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2008年12月12日 (金曜日)

FSFEのガイドライン

かつて,フリーソフトやオープンソース等の定義について随分と議論をしたことがある。現在では,そのような議論を目にする機会があまりなくなってしまった。それは,無料で利用できるソフトウェアが増えてしまったこともあるのだろうけれど,実際に価値のあるフリーソフトやオープンソースは,かなり高度なものが多いだけでなく,ライセンス条件に従って他のアプリケーションに組み込まれて利用されていることが一般的になっていることなどから,コンピュータ科学とは無縁な一般ユーザにとってはほとんど関係のない世界に属するものとなってしまっているからかもしれない。しかし,フリーソフトにしてもオープンソースにしても,それぞれの利用条件が存在し,ライセンス契約も存在する。全く何らの制約もないソフトウェアというわけではない。そのために,ライセンス条件を遵守しない事例や誤解に基づく誤用などが発生することがある。このことは,特許のオープンソースでも全く同じだ。

欧州フリーソフトウェア財団(FSFE;Free Software Foundation Europe)は,このような問題に対処するため,ガイドラインを公表したようだ。

 欧州フリーソフト団体ら、ライセンス侵害報告・解決のためのガイドを発表
 SourceForge.jp: 2008年12月11日
 http://sourceforge.jp/magazine/08/12/11/0627250

最近,これから先10年後くらいには,ソフトウェアエンジニアが枯渇してしまうのではないかと思い始めている。それは,アプリケーションが高度化し,使い勝手の面でも向上してきたため,自分でチューニングしたり必要なモジュールを自作したりする必要がほとんどなくなってしまったからだ。そして,もし今後クラウドコンピューティングが主流になるとすれば,その利用者にとってソフトウェアを開発する能力など全く求められなくなってしまう可能性がある。このことは,ソフトウェア産業にとってかなり深刻な事態を生じさせる危険性がある。へたをすると,高度なソフトウェア開発技術を有するエンジニアは,サイバー犯罪者の中にしか存在しないといった状況が生み出されてしまうかもしれない。

一般に,人間は,不便な状況にあればこそ知恵を絞ってどうにか解決策を見出そうとする。逆に何の不便も感じない環境の下にあっては,とことん行き着くところまで怠惰になり能力を低下させてしまうことがある。

[関連記事]

 FSF、GPL違反で米Ciscoを提訴
 ITmedia: 2008年12月12日
 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0812/12/news071.html

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