« 後見落語 | トップページ | アイコラ(アイドルコラージュ) »

2008年12月21日 (日曜日)

ベリサインの2009年予測

下記の記事が出ていた。

 社会インフラ攻撃やサイバー戦争が増加、VeriSignが2009年を予測
 Internet Watch: 2008/12/17
 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/12/17/21895.html

異論はない。そのとおりになるだろと思う。

ただし,べりサインのような企業の仕事に含まれていないリスクが他にもたくさんあることを忘れてはならないだろうと思う。それは,物理的な攻撃や戦争だ。その危険性は異常に高まっている。高度な技術を駆使してネットを攻撃するよりも,もっと簡単な方法でネットを破壊するやり方はいくらでもある。とりわけ物理攻撃がそうだ。そのような問題に対して,情報セキュリティの専門家は,(残念ながら)無力だろうと思う。そのような問題に対しては,公安や警察や軍隊がしっかりと対応しなければならない。


[物理攻撃に関連する記事]

 NTT東日本:世田谷ケーブル火災(昭和59年11月)
 http://www.ntt-east.co.jp/saigai/taisaku/case_06.html

 石見利勝,糸井川栄一「世田谷ケーブル火災の被害について」
 http://ci.nii.ac.jp/naid/110004226062/

 IP電話サービスの損害賠償
 IT Pro: 2006/11/30
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20061127/254871/

 昭和54年版犯罪白書:新東京国際空港反対闘争事件
 http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/20/nfm/n_20_2_1_2_1_2.html

 「おたすけ自動販売機」に3度目の落書き
 日刊スポーツ: 2008年12月7日
 http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20081207-437728.html

|

« 後見落語 | トップページ | アイコラ(アイドルコラージュ) »

コメント

キメイラさん コメントありがとうございます。

通信回線についての米軍の考え方は徹底していますね。情報セキュリティを考える上で参考になることが少なくないです。実際には米軍でさえ「間抜け」な失敗がたくさんあるということは事実ですけど,これまた研究対象になるという意味で価値ある失敗だと理解しています。
しかし,軍事関係について研究したりすると,すぐに「オタクか?」と言って馬鹿にされたり,「右翼か?」と言って警戒されたり,「軍国主義者か?」と言って攻撃されたりします。けれども,軍事と諜報についてきちんと勉強し理解することは,情報セキュリティの基礎中の基礎ですね。そのような研究をしようとしない人またはそのような研究をするだけの能力を有しない人は,少なくとも情報セキュリティに関しては本当は「ど素人」なのだと信じています。
かつて,内閣府の某委員会の委員として情報セキュリティ政策関連の報告書をまとめる仕事をしていた際,「フェイルセーフ」及び「カルチャー・オブ・セキュリティ」という文言を入れることを提案し,採用されました。その際には,当然のことながら,アルパネットから今日に至るインターネットの軍事面を念頭において提案しておりました。ただし,世間では,「アルパネットは軍事目的のシステムではない」と固く信じている人が圧倒的に多いようですね。
もし日本国憲法に「平和主義」を掲げるだけで現実に世界が平和になるというのなら,それほどすばらしいことはないと思います。しかし,「平和」という文字は単なる文字に過ぎないです。それを実現するための行動をするのは人間ですし,戦争や攻撃の脅威が存在することを認識し適切に対処するのも人間です。私はバートランド・ラッセルなどと同じような意味での「平和主義者」ですが,世界には「平和であっては困る」と考える人々がいくらでもいることを知っています。そのような人々との間では平和的な手段で会話し問題を解決することが原理的に不可能であることがあります。そして,人間は誰でも欲望のかたまりであり,その欲望の中には支配の欲望や殺戮・破壊の欲望もあり,さらに,たいていの場合には自分の価値観に基づいてものごとを理解することしかできないという当たり前過ぎることをすべての人々が認めるべきでしょう。その上で,すべての組織や制度を考えていくべきだと考えております。
とは言っても,このようなタイプの発言をする人がかなり少数派に属することは事実だと思います。世間では,本当は腹の中では分かっていても,表向きは口あたりの良いことだけ言ってその場をやり過ごすことができるような「大人」のほうが賢いということになっておりますし・・・

