金先として悪用されていた口座からの資金移動禁止措置を解除させて,「馬場」名義の架空預金口座に送金させたという詐欺事件が世間を驚かせている。決してあってはならないことなのだが,残念ながら発生してしまった。

 家裁書記官事件 「馬場」が複数の口座取得 1年で3カ所に住民登録
 産経ニュース: 2008.12.10
 http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/saitama/081210/stm0812101826004-n1.htm

しかし,よく考えてみると,あくまでも可能性の問題としては,今回のようなタイプの事件は,常にどこにでも発生し得る事件だろうと思う。なぜなら,企業だけではなく,裁判所,検察庁,警察,公安,自衛隊,学校を含め,どのような種類の組織であっても,一定割合で犯罪者予備軍ともいうべき人間が常に存在し続けているからだ。人間が組織を構成する以上,このことを阻止する方法は絶対に存在しない。だから,内部に対する監視が必要となる。

さて,この事件に関する報道を読んでいて気付いたことがある。それは,この事件に関する報道の中では,重大な問題点が2つ無視されているということだ。何らかの政治的判断の下に意図的になされていることではないかと疑われかねない。

まず,裁判員制度。

裁判員候補者は,自己が欠格者である場合には,裁判員選任の際,その欠格事由があることを正直に陳述すべき義務がある。そして,欠格事由の中には,「禁固刑以上の前科があること」が含まれている。この事実は,そのような前科を有する者にとっては秘密にしておきたい事実であることは疑う余地がない。にもかかわらず裁判員候補者に選任されてしまうと(黙秘権は全く認められていないので)正直に白状することを強制されることになる。その事実は,裁判官や裁判所職員が知ることになるのだが,通常は,守秘義務があるので外部に漏れることはないだろう。しかし,今回の事件で明らかになったことは,守秘義務を守りそうにない人間が裁判所の中には存在するという事実だ。まだ他にもいるかもしれない。そのような疑念がある状態で,裁判員候補者に対して,前科があることを白状することを強要することが本当に許されることなのだろうか?

先日は,ストーカー行為を行った裁判官に対する弾劾裁判があった。過去には重大な犯罪行為による弾劾裁判事例が幾つかある。

ちなみに,今回の事件の家裁書記官の上司にあたる家裁所長等は,当然のことながら,監督責任を免れることができないだろう。もし私がその立場にあるのであれば,当然,依願退官することによってその責任をとることを決意するだろう。

裁判官も裁判所職員も犯罪に手を染めている可能性が完全に払拭できない状態で,上記のような白状の強要が必然的に伴う現行の裁判員制度の実施を強行することは,明らかに「悪」だと考える。

次に,本人確認制度。

問題の家裁書記官は,もし架空口座を開設できなかったとしたら,今回のような事件を現実に実行するところまではいかなかったかもしれない。しかし,簡単に架空口座を開設できてしまったので,詐欺を実行してしまったのだろう。つまり,今回の事件の最も大きな問題点は,銀行における本人確認のスキームが崩壊してしまっているという点にある。

家裁書記官は,どんなに優秀であっても,暴力団やマフィアなどの職業的犯罪集団の能力には到底及ばない。彼らは,より巧妙に架空口座を開設して犯罪行為のために悪用するための必要な能力を十分に持っている。

今回の事件は,はからずも,銀行の本人確認スキームが全く機能しておらず,犯罪目的の架空口座が多数存在するかもしれないという恐るべき事実を世に知らしめたという点において,非常に大きな意味のある事件ではないかと評価している。

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相変わらず個人情報の流出・紛失が続く

毎日のように個人情報を記録したPCやUSBの紛失・盗難のニュースが報道されているというのに,それでも同じようなことが繰り返され続けている。規則によって禁止されているのにもかかわらずUSBメモリなどに個人情報を記録して持ち出し,紛失してしまう事例もあとをたたない。日本人は,日本語を読み,普通のことを普通に考える能力を喪失してしまったのだろうか?

 都立高教員またも個人情報紛失 今年度6件目
 産経ニュース: 2008.12.11
 http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/081211/tky0812112119015-n1.htm

 個人情報:児童住所録など、かばんごと紛失--川崎市立小教諭 /神奈川
 毎日jp: 2008年12月10日
 http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20081210ddlk14040242000c.html

 個人情報:園児の情報盗難、園長を戒告処分--奈良市教委 /奈良
 毎日jp: 2008年12月10日
 http://mainichi.jp/area/nara/news/20081210ddlk29040569000c.html

 個人情報:グーグルマップで特養利用92人の情報が流出
 毎日jp: 2008年12月10日
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081210ddm041040110000c.html

 個人情報:マネックス証券、顧客情報210人分紛失
 毎日jp: 2008年12月9日
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081209ddm012040044000c.html

 太陽生命保険が1608件の個人情報紛失
 日刊スポーツ: 2008年12月9日
 http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20081209-438430.html

 個人情報:新潟の中学教諭、生徒の情報入りUSB紛失 /新潟
 毎日jp: 2008年12月6日
 http://mainichi.jp/area/niigata/news/20081206ddlk15040178000c.html

 590人の個人情報入ったPC盗難-大津市の自動車販売店
 京都新聞: 2008年12月8日
 http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008120800063&genre=C1&area=S00

 JALホテルズ、14万人分の個人情報流出
 asahi.com: 2008年12月5日
 http://www.asahi.com/national/update/1205/TKY200812050277.html

それにしても,これらの事件によってますますもって明らかにされていることは,「現在の個人情婦保護法が法として機能しない」という事実だと思う。ほとんどすべての主務大臣が個人情報の保護には全く無関心だし,何もしようとしない。つまり,誰も主務大臣として監督しようとしない。これまで何度も書いたことだけれど,主務大臣というものは政治の専門家であるかもしれないが,個人情報保護の専門家ではないし,大抵の場合素人程度の知識しかもっていない。そのようでしかありようのない主務大臣を個人情報保護における行政監督のトップにすえるという法的枠組みそれ自体が最初から間違っているのだ。明らかな立法過誤と考えてよい。

その間に,単に「面倒くさい」というだけの理由で,個人認証の精度を弱めようという動きがあちこちで出始めている。そのような動きは,実質的には,詐欺や情報漏洩を促進しようという動きだと理解している。にもかかわらず,政府(総務省など)は何もしようとしないどころか,そのようが動きを容認または助長しているフシがある。

現行法が前提としているスキームは,既に崩壊してしまっていると言って差し支えないだろう。

日本では,個人情報は保護されていないのと同じだ。何と悲惨な国民なのだろうか。

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米国でクレジットカード詐欺が多発

このところ,米国では,盗み出した他人のクレジットーカード情報を悪用して実行されるクレジット詐欺(ID窃盗)時間の報道が相次いでいる。警察の取締りが強化されたために検挙件数が増加したという側面もあるのだろうけれど,犯罪の実数それ自体が増加しているのではないかと推測される。

 Feds nab more members of alleged identity theft ring
 Computer World: December 8, 2008
 http://computerworld.com/action/article.do?command=viewArticleBasic&taxonomyName=security&articleId=330890&taxonomyId=17&intsrc=kc_top

 Myrtle Beach man convicted of fraud in federal court
 Myrtle Beach Online: Dec. 11, 2008
 http://www.myrtlebeachonline.com/news/breaking_news/story/704829.html

 Former Plaza waiter charged in ID theft
 KansasCity.com: Dec. 11, 2008
 http://www.kansascity.com/news/breaking_news/story/932717.html

 Rap star DMX arrested in Florida
 BBC: 10 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/7775904.stm

 Officials arrest 23 in Vegas ID theft scheme
 RGJ.com: December 10, 2008
 http://www.rgj.com/article/20081210/NEWS/812100437/1321/NEWS

 Romanian citizen charged with ID theft in Memphis
 Waaytv.com: December 10, 2008
 http://www.waaytv.com/Global/story.asp?S=9500001

日本でも(潜在的には)同じような傾向が存在するかもしれない。振り込め詐欺だけではなく,クレジットカード,キャッシュカード,ポイントカードなどと関連する犯罪が増加するかもしれないので,十分に注意すべきだろう。



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児童ポルノの配信で南アフリカのISPが閉鎖

児童ポルノの問題はアフリカでも全く同じように起きているようだ。下記の記事が出ている。

 Child porn site back in business
 The Times: Dec 11, 2008
 http://www.thetimes.co.za/News/Article.aspx?id=902863

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シンガポールで政治的言動に対する政府及び裁判所による抑圧が続く

下記の記事が出ている。

 Your Accusations Against Singapore Are Scandalous
 Wall Street Journal: December 3, 2008
 http://online.wsj.com/article/SB122835330363477955.html?mod=googlenews_wsj

 Govt rebuts WSJ editorial on ruling
 Singapore Law Watch: Dec 5, 2008
 http://www.singaporelawwatch.sg/remweb/legal/ln2/rss/legalnews/59850.html?utm_source=search&utm_medium=web&title=Govt+rebuts+WSJ+editorial+on+ruling

シンガポールに出張や観光などで出かけるときは,要注意だ。


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2008年12月11日 (木曜日)

欧州人権裁判所が,無罪となった者のDNA情報を警察が保持することは違法と判決

無罪となった者は,警察のデータベース内にあるDNA情報の消去を求めることができるか?」で紹介した事件について,欧州人権裁判所で判決がなされていたようだ。その判決文が公開されている。

 CASE OF S. AND MARPER v. THE UNITED KINGDOM
 4 December 2008
 http://cmiskp.echr.coe.int/tkp197/view.asp?item=91&portal=hbkm&action=html&highlight=&sessionid=17076862&skin=hudoc-en

 Suspected rapists could go free in DNA ruling, says minister
 Telegraph.co.uk: 09 Dec 2008
 http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/politics/3692261/Suspected-rapists-could-go-free-in-DNA-ruling-says-minister.html

この判決によれば,警察が捜査過程で容疑者の指紋とDNA情報を取得することは適法行為だが,それは捜査の目的のためになされることであるので,後にその容疑者が無罪となったときは,警察がその容疑者の指紋やDNAの情報を保持してはらない。

[追記:2008年12月12日]

一晩明けてから検索してみたら,関連する記事がいっぱい出ていたので追記する。記事のヘッドラインにもあるように,まさに欧州人権裁判所創立60周年を飾るのに相応しい判決だということになると思う。

 60th anniversary of Universal Declaration of Human rights cause for reflection on UK’s track record
 BMH UK: 11/12/08
 http://www.blackmentalhealth.org.uk/index.php?option=com_content&task=view&id=493&Itemid=117

 UK DNA Records and Fingerprints Retention Law Violates Human Rights
 Softpedia: 8th of December 2008
 http://news.softpedia.com/news/UK-DNA-Records-and-Fingerprints-Retention-Law-Violates-Human-Rights-99512.shtml



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Genentechが57万ドルを費やしてDNA特許に関するロビー活動

日本では、形而上学的または神学的な議論しか存在しないかもしれないが,世界ではすでに国際的な規模での経済的利益の独占をめざした具体的な立法運動が始まっているようだ。

 Genentech spent $570,000 lobbying government in 3Q
 Associated Press, Dec, 08, 2008
 http://www.forbes.com/feeds/ap/2008/12/08/ap5793435.html

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ハリウッドが,オバマ次期大統領に対し,中国に圧力をかけるように要請

ハリウッドは,中国におけるビデオ作品の違法コピーが著しいとして,オバマ次期大統領に対し,圧力をかけるように要請した模様だ。

 Hollywood Urges Obama To Press China On Copyright Piracy
 easy BOURSE (Dow Jones): December 9th, 2008
 http://www.easybourse.com/bourse-actualite/marches/hollywood-urges-obama-to-press-china-on-copyright-piracy-576420

今後,日本を含むどの国に関しても,同様の要請がなされるようになるのではないかと思われる。

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パナソニック:全製品について化学物質の調査へ

報道によると,パナソニックは,全ての製品について,化学物質の調査を開始するとのことだ。本来であれば,生産の段階で完全に情報を把握しているべきだと思われるが,これまでの製造業ではそのような情報の取得及び保存はなされていないというのが実情で,何か問題が発生してからあわてて調査するといったことが続いていた。パナソニックは,EUにおける化学物質規制に対応し,率先して調査に取り組むらしい。

 全製品の化学物質情報把握へ  パナソニック
 共同通信: 2008/12/10
 http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008121001000650.html

日本国では,とかく「事業者の利益も考えないといけない」などという意味不明な発言をして逃げてしまう大臣で出てきやすい状況が続いている。しかし,自社が生産し販売する製品やサービスについて,きちんと調査し情報を確保しておくことは,仮にそれにコストを要するとしても企業として当然すべきであることだし,結果的にその企業に対する信頼性を高め,製品やサービスの売り上げ向上に資することになる。したがって,むしろ逆に,きちんと調査して情報を獲得するような方向で政策を進めることのほうが「事業者の利益になる」と考えるのが正しい。

もちろん,このような意見に対しては,コストを支出せず何も調査しないまま輸出してくる海外製品との間での価格競争に負けてしまうという反論もあり得る。しかし,コストをかけてきちんと調査し情報を獲得・公表しているかどうかを輸入の条件にしたり,あるいは,輸入禁止の判断基準としたりすることは非関税障壁でも何でもない。そのようにして理不尽な価格差が生ずることを国として阻止するとすれば,内外の製品間での価格差という問題は発生しないだろうと思う。冷静に考えてみると,手抜きをせず,ごまかしをせず,労働者を搾取せず,安全管理のためのコストをきちんと支出するとすれば,そもそもそんなに大きな価格差など発生するはずがないのだ。むしろ,「信頼」を獲得することこそ,非常に大きな価値がある。

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ガーナで母子犯人によるネット詐欺の刑事公判

アフリカでもインターネットが多いに普及している。しかし,日本では,その実情があまり知られていない。今朝,ネット上の新聞を読んでいたら,インターネットを使った投資詐欺事件の刑事公判に関する記事が出ているのを見つけた。インターネットが普及すると,ネット犯罪も同時に増加するのは,どの国でも同じだ。

 Mother and son in court for cyber fraud
 Accra Daily Mail: 04 December 2008
 http://accra-mail.com/site/index.php?option=com_content&view=article&id=567:mother-and-son-in-court-for-cyber-fraud

この事件は,母と子である加害者が,インターネット上で,アメリカ人の老人である被害者に対して投資話をもちかけ,4,920ドルを騙し取ったというものらしい。日本でもしばしばお目にかかる詐欺の常套手段というべきだろう。

法廷に出廷した母子は,無罪を主張しつつも,警察に1000ドルを弁償したということだ。

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英国で大量の違法複製DVDが摘発

英国で,警察と権利保護団体との共同により,大規模な商業DVD違法複製販売場所が突き止められたようだ。その犯人は,中国人のDVD販売業者とのこと。英国だけではなく,世界各地で同様のコピー品が大量に売られている。今後,世界規模でこのような違法業者の摘発が活発化するのではないかと思われる。

 Bootleg trade in DVDs is booming
 BBC: 10 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/newsbeat/hi/technology/newsid_7772000/7772134.stm

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金融危機がエンジニアを犯罪へと向かわせる

あちこちの企業で大規模な解雇が続いている。解雇ができなければ倒産必至の企業が多いのではないかと想像する。従業員(労働者)にとって,解雇による失職か倒産による失職しか選択肢がない状況というものはあまりにも惨い。しかし,どこぞの企業の経営者が社会秩序と労働者の生活を無視して私利私欲に走った大きなツケが世界中の企業に甚大なダメージを与え続けているというのが現状だと理解すべきだろう。

このような状況の中で,失職した技術者がサイバー犯罪に走る可能性があることについては,「インテルの企業秘密事件からの教訓」の中で既に書いた。世の中には同じようなことを考える人がいるらしい。下記の記事を見つけた。

 Credit crunch forcing software engineers into crime
 SC Magazine: Dec 8, 2008
 http://www.securecomputing.net.au/News/130399,credit-crunch-forcing-software-engineers-into-crime.aspx

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第43回電子化知的財産・社会基盤研究会(EIP)

下記の研究会が開催される。

 第43回電子化知的財産・社会基盤研究会(EIP)
 日 時:2008年2月13日(金)13:00-17:00
 テーマ:コンテンツ流通と知的財産権,一般
 場 所:敬和学園大学(新潟県新発田市富塚1270)
 http://www.ipsj.or.jp/09sig/kaikoku/2008/EIP43.html

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国立国会図書館の近代デジタルライブラリー

インターネットを用いて図書を利用するための方法には様々なものがある。

オンラインで電子ブックを読むのが最もトレンディかもしれないが,現時点では,無料で読めるものが比較的少なく,既に著作権保護期間が過ぎてしまった書籍でも有料になっていることが珍しくない。これは,電子ブックのためのデータ配信システムの稼動にかかるコストを料金として回収する必要があるためにではないかと推測される。

現実に図書を閲覧利用するための図書館におけるインターネットの利用にも様々なものがある。蔵書の検索システムの利用が最も一般的かもしれない。検索から更に進んで貸し出し予約までインターネット経由でできるところも増えているようだ。

そこから先に進んで,図書館の蔵書をインターネット経由で直接に閲覧できるサービスとなると,予算の関係もあって普通の図書館では非常に難しいということになるだろうと思う。しかし,国立国会図書館では,そのようなサービスの提供を開始しており,閲覧可能な書籍の数もかなりの数に上っているようだ。

 国立国会図書館:近代デジタルライブラリー
 http://kindai.ndl.go.jp/

自宅にいても古今の古典を好きなだけ読み漁ることのできるような時代がやっと到来しつつあるという感がある。

試しに,近代デジタルライブラリーで閲覧可能な書籍の検索をしてみた。キーワードは「穂積陳重」で検索を実行してみると,次の17冊がヒットした。法学部の授業の教材としても活用できそうだ。

**********************************

1. 隠居論 / 穂積陳重著,哲学書院〔ほか〕, 1891. - (法理学叢書)
2. 学生の前途 / 佐藤尚友(青衿)著,実業之日本社, 明39.9
3. 現社会. 第1号,現社会発行所, 明21.12
4. 五人組法規集 / 穂積陳重編,有斐閣, 大正10
5. 通俗民法詳解. 総則編 / 末松謙澄著他,明法堂〔ほか〕, 明30.1
6. 帝国学士院第一部論文集. 邦文 第1号 / 帝国学士院編,帝国学士院, 大正2
7. 帝国学士院第一部論文集. 邦文 第2号 / 帝国学士院編,帝国学士院, 大正8
8. 帝国博士列伝 / 荻原善太郎著. - 増訂2版,敬業社, 明23.5
9. 読律書屋所蔵御成敗式目目録. 大正11年7月15日現在 / 穂積陳重編,穂積陳重, 大正11序
10. 日本博士全伝 / 花房吉太郎他,博文館, 1892
11. 日本博士全伝 / 荻原善太郎編,岡保三郎, 1888
12. 法窓夜話 / 穂積陳重著,有斐閣, 大正5
13. 法典論 / 穂積陳重著,哲学書院, 明23.3
14. 法理学講義 / 穂積陳重述,和仏法律学校, 明32. - (和仏法律学校32年度第1部講義録)
15. 名士奇聞録 / 嬌溢生著,実業之日本社, 明44.11
16. 明治人物の少壮時代 / 墨堤隠士著,大学館, 明治35
17. 弥生社講談会講義録. 第1,3,4号 / 穂積陳重述,警視庁, 明17,18

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脳内の様子を推定するシステム

京都府にある国際電気通信基礎技術研究所は,人間の脳内の状態を推定する技術を開発するための基礎的な実験に成功したようだ。現時点では非常に単純なことしかできないようだが,将来,測定のための手段がより精巧になれば,もっと細かな状態まで推定できるようになるだろう。

 視覚野:夢の「再現」夢じゃない?
 毎日jp: 2008年12月11日
 http://mainichi.jp/select/science/news/20081211k0000m040129000c.html

このようなシステムは,何の目的で使用することができるだろうか?

良い目的にも悪い目的にも使えそうなところが要注意だ。


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2008年12月10日 (水曜日)

USENに対し20億円の損害賠償の支払いを命ずる判決

有線放送最大手であるUSEN(株式会社有線ブロードネットワークス)に対し,キャンシステム株式会社が独占禁止法違反を理由に損害賠償を求めていた事件で,東京地裁は,20億円余の損害賠償金の支払いを命ずる判決をした模様だ。USENは,公正取引委員会から独占禁止法に違反するとして排除命令を受けていた。

 USEN「違法な安値」に20億賠償命令 有線業界2位のキャン社勝訴
 産経ニュース: 2008.12.10
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/081210/trl0812101934015-n1.htm

 株式会社有線ブロードネットワークス及び株式会社日本ネットワークヴィジョンに対する勧告等について
 公正取引委員会: 平成16年9月14日
 http://www.jftc.go.jp/pressrelease/04.september/04091402.html

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不況のときは出会いサイトが流行る?

