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2008年12月 1日 (月曜日)

英国検察局(CPS)がプライバシー侵害の容疑でBTを捜査

英国検察局(Crown Prosecution Service (CPS))は,2006年~2007年に,ブリティッシュテレコム(BT)が顧客の同意を得ないで顧客の通信内容を探知したとの容疑で,BTに対する捜査を開始したようだ。

 CPS investigates BT over internet trials
 Telegraph.co.uk: 29 Nov 2008
 http://www.telegraph.co.uk/finance/newsbysector/mediatechnologyandtelecoms/3536001/CPS-investigates-BT-over-internet-trials.html

 ISP's secret opt-in advertising test draws the UK's ire
 ars technica: November 30, 2008
 http://arstechnica.com/news.ars/post/20081130-isps-secret-opt-in-advertising-test-draws-the-uks-ire.html

一般に,トラフィックデータについては,通信事業者がその内容を知らなければ通信の媒介をすることができないので,通信事業者は当然にその内容を知ることになるのに対し(ただし,知った内容について守秘義務を守らなければ,通信の秘密の侵害となる。),通信の実質的な内容であるコンテントデータについては,原則として,通信事業者がその内容を探知することが一切許されないと解されている。ただし,例外的に,通信当事者の事前の同意がある場合,または,情報セキュリティを確保するためなどの正当な理由があり,緊急避難または正当業務行為としてコンテントデータの内容を探知する場合には,その違法性が阻却されることになると考えるのが一般的だ。

今回のCPSによる捜査におけるBTの容疑は,情報セキュリティの目的などのような正当な理由に基づくものではなく,「顧客の通信内容を探知して顧客が訪問したサイト等の情報を得ることによって商業宣伝用のソフトウェアを機能させるためのテストをした」という容疑のようだ。

もしこの容疑が事実であるとすれば,BTが英国及び欧州のプライバシー保護関連法規に違反していたことになるだろうと思われる。

今後の事態の推移を見守りたい。

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