投稿: 夏井高人 | 2008年12月22日 (月曜日) 07時31分

>夏井先生
 連投失礼します。o(_ _*)o
 私も能天気文系日本人から同様の批判を全身に浴びています。
 しかし,インターネットの先祖アルパネット(正確にはDARPANETで後に狭義のミルネットとして独立)は,そもそも,超長波(シャングリアン・プロジェクト・ライン)・500kHz長波モールス特殊A2(両サイドバンド独立型暗号A2)・中波FEN暗号A3H(現J3A)・VHF~(中略)~MILSatGHzまで多重防護でガチガチですら飽き足らず,どのラインも妨害途絶したことを考えてMCA通信(最終核攻撃最優先至急指令国家指揮権限通信)として構築されたことを考えると,いつもネットは容易に破壊されると考える必要があると思います。
 電磁パルス核兵器(EMP)攻撃を考えて,海底ケーブルを光ファイバーに代替させることに焦った米国の物流作戦も,グアム・サイパン分岐やオーストラリア迂回そして千倉陸揚地点変更に当時のKDDが振り回されたのは,一部のマニアでは記憶に新しいところです。
 ただの考え過ぎで済めばいいのですが,ネットは切断されても大丈夫な多重防護に多重防護を重ねた迂回路が基本だと確信してます。

投稿: キメイラ | 2008年12月22日 (月曜日) 01時14分

キメイラさん コメントありがとうございます。

私の実感も全く同じです。寒気がします。

このブログで,昨日,海底ケーブル切断によるインターネット途絶に関するBBCの記事を紹介しました。このケーブル切断が人為的なものかどうかは分かりません。しかし,各国によるソマリア沖海賊退治のための軍艦派遣が決まってからすぐに発生した出来事であることがちょっと気になります。

インターネットって,それ自体としてかなり脆弱な存在なんですよね。そのことを分かった上で利用しないと大変なことになってしまうだろうと思います。

多くの方々から「心配し過ぎだ」とか「営業妨害だ」とか「あり得ない」とかご批判を賜っておりますが,私がクラウドコンピュータや大規模なストレージなどに情報資産をまるごと預けてしまうことに危惧感をもつのは,このようなことに由来しているんですよ。

正直言って,過去の歴史に学ぼうとしない迂闊な人が多すぎるというのが実感です。

おそらく,今後,物理攻撃が多発することになるだろうと思います。その中には政治的背景を有するものもあるでしょうけど,そうでないものも多数含まれることになるんじゃないかと予測しており,かなり怖いです。

投稿: 夏井高人 | 2008年12月21日 (日曜日) 12時00分

>夏井先生
 私も原典は世田谷ケーブル火災による長期間通信途絶です。リアルタイムで見ていた最後の世代の方ですが,某全銀協のXXXがXXとなったことで戦慄を覚えました。
 メタルケーブルは,不燃加工したものでも,被覆部分と接続部分(ハンダ付け又は圧着端子)を含め高熱と酸と水に弱いので(光ファイバー網でも接続部分はメタルですし),総延長に見合った対策費には頭が痛くなります。
 それに,これもリアルタイムで見ていた成田空港管制ケーブル切断テロまで考えると,物理的侵入対策も費用が(以下略。
 便利な電脳網の普及は,脆弱性の網を全国にばらまくこととのトレードオフだと思います。o(_ _*)o

投稿: キメイラ | 2008年12月21日 (日曜日) 11時48分

キメイラさん コメントありがとうございます。

おっしゃるとおりなんですよね・・・

私としても,「その対策は(以下絶対に割愛)」・・・です。(笑)

なお,法律家の立場としては,例えば,随分昔にあった世田谷ケーブル火災事件のような事件のことを忘れてはならないと思っております。警察などでも同じですね。それらの問題に対する意識が一般に非常に低いという点については,深く憂慮しております。

投稿: 夏井高人 | 2008年12月21日 (日曜日) 10時12分

 以前に,私的な逆説サイバーテロ研究ブレーンストーミングをやったところ,当時のSEやアドミン達は,みなテロリストに成りきって即座に,センターサーバ設置場所の電源回りや非常用電源(発動発電機)への物理テロばかり提案してました。
 「電源途絶えたらタダのガラクタ」「ネットのパケット血流は電源という心臓ポンプで生命維持されている」「非常電源用の大容量バッテリーや発電機は大抵XXXにあってXXXXに弱いから誰でも手に入るXXXを使えば(以下略)」という意見が大勢でした。
 サイバー「戦争」らしい意見でも「EMPで真っ先に電源回りのコイルが焼き切れれば。定電圧電源にしろ,変圧器にしろ細いメタルケーブルの塊で蒸着すれれば長期間使用不能。もちろんCPUやメモリも過大電流で飛ぶけど」というものでした(大汗。
 その対策は(以下絶対に割愛)。

投稿: キメイラ | 2008年12月21日 (日曜日) 09時23分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ベリサインの2009年予測:

« 後見落語 | トップページ | アイコラ(アイドルコラージュ) »