米国では,不況になるとネット恋愛が流行るらしい。

 株価の下落でネット恋愛が盛況
 REUTER: 2008年12月10日
 http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-35354920081210

日本ではどうなのかはわからない。

想像では,出会いサイトに見せかけた詐欺サイト(いわゆる「出遭えない系サイト」など)のほうが流行るのではないかと思う。

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総務省:諮問及び意見募集の結果

総務省から下記の諮問及び意見募集の結果が公表された。

 無線従事者規則の一部を改正する省令案の電波監理審議会への諮問
 総務省:平成20年12月10日
 http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/081210_11.html

 電気通信事業法施行規則の一部を改正する省令案に係る意見募集の結果
 総務省:平成20年12月10日
 http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/081210_3.html

 放送法施行規則の一部を改正する省令案等の電波監理審議会への諮問
 総務省:平成20年12月10日
 http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/081210_12.html

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JPCERT/CC:経営リスクと情報セキュリティ

JPCERT/CCのサイトで,下記の文献が公開されている。

 経営リスクと情報セキュリティ ~ CSIRT:緊急対応体制が必要な理由 ~
 JPCERT コーディネーションセンター: 平成20年12月
 http://www.jpcert.or.jp/csirt_material/files/csirt_for_management_layer.pdf

危機管理の問題として情報セキュリティをとらえる分かりやすい内容だと思う。

しかし,肝心の点がすっぽりと抜けてしまっているという点を指摘したい。

それは,情報セキュリティのマネジメント主体である企業自らが経営破綻やテロなどのために消滅または活動不能状態となってしまう場合についての対応策が何も述べられていないということだ。

おそらく,企業経営者に対して「自社が破産する前提で考えなさい」と言ってみても無理なので,しょうがないことかもしれない(←「何か恨みでもあるのか!」と怒鳴られるのがせいぜいだろう。)。今後の対応策としては,会社法を大改正し,法人設立の際には経営破綻等により突然企業が消滅または経営不能になってしまう場合に備えた事前対応策を定款等の上で明定させるように義務付ける必要があると思われる。そうすれば。どんなに傲慢な経営者であっても,常に「自らが滅びるとき」を明確にイメージしながら企業経営するようにさせることができるだろうと思う。立つ鳥跡を濁さず。

一般に,マネジメントの主体が崩壊してしまい,マネジメント不能に陥ってしまうような事態を全く想定していないことは,現在主流となっている「マネジメントシステム」の考え方における最大かつ致命的な欠陥だ。この点については,今後も可能な限り強く主張していきたいと思う。

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警察庁で翻訳担当事務官を募集

警察庁では,翻訳担当事務官を募集している。採用期日は平成21年4月1日,申込締切は平成21年1月9日。詳細は,下記のとおり。

 警察庁:翻訳担当事務官募集要項
 http://www.npa.go.jp/shintyaku/ouboyoukou_honyaku.pdf

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モバイルにおけるIDのセキュリティ

様々な携帯型端末装置が世の中に溢れている。しかし,「iPhone OSの脆弱性」でも書いたとおり,モバイルの一般ユーザのセキュリティ管理の意識は希薄となりがちな性質を有している。このため,モバイルと関連するID情報の盗み取りが横行しているようだ。この問題に関するまとまった調査報告書が公表されたようだ。

 High Growth Forecasted for the Mobile ID Fraud Report 2008
 Market Watch: Dec. 9, 2008
 http://www.marketwatch.com/news/story/High-Growth-Forecasted-Mobile-ID/story.aspx?guid={DA9C5B26-D075-4494-B903-DC0D6EC0C3BE}

ちなみに,日本での状況はよく分からない。なにしろ信頼できる統計が存在しない。

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リアルマネートレーディングに関するニューヨークタイムズの記事

オンラインゲームのアイテムと現金との交換(リアルマネートレーディング(RMT))については,このブログでも何度か関連する記事を書いてきた。「たかがゲームのことじゃないか」と思いつつこれらの記事を書いてきたのだが,たまたまニューヨークタイムズでもこの関連の記事を掲載しているのを見つけた。

 Storefronts in Virtual Worlds Bringing in Real Money
 New York Times: December 7, 2008
 http://www.nytimes.com/2008/12/08/technology/internet/08virtual.html?ref=technology

今後どうなっていくことやら,ウォッチングを続けることにする。


[このブログ内での関連記事]

 オンラインゲームサイトがサイバー犯罪の標的にされつつある
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-1129.html

 オンラインゲームとリアルマネートレード
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-03bf.html

 オンラインゲームのアイテム
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-7808.html

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ベトナムではブログによる一党独裁批判を封じるため規制強化

ベトナムは,中国と同様に,共産党による一党独裁体制の国だ。当然のことながら言論統制がある。しかし,インターネット上のブログの普及とともに政府による統制だけでは対処しきれなくなってきてしまっているようだ。結局,ベトナム政府は,GoogleとYahooに対して規制強化を要請することになったらしい。政治学的には,何となく奇妙な現象だと言わざるを得ない。

 ブログが大流行のベトナム、政府がグーグルとヤフーに規制協力を要請
 AFP: 12月8日
 http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2546837/3596271

 Test for Vietnam government: free-speech bloggers
 Associated Press: Dec 6, 2008
 http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5gE97antsXdPzHkVQ0tgPXYOOcv-QD94TDE8G0


[追記:2008年12月25日]

関連記事を追加する。

 Vietnam imposes new blogging restrictions
 Yahoo (AP): Dec 24, 2008
 http://tech.yahoo.com/news/ap/20081224/ap_on_hi_te/as_vietnam_blog_restrictions

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あるスキミング事件の判決

レストランでウエイトレスをしている女友達が顧客から盗んだクレジットカード情報を使って何千ドルもの価額の商品を購入したという罪で21歳の男性(David)が拘禁刑4年6ヶ月の刑の判決を受けた。

 Restaurant ID theft scheme nets man 4 1/2-year sentence
 news tribune.com: December 5th, 2008
 http://www.thenewstribune.com/news/local/story/558293.html

これだけだと,ごくありきたりの事件のように思われるかもしれないが,この記事を読んでみると,実は結構面白い事件だということが分かる。

スキミング装置によってクレジットカード情報を盗まれた被害者は,この地区を管轄する検事局の次長検事の妻だったのだ。そして,このクレジット情報を用いて購入された商品やサービスの中には女性でなければ購入しないようなものが多数含まれていた。当然,罪のなすり合いのようなことが始まる。

Davidの女友達に対する判決は来月に予定されているとのこと。

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中国のネット上で一党独裁批判の声明

下記の記事が出ている。驚いた。

 中国で一党独裁批判の声明=ネットで学者ら303人署名
 時事通信: 2008年12月10日
 http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008121000375

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新たな盗撮の危機に要注意

ついに腕時計型のビデオカメラが登場した。外見はどう見ても腕時計だし,腕時計としても当然に使えるのだけれど,実はビデオカメラ。とにかく凄い。

 これをつければ名探偵!? サンコー、腕時計型ビデオカメラ
 RBB Today: 2008年12月10日
 http://www.rbbtoday.com/news/20081210/56380.html

おそらく,あっという間に,この腕時計型カメラを悪用した盗撮行為が激増するだろうと思う。

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クラウドコンピュータが新たな攻撃対象に

大手IT企業はこぞってクラウドコンピューティングにシフトし始めているような傾向があるが,犯罪者の目も次第にそちらのほうに向けられてきたようだ。

 2009年は「クラウド攻撃元年」に? Websenseが予想
 IT Media: 2008年12月10日
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0812/10/news035.html

この予測は,たぶん正しい。(当然のことながら)お金が集まるところには犯罪者も集まる。このことは古今東西変わることのない真理の一つだ。

一般に,ビジネス毎にバラバラなサーバを利用する形態よりもクラウド側できちんと対処したほうが全体としてのセキュリティのレベルが高まるという考え方がある。このような考え方は,たしかに,正しい部分を含んでいる。例えば,セキュリティのための予算を組むことができない中小のビジネスにとっては,セキュリティ込みのサービス提供を受けたほうが多いに助かる面があるだろうと思う。

しかし,クラウドコンピュータが大規模に構築され運用される場合,非常に大きなリスクも同時に発生してしまう。

例えば,法律面では,コンフリクト(双方代理や利益相反を含む。),独占禁止法違反などの問題が常に発生する可能性が非常に高い。大規模なサービス運営主体では,個々の従業員に対する監督を徹底することが次第に難しくなるだろうから,情報の盗取や横領を含めありとあらゆるタイプの内部犯罪が発生し得る。また,技術面では,クラウドのバックボーンになっている分散サーバやグリッドコンピュータを組成する個々のコンピュータが一体どのように管理されているのかがクラウドの管理者にさえ分からなくなってしまうような事態の発生もあり得る。そして,攻撃する犯罪者の側の立場にたってみると,喰らうどっコンピューティングにおけるセキュリティは非常に単調なので,実はとても攻撃しやすいスキームだということになりそうだ。

というわけで,2009年も情報セキュリティの話題には事欠かない年になるだろうと思う。

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Google日本法人の社長が交代

CNETに次のような記事が出ていた。何だか普通の人事異動のような印象を受ける社長交代だと思う。

 グーグル日本法人、社長交代--執行役員の辻野氏が就任
 CNET Japan: 2008/12/0
 http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20385025,00.htm

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特定の地区出身者情報

世界中どこでも差別は存在しており,差別のない国はないというのが現実だ。しかし,いわれのない差別をなくすようにすべきことは当然のことだ。このことと関連して下記の記事が出ていた。

 一部公立中学で「同和地区出身」情報 和歌山
 毎日jp: 2008年12月10日
 http://news.nifty.com/cs/headline/detail/mainichi-2008121000m154/1.htm

このようなタイプの情報と別の情報(DNA情報など)とがどこかで結合されてしまった場合,どういうことになってしまうのか,ちょっと想像してみただけでも怖ろしい。

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2008年12月 9日 (火曜日)

クリップ・カルチャー

「クリップ・カルチャー(clip culture)」という用語が以前から存在していたのかどうかは知らない。しかし,インパクトのある用語ではないかと思われる。インターネット上の映像文化やそれと関連する著作権問題を考える場合,クリップ・カルチャーの台頭という事実を無視することはできない。

クリップ・カルチャーは,映像作品に対する人間の「構え」のようなものを変化させているのではないかと思う。著作権フリーの映像作品をYou Tubeからダウンロードする場合だけではなく,商業映画を楽しむ場合でさえ,インターネット経由でそれを入手することが普通になりつつある。映画館やレンタルビデオショップやDVDショップの時代は既に終わってしまっているのかもしれない。この関連のことは「テレビの時代は終わった」でも書いたが,たまたま下記の記事を見つけ,その感を強めた。

 Full-length movies going online
 The Star: Dec 08, 2008
 http://www.thestar.com/sciencetech/article/549949

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米国Yahooが更に人員削減

米国Yahooの株価は依然として低迷しっぱなしの状態にあり,相当に厳しい経営状態であることがうかがえるが,更に人員削減を進めることになったようだ。ネット産業が世界規模で再編されつつある過程の中にあるのかもしれない。

 米ヤフー、さらなる人員削減を実施へ--米報道
 CNET Japan: 2008/12/09
 http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20384959,00.htm

[追記:2008年12月12日]

関連記事を追加する。

 ヤフー、人員削減を開始 株主からは検索部門の売却案も
 AFP: 2008年12月11日
 http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2548197/3603965

 Flickrにも及ぶ米ヤフー人員削減の波--英報道
 CNET Japan: 2008/12/12
 http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20385218,00.htm

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Wikipediaは有害情報か?

Wikipediaの利用者は非常に多い。Wikipediaにはとても立派な記事や学術論文もあれば,屑同然の無価値な文字列に過ぎないものもあり,玉石入り混じっていることはよく知られている。とりわけ,政治的な事柄に関しては政治的宣伝やデマゴーグなどが大いに混入していたり,政治的抗争の場と化していることがあり,読者はこの点について十分な注意を要する。

勿論,Wikipediaの記事それ自体が違法コンテンツまたは有害コンテンツである場合もあり,中には児童ポルノと判定されてしまうものもある。この場合,ネット上の青少年保護のためのフィルタリングの関係では何か問題が発生しないだろうか?

英国での事例だが,CNETは非常に興味深い事例を紹介している。

 英ISP、Wikipediaへのアクセスを制限--児童ポルノのブラックリスト入りで
 CNET Japan: 2008/12/08
 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20384898,00.htm

[追記:2008年12月12日]

結局,ブラックリストに入れた団体のほうが主張を撤回することとなったようだ。下記の記事が出ていた。

 わいせつ画像を理由に Wikipedia をブラックリストに載せた監視団体、ついに“Back Down”
 japan.internet.com: 2008年12月12日
 http://japan.internet.com/itenglish/20081212/1.html

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ブラジルでもネットバンクなどでサイバー犯罪が多発

中国やインド等と並んでブラジルもまた世界経済の中で大きな発言力を持ち始めている国の一つだ。なにしろ大量の地下資源を保有している。アマゾンの貴重な自然を大規模に破壊し尽くしながらその資源が掘削され,海外に輸出した利益がブラジルの国家経済を潤してきた。当然のことながらITの利用も急速に普及することになるのだが,その状況についてはあまりよく知られていない。

私は,別のことで調査していて,ネット上でポルトガル語やスペイン語のコンテンツが増えていることに少し以前から気付いていた。その中の多くは,実は南米にある国々のものだった。英語だけで世界を知ることができた時代は終わってしまったのだろうと思う。

さて,そのようにしてITの普及著しい南米諸国なのだが,この世界的な不況のあおりを受けてそれらの国々でも大変なことになっているらしい。それと同時に,「サイバー犯罪の状況についても,大変なことになっているんじゃないか」と思っていたら,ブラジルの状況に関する記事をみつけた。

 狙われるネット・バンク【ブラジル】
 TechWorld: 2008/12/01
 http://www.techworld.jp/topics/rouei/102722/

IT産業は,どちらかというとアングロサクソン系の気質を持った企業や人々に向いている産業だろうと思う。農耕民族やラテン系の気質をもつ企業や人々にはあまり向いていないかもしれない。もしかすると,ものごとの本質は,そこらへんにあるのかもしれない。

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国土安全保障省(Department of Homeland Security(DHS))はサイバー攻撃に対する対応に失敗している

Center for Strategic and International Studies(CSIS)は,2008年12月8日,「Securing Cyberspace for the 44th Presidency」という報告書を公開した。これによると,ブッシュ政権下の米国の国土安全保障省(Department of Homeland Security(DHS))ではサイバー攻撃に対する対応に失敗したとされている。オバマ政権がこの問題に対してどのように対応しようとするのか,注目しなければならない。

 Securing Cyberspace for the 44th Presidency
 Center for Strategic and International Studies(CSIS): December 8, 2008
 http://www.csis.org/component/option,com_csis_pubs/task,view/id,5157/type,1/

 Tech commission suggests new cybersecurity post
 CNET: December 7, 2008
 http://news.cnet.com/8301-13578_3-10117856-38.html

 America losing cybercrime battle
 mxlogic: December 8, 2008
 http://www.mxlogic.com/securitynews/network-security/america-losing-cybercrime-battle090.cfm


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2008年12月 8日 (月曜日)

イスラエルが世界で最も厳しいスパム禁止法を制定

不動によると,イスラエルは,世界で最も厳しいスパムメール(ジャンクメール)禁止法を制定したようだ。報道では骨子しか記載されていないが,要するに,事前に明確な承諾がないのに金銭を消費させたり提供させたりするように勧誘する内容の電子メールを発信したときは,それが個別のものであれバルクメールであれ,違法とするという内容のものらしい。この報道のとおりだとすれば,事前に承諾を得られていない限り,ほぼすべての商業宣伝用電子メールが禁止されることになるだろうと思う。

 Israel enacts harsh new junk email law
 Israel Today: December 07, 2008
 http://www.israeltoday.co.il/default.aspx?tabid=178&nid=17703

今後,世界のスパムメール法制がどのようになっていくかは分からない。しかし,おそらく,「中途半端な立法では,結局のところ何らの目的も達成することができない」ということが次第に認識されるようになるだろうから,最終的にはどの国でもイスラエルのような法制になっていくのではないかと予測している。

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幼児虐待か冤罪か?

オーストラリアのクイーンズランド州で60歳の男性が幼児虐待の容疑で逮捕され起訴された。報道内容を読む限り,非常に興味深い事件のようだ。

 Man charged over viral baby-swinging video
 The Age: December 8, 2008
 http://www.theage.com.au/articles/2008/12/08/1228584709781.html

ことの発端は,警察が児童ポルノの捜査をしていたところ,たまたまYou Tubeのようなビデオファイル共有サービスに登録されていたビデオクリップの中に児童ポルノかもしれない短いビデオファイルを発見したところにあったようだ。

このビデオは大人の男性が赤ん坊を両手で持ち上げてゆすぶっているという内容だった。警察は,そのゆすぶり方が尋常ではないと判断した。そして,児童ポルノ事件ではなく幼児虐待事件の容疑で捜査をし,この男性を逮捕した。

この男性は,たまたま日曜日であったために適切な弁護士を見つけることができず,その弁護を受けることができない状態で指紋とDNAを採取された上,結局,起訴されたようだ。しかし,この男性は,容疑事実を否認しているらしい。

もしかすると,この事件は,冤罪事件として無罪になるかもしれない。

さて,この記事の中で紹介されているEFFの意見を踏まえて考えてみると,次のような教訓を得ることができると思われる。

すなわち,「児童ポルノや児童虐待に過敏になり過ぎ,過剰に猜疑心を燃やし,その禁圧のことばかり考えているような人々が,何らかの幼児のビデオを目にする機会があると,そのビデオの内容がどのようなものであれ,原則として虐待として評価されてしまい,最悪の場合には告発されたり逮捕されたりしてしまうことがあるかもしれない」ということだ。

家庭内で撮影したビデオクリップ等を迂闊にインターネット上で閲覧可能にしてしまうと,そのようなことが発生し得る。インターネット上に写真やビデオクリップなどをアップロードする際には,著作権だけではなく,このような問題についてもよく考えた上でないと非常に危険な状況になってきているかもしれない。

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Firefox上でアドインとして動作するPirates of the Amazonを作成した学生に対し法的措置

学生は大人であれば絶対にしないようなひどく無茶なことをしでかすことがあり,それが科学研究上の大発見や大きなビジネスの萌芽になっていくことも珍しくないことだ。しかし,そのような行動が現実のビジネス上の利益をダイレクトに侵害してしまう場合には,現実に機能しているビジネスを守るために雇われている弁護士からそれ相応のきつい反撃をくらうことになる。下記の記事で報道されているオランダの学生達もまたその一例ということになるのだろう。

 アマゾン、「Pirates of the Amazon」アドオンを制作した学生らに法的措置
 CNET Japan: 2008/12/08
 http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20384927,00.htm

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GoogleがEUの個人データ保護のための法的枠組みの変更を求める

Googleは,EUにおける個人データ保護のための法的枠組みが現状に合わないとして,その変更を求める姿勢を強めているようだ。

 Google aims to set EU data protection agenda
 EurActiv: 5 December 2008
 http://www.euractiv.com/en/infosociety/google-aims-set-eu-data-protection-agenda/article-177793

 EU's unlikely partner for data privacy review: Google
 ars technica: December 07, 2008
 http://arstechnica.com/news.ars/post/20081207-eus-unlikely-partner-for-data-privacy-review-google.html

 Intel, Google asked to help revise EU data protection laws
 NetworkWorld: 12/04/2008
 http://www.nwwsubscribe.com/news/2008/120408-intel-google-asked-to-help.html?hpg1=bn

Googleを含むすべての米国企業は,米国とEUとの間で交わされたセーフハーバー合意の枠内でのみEU圏内での活動をすることができる。そこで,Googleは,そのホームページ上において,「セーフハーバーの枠組みに適合している」と表示している。通常,「適合している」という文言は,EU個人データ保護指令及びその附属文書に記載されているルールを遵守しているということを意味することになっている。

ところが,Googleが今回のような姿勢に出たというのが誤報ではなく本当のことであるとすれば,セーフハーバーの枠組みを無視するということを意思表明していると理解されかねない。また,EUと米国連邦政府との間の政治的決着を無視する趣旨とも解釈されかねない。もしそうであるとすれば,結果として,Googleは,自らを「大統領や連邦政府よりもずっと偉い存在だ」と認識していることになるかもしれない。

しかしながら,もしGoogleが米国法に従う意思があるのであれば,オバマ次期大統領に「きつすぎてどうにもビジネスが行き詰まってしまったから,セーフハーバー協議をやり直して欲しい」と請願をすべきだろうと思う。その請願が通るかどうかは分からない。けれども,そのような請願が通るまでの間は,現在の法とルールにしたがって行動しなければならない。

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米国スターバックスで従業員10万人の個人情報が紛失

米国スターバックスで従業員10万人分の情報が記録されたPCが盗まれたようだ。その個人情報の行方は分からない。米国スターバックスでは以前にも同じような事故を起こしておきながら,抜本的な改革をしていなかったらしい。では,日本のスターバックスやその他類似のコーヒー店は大丈夫なのだろうか?

