裏仕事詐欺
以前,「必殺仕事人」といった裏稼業を題材とするテレビ映画があった。結構面白く,「藤枝梅安」や「中村主水」と言ったキャラクターが人気を呼んでいたと記憶している。
このような番組が成功した原因は,もちろん俳優さんの演技が非常に優れていたということもあるけれども,それよりも世間では誰かに恨みを持つ人が決して少なくないことや,耐え難い理不尽な目にあっても我慢している人がたくさん存在しているという現実があるのだろうと思う。当然のことながら,内心では復讐したくなる。
そのような状況にあっても,ほとんどすべての人は,そのような気持ちを押し殺し,気分転換をはかったり忘れるための努力をしたりしながら生きている。そのような気持ちをもっているからといって,誰かに対して現実に復讐を依頼することまで考えることは,普通はないだろうと思う。
しかし,現実に目の前に「仕事人」のような人間が出現したとしたら,我慢してきた気持ちが抑えられなくなり,復讐を依頼するためにお金を払ってしまう人が出てきても不思議なことではない。
そして,そのような心理に目をつけた詐欺犯が発生してしまうこともまた自然の流れというものだろう。
下記のようなニュース記事が流れていた。
事件事故裁判:ネット詐欺被告に有罪判決 /大分
毎日jp: 2008年11月19日
http://mainichi.jp/area/oita/news/20081119ddlk44040626000c.html
しばしばネット上の仮想世界のことが話題になる。
この記事にある事件のようなネットを利用した詐欺事件は,手段としてネットを利用しているだけであり,現実世界に存在している詐欺事件だ。しかし,被害者が頭の中で描く仮想の「仕事人」というものが存在しなければ成立しない詐欺類型だというところに特徴がある。
きっと,今後も同種の詐欺事件が何度となく出現するのに違いない。
ちなみに,穂積陳重『復讐と法律』という古典的名著があり,岩波文庫等によって現在でも読むことができる。私は,勉強熱心な学生に対しては,その本を一読するように薦めてきた。
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