« 墓石のプライバシー | トップページ | 裁判員制度:早くも問題発生 »

2008年11月30日 (日曜日)

米国におけるサイバー犯罪被害の報告義務

米国においては,サイバー犯罪による被害に遭遇した場合,最寄の警察署などに報告しなければならないことになっているようだ。

 UNITED STATES: Reporting Computer, Internet-Related, or Intellectual Property Crime
 iBLS: November 25, 2008
 http://www.ibls.com/internet_law_news_portal_view.aspx?s=sa&id=1474

日本では,不正アクセスやコンピュータウイルスによる攻撃を受けた場合,IPAに報告しなければならないことになっているが,実は,この報告義務は法律上の義務とは言い難い面がある。

今後,日本において法制がどのように変わっていくのかについては不透明な部分があるが,もし報告義務を法的義務として定めるのであれば,できるだけ報告しやすいような組織上の仕組みを構築する必要があるだろう。

現在ある類似の仕組みとしては,スパムメールの申告制度があるが,申告しようと思っても手順が非常に煩雑であり,その気を喪失させるのに十分過ぎるくらいだ。おそらく,偽の申告やいたずらなどを防止する趣旨だろうと思うけれども,そのような点を考慮してもなお,国民にとって非常に分かり難く面倒な仕組みになっていることは否定できない。改善が必要だ。

|

« 墓石のプライバシー | トップページ | 裁判員制度:早くも問題発生 »

コメント

koneko04さん こんにちは。

日本では,警察に申告すべき義務というものはないと思いますが,各自治体警察毎にサイバーポリスというものがあって,そこでサイバー犯罪に関する捜査をすることになっているので,任意に被害届や告訴状等をすることは可能だと思います。

ただし,現実には,現場の警察官に事件処理能力が欠けているために,本当はサイバー犯罪の事案なのに「民事不介入」と言って被害届や告訴状の受理を拒まれたという事例が多数あると聞いています。

これは,警察庁及び各自治体の警察本部長の怠慢(警察官に対する教育・訓練の著しい不足)に起因するものと考えております。しかし,現実問題として,すべての警察官に対して高度な情報セキュリティ関連の知識を覚えこませ,サイバー犯罪に関する法理論と警察実務を覚えこませるのは不可能です。したがって,普通の交番勤務の警察官を含め,どの警察署であっても,もしサイバー犯罪と関連しそうな事件について被害届や告訴状等が提出されたときにはサイバーポリスのセクションに直ちに連絡して適切な対応をすることができるような組織上の改善が必要なのではないかと思っています。

そのような組織上の改善と教育・訓練を経た上でなければ,もし仮に警察に対する申告義務を法律で定めたとしても何の意味もないことになってしまうだろうと思います。

別の記事でも書きましたが,EUでは警察と民間との間でのサイバー犯罪に関する情報共有が促進されるとのことです。日本の警察だけ置いてきぼりになってしまいそうなんですが,だからといって拙速に走るとロクなことがない。

なかなか難しい問題ですね。

投稿: 夏井高人 | 2008年11月30日 (日曜日) 15時31分

こんにちは、夏井先生♪

以前、地元のISACAのセミナーで、この話題が出ました。いきなりFBIなどにコネを使って連絡するよりも、地元の警察署に被害届を出すが大切だと参加者の一人が言っていました。

地元の警察に被害届を出すと、そこから郡や州、そして場合によってはFederalレベルにまで問題が報告されて対応があるのだそうです。

もし警察に届け出を出さないと、事件があったという記録が残らないので、いきなり上の方の機関で取り合ってもらうことは難しい。。。

ということだったと思います。

日本では警察に届けるのではないのですね。
国が違うと対応の仕方も違ってくるものなのですね。

投稿: koneko04 | 2008年11月30日 (日曜日) 14時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 米国におけるサイバー犯罪被害の報告義務:

« 墓石のプライバシー | トップページ | 裁判員制度:早くも問題発生 »