 米Starbucksで再びPC盗難、約10万人の社員情報を紛失
 IT Media: 2008年12月01日
 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0812/01/news100.html

このような事故があるたびに,「個人情報の流出・悪用は確認されていない」という趣旨の報道がなされる。はっきり言って全く意味のない報道または国民に大きな誤解を与える報道だと思う。犯罪集団が自ら「盗みました」と宣言するわけがない。

P2Pなどによる流出の場合にはP2Pのユーザであればネット上に個人情報が漂流していることを見つけることができるはずだ。つまり,このような場合には流出の有無を確認しやすい。しかし,USBメモリやPCの盗難の場合には状況が異なる。

しかし,犯罪集団の場合には,別だ。犯罪集団は,入手した個人情報を犯罪のために活用する必要があるから,流出したという事実を隠蔽する可能性が高いと考えたほうがよい。つまり,表立って「個人情報流出」の事実が目に留まらないときこそ本当は大変なことが起きてしまっているかもしれないのだ。にもかかわらず,「ネット上では見つからない→情報流出なし」と単純に推論してしまうのは,非常におかしな思考経路だと考える。常に,普通の推論とは逆の方向での推論や,自分とは全く立場の異なる人間の視点でものごとを考えて様々なシミュレーションをやってみる必要がある。

そのようにしてみると,「確実なことなど何も言えない」という当たり前過ぎてここで言うのも馬鹿馬鹿しいくらいの「当たり前の結論」に至るしかないというすこぶる自明のことを理解できるだろうと思う。

[関連記事]

 590人の個人情報入ったPC盗難-大津氏の自動車販売店
 京都新聞: 2008年12月8日
 http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008120800063&genre=C1&area=S00

 学生ら情報入り業務用PC盗難-滋賀文教短大
 京都新聞: 2008年12月4日
 http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008120400204&genre=C1&area=S00

 中国国内の再委託先で顧客情報含むPCが盗難 - 有楽土地
 Security Next: 2008/12/01
 http://www.security-next.com/009450.html

 大阪府庁 放置された個人情報入りPC盗難
 スポニチ: 2008年11月28日
 http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20081128095.html

 40人分の個人情報盗難 静岡・掛川
 産経ニュース: 2008.11.23
 http://sankei.jp.msn.com/region/chubu/shizuoka/081123/szk0811230215000-n1.htm

 営業情報含むPCがJR山手線で置き引き - シニア向け経営コンサル会社
 Security Next: 2008/11/20
 http://www.security-next.com/009396.html

 児童の個人情報含む教諭の自宅PCが盗難被害 - 横浜
 Security Next: 2008/11/12
 http://www.security-next.com/009333.html

 スターバックスが約5700名の個人情報漏えい JR大阪駅でPC置き引き
 IT Media: 2008年04月21日
 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0804/21/news094.html

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カナダでは,児童ポルノ犯罪で有罪になると処罰だけではなく性犯罪者としてのDNA登録も

カナダでは,性犯罪者のDNA情報を国のデータベースに登録し,誰が性犯罪者であるかを即座に割り出すことができるようになっている。つまり,永久に性犯罪者としての烙印を押され続けることになる。同様のことは古い時代から行われており,日本の江戸時代に流刑者に対して目立つように刺青をしたのと同じだと考えることができるし,古くは旧約聖書の中の「カインとアベル」の物語の中に同様の例を見出すことができる。

カナダで最近起訴された23歳の青年は,刑罰としては軽い刑罰の言い渡しを受けたのにもかかわらず,児童ポルノをインターネット上で他人が利用可能な状態にしたという罪が性犯罪に該当するとされ,そのDNAを国の性犯罪者データベースに登録されてしまったようだ。つまり,彼は,永久に性犯罪者としての烙印を押され続けることになった。

 Saskatoon man given minimum sentence for spreading child porn
 Finantial Post: November 27, 2008
 http://www.financialpost.com/story.html?id=1001865

法律上,前科は一定期間経過の後には消滅することとするような法制を採用している国が多い。日本国の刑法では,34条の2にその旨の条項がある。

************************************

第34条の2(刑の消滅)
1 禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで10年を経過したときは,刑の言渡しは,効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで5年を経過したときも、同様とする。
2 刑の免除の言渡しを受けた者が,その言渡しが確定した後,罰金以上の刑に処せられないで2年を経過したときは,刑の免除の言渡しは,効力を失う。

************************************

このように刑法上では刑が消滅することになるのだが,法務省が所管する前科・前歴データベースの中にある記録が削除・消去されることはない。事実の記録なのでそのような取扱いになっていることになるし(記録が残されていなければ,刑の消滅の有無を確認するための調査・点検をすることもできなくなってしまう。),そのことを違法視する見解はなさそうだ。

もし日本で性犯罪者DNAデータベースのようなものを導入・運輸するとすれば,同じようなことになるのだろうと思う。

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サイバースクワッティング

インターネット上のドメイン名の管理それ自体についても色んな議論がなされてきたのだけれど,もっとプリミティブな濫用例に対する対応もずっとなされてきた。

ドメイン名の濫用事例の中でも最も典型的なものだと思われるのは,サイバースクワッティング(cyber squatting)だ。これは,既に著名となっている企業名や商品名などをドメイン名として先取りしてしまうというタイプの濫用事例で,日本国では,商標法違反事件または商標権侵害事件として扱われることが多い。

一時はかなりの件数の裁判事例があり社会的にも注目されたものだったが,最近では大方の興味を失ってしまっていたかもしれない。しかし,相変わらず,世界各地でサイバースクワッティングが行われ続けているようだ。

 Microsoft Files New Cybersquatting Charges
 PC World: Nov 27, 2008
 http://www.pcworld.com/article/154603/microsoft_files_new_cybersquatting_charges.html

 Court rules against Coca Cola cyber squatter
 Dec 5, 2008
 http://www.cyprus-mail.com/news/main.php?id=42896&cat_id=1

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米国空軍の兵士が児童ポルノ罪で起訴される

米国で,米軍空軍兵士が児童ポルノをインターネット上で閲覧した上でそれをダウンロードして所持したという罪により逮捕され起訴された模様だ。起訴事実(訴因)は15あり,最長で255年の拘禁刑になる見込みとのことなので,この空軍兵士は相当大量の児童ポルノを所持していたのだろうと推定される。

 Airman arrested on child porn charges
 nwfdailynews.com: December 2, 2008
 http://www.nwfdailynews.com/news/child_13207___article.html/pornography_release.html

日本の刑法では,複数の犯罪を犯した者については単純に法定刑を加算するのではなく,最も重い罪の刑の1.5倍の範囲内で宣告刑を決定することになっている。したがって,もし日本で上記と同じような事件が発生したとしても255年になることは絶対にない。

けれども,威嚇的効力(一般予防)及び危険な犯罪者を社会から隔離する効果としては,米国のような単純加算主義のほうが優れているのではないかと思われる。もし死刑を廃止するのであれば,米国流の単純加算主義を導入すべきだろう。

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台湾のIT企業がシンガポールで使用していた商標が違法との判決

台湾のPDA企業であるMitac International(神達電脳)は,2003年にMioという商標をシンガポールで登録し,GPSスマートフォンのユーザのための商標として利用していたが,その後,Singapore Telecommunications (SingTel)が2007年にMioという商標を登録した。当初は,その商標を適用する分野が異なっていたため何も問題が生じなかったけれども,その後,SingTelがMioを適用する範囲を大幅に拡張した結果,Mitacの商標であるMioとの間に衝突が発生することになった。

この事件について,シンガポールの裁判所は,台湾のMitacを敗訴させる判決をしたようだ。

 Mitac Loses Mio Trademark Suit in Singapore
 Dec 3, 2008
 http://www.pcworld.com/article/154843/mitac_loses_mio_trademark_suit_in_singapore.html

判決文はまだ公開されていないので,どういう理由でそういうことになったのかはよく分からない。Mitacとしては上訴する予定と報道されている。

判決文が公開されていない現時点では断定的なことは言えないけれど,報道されているとおりの内容であるとすれば,この判決は,後発の登録商標であっても「シンガポール国有企業またはシンガポールにとって重要な企業の商標が外国企業の商標よりも法的に優先する」というルールを確立させたことになるのかもしれない。

もしそうであるとすれば,シンガポールに進出している日本の企業も要注意ということになるだろう。

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2008年12月 7日 (日曜日)

ストリートビューの問題は終わってはいない

物忘れが激しいのは日本人の美徳でもあり欠点でもある。あれほどネットで騒がれたストリートビューの話題が今ではすっかり忘れ去られてしまった感がある。しかし,研究者である私としては定点観察のような観察を続けたいと思う。

下記のような記事が出ていた。

 ストリートビュー『規制を』 要望、意見 都に38件
 東京新聞: 2008年11月26日
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008112602000092.html

 Googleストリートビューが不安・・・。シングルマザーの声
 Tech insight: 2008年12月4日
 http://japan.techinsight.jp/2008/12/kitashima200812031400.html

東京都情報公開・個人情報保護審議会(会長・堀部政男一橋大名誉教授)では,今後も継続して検討を重ねることになったそうだ。是非ともそうしていただきたいと思う。

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複合汚染

かつて有吉佐和子『複合汚染』という書籍が刊行されたとき,人々は,個々の物質としてはそれほどひどい汚染をもたらさないものであっても,それらが幾つか組み合わされたときに大変な問題を発生させてしまうかもしれないということに気付かされた。説明されれば当たり前のことなのだと思うけれども,誰かから言われるまで気付かないことが案外と多いものだが,この複合汚染もまたその一つと言えるだろう。

それから何十年もたって日本は少しは良くなったかというと,より悪くなってしまったかもしれない。というのは,現在では目に見えない有毒物質,有害電波,放射線などが社会の中にあまねく(ユビキタスに)存在しているからだ。

食品安全の関係では,原料や産地の偽装だけではなく,合成保存料や食品添加物や残留農薬等の偽装が幾度となく繰り返されてきた。おそらく,現在流通している食品の大半は,単に発覚していないというだけのことで実際には多かれ少なかれ同じような問題を抱えているのだろうと想像する。そうでなければ,スーパーマーケットの店頭に何日も商品としての食品を展示し続けることなどできるわけがない。もちろん,関連する法令に基づき,適法に添加できる保存料等の薬品は多数存在するし,それらについての安全基準が定められていることが普通だ。しかし,そうした安全基準は,その物質一種類だけに限定した安全基準なのであって,複数の食品を組み合わせて調理したり口にしたりした場合どうなるかといったタイプの問題に対応した安全基準は存在しない。原理的に存在し得ないのかもしれない。

同様に,携帯電話の電波だけでは短期的には何も人体に対する悪影響がないとされているけれども,長期的な影響調査がなされたことはない。また,電波と紫外線と放射線を長期間にわたって複合的に受けた場合の影響調査は一つもない。普通は,そのようなことなどないだろうと考えられているからだ。しかし,現実はそうではない。微量の放射線を含む物質は身の回りにいくらでもある。しかも,何らかのかたちで問題になったとしても,回収等によって問題の発生を阻止または抑制することが実際には非常に難しいということを思い知らされるような事件が発生した。

 放射性ストラップ捨てないで  文科省が回収呼び掛け
 共同通信: 2008年12月2日
 http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008120601000497.html

 光る携帯ストラップに放射性物質 警視庁、販売の男女逮捕
 産経ニュース: 2008.7.17
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080717/crm0807171211020-n1.htm

もし私が監督官庁(文部科学省)の担当係官だとしたら,国民の不安に対して「ストラップに含まれる放射線だけでは直接の影響はない」と答え続けることだろう。現実問題として複合的な汚染の場合にはどうなるかについての調査結果が何ひとつ存在していない現状では,そのように返答するしかないとも言い得る。

けれども,「何も言えない」ということは「何も問題はない」ということと同義語ではない。

所管官庁の壁がある限り,複合汚染に関する調査・研究は今後においても少しも進捗しないだろうと思う。しかし,現代~近未来において政府がなすべき仕事の大半はそのような仕事なのだということをきちんと自覚すべきだろうと思う。

これまで無自覚的に承継してきた行政組織の縦割りを根本から見直すような発想が必要だろうと思う。

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金融危機の時代における訴訟多発とe-Discoveryに備えたデータの確保

金融危機は,世界的な規模での恐るべき不況を発生させている。その結果,企業の破産が増加しており,また,従業員の解雇に伴う労働訴訟が多発している。このような状況において,企業の業務で用いるデータや資料の大半が電子化されているため,破産手続(民事再生手続を含む。)や労働訴訟において法廷で提出される訴訟資料も電子的なものが多くなってきている。そして,米国を中心に進められているe-Discoveryにおいては,証拠として提出される電子データが改ざんされていないオリジナルのものであることを要求されることが多い。

この関連で,分かりやすい解説記事を見つけた。

 e-Discovery Compliance As Domestic And Foreign Litigation Grows
 Corporate Counsel: December 3, 2008
 http://www.metrocorpcounsel.com/current.php?artType=view&artMonth=December&artYear=2008&EntryNo=9108

日本国においては,e-Discoveryはまだ馴染みが薄いかもしれない。しかし,現実の訴訟においては,電子データで保存されている各種書類をどのようにして法廷に顕出するかが大きな問題となってきた。この問題は,コンピュータデータというものが出現した当初から存在していた問題だった。しかし,裁判所を含む法曹会の無関心から理論研究があまり進められてこなかったことが大いに災いして,現実の訴訟手続では非常に奇妙な証拠調べが平然となされることが珍しくない。例えば,データベース内でのデータ処理が正確になされているかどうかが本当は大事なのに処理がなされた後の結果を示すプリントアウトを書証として提出することが求められたりする。現在の民事訴訟法だけでも検証の手続で正確な証拠調べを実施することが可能なはずなのに,多くの裁判官は検証や鑑定の実施に対して好意的ではない。そのために,実際にビジネスをしている企業の人間の目からすれば少し奇妙な「紙」のやりとりが繰り返されることになる。その中には明らかに無駄と思われるものが少なからず含まれている。

このようなタイプの問題を解決するための手段として,電子的な文書についての非改ざん証明(電子認証)の技術が開発されてきており,既に実用段階に入っている。にもかかわらず,そのことを知らない企業経営者や法律家があまりにも多すぎる。

訴訟関係人間で直接に電子的な証拠の取調べ及びその準備を実施するe-Discoveryを,おそらく日本でもそんなに遠くない将来導入せざるを得なくなるだろう。また,それに伴って訴訟書類等についてLegal XMLを踏まえた書式に変えていかざるをえなくなると思われる。けれども,日本の現状は,世界の中でポツンと穴が開いたような状態となっている。緊急の対応が必要だと力説したい。

加えて,私は比較的初期のころから電子的な証拠の問題に対する研究と取り組んできたが,この分野での研究者が極めて少ないという事実を知っている。研究者の養成も急務だろうと思われる。

他方で,完全なペーパーレスはやめたほうが良いと思われる。最も重要な書類は紙で保存するのが最も安心かもしれない。そして,比較的重要ではないものに限定して電子的な処理を導入すべきだろう。この場合,最も重要な書類は「紙」で存在しているため,通常の書証としての証拠調べにすぐに対応できることにもなる。

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タイにおけるインターネットの監視

タイでは,政府によるインターネットの監視が合法的なものとされており,過去何年にもわたって監視が実施されてきたようだ。

 INTERNET LAW - Online Censorship in Thailand
 iBLS: December 03, 2008
 http://www.ibls.com/internet_law_news_portal_view.aspx?s=latestnews&id=2184

タイだけではなく,インターネット上の通信の監視が行われている国は少なくないというどころかむしろ圧倒的に多い。合衆国ではパトリオット法に基づき,FBI等による通信の常時監視が実施されてきた。中国では公安部がインターネットを管轄することになっているので,少なくとも法制上は,インターネット上の通信は中国の警察によって監視されていると考えて良い。ロシアの状況は不明だが,おそらく監視が実施されている。英国もまたしかり。

ネット上でビジネス展開している企業は少なくないが,企業の存続に影響を及ぼすような重要な記録はネット上に置かないほうがよいということになるだろう。

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ロシアのマフィアは世界最大のサイバー犯罪シンジケート

インドの新聞は,Chris Goggans(アメリカのハッカーでセキュリティエキスパート)の「最もひどい攻撃は中国よりもロシアから来ている」との言動を引用しつつ,最近のインターネット上でのサイバー犯罪の状況について解説している。

 'Russian mafia is largest cyber crime syndicate'
 Times of India: 7 Dec 2008
 http://timesofindia.indiatimes.com/Pune/Russian_mafia_is_largest_cyber_crime_syndicate/articleshow/3803018.cms

最近,インドのサイト上でサイバー犯罪関係の記事が目立つようになった。これは,ムンバイでの事件の影響によるものかもしれないが,基本的にはインドの経済が急成長してきておりネット経済においても大きな力をつけつつあることに起因するものではないかと推測される。

日本の関連研究者は,今後,インドやシンガポールなどのアジア諸国との連携を強める必要があるかもしれない。

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インターネット上の小売店に対する攻撃が増加

ネット犯罪者は,インターネット上の小売店サイトに対する攻撃を増加させているようだ。その中には,顧客のIDとパスワードを偽って実行される詐欺行為等が含まれる。

 Hackers are stepping up attacks on retail sites, security firm says
 Internet Retailer: December 5, 2008
 http://www.internetretailer.com/dailyNews.asp?id=28685

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BBCのオンデマンド・ビデオ配信は独占禁止法違反?

英国のCompetition Commission(日本の公正取引委員会に相当)は,BBCによるオンデマンド・ビデオ番組配信に独占禁止法違反の疑いがあるとの見解を示している模様だ。

 On-demand video 'not competitive'
 BBC: 3 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/7762241.stm

 BBC internet video service tie-up is 'bad for competition', says regulator
 Mail Online: 04th December 2008
 http://www.dailymail.co.uk/news/article-1091778/BBC-internet-video-service-tie-bad-competition-says-regulator.html

この英国における見解が正しいと仮定すれば,日本のNHKによるオンデマンド・ビデオ番組配信もまた独占禁止法違反になるおそれがあると言えるはずだ。しかし,この分野を専門とする友人から意見を求めたところ,「日本の公正取引委員会が普通どおりに仕事をしてれば(つまり,あまり積極的に問題に首をつっこまなければ),特に問題とされることはないだろう」という回答が返ってきた。どう反応してよいか分からない。(苦笑)

実は,以前,NHKのオンデマンド・ビデオ番組配信について,米国人の友人(弁護士)から意見を求めたことがある。彼の意見によれば,「税金と同じように強制的に徴収した料金によって番組を製作しているのだから,当然,国立国会図書館から無料でオンデマンド配信するべきだ」ということだった。しかし,おそらく,日本の放送法学者で彼の意見に賛成する者はいないだろうと思う。

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ニュージーランドのネットカフェが映画のファイルシェアリング等の罪で起訴

ニュージーランドのオークランドにあるネットカフェが,映画をファイルシェアリングし,その画像を上映したことがニュージーランドの著作権法に違反する行為であるとして起訴された模様だ。これらの映画の中には,まだ封切前のものも含まれていたという。

 Net cafe's chief on film charges
 nzherald.com: Dec 04, 2008
 http://www.nzherald.co.nz/movies/news/article.cfm?c_id=200&objectid=10546425

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DigiProtectが数千人の英国インターネットユーザに対し弁償金の支払いを請求するレターを発送

ドイツの企業であるDigiProtectは,インターネット上でのP2Pファイルシェアリング等による違法コンテンツの流通を監視し,著作権を侵害するファイルシェアリングを発見したときは,その利用者に対して弁償金を支払うように督促するレターを発送し,集めた弁償金を管理する業務をしている。

英国では,P2Pファイルシェアリングによる何ダースものポルノ映画のファイル共有をしたことが著作権を侵害する違法行為であるとして,何千人ものインターネットユーザに対し,500ポンドの弁償金を支払うように求めるレターが発送された模様だ。この支払要求に応じないときは裁判所で訴訟が開始される見込み。

このレターを受け取った人の中には全く身に覚えのない人もいるらしい。

 Cash demand over 'porn downloads'
 BBC: 5 December 2008
 http://news.bbc.co.uk/newsbeat/hi/technology/newsid_7765000/7765386.stm

このレターは,商品として販売されているポルノ映画のファイルシェアリングに関するものらしい。しかし,本当に何千人もの人がそのようなファイルシェアリングを利用しているのだろうか。ちょっと疑問だ。

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スウェーデン政府が,音楽と映画のファイルシェアリングを禁止する法律の制定を検討

スウェーデン政府は,インターネット上での音楽ファイルのシェアリング及び映画ファイルのシェアリングについて,権利者が訴訟を提起することができるようにするための法律の制定を検討しているようだ。

 Swedish gov't mulls new anti-file sharing law
 Associated Press: December 4, 2008
 http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5iMUvi5Gm3535xaN8wRNTb6uUlliQD94RSUCO0

日本でもそうなのだが,インターネット上のファイルシェアリングは,世界中どこでも目の敵にされている。

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イーバンクをかたるフィッシングで顧客のID情報等を取得し電子計算機使用詐欺を実行した暴力団員らが逮捕される

イーバンクの不正アクセスによる電子計算機使用詐欺事件が多発したことは記憶に新しいが,その犯人の一部である暴力団員が逮捕されたようだ。フィッシングサイトで顧客のID情報等を入手し,顧客になりすまして預金を不正に送金するという手口だったらしい。

