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2008年12月 4日 (木曜日)

総務省:ICTビジョン懇談会

総務省では「ICTビジョン懇談会」という会合が開催されいる。その第1回会合の資料が公開された。

 ICTビジョン懇談会(第1回)議事要旨
 総務省: 2008年12月2日
 http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/ict_vision/pdf/081030_3.pdf

ICTは,Information and Communication Technologyの略語とされており,IT(Information Technoligy)の進化型として紹介されることが多い。しかし,電気通信分野(ITUなど)を覗いては,ICTは世界的に普及している「ことば」というではない。「ITという用語よりも先に廃れてしまうだろう」と,まともな学者の大半は信じている。マルチメディア,ニューメディア,ハイテクメディアなど,いまではほとんど廃れてしまった(当時流行の)用語は数多く存在する。

さて,この会議の報告書要旨を読んでみると,残念ながら,予想どおりの極めて空虚な内容となっていた。

情報技術は,手段に過ぎない。「その手段を使って何をしようとするのか」,「その手段によってどのようなビジネスを実現しようとするのか」など,手段を用いる目的を明確に認識し,その目的に即して議論や検討をすることが最も大事だ。

もちろん,手段それ自体について様々な議論をすることはできる。手段に用いられている技術の改良,手段として使用することによる副作用等の除去・抑制,情報通信それ自体を目的としている通信事業者に対する支援策など,様々な議論や検討は可能だ。

しかし,社会全体の中では情報技術が何らかの目的を実現するために用いられる手段の一つに過ぎないということ,そして,通信事業者のような情報通信それ自体を目的としている企業はその通信を利用しようとする顧客が存在しなければ絶対に成立しないのだということを忘れてはならない。

情報技術を使って達成すべき目標が何も自覚されてない空虚な状態の中で,何らかの景気振興について討論してみたとしても,結局,使い道のない「箱物」をいっぱいつくってしまい,そのあとの処理に困ることになるのと同じことになるのに違いない。

国費の無駄だと思う。

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