 偽の銀行サイト利用し預金詐取  容疑の会社経営者ら逮捕
 共同通信: 2008/12/06
 http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008120601000691.html

とかくフィッシングというと海外の話題かと錯覚してしまいがちだが,この事例のように日本国内でもフィッシングが横行している。ブラウザの中にはフィッシング対策が講じられているものもあるが,まだまだ普及していない。対策が急務であるように思われる。

[関連記事]

 ネットバンク使い勤務先口座から125万詐取 元事務員を逮捕
 産経ニュース: 2008.11.27
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081127/crm0811271802030-n1.htm

 フィッシング詐欺でネット銀行口座から1300万円搾取、男性を逮捕
 Internet Watch: 2008/07/30
 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/30/20426.html

 イーバンク銀行を騙るフィッシング詐欺、不正出金被害も
 Internet Watch: 2008/02/28
 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/28/18618.html

 米内国歳入庁(IRS)が電子申告サービスのプロバイダにEV SSL証明書の取得を義務付け
 Cyberlaw: 2008年11月25日
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/irsev-ssl-7613.html

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元米国連邦緊急事態管理庁の職員がクレジットカード詐欺で有罪

元米国連邦緊急事態管理庁の職員が,天災支援業務担当職員として在職していた際及びその前に投資会社に勤務中に,相談者のクレジットカード番号の情報を盗み出し,それを使って高級腕時計や宝石などを購入したという事件について,ID窃盗の罪で5年の拘禁刑という判決を受けた。

 Judge Imposes 5-Year Term for 'Lowdown' Scam
 Washington Post: December 6, 2008
 http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/12/05/AR2008120501859.html

今回の事件の被害者の中には,天災による被害に対する公的支援を受けるために相談に来ていた人々が多数含まれているという。まさに「火事場泥棒」のような事件だ。天災支援の相談に来ていた被害者にとっては「泣きっ面に蜂」。卑劣な犯罪としか言いようがない。

なお,日本国の刑法中には米国のID窃盗罪に相当する犯罪は存在しない。他人のクレジットカード番号の「情報」を盗み出す行為それ自体については全く処罰されない(クレジットカード偽造の目的でクレジットカード番号の情報を入手する行為は支払用カード電磁的記録不正作出準備(刑法163条の4)として処罰されるが,クレジットカード偽造の目的を有しない単純な情報の取得は処罰されない。今後は,正当な理由なくクレジットカード番号等の情報を取得した者全てを処罰できるように刑法を改正する必要があるだろう。)。ただし,盗み出したクレジットカード番号等を不正に用いて物品を購入する行為は,通常は,事案により,詐欺罪(刑法246条)または電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)として処罰される。

[関連サイト]

 消防防災博物館:米国連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency:FEMA)における防災・危機管理教育の概要について
 http://www.bousaihaku.com/cgi-bin/hp/index2.cgi?ac1=B414&ac2=B41403&ac3=3271&Page=hpd2_view

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iPhone OSの脆弱性

海外のサイトでは,「iPhoneに脆弱性があり,攻撃される可能性のあること」が既に指摘されていた。この点については,既に「モバイルにおける情報セキュリティ上の問題点」で記事を書いたなのだが,日本のJPCERT/CCからも警告の文書が出ていた。

 JPCERT/CC REPORT 2008-12-03
 http://www.jpcert.or.jp/wr/2008/wr084701.txt

今後,本質的にはインターネット接続用小型端末の一種であるiPhoneのようなデバイスが普及すると,それらに対する攻撃が盛んになるだろうと予測されるし,botによって犯罪行為のための巨大なグリッドコンピュータが形成されてしまうような事態も発生し得るのではないかと危惧される。何しろ,半端ではない数の台数が既に市場に出回っており,かつ,そのユーザの圧倒的多数は「携帯電話の一種だ」と思い込んでいて情報セキュリティのことなど全く考えていないからだ。

人間は,自分の発想をそんなに急激に変化させることができない。「モノ」については同種の「モノ」の用法等について手馴れた習慣のようなものから抜け出すことができない。だから,油断が生ずる。本質を見極めるような能力を養う訓練が必要なのだ。

ところが,残念なことにも,訓練を担当する教員のほうで本質を見極める能力を有する者が多数存在するとは言えない状況にある。

逆に,専門家顔をした評論家のような人々は,単なる商業宣伝記事としか言いようのない記事を雑誌やblogなどに書き続けている(←きっと,デバイスを製造・販売する企業から資金提供を受けているのだろう。そして,それが彼らの仕事なのだろう。しかし,読者は,常に冷静に判断すべきだ。)。

とても残念なことだと思う。

あるべき姿としては,どんなに小型であっても,完全に電話機として利用可能な機器であっても,通信に用いるプロトコルが特殊であったとしても,その本質が通信機能のついた小型のコンピュータであり,かつ,OS等のソフトウェアが超小型のHDに記録されていて書き換え可能であり,かつ,bot等のマルウェアを記録するHD上のスペースが存在する限り,そのような機器は,コンピュータの一種であると考えるべきであり,コンピュータに対する全てのタイプの攻撃がそのデバイスに対しても実行され得るという当たり前のことを全ての人が冷静に認識すべきだと思っている。

大きさやデザイン等の外形的要素だけで物事を判断することは非常に危険だ。

このことは,非常に古くは原始仏教の仏典の中に書いてあることだし,サンテグジュペリの『星の王子さま』の中でも見事に表現されていることなので,観念的・抽象的にはだれでもわかっているはずのことだ。しかし,現実には,応用力のない人が圧倒的に多い。

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FBIはどうしてムンバイの事件を予測できたのか?

新聞報道等によると,「米国の諜報機関は,インド政府に対し,事前にムンバイでのテロ攻撃があり得ることを連絡していた」とされている。報道はそれだけなのだが,素朴な疑問として,「どうして予測できたのか?」という疑問がちょっとでも脳裏をかすめなかった人は,情報セキュリティ業務の担当者としては失格だろうと思う。常に,どんなことについても「What?」,「Why?」,「How?」といった疑問を持つような精神的訓練を続けることが大事だ。

私自身はどうかというと,当然に疑問をもった。そして,「米国はインド国内においても常に諜報活動を行っている」という当たり前のことを前提に(←日本国内においても常に諜報活動を行っていることもまた当たり前過ぎるくらい当たり前のことだ。),具体的には「どのようにして?」をずっと疑問に持ち続けていた。

別のことを調べるためにネットの記事を探していたら,たまたま下記の記事を見つけた。この記事によると,問題のトラフィックを発見したのは,CIAではなくFBIだったということになっている。ここで新たな疑問が生ずることになるのだが・・・

 VoIP and tech's murky role in Mumbai attacks
 FierceVoIP: December 3, 2008
 http://www.fiercevoip.com/story/voip-and-techs-murky-role-mumbai-attacks/2008-12-03

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bot感染の検出

一般に,ISPの目から見ると,それがISPのユーザである限り,怪しいパケットを送信してくるIPアドレスを特定することは比較的容易なことだとされている。もちろん,そのIPアドレスの背後にいるのが本当に登録したユーザであるのか本当は別の者であるのかは分からない。しかし,そのIPアドレスからの接続を遮断してしまえば,そのIPアドレスから怪しいパケットが送られてくることを阻止することは一応できる。

しかし,問題は,怪しいパケットの送信の原因がPCを汚染しているbot等のマルウェアでありながら,当のPCユーザがそれを認識していないような場合だ。認識していないので,自分のPCが他人に対して多大の迷惑をかけ被害を発生させているかもしれないことに気付いていない。

セキュリティ用のパッチを当てていないPCではそのようなマルウェアに汚染されてしまう可能性が高いことは言うまでもないが,では,各種検知ソフトウェアやセキュリティ対策ソフトウェアをインストールしてある場合はどうかと言うと,やはり万全というわけにはいかないようだ。下記の記事を見つけた。

 ウイルス対策ソフトが晒した、ボットネットに対する“不甲斐なさ”
 新手のボット・コードを数日以内に検出できる確率はわずか40%程度
 Computer World: 2008年12月01日
 http://www.computerworld.jp/topics/vs/128510.html

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インドにおけるスパムの状況

スパムは世界的に問題になっている。しかし,各国では現実にどれくらい問題になっているのかについては,あまり意識しないのが普通だ。つまり,0/1のような感じで「問題になっているか?,それとも,問題になっていないか?」という答えを得るだけで満足してしまい,「どのように?」または「どれくらい?」または「どうして?」というあたりまで興味をもとうとしない。これではなかなか問題の解決のいとぐちを見つけ出すことができないだろうと思う。

というわけで,ネットで調べものをしているときにたまたま関連記事を見つけるとメモしておくように心がけている。各国の状況に関する調査結果や報道は,同じ日に一斉に出てくることはない。「気長にメモっておけば,あとで役立つことがあるだろう」程度の「ゆるい」気持ちで続けることが大事なのではないかと思っている。

さて,今朝は,インドの状況を報道する新聞記事を見つけた。インドでは,スパムメールの送信者が組織化され大規模化しているという問題があることが指摘されている。

 Spam attack
 Indian Expres: 08 December 2008
 http://www.expresscomputeronline.com/20081208/market02.shtml

この記事では,スパムメールがワームやコンピュータウイルスを運搬する手段になっており,コンピュータに対する脅威となっていることも指摘されている。

要するに,単純にスパムメールを送信するだけではなく,スパムメールを使った様々な攻撃をする者が組織化されてきたという趣旨のように理解できる。

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2008年12月 6日 (土曜日)

久々に旧交温める

情報ネットワーク法学会の研究会の後,懇親会に参加し,そのあと,よろよろとホテルにたどり着いた。

今回の研究会はとても良かった。

文系と理系の混交した学会なので,それぞれの立場みたいなものがあるのだろうと思うけれど,それはそれとして,それぞれの立場で考えると世界がどのように見えるのかをお互いに知ることは非常に重要なことだと思っている。

懇親会で,久々に色んな方々と再会し,意見交換した。

その結果としての私の感想だ。

人生は,一度しかない。その短い人生の間に,どれだけ豊かに「人間」と出会うことができるかどうかで,死ぬときの満足度が違うのではなかろうか。

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今日は情報ネットワーク法学会

今日は,「情報ネットワーク法学会」の研究大会がある。

これから出かけることにする。

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リストラという言葉

世界的な不況の中で,企業従業員の大量解雇が発生している。マスコミは,安易に「リストラ」という言葉を使って報道しているが,もうそろそろやめにしたら良いのではないかと思う。英語の用法としても実質的にも何だかおかしい。本来の意味での「Restructuring」という意味で使っても差し支えのない場合にだけ「リストラ」を用いるべきだ。

現在起きていることは,雇用継続のための資金不足による単純な解雇に過ぎない。

また,どこぞの政府は解雇された者に対する支援策として退職金の積み増しのようなことを検討しているようなのだ。しかし,そのような政策は,企業経営者にとっては,従業員を解雇しやすくするような心理を助長するかもしれないということに留意すべきだろう。

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2008年12月 5日 (金曜日)

EFF対AT&Tの訴訟の現況

ブッシュ政権の下において,9.11以降,国防のための諜報活動を円滑に行い,テロリズムと闘うためという大義名分で多数の立法がなされた。その中には,電話会社が諜報機関による一般市民に対する調査活動を支援したことについて,電話会社の損害賠償責任等を免除する条項をもつ法律もある。EFFは,これらの法律が合衆国連邦憲法に違反するものだとして多数の訴訟を提起してきた。現在,その訴訟はまだ進行中なのだが,非常に難しい論点を含む訴訟だということができる。

 Judge Mulls Constitutionality of Telecom Immunity Law
 e-Commerce Times: 12/03/08
 http://www.ecommercetimes.com/story/Judge-Mulls-Constitutionality-of-Telecom-Immunity-Law-65352.html

最近,米国でも日本でもCIA関係の書籍の売れ行きが良いそうだ。その中でも特に注目されているのがティム・ワイナー(Tim Weiner)氏が書いた『CIA秘録』(Legacy of Ashes: The History of the CIA)という本だ。私はまだこの本を読んでいないのだが,伝聞によれば,この本の中では,日本国の首相や経済界のリーダーの中にはCIAのエージェントがいたということや自由民主党がCIAから巨額の政治資金の提供を受け続けてきたということなどが述べられているそうだ。もしそれが事実であるとすれば,なぜ日本が米国の属国であり続けるのかが非常によく理解できることになる。

それはさておき,米国においては,ティム・ワイナー氏のような人が正々堂々とCIAがやってきたことを明るみに出す書籍を刊行し,あるいは,上記記事のようにEFFのような団体が訴訟を提起して裁判所の判断を求めているというのに,現在の日本の状況は一体どう表現したらよいのだろうか?

あまりにも悲しい現実に語るべき言葉を失ってしまう。

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DNA特許が患者の治療と救命を妨げる

あるDNA関係の特許について調査していたら,たまたま下記の記事を見つけた。

 Sick babies denied treatment in DNA row
 Sydney Morning Herald: November 29, 2008
 http://www.smh.com.au/news/national/sick-babies-denied-treatment-in-row/2008/11/28/1227491827171.html?page=fullpage#contentSwap1

この記事によれば,DNAの検査によって特殊な疾病の罹患を発見したりDNA治療により救命できるような場合であっても,公立病院がそれを実施しようとすると既に登録されてしまっている特許に妨げられ,何もできないことがあるのだという。

世界規模で特許制度の見直しが必要になるかもしれない。例えば,人命を救うため,あるいは疾患の発見及び治療のために用いる場合には,特許権者の許諾を受ける必要がないといったような広範な例外を設ける必要があるだろう。

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Appleが中国で商標権侵害訴訟に勝訴

米国のAppleが中国で類似商標を使用していた中国企業を被告として中国の裁判所に提起していた商標権侵害訴訟について,Appleが勝訴した模様だ。

 Apple wins copyright case in China: state media
 AFP: Dec. 2, 2008
 http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5iu9ZnhoS3KWzLYEGkO78zZQvWF1A

中国では,モノマネやコピーが当たり前という文化があり,このことが中国以外の企業にとって大きな問題となってきたことは周知のとおりだ。従前,「中国の裁判所は,中国の企業を勝訴させる傾向がある」と言われてきたが,最近では,まともな判決をするようになってきたと評価してよいだろうと思う。

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第7回クリティカルソフトウェアワークッショップ(WOCS2009)

宇宙・航空を始めとして,原子力・鉄道などのクリティカルシステムで用いられるソフトウェアに関するワークショップが開催される。詳細は下記のとおり。

 第7回クリティカルソフトウェアワークッショップ(WOCS2009)
 日時:2009年1月14日(水)-15日(木)
 場所:学士会館 2階 210号室 (東京都千代田区神田錦町3-28)
 参加費:無料(懇親会参加者は4000円)
 http://stage.tksc.jaxa.jp/jxithp/seminar/WOCS2009_top.html

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青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律施行令(案)に対する意見募集の結果

先に成立していた青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の施行令(案)についてパブリックコメントの募集がなされていたが,その結果がまとめられ,公表されている。

この施行令案は,携帯電話インターネット接続役務を,専ら携帯電話端末又はPHS端末のブラウザを用いてインターネットを閲覧できるようにするために提供されている電気通信役務(法人・団体や事業向けに提供されるものを除く。)とした上で,法第18条に基づき,インターネット接続役務提供事業者が利用者の求めに応じフィルタリングを提供(紹介)する義務を負わない場合を,インターネット接続役務提供事業者のインターネット接続役務の契約者数が5万を超えない場合とすることなどを内容としている。

 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律施行令(案)に対する意見募集の結果
 平成20年12月5日:内閣府,総務省,経済産業省
 http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/081205_5.html

 「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律施行令(案)」に対する意見募集について
 平成20年10月17日:内閣府,総務省,経済産業省
 http://www8.cao.go.jp/youth/iken/internet/index.html

この法律は,成立の日である平成20年6月18日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行予定となっている。

この法律で定めていることの中で最も重要な点は,インターネット接続をするISPに対し,青少年にとって有害なサイトへの接続を制限するためのフィルタリングを義務付けていることだ。この法律におけるISPの義務規定は,下記のとおりとなっている。

**********************************

第四章 青少年有害情報フィルタリングサービスの提供義務等

第17条(携帯電話インターネット接続役務提供事業者の青少年有害情報フィルタリングサービスの提供義務)
1 携帯電話インターネット接続役務提供事業者は,携帯電話インターネット接続役務を提供する契約の相手方又は携帯電話端末若しくはPHS端末の使用者が青少年である場合には,青少年有害情報フィルタリングサービスの利用を条件として,携帯電話インターネット接続役務を提供しなければならない。ただし,その青少年の保護者が,青少年有害情報フィルタリングサービスを利用しない旨の申出をした場合は,この限りでない。
2 携帯電話端末又はPHS端末をその保護する青少年に使用させるために携帯電話インターネット接続役務の提供を受ける契約を締結しようとする保護者は,当該契約の締結に当たり,携帯電話インターネット接続役務提供事業者に対しその旨を申し出なければならない。

第18条(インターネット接続役務提供事業者の義務)
 インターネット接続役務提供事業者は,インターネット接続役務の提供を受ける者から求められたときは,青少年有害情報フィルタリングソフトウェア又は青少年有害情報フィルタリングサービスを提供しなければならない。ただし,青少年による青少年有害情報の閲覧に及ぼす影響が軽微な場合として政令で定める場合は,この限りでない。

第19条(インターネットと接続する機能を有する機器の製造事業者の義務)
 インターネットと接続する機能を有する機器であって青少年により使用されるもの(携帯電話端末及びPHS端末を除く。)を製造する事業者は,青少年有害情報フィルタリングソフトウェアを組み込むことその他の方法により青少年有害情報フィルタリングソフトウェア又は青少年有害情報フィルタリングサービスの利用を容易にする措置を講じた上で,当該機器を販売しなければならない。ただし,青少年による青少年有害情報の閲覧に及ぼす影響が軽微な場合として政令で定める場合は,この限りでない。

第20条(青少年有害情報フィルタリングソフトウェア開発事業者等の努力義務)
1 青少年有害情報フィルタリングソフトウェアを開発する事業者及び青少年有害情報フィルタリングサービスを提供する事業者は,青少年有害情報であって閲覧が制限されないものをできるだけ少なくするとともに,次に掲げる事項に配慮して青少年有害情報フィルタリングソフトウェアを開発し,又は青少年有害情報フィルタリングサービスを提供するよう努めなければならない。
 一 閲覧の制限を行う情報を,青少年の発達段階及び利用者の選択に応じ,きめ細かく設定できるようにすること。
 二 閲覧の制限を行う必要がない情報について閲覧の制限が行われることをできるだけ少なくすること。
2 前項に定めるもののほか,青少年有害情報フィルタリングソフトウェアを開発する事業者及び青少年有害情報フィルタリングサービスを提供する事業者は,その開発する青少年有害情報フィルタリングソフトウェア又はその提供する青少年有害情報フィルタリングサービスについて,その性能及び利便性の向上に努めなければならない。

第21条(青少年有害情報の発信が行われた場合における特定サーバー管理者の努力義務)
 特定サーバー管理者は,その管理する特定サーバーを利用して他人により青少年有害情報の発信が行われたことを知ったとき又は自ら青少年有害情報の発信を行おうとするときは,当該青少年有害情報について,インターネットを利用して青少年による閲覧ができないようにするための措置(以下「青少年閲覧防止措置」という。)をとるよう努めなければならない。

第22条(青少年有害情報についての国民からの連絡の受付体制の整備)
 特定サーバー管理者は,その管理する特定サーバーを利用して発信が行われた青少年有害情報について,国民からの連絡を受け付けるための体制を整備するよう努めなければならない。

第23条(青少年閲覧防止措置に関する記録の作成及び保存)
 特定サーバー管理者は,青少年閲覧防止措置をとったときは,当該青少年閲覧防止措置に関する記録を作成し,これを保存するよう努めなければならない。

**********************************

しかし,ISPの中には規模の小さなところもあり,全てのISPに対して義務を負わせることは無理だとの見解もあった。今回の施行令案に対する意見募集の結果を踏まえ,この法律の施行に向けた作業が急速に進むものと思われる。

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フィンランド:2008年にはサイバー犯罪が急増

どこの国でも同じような年次報告が発表されつつあるのだが,北欧のフィンランドでも状況は同じようで,2008年にはサイバー犯罪が急増したようだ。

 F-Secure IT Security Threat Summary for the Second Half of 2008
 F-Secure: December 2008
 http://www.f-secure.com/2008/2/index.html

 Cyber crime booming in 2008
 BetGuide: 04 December 2008
 http://www.netguide.co.nz/index.php?option=com_content&task=view&id=823&Itemid=16

サイバー犯罪者は,世界的な規模でネットワーク化されつつあるという見解が有力だ。そこでは,盗み取った他人のID(アクセス用のIDやクレジットカード番号等)が売り買いされ,巨大なマーケットを形成しているという。

なにぶんにもアンダーグラウンドの世界のことなので,その詳細を知ることはできないけれども,私もたぶんそんな状況なのではないかと想像している。

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インターネットのガバナンス

「インターネットのガバナンス」というタームを耳にすると,「わが社が・・・」とか「わが国が・・」とか「わが団体が・・・」とか即断したくなるところが少なくないだろうと思う。しかし,世の中,そんなわけにはいかない。そこで,国連による管理というものが考えられることになる。けれども,理想と現実とは異なるので,当然のことながら,国連による統治という考え方に対してもありとあらゆる批判が生ずることになる。いつまでたっても不毛・・・

このようなタイプの問題について,興味深い記事を見つけた。

 The Path Towards Centralization of Internet Governance Under UN: Part 1
 Circle ID: Dec 03, 2008
 http://www.circleid.com/posts/20081203_centralization_of_internet_governance_un/

 The Path Towards Centralization of Internet Governance Under UN: Part 2
 Circle ID: Dec 03, 2008
 http://www.circleid.com/posts/20081203_centralization_of_internet_governance_un_part_2/

 The Path Towards Centralization of Internet Governance Under UN: Part 3
 Circle ID: Dec 04, 2008
 http://www.circleid.com/posts/20081203_centralization_of_internet_governance_un_part_3/

これらの記事に書かれている内容について賛成であれ反対であれ,論点が上手に整理されていることは事実で,参考になる。

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欠格者にも裁判員候補者通知

たまたま下記の記事を見つけた。テレビで放映されたニュース番組のようなのだが,私は見ていない。

 裁判員資格ない人に通知、戸惑いと疑問
 TBS Newsi: 2008年12月4日(木)
 http://news.tbs.co.jp/20081204/newseye/tbs_newseye4009696.html

なお,欠格事由を有していても誤って候補者に選任された者が欠格事由のあることを申告しなければ,不作為により虚偽の陳述をしたことになり違法行為となる。必ず欠格事由があることを申告しなければならない。

もし欠格事由があるのにそれを看過して裁判員に選任してしまった場合には,その裁判員による裁判は無効であり,そのことをもって再審事由となるとしなければならない。


[追記:2005年12月21日]

関連記事を追加する。

 現職検察幹部にも裁判員通知書…警察官ら1500人超?
 スポニチ: 2008年12月19日
 http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20081219074.html

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見せ掛けだけ

大学における投資の失敗については「大学の投資失敗による損失拡大」で既に書いた。その後様子を観ていたら,そのような大学の経営状況は一般に報道されているよりもずっと悪いらしいということが分かってきた。

よく考えないで塵屑に投資し,証券会社や怪しい経営学者や評論家のような人々の口車に乗って詐欺同然に巨額の資金を奪われたあげく,世界的な経済危機のあおりを受けて実質的には破産同然の状態になってしまっている大学は決して少なくないようだ。

大学でありながら,架空の金融商品への投資を積極的に推進するような経営姿勢,講義内容,資産管理の3点セットをもっているところは特にあぶない。なぜなら,そのようなところでは,「投資は危ないのではないか?」といったタイプの非常に正しい意見に対して,経営陣が決して耳を傾けようとしないからだ。

しかし,大学は教育・研究の場なのであって,資産運用のための場ではない。

どうしても投資をしたいという人は,大学の資産を投資に使うのではなく,自分のポケットマネーで投資をすべきだし,もし投資に失敗したら潔く自己破産をして清算した上で,教育と研究の世界からは永久に消え去って欲しいと思う。

さて,このような経済・経営に属する問題だけではなく,現在の大学は,別の意味で架空のものに賭けてしまっていることによる大きなリスクをかかえていることがある。このリスクは,中小の大学というよりは,大規模で非常に有名な大学のほうがより多く抱えているリスクだろうと思う。

それは,「教育と研究の崩壊」というリスクだ。

大学院は学部よりも高度な教育を実施するための組織だ。大学院の中でも法科大学院のような専門職大学院では,入試競争が激しいため,学生について一定の質を保つことに成功しているところが比較的多い。

しかし,研究職養成のための大学院と専門職大学院とを含め,実質的には入試競争が存在していないところや,ほぼ無試験のようなかたちで学生の頭数だけそろえているようなところでは,学生の質が大幅に低下するのが当たり前だ。そのようなところでは,いかに優れた教授が揃っていたとしても,学生のレベルの大幅ダウンを食い止めることができない。

講義や演習を受けるためには,学生のほうにそれをこなすだけの体力と能力と教養と意欲がなければならない。どんなに美味しい酒であっても,小さな盃に1升の酒を全部注ぎ込むことはできない。しかも,それを注ぎ込むのに使うことのできる時間は非常に短く限られている。

にもかかわらず,そのような資質に乏しい学生を大学院生として大量に受け入れてしまった大学は,それらの者を中途退学させるわけにはいかないので,修士論文をどんどん捏造(←他の教授の論文等の剽窃を含む。)し,大量生産して,形式的に学位を与え,卒業させるしかなくなる。学者(研究者・教育者)としてのプライドを捨て,奴隷のように修士の大量生産マシンになってしまっている教授達は,本質的には既に「大学教授」ではなくなってしまっているということを自覚すべきだろう。

結局のところ,安易に入学を認め,不本意ながら大量の修士を付与し続けると,数年もしないうちにそのような大学のレベルはとんでもなく低下してしまい,以後そのような評判を払拭して評価を高めることが非常に難しくなってしまう。文部科学省や評価機関による評価も厳しいが,学生や受験生からの評価はもっと厳しいし,更に企業からの評価はとんでもなく厳しいと思っている。

私は,学生の評価に迎合する必要はないと思っている。しかし,学生の評価は,大学教授が自己評価しようとする際の重要な参考資料の一つになることがあるということは疑いない。そのあとは,個々の大学教授の教育・研究のスタイルの問題なので,軽率に他人が口をはさむべき問題ではないだろうと思う。とりわけ,とても質の悪いFD(ファカルティデベロップメント)を教員に押し付けることだけはやめて欲しい。そもそも「絶対に正しい教育方法」など世界中のどこにもあるはずがないので,「FDというマネジメントモデルそれ自体が明瞭な自己矛盾を抱えているものであって,本来的に成立不可能なものだ」という当たり前すぎるくらい当たり前のことにすべての教員が一日でも早く気付いてほしいと願っている。

自分が採用したスタイルに基づく教育・研究の結果については,それが良いものであれ悪いものであれ「自分が責任をもって背負う」というのが本来の規範となっているはずだ。

大学が投資にのめりこむことはよくない。その結果,場合によっては背任行為として処罰対象となってしまうこともあるだろう。それと同様に,大学院において安易に学生を集め,学位を乱発してはならない。その結果,場合によっては大学と大学院の廃止を招くことになってしまうこともあるだろう。

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事故発生後の個人情報の消去

様々なオンラインショッピングサイト等からの個人情報流出事故があとをたたない。そのたびにマスコミは当該企業を非難する報道をするし,企業経営者の謝罪記者会見の様子を放映したりする。しかし,その後どうなったのかについて継続して取材し,報道するという例は比較的少ない。これは日本だけではなく世界共通の現象のようで,組織としてのマスコミの悪い面の一つではある。たとえ個々の記者が,「事件がどうのようにして終わるのか」を最後まで取材し続けたいと思っていたとしても,なかなか難しい状況があるようだ。けれども,ときおり,事故を起こした企業等が結末を記者会見することがあり,そのような場合には,一般人もその事件の結末を知ることになる。最後の後始末の結果まできちんと情報公開することは,企業としての経営倫理にも適合する行動だと思うし,結果的にその企業に対する信頼を回復するためにも貢献することになるだろう。なにごと,「臭いものには蓋をする」というタイプの対応を選択してしまうと,あとあとまでたたることになってしまいがちだ。

個人情報の事故対応に関する記事を読んでいたら,下記のものを見つけた。

 事故対応で保全していた個人情報を削除 - 丸紅インフォ
 Security Next: 2008/12/04
 http://www.security-next.com/009481.html

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警視総監が異例の訪韓-犯罪対策などを協議

警察の国際的協力の仕事をするのは警察庁や法務省の仕事だ。警視庁は東京を観察する自治体警察の一つでしかない。通常の自治体警察のトップは「県警察本部長」だが,警視庁だけは「警視総監」であり,少し異なる扱いとなっている。これは,明治時代以来のこと。

外国の警察関係者が個々の自治体警察を訪問したり視察したりするために来日する場合には,もちろんそれに対応することになる。このことは,通常は警視庁でも同じ。しかし,警視庁のトップである警視総監を含め,自治体警察のトップが外国の自治体警察との協力関係を構築するために海外に出張することは比較的珍しいことだとされている。

この警視総監が訪韓し,ソウル地方警察庁官と会談したと報道されている。

 日韓が通り魔やサイバー犯罪協議  首都警察トップ
 共同通信47 News: 2008/12/04 09:59
 http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008120401000178.html/p>

そこで,ちょっと分かりにくい問題が発生することになる。

警察組織は,法務大臣をトップとするピラミッド型の官僚組織でありながら,各自治体警察は日本国憲法に定める地方自治の原則に基づき,それぞれ独立した存在となっている。したがって,理論的には,国の方針と各自治体の方針とが食い違ってしまうことはあり得ることだ。そして,もし法務省及び警察庁の方針に基づく海外の警察との協議内容と自治体警察と海外の自治体警察との間の協議内容との間に矛盾が発生してしまった場合にはどういうことになるのだろうか?

ところが,サイバー犯罪への対応は,グローバルになされるべきことであって,ローカルな問題ではない。基本的には,「自治体警察間で異なる方針に基づく警察活動がなされてはいけない」というタイプの事柄を多く含んでいる。

もちろん,国際的な交渉毎には一般には公表されない部分が常に存在するのが当たり前のことだし,そのようなよく分からない部分が含まれていない国際関係など絶対にあり得ない。しかも,理論と現実とは大いに異なるのが普通で,特定の理論によって世界を規律することなど未来永劫絶対にできない。

事実としての人間の営みは,理論とは無関係にどんどん進んでいってしまう。大規模な戦争が開始されるとき,あるいは,国家レベルまたは国際的な規模での経済破綻が発生するとき,あるいは,国家が崩壊・消滅するときには,とりわけそのようなことが発生しやすい。特定の目的を実現するために,理論に基づく歯止めがすべて破壊されてしまうか,または,原則を停止して例外処理だけが行われるようになってしまうからだ。

それにしても分かりにくい。

このようにして,考える素材となる興味深い対象が次から次へと提供されるというあたりにもサイバー法の面白さがある。

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改正携帯電話不正利用防止法の施行

携帯電話不正利用防止法が2008年6月11日に一部改正され,2008年12月1日から施行された。

 総務省:携帯電話不正利用防止法
 http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/d_syohi/050526_1.html

この法改正は,いわゆる振り込め詐欺等に携帯電話が用いられることが多いことから,携帯電話販売の際の本人確認を確実なものとし,本人確認の際に虚偽の申告をした者などを処罰することを主要な目的としている。改正の概容は,次のとおり。

 1)  携帯音声通信事業者(携帯電話事業者及びPHS事業者)に対し、携帯電話等(携帯電話及びPHS)の契約締結時及び譲渡時に、契約者の本人確認を義務付けること
 2)  契約者が、本人確認の際に虚偽の氏名等を申告することを処罰の対象とすること
 3)  携帯音声通信事業者に無断で、業として有償で通話可能な携帯電話等を譲渡することを処罰の対象とすること
 4) 自己が契約者となっていない通話可能な携帯電話等を譲り渡し又は譲り受けることを処罰の対象とすること
 5) 相手方の氏名等を確認せずに、業として有償で通話可能な携帯電話等を貸与することを処罰の対象とすること
 6) 通話可能な携帯電話等が一定の犯罪に利用された場合等において、警察署長からの求めを受けて、携帯音声通信事業者が契約者の確認を行うことができること
 7) 携帯音声通信事業者は、契約者が本人確認に応じない場合等には役務の提供を拒むことができること


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リヒテンシュタインがサイバー犯罪条約に署名

2008年11月17日欧州サイバー犯罪条約にリヒテンシュタインが署名した。これによって,条約へ署名した国は合計46ヶ国(EU加盟国42+非加盟国4)となった。

 サイバー犯罪条約条文
 http://conventions.coe.int/Treaty/en/Treaties/Html/185.htm

 サイバー犯罪条約説明書
 http://conventions.coe.int/Treaty/en/Reports/Html/185.htm

 サイバー犯罪条約加盟国一覧
 http://conventions.coe.int/Treaty/Commun/ChercheSig.asp?NT=185&CM=&DF=&CL=ENG

日本国は,同条約に署名し,国会の承認を得ているが,関連する国内法の改正がまだ完了していない。

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2008年12月 4日 (木曜日)

カナダはスパマー天国

先月,Facbookの中にあるSNSでスパムメールを大量にばらまいていた者に対し巨額の損害賠償の支払いを命ずる判決があった。このことは「SNS内でスパムメールを乱発した業者に巨額の損害賠償命令」の中で書いた。

この損害賠償命令を受けた被告は,カナダ人だった。そして,Michael Geistは,カナダのスパム対策立法が弱すぎるためにこのようなことになってしまったのだと嘆いている。

 Lawless Canada a haven for spammers
 canada.com: December 02, 2008
 http://www.canada.com/topics/technology/story.html?id=1027043

日本では,特定電子メール適正化法が一部改正され,スパム対策が強化された。この改正法は2008年12月1日から施行されている。このことは「スパム対策」と「ガイドライン等の公表」の中で書いた。この改正法が本当にスパムメールの減少のために効果があるのかどうかは,もう少し様子を観てからでないと分からない。


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パーレーンのコンピュータの汚染度は最悪?

世界中どの国でもマルウェアに汚染されたコンピュータが1台もない国など存在しないだろうと想像する。しかし,どの国が最も汚染度が低く,どの国が最も汚染度が高いのかはよく分からない。コンピュータ・ウイルスやスパイウェアなどに感染しているPCの保有者自身がそれに気付いていない場合が少なくないから,統計のとりようがないのかもしれない。

この関係の記事を読んでいたら,次のような記事を見つけた。本当だろうか???

 Computers in Bahrain 'at risk'
 Daily News: 4th December 2008
 http://www.gulf-daily-news.com/Story.asp?Article=236789&Sn=BNEW&IssueID=31259

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マイクロソフトがWindows違法複製品の摘発

マイクロソフト社は,Windowsの違法コピーや模造品などが大量に出回っている現状に対し,強い姿勢で臨むことになったようだ。

私は,著作物の利用に関して,何でも自由にすべきだとは考えていない。著作者の意思と権利を尊重すべきだろう。だからといって,何でもかんでも取り締まってしまうことにも賛成できない。どんなことでも行き過ぎは禁物だ。

では,今回のマイクロソフト社の対応についてどう考えるかと問われれば,迷わず「企業としては当然の判断だ」と答えるだろう。まがいものが横行して良いはずがない。

 マイクロソフトが偽造品対策を強化へ
 IT Media: 2008年12月04日
 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0812/04/news058.html

 MS、ネットオークションを悪用したWindows製品の偽造ソフトウェア対策を開始
 CNET Japan: 2008/12/04
 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20384789,00.htm

 200以上のYahoo! IDを駆使し、海賊版販売を繰り返した男性が逮捕
 Yomiuri Online: 2008年11月27日
 http://www.yomiuri.co.jp/net/cnet/20081127nt02.htm

 中国ブラックスクリーン問題──マイクロソフトのアメとムチ
 ASCII digital: 2008年11月19日
 http://ascii.jp/elem/000/000/190/190395/

[追記:2008年12月5日]

その後,下記の記事を見つけた。

 MS、海賊版製品の販売者を12カ国で提訴--「Blue Edition」などに要注意
 CNET Japan: 2008/12/05
 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20384840,00.htm

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裁判員制度-ほんとうかァ・・・????

裁判員制度に関する記事をひろい読みしていたら,次のようなブログ記事を見つけた。

ちょっと信じがたいことがいっぱい書いてあるけれども・・・私にはその信憑性の有無・程度を判断する能力は全くない。

 民間人裁判員制度とは何か?どのような法なのか?実体を暴く。
 ブログ上杉機関本館: 11月 29, 2008
 http://2chrood.blogspot.com/2008/11/blog-post.html

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2nd International Cloud Computing Conference & Expo

クラウドコンピューティングに関する国際的なイベントが開催されるようだ。詳細は下記のとおり。

 2nd International Cloud Computing Conference & Expo
 New York City
 March 30 - April 1, 2009
 http://cloudcomputingexpo.com/

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2009年アジア太平洋図書館・情報教育国際会議 (Asia-Pacific Conference on LIBRARY & INFORMATION EDUCATION AND PRACTICE)

2009年3月6日~9日に,筑波大学で図書館情報学に関する国際会議が開催される。詳細は下記のとおり。

 Asia-Pacific Conference on LIBRARY & INFORMATION EDUCATION AND PRACTICE
 日時:2009年3月6日-8日
 場所:筑波大学
 参加費:一般30000円/共催学会会員25000円/学生20000円
 http://a-liep.kc.tsukuba.ac.jp/

[予定されている内容]

1:図書館・情報教育

 新たな情報環境を指向する図書館情報教育機関の連携/図書館情報分野の卒業生による情報に関する協力関係の構築/アジア太平洋地域の状況を踏まえた図書館情報教育への挑戦/リーダーシップとマネジメントの役割を担う図書館情報分野の人材育成/アジア地域における図書館情報領域の教育プログラムの質保証と認証/図書館情報教育におけるe-ラーニングを支援する資源共有と教材の公開/研究成果を踏まえた教育

2:図書館情報領域の研究

 図書館情報領域における複合領域アプローチによる研究/情報技術と知識マネジメント/地域の状況を踏まえた図書館情報領域の研究/エビデンスに基づく図書館情報領域の研究/実践に基づく図書館情報領域の研究/アジア太平洋地域の図書館情報現場における進行中および完了した研究

3:図書館情報領域の実践

 図書館情報領域における研究と実践の統合/図書館情報領域の研究に対する実践者の観点/図書館情報専門職の継続教育がサービスの品質にもたらすインパクト/教員・訓練者としての図書館情報専門職/生涯学習における利用者教育と情報リテラシー/デジタルコミュニケーションに秀でた図書館情報専門職の養成

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E-Courts 2008 Conference

法律文書用のXMLの標準仕様としてLegal XMLがある。目下話題になっているe-Discoveryやe-Courtなどについて考える場合でも,Legal XMLについて正しい認識・理解がないとよく分からない部分がたくさんある。このLegal XMLと関連するイベントが間もなく開催される。大学での講義等があるので,私は参加できない。とても残念。

 E-Courts 2008 Conference
 December 8-10, 2008
 Las Vegas, Nevada
 http://www.e-courts.org/sites/S71/index.php?p=754

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個人情報が記録されたUSBメモリの紛失・盗難が相次ぐ

この1ヶ月ほどの間に,個人情報が記録されたUSBメモリの紛失・盗難に関する報道が相次いだ。

報告されていない暗数が当然に存在していることを考えると,報道されている件数の何十倍かの数の紛失・盗難事例が存在するのではないかと推測される。

また,個人情報の持ち出しが禁止されているのに私用のUSB等に記録して持ち出し,紛失・盗難の結果を発生させたというような事案では,単に個人情報の取扱いを誤っているというだけではなく,就業上の規則違反という重大な問題も存在している。このような事例では,就業場所では暗号化処理などによって保護されているデータが平文(普通に読解可能な状態)のままでUSBメモリ等にコピーされている可能性が高い。したがって,そのような事例では,個人情報の本人が有するプライバシーの利益などに対する侵害という結果が現実に生じている可能性が高い。

 個人情報:治験参加者の情報入りUSBメモリー、県立病院で紛失 /静岡
 毎日jp: 2008年12月3日
 http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20081203ddlk22040107000c.html

 児童の顔写真入りUSB紛失 都立特別支援学校
 産経ニュース: 2008.12.3
 http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/081203/tky0812031931009-n1.htm

 個人情報:中学教諭がUSBメモリー盗まれる 進路情報入り--茂原 /千葉
 毎日jp: 2008年12月2日
 http://mainichi.jp/area/chiba/news/20081202ddlk12040348000c.html

 個人情報:成績など記録のメモリーを紛失--三浦の中学校教諭 /神奈川
 毎日jp: 2008年11月27日
 http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20081127ddlk14040180000c.html

 岩出の中学教頭、車上荒らしで個人情報盗まれる
 産経ニュース: 2008.11.20
 http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/wakayama/081120/wky0811200313007-n1.htm

 県教委:2教諭を戒告処分 生徒の個人情報紛失、体罰 /千葉
 毎日jp: 2008年11月20日
 http://mainichi.jp/area/chiba/news/20081120ddlk12040217000c.html

 利用者や家族の個人情報含むUSBメモリを紛失 - 滋賀の特別養護老人ホーム
 Security Next: 2008/11/13
 http://www.security-next.com/009347.html

 個人情報:生徒413人分の成績など保存、教諭がメモリー紛失--大清水中 /神奈川
 毎日jp: 2008年11月9日
 http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20081109ddlk14040169000c.html

 個人情報:非常勤医師、患者情報入り私有パソコン盗難--大阪市立北市民病院 /大阪
 毎日jp: 2008年11月8日
 http://mainichi.jp/area/osaka/news/20081108ddlk27040370000c.html

 個人情報:障害者手当申請者、1200人分のメモリー紛失--新潟地域振興局 /新潟
 毎日jp: 2008年11月8日
 http://mainichi.jp/area/niigata/news/20081108ddlk15040301000c.html

 個人情報:園児21人分、保育士盗まれる--船橋 /千葉
 毎日jp: 2008年11月8日
 http://mainichi.jp/area/chiba/news/20081108ddlk12040172000c.html

このような事件が発生すると,謝罪文が送付され,謝罪の記者会見がテレビ等で報道されるだけで終わってしまうことが多い。

しかし,個人情報の持ち出しが禁止されているのにその禁止に違反して持ち出し,紛失・盗難などの結果を発生させてしまったという事例については,本当にそれだけでおしまいにしてしまって良いものかどうか,かなり疑問が残る。

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裁判員候補者だけではなく検察審査員候補者にも誤通知

裁判員候補者について誤通知をしてしまっていた下高井郡野沢温泉村では,検察審査委員候補者についても誤通知をしていたらしい。

 検察審査員候補にも誤通知 裁判員制度ミスの野沢温泉村
 信毎web: 12月4日(木)
 http://www.shinmai.co.jp/news/20081204/KT081203FTI090017000022.htm

しっかりやってほしい。

とは言っても,小さな自治体では,そもそも対応不可能なことが非常に多いのもの事実だ。事実は事実であり,「**すべきだ!」と力んでみても何の解決にもならないことが少なくないので,そのような現実を踏まえた立法とその運用を考えないといけない。

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総務省:ICTビジョン懇談会

総務省では「ICTビジョン懇談会」という会合が開催されいる。その第1回会合の資料が公開された。

 ICTビジョン懇談会(第1回)議事要旨
 総務省: 2008年12月2日
 http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/ict_vision/pdf/081030_3.pdf

ICTは,Information and Communication Technologyの略語とされており,IT(Information Technoligy)の進化型として紹介されることが多い。しかし,電気通信分野(ITUなど)を覗いては,ICTは世界的に普及している「ことば」というではない。「ITという用語よりも先に廃れてしまうだろう」と,まともな学者の大半は信じている。マルチメディア,ニューメディア,ハイテクメディアなど,いまではほとんど廃れてしまった(当時流行の)用語は数多く存在する。

さて,この会議の報告書要旨を読んでみると,残念ながら,予想どおりの極めて空虚な内容となっていた。

情報技術は,手段に過ぎない。「その手段を使って何をしようとするのか」,「その手段によってどのようなビジネスを実現しようとするのか」など,手段を用いる目的を明確に認識し,その目的に即して議論や検討をすることが最も大事だ。

もちろん,手段それ自体について様々な議論をすることはできる。手段に用いられている技術の改良,手段として使用することによる副作用等の除去・抑制,情報通信それ自体を目的としている通信事業者に対する支援策など,様々な議論や検討は可能だ。

しかし,社会全体の中では情報技術が何らかの目的を実現するために用いられる手段の一つに過ぎないということ,そして,通信事業者のような情報通信それ自体を目的としている企業はその通信を利用しようとする顧客が存在しなければ絶対に成立しないのだということを忘れてはならない。

情報技術を使って達成すべき目標が何も自覚されてない空虚な状態の中で,何らかの景気振興について討論してみたとしても,結局,使い道のない「箱物」をいっぱいつくってしまい,そのあとの処理に困ることになるのと同じことになるのに違いない。

国費の無駄だと思う。

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英国のクレジットカード犯罪は諸外国の14倍

英国におけるクレジットカード犯罪の発生件数は,他の国と比べると14倍も高いと報道されている。このクレジットカード犯罪には,インターネット上で他人のクレジットカード番号等を入力して実行される詐欺事件なども含まれる。

 Fraud on UK cards 'higher overseas'
 Virgin Media: 2 December 2008
 http://latestnews.virginmedia.com/news/money/2008/12/02/fraud_on_uk_cards_higher_overseas

出張等で英国に出かけるときには要注意かもしれない。

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EFFがDMCAの適用除外に関する新たな要求

EFF(Electronic Frontier Foundation)は,米国著作権局に対し,Digital Millennium Copyright Act (DMCA)の適用除外に関する新たな要求をした。この要求の中には,ビデオリミックスを許容するようにすべきだという要請が含まれている。

 Copyright Office Should Right DMCA Wrongs in Rulemaking
 EFF: December 2nd, 2008
 http://www.eff.org/press/archives/2008/12/02

DMCAは,著作権管理情報のリバースエンジニアリングや改変等を禁止しており,日本の著作権法にも同旨の条項が存在する。しかし,DMCAによる著作権保護の行き過ぎを防止するため,米国著作権局は,DMCAの適用除外に関する運用規則を制定してきた。

今回のEFFの要求の狙いとするところは,You Tubeサイトのようなインターネット上のサイト上でのビデオリミックス文化を振興するというところにあるという。

今回のEFFの要求が米国著作権局によって受容されるかどうかについては,かなり厳しいのではないかと思う。しかし,DMCAと関連するEFFの活動には今後も注目し続ける必要がある。

ちなみに,日本にはEFFのような団体が存在しておらず,著作権と隣接権の保護を強く主張する利益団体の主張のみが立法と司法に反映されるような仕組みになっていると評価せざるを得ないような状況になってしまっている。これは,明らかに公平を欠いているといえるだろう。

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無罪となった者は,警察のデータベース内にあるDNA情報の消去を求めることができるか?

欧州人権裁判所(European Court of Human Rights)では,非常に興味深い事件の審理が続いている。

イギリスのシェフィールド出身の者(S)は,強盗を企てたとして警察に逮捕された。英国の警察は,その際,Sの指紋とDNA情報を取得し,警察のデータベースにその情報を記録した。ところが,その後,その事件は,無罪で終わった。無罪となったSは,英国政府に対し,警察のデータベースに登録されている指紋とDNA情報の削除を求めたが,英国政府はそれを拒否した。そこで,Sは,英国政府を相手取り,欧州人権裁判所に訴訟を提起した。以上がこの事案の概容だ。

この事件に関する審理の中で,驚くべき事実が次々と明らかにされた。例えば,警察のデータベースには,200万人分の犯罪者の記録が登録されていない一方,100万人分の無辜の者の情報が登録されているというのだ。

英国警察(英国政府)の見解では,(裁判所の判決で無罪が確定した者を含め)犯罪者であるかどうかとは無関係に,人間のDNA情報や指紋情報を収集してデータベースに登録することができるということなのだろうか?

 Two million criminals are not on the police DNA database - but the details of one million innocents are
 Telegraph.co.uk: 02 Dec 2008
 http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/3543503/Two-million-criminals-are-not-on-the-police-DNA-database---but-the-details-of-one-million-innocents-are.html

 European Court of Human Rights
 http://www.echr.coe.int/echr/Homepage_EN

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2008年12月 3日 (水曜日)

シンガポールの諮問委員会が,意図的にミスリードさせるような政治的映像の制限を答申

シンガポールの「社会に対するニューメディアの影響に関する諮問委員会(Advisory Council on the Impact of New Media on Society (AIMS))」は,インターネット上の映像のうち,意図的にミスリードさせるような政治的映像について規制すべきであるとの答申をした模様だ。

 Council recommends lifting ban on party political films in phases
 Channel New Asia: 02 December 2008
 http://www.channelnewsasia.com/stories/singaporelocalnews/view/393695/1/.html

このような答申については,定義が曖昧であるなどの批判がなされている。確かに,政府にとって都合の悪い「政治的な意見」を表現する映像などは,すべて「意図的なミスリードをさせるもの」だとして規制されてしまう危険性がある。

とは言っても,日本においても「有害情報」の規制が存在する。もしその運用を誤ると,問題状況はあまり変わらないものとなってしまうかもしれない。

要するに,国民の全てにとって明らかに有害な政治的意見であればあまり問題にもならないのかもしれないが,主観や状況によって価値判断や評価が根底から変えられてしまうようなタイプの政治的意見を内容とする表現物(映像や文書など)については,様々な議論を呼び起こすことになってしまうし,それを規制することによって逆に社会に不安定さを持ち込むことになる危険性がある。

それにしても,この時期になって何故このような内容の答申が出されたのかが気にかかる。

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成功と失敗

CNETに,Microsoft主催で開催された「2008 School of the Future World Summit」というイベントに関する下記のような記事が出ていた。その記事の内容は,Michael Horn氏の講演要旨だ。

 DECはなぜ滅び、アップルはなぜ成功したのか--ビジネスと教育のありを考える
 CNET Japan: 2008/12/03
 http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20384658,00.htm

ほとんど陳腐で新味のない内容なのだが,一箇所だけ自己矛盾があると思った部分があり,興味をもった。

すなわち,Horn氏は,一方では,「教育においても、顧客のいない場所に注目することが大切なのだ」と語っておりながら,他方では,eラーニングの可能性について触れ,「この調子で伸びていくと、10年後には授業の半数をオンラインで提供することになる」と述べている。

一見もっともらしい。

しかし,よく考えてみると少しおかしい。

これまで,幾多のチャレンジがなされてきたe-ラーニングはさんざん失敗を繰り返してきた。その最大の原因は,そんなに多くのコンテンツを生産することができないというところにあったと考えられる。仮にe-ラーニング用の良いコンテンツの生産に成功したとしても,すぐにライバル企業に真似され,陳腐化してしまう。また,仮に同一のe-ラーニングを非常に多数の学生が受けることになると,そのシステムに基づくトレーニングによって,結局,それらの学生の間に何らの差もないような状態が形成される。要するに,学生は「標準化」されてしまうことになる。しかし,そのような学生が社会人になろうとする時点で,企業経営者(人事担当者)は,そのように標準化された就職希望者に対してあまり興味をもつことができないというのが普通だ。

自己が他者よりも相対的に優位であるような状態に導くための何らかの手段を発見するのでなければ,単に「その他大勢」の一員になってしまうだけだ。「標準的な教育」なるものの欺瞞性と最大の弱点はここにある。

要するに,これまでもe-ラーニングビジネスへのチャレンジはいくらでもあったのだけれど,そのような失敗の結果として,e-ラーニングの世界に顧客がいなくなり,投資もされなくなってしまったのであって,これまでその領域に顧客が存在しなかったのではない。

また,仮にこれまで顧客がいなかったけれども将来有望そうな領域が存在し,現にその領域の市場が成長しつつあったとしても,教育を受ける子供達が成長して社会に出るころにはその市場が既に飽和状態になってしまっており,あるいは,衰退期に入ってしまっているかもしれない。

そう考えてみると, Horn氏は,本来であれば,「子供達がめざすべきなのは,現在繁栄しているビジネスではないし,今後成長が期待されるビジネスでもない。まだ誰も気付いていない領域に属するビジネスしか成長の可能性はない。」という具合に論理を勧めるべきだったのだろうと思う。しかし,実際にはそうではないというあたりが「自己矛盾の言動だ」と私は思ったのだ。

どちらにしても,未来のことは誰にも分からない。

だからこそ,人生をかけてみる価値というものがあるのだろうと思う。

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韓国で「安楽死・尊厳死」を容認する判決

韓国で,植物状態となった患者から人工呼吸器を取り外してもよいという内容の判決があったようだ。

 韓国で「安楽死」認める初判決
 朝鮮日報: 2008/11/29
 http://www.chosunonline.com/article/20081129000016

日本でも「尊厳死」の問題についてずっと長い年月をかけて議論され続けてきたのだけれども,まだまだ出口が見えない状態にある。

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第23回ICANN報告会

第23回ICANN報告会が開催されるようだ。詳細は,下記のとおり。

 第23回ICANN報告会
 日時:2008年12月11日(木) 13:30~15:30(受付開始 13:00)
 場所:虎ノ門パストラルホテル 4F アイリスガーデン
 http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2008/20081118-02.html

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IPアドレスはいつごろ枯渇するか

IPアドレスが2010年ころに枯渇しそうだと言われてきたけれども,2011年~2012年ころまで延びそうだ。予測に過ぎないので,確実なことは言えないということらしい。

 不確かな2011年のIPアドレス枯渇問題
 IT Pro: 2008/12/03
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20081202/320520/

枯渇時期を更に延ばすための方法として,使われていないIPアドレスを削除して,別の者に割り当てるという方法があるし,他にもいろいろと工夫のしようがあるらしい。ますますもって,確実な予測などできないということになりそうだ。




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テネシー州ではP2Pファイルシェアリング禁止法が可決されたが・・・

米国のテネシー州議会で,P2Pによるファイルシェアリング禁止法が可決されたようだ。しかし,その立法のための費用があまりにも巨額であることが話題となっている。

 Tennessee anti-P2P law to cost colleges over $13 million
 ars technica: November 18, 2008
 http://arstechnica.com/news.ars/post/20081118-tennessee-anti-p2p-law-to-cost-colleges-over-13-million.html

一般に,日本においては,「特定の法律を制定するためにどれだけの費用がかかるのか?」という観点からの研究がほとんどなされていない。これは,日本国における民主主義が非常に未熟であり,国民の大半に納税者意識がないということに起因するものだろうと思う。

しかし,一般に,公務員が法律の原案を作成して書面にまとめるというだけの場合であっても,少なくとも公務員の人件費だけは税金から支出されているはずだ。

上記の記事は,「立法のための納税者の負担」という面白い法的観点を示している点でとても興味深い。

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フランスの音楽著作権団体が,米国のSourceForgeに対し,著作権を侵害しているとして提訴

フランスでは,P2Pによる音楽ファイルのシェアリングに対して徹底的な弾圧が繰り広げられているようだ。報道によれば,フランスの音楽著作権団体が,米国にあるSourceForgeに対し,著作権侵害を理由に訴えを提起したようだ。

 French record labels sue, um, SourceForge
 Register: 18th November 2008
 http://www.theregister.co.uk/2008/11/18/sppf_sues_four_us_p2p_companies/

 French music industry wants P2P ban
 Inquirer: 17 November 2008
 http://www.theinquirer.net/gb/inquirer/news/2008/11/17/french-music-industry-wants-p2p

SourceForgeは,オープンソースの開発者に対してホスティングや各種ソフトウェア開発ツールの利用等のサービスを提供しているが,そこでホスティングされているP2Pソフトウェアについて,P2Pによるフェイルシェアリングによって音楽著作物の著作権が侵害されているというのが音楽著作権団体の主張のようだ。

今回被告になっているのは米国にあるSourceForgeなのだが,SourceForgeは日本にもある。

 sourceforge.jp
 http://sourceforge.jp/

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ドイツ連邦最高裁が,ヒップホップのサンプリングは著作権侵害に該当しないとの判決

ドイツのカールスルーエにある連邦最高裁判所は,「ヒップホップ音楽の作曲のために行われる他の楽曲のサンプリング手法は著作権侵害に該当しない」との判決をした模様だ。

 Kraftwerk copyright case overturned in Germany
 International Herald Tribune: November 20, 2008
 http://www.iht.com/articles/ap/2008/11/20/arts/EU-Germany-Kraftwerk-Ruling.php

 Songwriters Can Sample, Says Germany's High Court
 DW-WORLD.DE: 20.11.2008
 http://www.dw-world.de/dw/article/0,2144,3808503,00.html

ヒップホップが果たして音楽と言えるのかどうかそれ自体についても多様な見解が存在し得るだろうけれども,どのような見解にたつ場合であっても,ある特定の対象が表現物の一種であり,もしそれに創作性があるというのであれば,何らかの意味での著作物の一種であることまでは否定できないだろう。そして,著作物である特定のヒップホップに含まれる他の楽曲の要素との関係でサンプリングという手法が著作権侵害に該当するかどうかが問題となり得る。

この問題に関しては,フェアユースとの関係もあり,様々な見解が存在し議論が続いてきた。

今回の判決は,このような議論に対して大きな影響を与える可能性がある。

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Web 2.0に伏在する著作権問題

ちょっと調べものをしていたら,たまたまGuardianの記事が目に留まった。「なるほど,こういう問題もあるのか・・・」と思いながら読んだ。私の職業との関係からすると,他人毎ではない。「今から真面目に考えておないといけない」というのが率直な感想。

 Copyright deconstructed
 Guardian: 1 Nov 2008
 http://www.guardian.co.uk/digitalstudent/copyright

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大学でのクラウドコンピューティングの利用

クラウドコンピューティングは,ビジネスの場面だけではなく大学等の非営利の世界でもその勢力を拡張しつつあるようだ。

 九州大学にクラウド現れる
 @IT: 2008年12月2日
 http://www.atmarkit.co.jp/news/200812/02/ibm_cloud.html

それをクラウドコンピューティングと呼ぶべきかどうかは別問題だが,例えばWebメールサービスの利用,大学内での授業履修処理等をホスト側のアプリケーションだけで処理し,クライアント側にはブラウザしか存在していないといったようなサービス提供形態は,どの大学でも極めてありふれたものとなってきている。このようなサービスに加え,MicrosoftのOfficeのブラウザベースでのサービスをホストが提供するだけで,見た目には立派にクラウドコンピューティングということなるかもしれない。

ところで,どの大学でも資金不足が深刻になりつつあるし,あまりにも馬鹿げた株式投資その他の証券投資によって巨額の損失を計上してしまった大学等では倒産が非常に現実的なものとなってきているかもしれないので,「経費を切り詰めろ」という圧力が今後ますます高まるだろうと予測される。

そのようなところは,何も考えないでクラウドコンピューティングに飛びついてしまうかもしれない。

しかし,大学は教育と研究の場だ。クラウドコンピューティングを導入する前に,予めよく考えておかなければならないことがいくつもある。例えば,次のような事項をその例としてあげることができる。

1:トラフィック

毎年,就職活動の時期になると,学生が就職活動のために,インターネット検索,面接等の登録,電子メールの送受信を始める。しかも,かなり大量にだ。その結果,トラフィック上の問題が発生し,講義でインターネットに接続しようとしてもタイムアウトになってしまうことさえ発生してしまう。このようなトラフィックの問題に加え,ブラウザベースでのアプリケーション利用のためのパケット送受信が重くのしかかってしまうと,大概のシステムでは耐え切れなくなってしまってシステムダウンしてしまう危険性がある。このような問題を解消するには,相当巨額の資金を投入して,トラフィックの問題が生じないように通信回線の物理層を強化するための大規模なインフラ再編成を断行し,かつ,これまた巨額の経費(固定費)を予算化した上で,民間プロバイダ等と契約して相当大きな規模での公衆回線利用を可能とするような措置を講ずるしかない。

2:著作権の帰属

ブラウザベースで作成されたコンテンツの著作権が誰に帰属するのかを予めしっかり決めておかないと,大学の教員や学生が自分の著作物だと信じているコンテンツについて,いつの間にか大学(法人)が著作権を取得してしまっていることがある。私の場合,この点について相当大きな危惧感を抱いてしまったので,大学のサーバの利用をやめ,ISPからディスクを借りて,そこにコンテンツをアップロードし公開するというやり方に変えざるを得なくなってしまった。もし私と同じような教員が増えることになると,結局,教員の側での金銭的負担を増やしてしまう一方で,大学のサーバにあるコンテンツはどんどんやせ細ってしまうことになる。これでは,本末転倒ではないだろうか?

3:空洞化

ホストが停電,地震,輻輳その他の原因でシステムダウンした場合,教員や学生は何もできなくなってしまう。とりわけ,書きかけの論文やレポート等のファイルがすべてホスト側にあり,クライアント側には存在しないという場合,プリントアウトして手書きで校正をすることさえできなくなってしまう。ちなみに,このような構成のシステムではプリンタもネットワークプリンタとして管理することになることが多いので,スタンドアロンのプリンタとして使用すると望むならば多少の破壊工作をしないといけないような状態になってしまっていることがある。

などなど・・・

かなり怖い世界ではある。

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HistoryKill という謎のソフト

昨晩までに届いた電子メールを読み,整理していたら,妙なメールが来ていた。英文のメールなのだが,要するに,「あなたの行動履歴は盗み取られている。いますぐHistoryKillをダウンロードしなさい」という内容だった。文面だけでもかなり怪しい。

というわけで,早速その電子メールを削除し,PCをウイルスチェックして感染がないことを確認してから,インターネットでその情報を検索してみた。すると,下記の解説サイトを見つけることができた。

 オンラインソフト学習塾:スパイウエア図鑑 HistoryKill 2003
 http://fine.tok2.com/home/heto2/SpywareZukan/009HistoryKill/001.htm

よく分からないけれど,ますますもって怪しいソフトだ。(笑)

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IPAがUSBメモリ経由でのコンピュータウイルス感染等を警告

IPAは,USBメモリなどの外部記憶装置を経由したコンピュータウイルス感染の恐れについて警告を出している。

 外部記憶メディアのセキュリティ対策を再確認しよう!
 IPA: 2008年12月2日
 http://www.ipa.go.jp/security/txt/2008/12outline.html#5

ここでいう外部記憶には,スティック型のUSBメモリだけではなく,小型のメモリチップやハードディスクなども含まれるのだろうと思われるが,IPAの警告文上では主にUSBを中心とした記述となっている。

USB経由でのコンピュータウイルスやボット感染が知られるようになったのは比較的最近のことと思われる。しかし,米国では,米軍で運用されているコンピュータネットワークシステムに対する「サイバー戦争」の手段としてUSBがコンピュータウイルスなどの感染経路に用いられるかもしれないとの認識から,USBメモリ等の使用について禁止命令が出ている。

 Malware spread explains Pentagon USB ban
 Register: 1st December 2008
 http://www.theregister.co.uk/2008/12/01/malware_pentagon_usb_ban/

 US Army bans USB devices to contain worm
 Register: 20th November 2008
 http://www.theregister.co.uk/2008/11/20/us_army_usb_ban/

このような動きがあると,すぐに「だからクラウドコンピューティングにしないと駄目だ」といったような短絡的な言動が飛び交うことになる。

しかし,特に無線でインターネット接続している場合がそうなのだが,最も徹底したクラウドコンピューティングを利用する場合,何らかの理由で接続できなくなってしまうと,その利用者の手元にはソフトウェアもデータも何もないことになってしまうという重大なリスクがあることを忘れてはならない。そのようなリスクは,企業の倒産に直結するものであり,かなり大きなリスクというべきだろう。

無線通信ができなくなってしまう可能性は,やや大きくなってきているのではないかと想像している。それは,電波を用いる情報機器が増加しているということだけではなく,世界的な規模で情報インフラに対するテロ攻撃の可能性が若干高まっており,その攻撃の中には妨害電波を含む無線通信に対する攻撃も含まれるかもしれないと考えられているからだ。もちろん,だいぶ昔にあった世田谷のケーブル火災事件と同じような有線によるインターネット接続に対する脅威は常に存在していると考えなければならない。

それでもなお,自分で情報セキュリティを確保するだけの力がないことにより倒産してしまうかもしれないリスクよりはずっと小さいと考えるのであれば,通信障害による倒産のリスクをとるほうがベターな場合があるかもしれない。経営者は,そこらへんのところをよく考えるべきだと思う。

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福岡県弁護士会がグーグルストリートビューの中止を求める声明発表

グーグルストリートビューの問題について,弁護士会の中にも動きがでてきた。12月2日付けで,福岡県弁護士会が中止を求める声明を発表している。

 ストリートビューサービスの中止を求める声明
 2008年(平成20年)12月1日: 福岡県弁護士会 会長 田邉宜克
 http://www.fben.jp/suggest/

 福岡県弁護士会が、グーグルストリートビューの中止を求める声明発表
 RBB TODAY: 2008年12月2日
 http://www.rbbtoday.com/news/20081202/56179.html

現在のところ,ストリートビューの画像が最も多く公開されているのは関東地方ではないかと思う。その中でも住宅地などで問題のある画像が収録・公開されている例が多い。

先日,某弁護士と会う機会があり,この問題について意見交換をした。彼もストリートビューについて大きな問題意識をもっているようだった。しかし,弁護士会として何か行動をするかどうかという点になると,規模が大きすぎることによる様々な困難があるということだった。

弁護士会として行動するためには,現実には様々な困難があるのだろう。しかし,全国の各弁護士会においても,「決して他人ごとではない」ということを正しく認識してもらいたいものだと思う。

ちなみに,日弁連は,2008年11月19日,「ストリートビューに関する緊急集会」を開催している。

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2008年12月 2日 (火曜日)

ニュージーランドのブロードバンドISPが週末のアクセス集中でダウン

ニュージーランドのオークランドにあるブロードバンドISPが,週末のアクセス集中によるシステム障害により接続不能となり,約50万人の顧客がネットを利用できなくなったが,その損害の賠償をしないことについて問題となっているようだ。

 500,000 customers hit by Telecom broadband blackout - but no word on compo
 National Business Review: December 1 2008
 http://www.nbr.co.nz/article/500000-customers-hit-telecom-broadband-blackout-no-word-compo-38465

とかく,通信会社やISP等は,「ネットの利用なくしてビジネスの成功はない!」といったような宣伝をして顧客を獲得しておきながら,いざ障害が発生すると何も弁償をしようとしないのが普通だ。

もちろん,約款には用意周到に「弁償しません。」と書いてある。しかし,約款をきちんと読んで契約する者はほとんどいないし,「まさか自分が利用しているISPがそのようなことになるわけがない」と根拠のない信頼を置いてしまっていることがある。システム障害であれば,いずれ時間がたてば回復するかもしれないが,経営破綻や破産の場合には,それっきりになってしまうのに,自分だけはそのような災難とは無関係だと根拠なく信じている人々が圧倒的多数となっている。だから,本当にそのような事態に遭遇すると慌てふためくことになる。しかし,その時になってやっと,自分の目の前には約款という強固な壁が冷酷に立ち塞がっているということの本当の意味を知るのだ。

このような問題については,日本国の法制に関する限り,全く弁償しないという条項は消費者契約法によって無効であるので,顧客が消費者である場合には,完全に免責になることは法律上はあり 得ないことになっている。けれども,顧客が企業である場合には,その顧客は消費者ではないので,自己責任ということになる。

なお,将来の問題としては,このような根拠のない信頼が発生することを防止するために,広告規制のようなものが必要になってくるかもしれない。例えば,未来の商業宣伝広告は次のようなものでなければならなくなっているかもしれない。

「わが社のシステムはいつシステム障害等によりサービス提供を停止することになるか予測できませんし,常にサービス提供ができるということは一切保障しません。サービス停止中は,あなたの仕事や娯楽のための重要な手段が消滅してしまうかもしれないことを予め覚悟してください。そのことを覚悟した上で,あなたにとってネットを利用することによる利点はたくさんあります。例えば・・・」

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刑務所に服役していた者が刑務所のシステムに違法アクセスし,服役者の情報等を取得

刑務所に服役してた者が刑務所のシステムに違法にアクセスし,服役者の情報などを取得したとして検挙された。刑務所のシステムにおける情報セキュリティの弱さが指摘されている。

 Former inmate accused of hacking prison IT
 ZD Net: December 1st, 2008
 http://blogs.zdnet.com/projectfailures/?p=1158

日本の刑務所においても,服役して出所した後の社会復帰のために,服役者に対してIT教育を実施しているところがある。その場合に用いられているシステムがどのようなものであるのかは知らないが,もしネットワーク接続できるタイプのものであるとすれば,服役中にハッキングの方法を学習してしまうことはあり得るだろうと思う。 日本の刑務所は大丈夫なのだろうか・・・?

[追記:2008年12月5日]

下記の記事を見つけたので,追記する。

 塀の中にも流行の仕事 刑務所職業訓練にエステ、CAD
 産経ニュース: 2007.12.30
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071230/trl0712300152000-n1.htm

 日本ユニシス、民間刑務所の受刑者に職業訓練を提供して正社員に採用
 Nikkei BP Net: 2007年10月19日
 http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz07q4/548772/

 民間刑務所で Ruby によるソフトウェア開発者を養成、アウトソーシング業務を
 japan.internet.com: 2007年5月1日
 http://japan.internet.com/busnews/20070501/3.html

[追記:2008年12月6日]

刑務所の看守が受刑者またはその関係者と深い関係を持ったり,そのような者に便宜を図ったりしたという事例が結構たくさんあったはずなのだが,ネットで検索してみると非常に多くの記事がなぜか削除されてしまっていた。現時点でも検索可能な記事を探してみたら,次のような記事がみつかった。

 受刑者に便宜、看守に処分
 岩手放送: 2008年12月5日
 http://news.ibc.co.jp/item_4823.html

 受刑者に菓子与え懲戒処分/滋賀刑務所の男性看守
 四国新聞社: 2007/01/30
 http://news.shikoku-np.co.jp/national/social/200701/20070130000216.htm

 男性看守を減給処分 高知刑務所情報漏えい
 高知新聞: 2007年01月19日
 http://www.kochinews.co.jp/0701/070119evening01.htm

 ブログに収容者の情報/府中刑務所看守部長を処分
 四国新聞社: 2006/11/24
 http://news.shikoku-np.co.jp/national/social/200611/20061124000199.htm

 看守部長らが受刑者に便宜  金沢刑務所、6人処分
 共同通信: 2006/07/07
 http://www.47news.jp/CN/200607/CN2006070701002888.html

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VoIPに関する特許

米国ジョージア州にあるi2Telecomという企業に対し,VoIPのRTCレイヤに関する特許が付与されたようだ。

 i2Telecom Issued U.S. Patent #7,460,480 for Dynamically Adapting Transmission Rate of Packets in Real-Time VoIP Communications to Available Bandwidth
 Business Wire: November 25, 2008
 http://www.businesswire.com/portal/site/home/permalink/?ndmViewId=news_view&newsId=20081125005535&newsLang=en

この特許は,2005年にWIPOに申請されていた特許(WO/2005/086964) と同じ内容のものと思われる。

 (WO/2005/086964) DYNAMICALLY ADAPTING THE TRANSMISSION RATE OF PACKETS IN REAL-TIME VoIP COMMUNICATIONS TO THE AVAILABLE BANDWIDTH
 http://www.wipo.int/pctdb/en/wo.jsp?wo=2005086964

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2008年12月 1日 (月曜日)

オーストラリア:児童福祉団体がインターネット上の有害情報へのフィルタ強制導入を推進

インターネット上の有害情報に関しては日本でも随分と議論がなされてきた。そもそも何が「有害情報」であるのかについては様々な見解があるのだけれども,理論的には,違法な情報とそれ以外の情報に分けるしかなさそうに思われる。そして,「それ以外の情報」の中には主観の相違によって有害であったり有害でなかったりするものも含まれるので,問題は簡単ではない。

しかし,いつまでも形而上学的な議論ばかりしているわけにもいかない。

この問題について,日本国政府は,関連する研究会での検討結果等を踏まえた上で,一定の判断指針を示している。

 内閣官房:インターネット上の違法・有害情報対策
 http://www.it-anshin.go.jp/

ここで採用されている有害情報対策としては,フィルタの導入,ISPレベルでの対応,相談等口の設置,モラル教育の推進等となっている。

現実には,人間社会がそもそも競争社会であるだけではなく,この世に生きているのが「まともな大人」ばかりではないという根本的な自己矛盾があるため,これらの有害情報対策を貫徹することは最初から不可能であると思われるし,完全に有効な対策であるとは思われない。しかし,少なくとも違法情報について,何もしないよりはいくらかの効果をあげることができるのではないかと思われる。

ところで,このような取組みは世界共通のものとして行われてきている。オーストラリアでの状況も同じような感じになっているらしい。最近のニュース記事の中で次のようなものを見つけた。

 Children's welfare groups slam net filters
 the age: December 1, 2008
 http://www.theage.com.au/articles/2008/11/28/1227491813497.html

このような世界的動向を踏まえた上で,今後検討すべき課題としては,インターネットは加害行為のための経路の一つに過ぎないということを明確に自覚・認識することではないかと思われる。携帯電話やモバイルを含め,インターネット以外にも様々な経路が存在する。

ただし,よくよく熟慮した上で対応するのでないと,逆に,より大きく深刻な問題が生じてしまうことがあり得る。何らの制約条件もなくどんどん制限を拡大していくと,結局,最後は「表現の自由」を含む人間の自由が何もなくなってしまいかねないからだ。

これらの問題との取組みは,結局のところ,「人間社会をどのように構築すべきか」という根本問題に帰着するのかもしれない。

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RFIDのプライバシー問題に関する新論文

Eleni KostaとJos Dumortierの「Searching the man behind the tag: privacy implications of RFID technology」という論文が公表された。この論文は,インターネット上で購入することができる。解説記事は下記のとおり。

 RFID Chips: A Privacy And Security Pandora's Box?
 ScienceDaily: Nov. 25, 2008
 http://www.sciencedaily.com/releases/2008/11/081118141854.htm

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2009 ADFSL Conference on Digital Forensics, Security and Law

the Association of Digital Forensics Security and Law (ADFSL)は,2009年5月20-22日に,合衆国バーモント州バーリングトンのChamplain Collegeでコンフェレンスを開催する予定だ。詳細は,下記のとおり。

 2009 ADFSL Conference on Digital Forensics, Security and Law
 May 20-22, 2009
 Champlain College, Burlington, Vermont, USA
 http://www.digitalforensics-conference.org/index.htm

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英国検察局(CPS)がプライバシー侵害の容疑でBTを捜査

英国検察局(Crown Prosecution Service (CPS))は,2006年~2007年に,ブリティッシュテレコム(BT)が顧客の同意を得ないで顧客の通信内容を探知したとの容疑で,BTに対する捜査を開始したようだ。

 CPS investigates BT over internet trials
 Telegraph.co.uk: 29 Nov 2008
 http://www.telegraph.co.uk/finance/newsbysector/mediatechnologyandtelecoms/3536001/CPS-investigates-BT-over-internet-trials.html

 ISP's secret opt-in advertising test draws the UK's ire
 ars technica: November 30, 2008
 http://arstechnica.com/news.ars/post/20081130-isps-secret-opt-in-advertising-test-draws-the-uks-ire.html

一般に,トラフィックデータについては,通信事業者がその内容を知らなければ通信の媒介をすることができないので,通信事業者は当然にその内容を知ることになるのに対し(ただし,知った内容について守秘義務を守らなければ,通信の秘密の侵害となる。),通信の実質的な内容であるコンテントデータについては,原則として,通信事業者がその内容を探知することが一切許されないと解されている。ただし,例外的に,通信当事者の事前の同意がある場合,または,情報セキュリティを確保するためなどの正当な理由があり,緊急避難または正当業務行為としてコンテントデータの内容を探知する場合には,その違法性が阻却されることになると考えるのが一般的だ。

今回のCPSによる捜査におけるBTの容疑は,情報セキュリティの目的などのような正当な理由に基づくものではなく,「顧客の通信内容を探知して顧客が訪問したサイト等の情報を得ることによって商業宣伝用のソフトウェアを機能させるためのテストをした」という容疑のようだ。

もしこの容疑が事実であるとすれば,BTが英国及び欧州のプライバシー保護関連法規に違反していたことになるだろうと思われる。

今後の事態の推移を見守りたい。

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テレビの時代は終わった

私が小さい頃,テレビは夢の電化製品の一つだった。

そのころ,町内でテレビを持っている人は金貸しの婆さんひとりだけだった。高利貸だったらしく,母は「そんなところに行っちゃ駄目」と言っていたけれども,私はこっそりとその家の庭まで出かけた。何しろ,縁側を開けて子供達にテレビを見せてくれるのだ。今から考えると,玩具同然の粗末な製品だったのだけれども,当時としては時代の最先端であり,金持ちの象徴であり,とにかく「すごい機械だ」と思って見つめていた記憶がある。

東京オリンピックの年には,私は小学生だった。校外授業で「カラーテレビ」なるものがあるから観に行くと先生が言うので,教室の生徒全員でゾロゾロと歩いた。そして,到着した場所はNHKの地方支局の建物だった。ちょうどレスリングの試合を放送しているところだった。

「カラーテレビというからには,さぞかし綺麗な映像が見られるだろう」と期待して出かけたのだったが,現実にそこに待ち受けていたのは失望だけだった。何しろ,普通の白黒映像のところどころが紫色や赤紫色になっているだけといった程度の粗末な機械に過ぎなかったからだ。

初期のカラーテレビがすべてこの程度のものだったのかどうかは知らない。しかし,私が生まれて初めて観たカラーテレビはそのようなものだった。

しかし,私の失望とは全く無関係に,その後,テレビは,どんどん進化し性能を向上させた。そして,画面サイズもどんどん大きくなった。

  「室内でも映画館のような臨場感」

これが大型テレビのセールスポイントだった。たしかに,そのような大画面化をめざす製品は大いに売れたと思う。近年の液晶テレビやプラズマディスプレイなどがどんどん大画面化をめざしたのは,その延長戦上にあることだと理解している。

しかし,ここで考えなければならないことがひとつだけある。それは「映画館のような臨場感」というセンスだ。このセンスが通用するのは,一定の世代に限定される。つまり,映画館世代でなければ,「映画館のような臨場感」を楽しみたいと思うことができない。

私の世代より古い世代は,まさにそのような世代だ。しかし,私よりも若い世代の人間は,基本的にテレビが映画館を滅ぼしていくという歴史的過程の中で生きてきた世代だ。つまり,彼らにとっては映画館内でのフルスクリーンで観る画面の感動など無縁だ。

映像コンテンツにしても,テレビ番組の中で溢れきっている。ケーブルテレビではとりわけそうだ。わざわざ映画館まで出かける必要など全くない。

要するに,そのような映画館とは無縁な精神構造の形成を促進してきたのは,まさにテレビ産業それ自身だったと言える。

このような精神構造の変化は,携帯電話,モバイル,ワンセグなどによって更に促進される。そして,いまや,フルスクリーンの大画面で映像を観る必要性を感ずる人は,非常に限られてきてしまっている。

以上のことは,テレビ産業それ自体がすでに衰退期の真っ只中にあるということを意味している。かつ,このことは,テレビのコンテンツがアナログ電波で放映されようとデジタル電波で放映されようと無関係のことであり,冷酷に進行している情報技術の進歩という歴史的な過程の一部に過ぎない。

現実に生きている若者の多くは,コンテンツをインターネットからダウンロードして観るものだと思っている。あるいは,コンテンツを取得するということは可搬型の小型デバイスを操作することを意味するのだと思っている。単にテレビ番組を見なくなっているだけではなく,ビデオテープやDVDを借りる人の数もどんどん少なくなってしまっている。

基本的に,彼らは,自分が観たいコンテンツを自分が観たいときに観たいのであって,しかも,番組予約のような面倒なことはしたくない。決められたプログラム(番組表)に自分のタイムスケジュールを縛られて行動したくないと思っている。モバイルで好きなときに好きなコンテンツを楽しみたいのだ。毎年暮になると紅白歌合戦を楽しみにした世代は,それくらいしかフルセットの歌謡娯楽がなかったからそうしたのであって,コンテンツが満ち溢れている現代では,もはや単なるお仕着せに過ぎなくなってしまっている。

 「なぜ紅白に分かれて対戦しなければならないのか?」

それは,源平合戦を学校で必死になって覚えた世代にしか分からないことになってしまったと言える。今となっては,そのようにして合戦することについて,何らの必然性も合理性も存在しない。

これからの世代の人々は,自分が好きな時に自分が好きなコンテンツを自分のモバイルで楽しむのであって,他人からのお仕着せには一切応じようとしないだろう。

このことは,放送のコンテンツがプログラム(番組表)に従って配信されるという基本的なビジネスモデルそれ自体が完全に崩壊してしまっていることを意味する。

しかも,そのようなオンデマンドによるコンテンツの配信を積極的に進めてきたのは,実はテレビ産業自身だった。

結局のところ,テレビ産業がこれまでやってきたことは,自滅への道に過ぎなかったと言わざるを得ない。

地上波デジタルが不振だと報道されているが,それは当たり前のことだと思う。

私の予測では,放送産業が復活することはないだろう。

放送と通信は融合するのではない。放送が消滅するだけなのだ。

日本国政府は,政策を誤ってはならない。

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情報セキュリティに関するサイバーエデュケイション

米国フロリダ州では,州務長官(Attorney General)が中心となって,中学生及び高校生に対し,インターネットを通じた情報セキュリティ教育を実施している。2008年1月から11月までの間にその授業を受けた生徒の数は7万5000人に及んでいるとの報道があった。

 Florida Education Commissioner Announce Statewide Cybersafety Challenge
 Attorney General of Florida: January 17, 2008
 http://myfloridalegal.com/newsrel.nsf/newsreleases/28B0D7A922D6918C852573D3006D4DF7

 75,000 students get 'cyber education'
 pnj.com: November 26, 2008
 http://www.pnj.com/article/20081126/NEWS01/81126017

この教育プログラムは,全部で50分ほどのものであり,インターネット上でリアルタイムで実施されるものだという。

日本でパラレルを想定するとすれば,都道府県知事が中心的な責任者となり,自治体警察のサイバーポリスが企画・実施するインターネット経由の情報セキュリティ教育プログラムという感じになるだろうか。

それにしても,中学生や高校生に対して分かりやすいコンテンツを50分番組として構成することはかなり大変なことではないかと思う。

ともすると,どこかの権利保護団体の後押しによって「コンテンツの違法コピーはやめましょう」のような番組だけになってしまいがちだ。もちろん違法コピーはよろしくないし,そのことを生徒達に教える必要はある。しかし,もし本当にそれだけで満足しているのだとすれば,いかにも貧しい知能しかない国民を育てることになってしまう危険性がある。

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青少年がネット賭博の餌食になる危険性

ネットで調べものをしていたら,興味深い記事をみつけた。米国での話題なのだが,警察は,「青少年をネット賭博(ギャンブリング)に誘い込み,潜在的な餌食にしてしまおうとする動きがある」と警告しているというのだ。

 Guard Your Kids Against Online Gaming Predators
 KGET.com: 11/24/2008
 http://www.kget.com/news/local/story.aspx?content_id=6a1531c2-a6a7-4797-b8c3-95f4925baaae

日本の場合,賭博は,原則として,禁止されており,刑法によって処罰される。

*******************************

第185条(賭博)
 賭博をした者は,50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし,一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは,この限りでない。

第186条(常習賭博及び賭博場開張等図利)
1 常習として賭博をした者は,3年以下の懲役に処する。
2 賭博場を開張し,又は博徒を結合して利益を図った者は,3月以上5年以下の懲役に処する。

第187条(富くじ発売等)
1 富くじを発売した者は,2年以下の懲役又は150万円以下の罰金に処する。
2 富くじ発売の取次ぎをした者は,1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
3 前二項に規定するもののほか,富くじを授受した者は,20万円以下の罰金又は科料に処する。

*******************************

したがって,日本での環境だけを考える限り,あまり問題なさそうに思われるかもしれない。

しかし,これまでも世界的な規模での宝籤詐欺のようなものがあり,日本でも被害者が発生したことがある。英語だけではなく,日本語でもその詐欺メールが大量に出され,この私のところまで届いたものが何通もある。

詐欺でなくても,闇の世界でのトトカルチョはいくらでもあり,ずいぶん前のこととはいえ,相撲賭博や野球賭博の現場を目撃したこともある。きっと今でもあるだろうし,闇のサッカー賭博やオリンピック賭博のようなものも存在するのに違いない。

それがネット上で行われていないという保障は何もない。

また,賭博が禁止されているとはいえない国(州)も存在し,英語ができればそのようなサイトにアクセスして賭博に参加してしまうことはあり得ることだろうと思う。

そうなると,日本人の青少年についても,同様のことが絶対にないとは言い切れないだろうと思う。

ちなみに,成人はどうなるかというと,保護の対象ではなく,「自分で考えて行動し,自分の行動の結果について自分で責任を持ちなさい」と言うしかない。(笑)

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オンラインゲームサイトがサイバー犯罪の標的にされつつある

オンラインゲームそれ自体は,単なるゲームに過ぎない。その世界の中で得られるマネーはあくまでもバーチャルなものだ。しかし,ゲームのアイテムが現実世界で換金可能であるとすれば話しは変わってくる。リアルマネートレーディングがそれだ。このことは「オンラインゲームとリアルマネートレード」で既に書いた。

このオンラインゲームのサイトをターゲットとして,犯罪者は,ありとあらゆる手を使ってゲーム中のアイテムを手に入れ,それを現実世界で換金しようとする。最近,そのような傾向が顕著になってきているらしい。

 Cybercrooks making easy money from virtual worlds
 The Register: 20th November 2008
 http://www.theregister.co.uk/2008/11/20/virtual_world_fraud/

この問題を解決するための方法は幾つかある。

1:オンラインゲームのセキュリティを向上させること。しかし,あまり期待できない。オンラインゲームを運営する企業が危機感を抱く契機がない。

2:リアルマネートレーディングを禁止すること。しかし,これまたあまり期待できない。特別立法が必要になるだろう。

3:オンラインゲームそのものを禁止すること。しかし,ほとんど不可能。

というわけで,現実問題としては打つ手がほとんどなさそうなのだが,何か考えないといけないだろう。

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アンケート形式のフィッシング

マクドナルドのアンケートを装ったフィッシングの手口が発見されたようだ。

 マクドナルドをかたる偽サイト、個人情報を狙う
 ITmedia: 2008年12月01日
 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0812/01/news014.html

基本的には,振り込め詐欺と同じなのだが,奪い取られるものが「金銭」ではなく「情報」であることから,被害者の側における危険性の認識が乏しいかもしれない。また,これだけの不況の中にあるので,少しでも何らかのサービスの提供がありそうだとなると,あまりよく考えないで食いついてしまう者もあるかもしれない。少なくとも,犯人は,そのあたりを狙ってこのような手口を考え付いたのだろうと想像する。

ということは,今後,類似の手口によるフィッシングやネット詐欺などがたくさん出てくる可能性があるということを示唆している。

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裁判員の参加する刑事裁判に関する法律101条違反の効果

裁判員候補者として選任された通知を受けた人がインターネット上のブログや電子掲示板等にその事実を記載したことが裁判員の参加する刑事裁判に関する法律101条に違反するのではないかということが話題になっている。

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律101条は,次のように定めている。

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第101条(裁判員等を特定するに足りる情報の取扱い)
1 何人も,裁判員,補充裁判員,選任予定裁判員又は裁判員候補者若しくはその予定者の氏名,住所その他の個人を特定するに足りる情報を公にしてはならない。これらであった者の氏名,住所その他の個人を特定するに足りる情報についても,本人がこれを公にすることに同意している場合を除き,同様とする。
2 前項の規定の適用については,区分事件審判に係る職務を行う裁判員又は補充裁判員の職にあった者で第八十四条の規定によりその任務が終了したものは,すべての区分事件審判の後に行われる併合事件の全体についての裁判(以下「併合事件裁判」という。)がされるまでの間は,なお裁判員又は補充裁判員であるものとみなす。

********************************

この条項の解釈は,比較的明らかであると思われる。

まず,101条の制定趣旨(立法趣旨)であるが,101条は,「第六章 裁判員等の保護のための措置」という章の中にある。したがって,101条は,候補者以外の者が候補者の氏名等を公表することにより,候補者に圧力をかけたり,不正行為をするように唆したり,正当な理由なく辞退したり,候補者に危害を加えたりすることを防止しようとする趣旨であることが明らかだ。つまり,101条1項にある「何人」とは,もともと「候補者」自身を含まない趣旨だと理解することができる。

しかし,文言だけから解釈すると,「何人」とは日本国の国家主権が及ぶ者すべてを指すことになるから,候補者自身を含め,日本人及び日本国の領土内に所在するすべての者と解釈せざるを得ない。おそらく,最高裁と法務省はこのような解釈を採用するだろうし,異なる解釈を前提にして何らかの訴訟を提起したとしても,裁判所が異なる解釈を是認する可能性はほとんどない。

以上の認識を前提に,候補者自身が「候補者となった」という事実を公にした場合の法的効果について考えてみた。

まず,直接の罰則はないようだし,候補者の段階で「みなし公務員」とする条項も存在しないようなので,裁判員候補者が自らその事実を公にしたとしても,そのことのみを理由にして処罰されることはない。

次に,裁判員としての選任手続においては,虚偽の陳述をすることが許されないので,自らが裁判員の参加する刑事裁判に関する法律101条に違反する行為をした場合には,そのことを正直に申告しなければならない。そして,そのような申告があった者については,法律を遵守しない者であることが明らかであり,かつ,守秘義務を守らない可能性があることから,その者を裁判員または補充裁判員として選任してはならない。そのような法律上の義務を遵守することができない者または遵守しようとしない者を裁判員または補充裁判員に選任することは,明らかに違法である。

更に,もし候補者が自ら「候補者となったこと」を公にしたことによって,誰かから何らかの侵害行為を受けた場合,そのような場合であっても,その候補者は加害者に対して不法行為に基づく損害賠償請求をすることができる。ただし,そのような結果を招いた原因が,自ら事実を公にしてしまったことにある場合には,自ら招いた侵害行為であることから,少なくとも50パーセント以上の過失相殺をすべきである。事案によっては100パーセントの過失相殺をすべき場合もあるかもしれず,そのような場合には,請求棄却の判決をすべきことになる。

ちなみに,法律上の義務違反行為があるという理由で,国が裁判員候補者に対して損害賠償請求をすることができるかどうかについても一応検討してみた。しかし,そのような場合に,国が裁判員候補者に対して損害賠償請求をすることは,まさに権力の濫用そのものであり,許されるべきことではないと考える。同様に,単に法律上の義務違反行為があったということだけで業務妨害罪に該当すると考えることにも無理がある。もし,そのような理由で業務妨害罪で公訴の提起をするとなれば,まさにその公訴の提起それ自体が権力の濫用であり,これまた許されることではない。もともと正当な理由があれば辞任することができる制度であるので,損害賠償請求または業務妨害罪等に基づく起訴によって威圧・強制することを許容するような制度設計にはなっていないし,候補者であることを法律上の義務として沈黙させて「表現の自由」の一部を奪うことに対する代償として国から一定額の補償金の支払いがなされるような仕組みにもなっていないので,国から候補者に対する損害賠償請求または業務妨害罪等に基づく起訴によって威圧・強制することを許容するように制度設計することは,日本国憲法に違反することだと考える。加えて,事後的に,「江戸のかたきを長崎でうつ」の如く,税制上,警察上,社会保険上その他の国の業務遂行上で,当該候補者に対して不利益な取扱いをすることは決して許されることではない。もしそのような候補者に対して何らかの不利益な取扱いをすべきだと国会が判断する場合には,法律の中で明確に罰則を定め,その限りにおいて,罪刑法定主義に基づいて不利益な取扱いをすべきである。

ざっと検討してみると以上のようになると思われる。これをまとめてみると,次のとおりとなる。

1 裁判員候補者となった者が裁判員または補充裁判員として選任されたいと思うのであれば,あるいは,裁判員としての職務を遂行を国民として誠実に遂行したいと考えるのであれば,決して自らその事実を公にしてはならない。

2 裁判員候補者となっていることが他人に知られることによって何らかの不利益や侵害行為を受けたくないと考えるのであれば,決して自らその事実を公にしてはならない。

3 裁判員候補者となった者についてもし万が一にも何らかの侵害行為が発生した場合には加害者に対して損害賠償請求をしたいと考えるのであれば,自らその事実を公にしてはならない。

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総務省:児童ポルノに対する対策を強化

ブラジルのリオデジャネイロで開かれていた「第3回子どもと青少年の性的搾取に反対する世界会議」では,日本国がさんざんこきおろされたようだし,それに先立ち,ユニセフ等からもさんざん非難されてきたことの結果かどうかは知らないが,総務省は,児童ポルノ問題対策としてISPと協力しながら,児童ポルノへのアクセスを阻止するための方策を強化することになったようだ。

 総務省:インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会
 http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/internet_illegal/index.html

 児童ポルノの閲覧をISPが一律ブロック、2009年度に実証実験を
 Internet Watch: 2008/11/28
 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/11/28/21674.html

 ファイル交換ソフトで国境を越えた日本発児童ポルノ犯罪
 IT Pro: 2008/11/26
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20081125/319820/

 Third World Congress against Sexual Exploitation of Children and Adolescents
 http://www.iiicongressomundial.net/index.php

 UNICEF says Japan failing to control child porn
 Reuter: 11/03/2008
 http://www.safernet.org.br/site/noticias/unicef-says-japan-failing-control-child-porn

今後,児童ポルノ法の改正も予定されているらしい。ただし,昨今の政治状況等からすると,法改正問題が今後どのようになっていくかはかなり不透明だと言わざるを得ない。

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ウガンダ銀行で銀行員による巨額の不正操作事件

ウガンダ銀行で,銀行員が預金者のデータファイルにアクセスし,不正に送金処理をする方法などにより巨額の損失を発生させていたことが発覚した。日本国の刑法では,電子計算機使用詐欺罪に該当する犯罪に類似する犯罪行為のようだ。

 Fraud spreads in Uganda’s banks
 Sunday Monitor: November 30, 2008
 http://www.monitor.co.ug/artman/publish/sun_news/Fraud_spreads_in_Uganda_s_banks_75973.shtml

ウガンダ銀行の経営者は,当初,外部の者による犯行ではないかとの声明を出していたようだが,綿密な調査の結果,銀行員による内部犯行であることが突き止められた模様だ。

ウガンダは日本から随分と離れている国なので,日本人にとっては馴染みの少ない国かもしれない。しかし,同様の手口による犯罪は,日本でも非常に馴染み深い犯罪類型に属する。

過去の事件の中で最も有名な事件としては,三和銀行事件がある。この事件では,深い関係になった男性から依頼された女子銀行員が巨額の預金を不正に送金処理した後,海外に逃亡したけれども,待っていた男性が女子銀行員と合流することはなく,放置された女子銀行員は極めて悲惨な生活を送った後に帰国して処罰されたのだが,非常に美しい女子銀行員の犯罪ということで当時週刊誌でも大いに取り上げられたものだった。

その後,類似の銀行犯罪が多発した。東海銀行事件では,お金に困った銀行員が外部の暴力団員から借金をしていたところ,その暴力団員から脅され,ネットバンキングシステムの中枢システムにアクセスするためのIDとパスワードを教えるという出来事が起きてしまった。

これらの犯罪は,当時,「オンライン詐欺」と一般に呼ばれ,電子計算機使用詐欺罪が設けられる以前には詐欺罪として処罰されていた。理論的にきちんと整理してみると,本来であれば罪質として横領罪または窃盗罪の一種として扱うべき事案であったのではないかと考えられるが,当時の学問水準と立法の不備に起因して,どちらかというと非論理的な解釈がなされざるを得なかったと考えられる。このような法理論の未熟及び立法の不備という状態は今日に至るまで完全には解消されていない。

さて,こうしたオンライン詐欺は,過去のものだろうか?

私は,そうではないと考える。

まだ発覚していないだけで,銀行員による使い込み,貸し金や投資の焦げ付き,個人的な返済不能な程度の巨額の借財,横領や背任を唆す暴力団員等との交友,良からぬ政治家等に対する不正貸付けなどが潜在的には少なからずあるのではないかと思われる。それらの中には,親族や友人等が助力して弁償し,外部に明るみに出ないまま処理されてしまうものが多いかもしれない。しかし,昨今の経済状況の下では,親族や友人とて楽にしていられる者は少ないから,結局,銀行の財産に手をつけるような犯罪が再び増加する可能性はある。

人は,豊かであれば危険な犯罪行為に及ぶよりも大人しく従業員であり続けることを選ぶ。しかし,現実にリストラや倒産や吸収合併の脅威が目の前にあり,せっぱつまった状態に追い込まれれば,そして,目の前にお金の山があるのであれば,処罰されるかもしれないことを知っていても犯罪行為に走る者はあるだろうと思う。

経済問題は,単なる経済問題だけで終わるわけではないということを正しく認識する必要がある。

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米国:国防省のコンピュータシステムに対する攻撃

ロサンゼルスタイムズは,国防省のコンピュータシステムに対し,ロシアからと推定される攻撃があったとの報告を報道している。先ごろには中国からの攻撃があったとの報道があり,中国政府が憤慨して厳重抗議をしたということがあった。国際的な情報戦争にかかわることなので,真相が明らかにされることは永久にないだろう。

 Cyber-attack on Defense Department computers raises concerns
 Los Angels Times: November 28, 2008
 http://www.latimes.com/news/printedition/front/la-na-cyberattack28-2008nov28,0,1970897.story

日本の場合,米国の国防省に該当するのは防衛省ということになる。防衛省にも(当然のことながら)コンピュータシステムがある。しかし,防衛省のコンピュータシステムに対する攻撃があったかどうか,それに対して適切に対処できたのかどうかについては,国民に明らかにされることがまずない。例外として,機密情報が外部に漏えいしてしまったことがマスコミに見つけられてしまったような場合には,一定程度の対処と広報がなされる程度だ。

 秘密電子計算機情報流出等再発防止に係る抜本的対策について
 防衛省・自衛隊
 http://www.mod.go.jp/j/news/2006/03/28c.htm

米国政府については様々な批判はあるし,その大部分が当たっているとは思うけれども,少なくとも情報公開に関する限り,日本国よりは幾分かましなような気がする。

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ファイル交換ソフトによる情報流出

ファイル交換ソフトを介した情報の流出事故が相次いでいる。

 セクハラ相談:数十人分がネットに 都内の有名私大か
 毎日jp: 2008年11月30日
 http://mainichi.jp/select/today/news/20081130k0000m040105000c.html

 敦賀原発の処理データ、ネット上に流出…機密情報含まれず
 Yomiuri Online: 2008年11月28日
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081128-OYT1T00562.htm

 懲戒処分:職員7人を戒告 県、情報流出など /山形
 毎日jp: 2008年11月22日
 http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20081122ddlk06010119000c.html

 顧客情報最大1万2000件がWinny流出の可能性 - サン・ライフ
 Security Next: 2008/11/21
 http://www.security-next.com/009412.html

 ドラッグストアの顧客情報が委託先からWinny流出 - 愛知県と同時期の流出か
 Security NEXT - 2008/11/18
 http://www.security-next.com/009377.html

 ネット上 神奈川県立校生徒2千人の情報流出
 スポーツニッポン: 2008年11月13日
 http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20081113114.html

 顧客情報が委託先からファイル共有ソフトでネット流出 - NTT西
 Security Next: 2008/11/05
 http://www.security-next.com/009265.html

 個人情報の流出に関する追加情報について
 明治安田生命保険相互会社: 2008年10月30日
 http://www.meijiyasuda.co.jp/profile/release/2008/pdf/20081031.pdf

個人情報取扱事業者またはその従業員がファイル交換ソフトを使用して個人情報の流出を発生させた場合には,個人情報保護法20条または21条の義務違反となる。また,アウトソース先で同様に流出が生じた場合には同法22条の義務違反となる。

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第20条(安全管理措置)
 個人情報取扱事業者は,その取り扱う個人データの漏えい,滅失又はき損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。

第21条(従業者の監督)
 個人情報取扱事業者は,その従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては,当該個人データの安全管理が図られるよう,当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。

第22条(委託先の監督) 
個人情報取扱事業者は,個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は,その取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるよう,委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。

*****************************

問題は,そこから先だ。

個人情報保護法の違反行為があっても,主務大臣が速やかかつ適切に対処したという事例は,皆無であるとは言わないが,ほとんどなきに等しい。要するに,個人情報保護法は機能していない,または,同法を機能させるような能力をもった国家組織が実質的には存在していない。

また,企業経営者は,その従業員やアウトソース先でのファイル交換ソフトの使用を禁止する措置を講じていることが多いが,現実には,何も変わっていない。現実には,「念書」のようなものを交わすのがせいぜいで,実質的な監督はできていないし,やりたくても実際にはやりようがない。しかも,目下の経済危機の下ではその費用を捻出できない。

そして,くだらない音楽を聴き,他の通勤客に多大の迷惑をかけていても平気で通勤したり,仕事をしたりすることが習性のようになっている者,仕事用のPCを用いて当然のことのようにアダルトコンテンツなどをダウンロードしたり観賞することに何ら抵抗感のない者かどうかを人事担当者が見抜けていない。いったん採用してしまうと,そのような生活習慣をもっているからといって,それだけの理由で解雇することは不可能に近いことであるので,まず採用しないことが大事だ。しかし,その最初の採用の時点で間違ってしまっている。もし,企業経営者が,そのような文化に親和的な従業員を人事担当に選任しているとすれば,経営者の経営判断も間違っていることになるはずなのだが,実際には自己批判能力をもった経営者が非常に少ない。

加えて,世界中のIT業界では,更に大量にコンテンツを提供し続け,「コンテンツを日常的に消費することが良いことだ」と若い人々を洗脳し続け,かつ,そのために用いることのできる非常に安価で高性能なデバイスを提供し続けている。それでいて,そのようにすることが人々の文化と精神に対してどれほどひどい悪影響を与えているかを正当に自己評価しようとはしない。そのことを考えたくても,企業として,どんなことをしてでも収益を向上させ,生き残ることしか考えられないような状態にある。

個人情報の流出等によって精神的または社会的に被害を被った被害者がその損害賠償を求めて訴訟を提起しようとしても,裁判所が認定する慰謝料の金額が国民を嘲弄・愚弄しているとしか思えないくらい低額に過ぎることと,弁護士報酬の全額の支払いを訴訟費用としては認めないことから,実際には訴訟が紛争解決手段として機能していない。ADRでは強制力がない。法学者は絵に書いた紛争解決手段の観念的な図式だけで自己満足している。要するに,被害者は,実際には何も救済されない。

せめて,「加害者に罰則を」と思っても,個人情報保護法には,加害者を処罰するための仕組みがビルトインされていない。個人情報保護法における罰則は,あくまでも行政法規としての個人情報保護法に基づく主務大臣の命令違反行為について個人情報取扱事業者に対して適用される罰則のみとなっている。つまり,事業者である加害者を被害者が告訴・告発するための手段は用意されていないし,事業者でない加害者を処罰するための手段は何もない。

というわけで,この問題について考えれば考えるほど,限りなく暗澹たる気持になってしまう。

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セントルイス湾警察がサイバー犯罪者を検出するシステムを導入

セントルイス湾警察は,サイバー犯罪者がコンピュータを使って犯罪を実行したことを検出することができる新たなコンピュータ・システムを導入したようだ。

 New computer in the Bay to stop criminals
 WLOX.com: Nov 30, 2008
 http://www.wlox.com/Global/story.asp?S=9431585&nav=6DJI

このコンピュータ・システムのはForensic Recovery Of Evidence Device(FRED)と名づけられている。その詳細は不明だが,消去されたデータを証拠として復元したり,証拠となるデータが格納されたハードドライブをまるごとコピーしたりすることができるシステムのようだ。要するに,証拠探索・保存用システムということになる。

日本国の警察でも,同じような証拠の確保が試みられることが多いようだが,どのような装置を用いてどのように捜査活動がなされているかという捜査の実際については,国民の前に明らかにされていない場合が多い。警察庁のポータルサイトから提供される情報が,通常はマキシマムの情報となっている。

 警察庁セキュリティポータルサイト@police
 http://www.cyberpolice.go.jp/

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